耐震リフォーム基礎知識~地震から人命を守るには?~

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耐震リフォーム

昨今の地震被害を受け、「耐震リフォーム」に興味を持たれた方もいるのではないでしょうか。耐震リフォームとはその名の通り、家の耐震性能を向上させるために行うリフォームのことです。

地震大国と呼ばれる日本。ここ数年で東日本大震災、熊本地震と大きな地震が続きました。1995年の阪神淡路大震災では約88%の人が建物の倒壊で亡くなられたというデータもあります。この結果から分かるように、地震に備えて耐震化した家にリフォームする必要性は非常に高いのです。

そもそも耐震リフォームはやった方がいいのか、と疑問に思う方もいらっしゃるかと思います。
結論から申し上げますと、耐震リフォームは必ずやった方が良いです。耐震リフォームとは「建物」を守るために行うのではなく、「人命」を守るために行うものです。
人命を守るために、やってやり過ぎる対策はありません。

予算の都合で100万円以上かかる大規模な耐震リフォームができなくとも、例えば粘着マットにてクローゼットを固定し倒れてくることによる被害を防ぐ(本記事でも簡単にできる耐震リフォームDIYはいくつか紹介します)など、小さなことでもできる対策はたくさんあります。

本記事ではそんな耐震リフォームについて気になるけどよくわからない・・・という方のために、耐震リフォームの流れ、耐震リフォームの種類と費用、また簡単にできる耐震リフォームDIY方法もお伝えしますので参考にしてみてください。

 1. 耐震リフォームの流れ~耐震リフォームは大なり小なり確実に行うべき~

耐震リフォームは大なり小なり何かしらやるべきだ、とお伝えしましたが、そうは言っても何からすればよいのかわからない方が多いかと思います。ここではそんな気になる耐震リフォームの流れを解説していきます。

1-1. まずは自分でお家の状態をチェックしてみる

まずはご自宅について築年数・今までのメンテナンスについて把握しておいた方が良いです。こちらは必須ではありませんが、この次に行う、専門家による耐震診断の際にある程度対等に話ができた方が耐震リフォームの相談も迅速に進められます。特に下記項目については分かる範囲でも結構なので事前に調べておいてください。

☑2000年以前に建てられた家か
1981年6月に建築基準法が改正され、耐震基準が強化されました。震度7を記録した阪神淡路大震災では、1980年以前に建てられた家(旧耐震基準)は倒壊するなどの大きな被害を受けたにもかかわらず、それ以降に建てられた家(新耐震基準)は比較的被害が少なかったという調査結果だったのです。

また下記の国土交通省が出している「住宅の耐震化の進捗状況」からもわかるように、1981年6月以降に建てられ、耐震性のある住宅は現在82%にも及ぶという結果も出ております。

耐震化の進捗状況
画像出展:http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_fr_000043.html

しかし、この新耐震基準で建てられた家でも倒壊している家は少なくありません。対して、同じく震度7を記録した新潟県中越地震では、2000年(現在の耐震基準ができた年)以降に建てられた家についてはあまり被害を受けていないという結果も出ています。
以上の結果により、1981年6月以降に建てられても、2000年以前に建てられた家は耐震化されていない可能性があるのです。

☑1階に壁が少ない建物か
1階が店舗や倉庫、大きな窓ガラスで、2階を自宅にされている方は注意が必要です。
1階に壁部分が少なくなってしまっているので、耐震性の乏しい建物になってしまっており、1階部分だけ倒壊、という危険性があります。

☑老朽化した建物か
築年数が古いということではなく、シロアリ被害にあっていたり、土台や柱などが腐っていたり、雨漏りがしていたりと、家を支える部分に不安が出てしまっています。
構造上壊れる心配がないかも含め調査した方が良いでしょう。

