破風板

「破風板の劣化が目立ってきているので、そろそろ塗装を考えているけど、破風板に塗装って必要なの?そもそも破風板って?」

このように破風板の塗装について悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事では、破風板に関する悩みを解消するため基本的な知識から塗装に関することまで詳細に解説しています。
破風板の塗装についてお悩みの方は、ぜひご一読ください。

1. 破風板の基礎知識を身につけよう!

塗装を考える前に、まずは破風板の役割を知っておかなければなりません。
ここでは、破風板の基本的な知識について説明していきます。

1-1. 破風板とは

破風板

画像出典:http://www.weblio.jp/content/

破風板とは、屋根の内部や屋根瓦の下に雨風などが入ることを防止するために住宅の屋根の先端部分に取り付けられている部材です。

1-2. 破風板にもしっかりとした塗装を

破風板は、屋根・外壁と同様に雨風などの影響を強く受ける場所です。
ですので、屋根や外壁よりも早く劣化する場合もあります。
破風板だからといって塗料のランクを下げたり、塗装しないなどの判断は避けたほうがよいでしょう。
破風板本来の役割を果たせなくなることはもちろん、美観を損ねることにもつながりますので、屋根で使用する塗料と同様のもので塗装することをオススメします。

また、最近ではDIYも一般的になっていますが、破風板を塗装する際には業者に依頼するのが安心です。
理由としては、専門知識や技術がなければ、塗装しても塗料と素地がうまく密着せず、すぐに剥がれてしまうリスクがあります。
さらにハシゴをかけて高所でおこなう作業のため、落下してケガをする危険性も伴います。
破風板の塗装は業者に依頼するのが安心です。

1-3. 破風板の素材別特徴

①木材系

以前の住宅で最も使用率の高かった材質です。
他の材質と比較すると耐火性が低いことから、現在は窯業系や金属系の材質が主流になっていますが、築20年ほどの住宅ではまだまだ目にすることがあります。
材質が木であるため、屋根や外壁よりも早く劣化する場合があり、塗装によるメンテナンスが必要になります。
屋根・外壁のメンテナンス周期は一般的には10年とされていますが、破風板は前回の塗装から5~6年が
経過する場合は、一度業者に状態を診てもらうのが良いでしょう。

<ポイント>

木材部分への塗装は外壁・屋根と比べると長くもたない傾向があります。
木という性質上、常に呼吸を繰り返すことで素材自体が伸縮しており、塗膜の密着が剥がれやすいためです。
おすすめの塗料は、木材に浸透し余計な塗膜を作らないタイプのもの。
木の通気性を保ち、かつ呼吸を妨げないため塗膜の剥離がおきにくくなります。

【木部に適した塗料の例】

・キシラデコールフォレステージ
キシラデコール

画像出典:https://www.xyladecor.jp/products/xyladecor_forestage.html

メーカー大阪ガスケミカル
商品名キシラデコールフォレステージ

オスモカラー

osmo-420-25-main

画像出典:http://item.rakuten.co.jp/color-harmony/osmo-420-25/

メーカーオスモ&エーデル株式会社
商品名オスモカラー

②金属系

トタン製のものやガルバリウム鋼板などがこれに含まれます。
耐久性や美粧性に優れ、現在の住宅にも採用されることが多い材質になります。
高い耐久性がある一方で、熱に弱いという側面もあります。
万が一、火災があった場合などはその火の熱によって形状が変わってしまうことがあります。
トタン製のものは専用塗料での塗装が必要ですが、ガルバリウム鋼板は一般的にはメンテナンスは
不要とされています。

<ポイント>

金属系の破風板は塗装する際はサビ止めを塗り、鉄部専用下塗り材で塗装をおこないます。
鉄部にサビ止めを塗布しなければ、サビた部分からサビが広がり、耐久性を落とす要因になります。
必ずサビ止めを塗布してから鉄部専用の下塗り材を使用することが大切です。

【鉄部専用下塗り材の例】

・サーモテックメタルプライマー

1sa-motekku

メーカー株式会社アステックペイント
商品名サーモテックメタルプライマー

 

③窯業系

金属系と同様に、最近の住宅で高頻度で使用されている材質です。
よく使用されている理由としては耐久性・美粧性、さらに耐火性に優れている点があります。
ただ、主原料がセメントであるため木材系と同様に塗装によるメンテナンスが必要になります。
セメントは吸水性が高く、水による影響を受けやすい素材なので塗装で表面を保護することがとても重要です。