大きな災害に見舞われたことがある
☑増築したことがある
☑傷んだところがある
☑建物の平面はどちらかというとLの字・Tの字など複雑な平面(長方形に近い平面ではない)
☑大きな吹抜けがある
☑2階外壁の直下に1階の内壁または外壁がない
☑1階外壁の東西南北各面のうち、壁が全くない面がある
☑屋根材は瓦などの比較的重いものを使っている
☑基礎は鉄筋コンクリートの布基礎ではない

上記チェック項目12個にて、当てはまったものが8個以上ある方は住宅の評点が1.0以下の可能性が高い(倒壊する恐れがある)為、早急に耐震診断をされることをお勧め致します。
※この簡易診断では地盤については考慮していませんので、地盤の影響については次の章で説明する耐震診断の際に専門家にお尋ねください。

1-2. 専門家による耐震診断

セルフチェックが終わったら、次は専門家によるチェック(耐震診断)をお願いしましょう。1-1でも記載したように、特に2000年以前に建てたお家は、一度耐震診断をすることをお勧めします。

前段で耐震リフォームは少なからず行うべきだとお伝えしましたが、その加減を見極める為にも必要なものになります。わたしたち人間も体調が悪いと感じたときお医者さんに診断してもらい、最善の治療法を決めるかと思いますが、建物も同じです。築年数や今までどのようなリフォームを行ってきたかを専門家に伝え、その上で家を見てもらい、どのような耐震リフォームを行うか判断する必要があるのです。耐震リフォーム工事はこの専門家による耐震診断の結果をもとに行います。

耐震診断は大きく分けて2種類あり、建物を壊さず目視で行う「一般診断」と建物の一部を壊して現況を調べる「精密診断」があります。
建物の一部を壊すのはちょっと…と思われる方も多く、より用いられるのが「一般診断」ですが、主な調査項目としておおよそ20個ほどの調査項目があり、その結果に沿って、構造的に弱い箇所を明らかにし、補強を行ったり外部からの取り付けを行ったりします。

よって耐震リフォーム=この工事方法、という決まりはなく、耐震診断の結果をもとにして、100の家があれば100通りの耐震リフォーム方法があるということなのです。

専門家による耐震診断を行ってもらうのに、まず必要な準備物ですが、「設計図書(工事を実施するために必要な図書で、設計の内容を示す書類。図面(設計図面)・設計書及び仕様書・その他の書類(現場説明事項書や構造計算書等)からなる)」です。通常「竣工図」として完工時に所有者に引き渡されています。また同じくその時に引き渡されているもので、建物が合法であることを証明する「確認済証」や「検査済証」も必要です。

耐震診断ですが、時間は2~3時間程度で、専門の診断士が主に下記箇所を中心に調査します。

☑各室の間取り
☑内壁の仕上げ
☑床の傾斜、柱の方向
☑床のきしみ、ひずみ
☑タイルのクラック
☑配管からの漏水調査
☑小屋裏筋交いの有無
☑小屋裏接合部金物
☑床下腐朽
☑基礎のひび、割れ
☑外壁のひび、割れ、浮き
☑瓦の割れ
☑沈下や陥没箇所
☑地盤の割れ

またこの診断の際に1-1で行ったご自身での簡易診断の結果を専門家に伝えると、よりスムーズにその後の耐震リフォーム実施に繋がります。

1-3. 耐震リフォームプランの決定・契約

耐震診断が終わると、診断結果について専門家から詳しく説明を受け、改修が必要な箇所を確認していきます。その上で予算や希望を伝え、耐震リフォームの実施計画と工事の設計書を作成してもらいます。

1-4. 耐震リフォーム工事の実施

専門家に作成してもらった設計書をリフォーム業者に提示し、工事費用の見積りを依頼します。見積りがあがってきたら内容の説明を受けます(耐震診断から工事までワンストップで行う業者もあります)。
見積り依頼は複数行い、比較検討して1社に絞るのがオススメです。業者を決めたら、着工時期等を決め、工事スタートです。

業者選びについて詳しく知りたい方はこちら
リフォーム業者選びに口コミサイトを最大限活用する方法!