<ポイント>

窯業系の破風板の主成分は吸水性の高いセメントです。表面の防水性が低下することで水が破風板内部に浸入し、内部で凍結→膨張→爆裂を引き起こし表面にヒビ割れが発生します。
ヒビが入るということは、水の浸入経路をつくってしまうということになります。
このような事態を避けるためにも、築10年及び前回の塗装から10年以上経過する場合は、屋根・外壁と一緒に塗装を検討しても良いでしょう。

【窯業系に適した塗料の例】
・1液ファインウレタンU100

ファインウレタン
画像出典:http://www.amazon.co.jp/

メーカー日本ペイント株式会社
商品名1液ファインウレタンU100

2. 破風板塗装の費用相場

破風板の劣化状況や依頼する業者によって値段は変動しますが、一般的な相場を以下に記載します。

【破風板塗装の費用相場=800円~1300円/㎡】

破風板の塗装費用は㎡計算で出すのが一般的です。(mで計算する業者もあります)
ですので、仮に破風板の面積が30㎡の場合、塗装費用は24,000~39,000円となります。
費用を知るためのモノサシとして、ぜひ知っておいてください。

3. 破風板の「色」について

破風板の基礎知識を説明したところで、次は実際に塗装する際のポイントについて触れていきます。

3-1. 屋根・外壁の色に合わせるのが基本!

akiba-e12-01
画像出典:http://www.akiba-sekkei.com/e12.html

破風板の塗装を考える際、どんな色にするかは皆さんの悩みどころなのではないでしょうか。
基本的には、屋根または外壁の色に合わせて色を選択するのが良いです。
そうすることにより、全体的に統一感が生まれまとまった印象になります。
反対に屋根・外壁とまったく別系統の色を選ぶと、まとまりがなくチグハグな見た目になってしまうので
同系統の色や落ち着いた色味のものを選びましょう。

3-2. 汚れが目立つ白色は要注意

破風板白色
画像出典:http://sakaikita.protimes.info/blog-case/page/5/

明るく清潔なイメージのある白色ですが、破風板の塗装を白色でおこなうには少し注意が必要です。
1章でも前述したように、家の中でも破風板は雨や風などの影響を受けやすい場所です。
よって他の色よりも表面の汚れが目立ち、塗装してから早い段階で美観の低下をまねく場合があります。
外壁が白色の場合はそちらの色に合わせるのではなく、屋根と同色にすることで家全体に統一感を持たせるとよいでしょう。

4.破風板塗装の手順・使用するモノを解説

では、実際に業者がおこなう破風板塗装の手順について解説していきます。

4-1. 塗装で使用する道具

・マジックロン(ケレン用具)
破風板の旧塗膜やホコリの除去に使用します。
マジックロンの他にも、サンドペーパーを用いることもあります。

マジックロン
画像出典:http://www.monotaro.com/g/00167662/
・刷毛(はけ)
塗料を塗布する際に使用します。
業者によって、刷毛を使用するかローラーを使用するかは異なります。

刷毛
画像出典:http://www.askul.co.jp/p/8446492/

4-2. 塗装の手順

(1)洗浄
長年に渡って、破風板表面に付着したホコリや汚れを洗浄して取り除きます。

破風板洗浄
画像出典:http://kumamotom.protimes.info/blog/page/4

(2)ケレン作業
旧塗膜を削り、きれいに取り除きます。
この工程は塗膜の密着度を左右する非常に重要なものです。
旧塗膜を完全に除去できていなければ、密着が悪くなり早期の剥離に繋がります。

破風ケレン②
画像出典:http://www.kanaikenso.jp/blog5/4526.html

(3)下塗り
上塗り材との密着を高めるため下塗り材を塗布します。

破風木部専用
画像出典:http://www.house-make.net/blog4/matsuzaki/14270.html

(4)上塗り
上塗り材を2回に分けて塗布し、防水性を強化します。

破風木部仕上げ
画像出典:http://www.house-make.net/blog4/matsuzaki/14362.html

(5)完成
完全に乾いたら完成となります。

5. まとめ

ここまで、破風板の基本的な知識から塗装の工程までを解説しましたがいかがだったでしょうか。
屋根や外壁と比べると軽視されがちな破風板ですが、家を守る役割を果たしているのでしっかりと塗装を施すことが大切です。
破風板の役割をよく理解し、自分の家の破風板に適した塗料を選択しましょう。