工事期間は工事内容にもよりますが、1箇所あたり1日かかる場合が多いので、例えば耐震金物で土台部・柱の補強(詳細については2章で説明いたします)を4箇所、壁の補強を1箇所行ったとするとかかる期間は約5日となります。家の構造部を扱う場合や工事期間が長くかかる場合、その間家で生活することが不便になる可能性もありますので、別の場所で仮住まいを検討されるのもお勧めです。

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1-5. 工事完了・引き渡し・アフターフォロー

工事完了後、引き渡しとなります。こちらは耐震リフォームに限らずすべてのリフォームに関係するお話ですが、その後のアフターフォロー(定期点検など)を行ってもらえるのか、どのくらいの周期で行ってもらえるのか、などは工事契約前と後に確認し、相違がないか必ずチェックしましょう。

2. 【費用別】耐震リフォームの種類

各家によって耐震リフォームの方法は違う、とお伝えしましたが、パターンというのはいくつかあります。ここでは気になる費用別に耐震リフォームの種類をまとめてみました。

2-1. 50万以下でできる耐震リフォーム

・10万~20万円:耐震金物の取り付け

耐震金物とは、土台部・柱といった住居を支える構造部の接合部分をより強固につなぎ止めるための金具のことです。金物自体、取り付ける場所や形によって金額は様々で、数千円~数万円します。
よって1回のリフォームで耐震金物を10個付けた場合、工事費も含めて約10~20万円が相場です。

耐震金物

画像出典:http://www.kenzai-navi.com/main/seihin.php?s=10428

・25万円:壁に筋交い・面材の取り付け

柱と柱の間に「筋交い」と呼ばれるものを入れることにより、耐震性に強い壁(耐力壁といいます)をつくることができます。
また面材と呼ばれる構造用合板を入れることで筋交いよりも更に強度の強い壁にすることができます。どちらも費用は25万円程度です。

筋交い  面材

画像出典:https://www.polus.co.jp/labo/sales/products/giant_brace/
画像出典:https://www.polus.co.jp/labo/sales/products/parthenon_ts/index.html

2-2. 50~100万でできる耐震リフォーム

・50万円:耐震シェルターを設置

耐震リフォームとは少し異なりますが、地震が起きた際に建物が倒壊しても壊れない一室(寝室)を室内に設置する方法があります。
家の内部にまずシングルベッドが1~2台設置できる広さの部屋を確保し、床・壁・天井を鉄骨で補強します。内装は常時居住にも違和感がないようにクロス貼り仕上げとすることもできます。

耐震シェルター1  耐震シェルター2

画像出典:http://www.ichijo.co.jp/news/shelter/

2-3. 100万以上の耐震リフォーム

・120万円:屋根材の交換

既存の瓦などの重い屋根を、スレート屋根や鋼板屋根に葺き替える方法です。
屋根材を軽くすることで建物の上部を軽くできますので、地震で揺れを受けた場合にも家が安定してくれて屋根から家が潰れてしまう等のダメージを受けにくいのです。


費用別に耐震リフォームをお伝えしましたが、1章でもお伝えしたように、家の構造的に弱い箇所は一概にここ、と断定することはできず、家それぞれによって違います。まずは耐震診断を受けてからどんな耐震リフォームをするか決めることが必要です。

 

3. 助成金制度を活用して賢く耐震リフォーム

耐震工事を行う場合、耐震診断結果に基づき、助成金制度を活用し工事費用を抑えることができます。今後予想される大地震の発生に備え、被害を最小限に抑え、人命を守ることを目的とした制度です。
知らないと勿体無い事項ですので、耐震リフォームを実施する前に目を通してみてください。

3-1. 助成金対象住宅の条件

助成金の対象となる住宅はどのような住宅なのでしょうか。
各自治体によって多少の違いはありますが、基本的に必須となる条件としては、「1981年5月31日以前(建築基準法改定前)に着工された住宅」であるという点です。

その他、例えば福岡県福岡市での木造戸建住宅だと、

・2階建て以下のもの。
・上部構造評点を建物全体が1.0以上となる耐震改修工事又は1階部分が1.0以上になる耐震改修工事を行うもの

というような条件があります。

3-2. 助成金制度の内容とは?

実際の助成金制度の内容ですが、こちらも各自治体によって様々です。
こちらも例えば福岡県福岡市の場合だと、1戸につき700,000円を上限とし,耐震改修工事に要する費用の額の46%に相当する額と延べ面積に33,500円を乗じて得た額の46%に相当する額のどちらか低い額(住宅面積が175平方メートルを超える場合は175平方メートル相当額)が助成金として支給されるなど、細かく決まりが定められています。

各地方自治体の助成金制度については下記から閲覧できますので、是非ご参考にされてください。
地方公共団体における住宅リフォームに関する支援制度検索サイト

4. 耐震リフォームのDIY方法

ここまでは業者に依頼して行う大々的な耐震リフォームについてご説明してきました。しかしどれも金額がかかり、すぐに取り組めるかというとそうではないのも事実ですよね。
本章では地震の被害を少しでも抑えることができ、すぐに取り組め、少しの手間でできる耐震リフォームのDIY方法を材料費とともにいくつかお伝えします。

地震でよく被害の要因となるのが、棚や物置が動いてしまうことで、食器などが落ちてきて怪我をしてしまうことです。当たりどころによっては人命に関わるものですので、軽く考えてはいけません。最近家を建てたばかりで自分の家は耐震化されている、また費用の関係で大掛かりな耐震リフォームは考えてないけども地震はやっぱり不安だからできる対処はしておきたい、という方も是非ご覧いただき、できる対策は是非実施してみてください。

①粘着マット 100~500円

皆さんも100円ショップ等で見たことがあるのではないでしょうか。両面がシールになっており、家具や家電と床とをくっつけ、固定することができます。大体2枚セットや4枚セット、また大きさも種類が選べます。剥がす際に傷が発生することもございませんので、賃貸の方も安心です。まずはテレビや棚、冷蔵庫などに取り付けてみてはいかがでしょうか。

粘着マット

画像出展:http://item.rakuten.co.jp/sanwadirect/200-ql004/

②耐震L型金具 1,000円

家具と壁をネジで直接固定するタイプの金具です。①の粘着マットに比べ効果はかなり期待できますが、壁に穴を開けてしまうことになるので賃貸住宅にお住まいの方にはあまりおすすめできません。

L字金具

画像出典:http://item.rakuten.co.jp/l-plus/i527206/

③ガラス飛散防止シート 1,000~2,000円

ガラスの飛散防止をする透明フィルムです。家具が倒れた際、ガラスが飛び散らないようにします。避難時の足場確保をするためにも重要なものになるでしょう。

ガラスシート

画像出典:http://item.rakuten.co.jp/smile-hg/110350/#110350

④耐震ポール 2,000円

液晶テレビの転倒防止に一役買ってくれるのが耐震ポールです。テレビの裏側で固定するので目立たず、テレビ台を傷つけずに取り付けることができます。また粘着マットに比べ強度は強いです。

耐震ポール

画像出典:http://item.rakuten.co.jp/smile-hg/4977612133708/

5. まとめ

いかがでしたでしょうか。

耐震リフォームと一言に言っても、耐震診断を経て、ご自宅に合った耐震リフォームをすることが必要だとお分かりいただけましたでしょうか。
いつ起こるかなかなか予想がつかない地震。対策を打つか打たないかで、人命に関わってきます。人命対策はやってやり過ぎることはありません。
まずはご自宅がどのような状態なのか、どのような対策を打てばよいのかを知るところからスタートしてみてください。

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