職人

外壁塗装中、「うるさい」と感じる人がいるのは事実です。
ただし、感じ方は人によって異なるため、「うるさい」という人がいる一方で、「全然気にならない」という人も少なからずいます。

外壁塗装をするにあたり、「どんな音がするのか」「外壁塗装中ずっとうるさいのか」といった疑問をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。このあたり、本章で紐解いてまいります。

この記事では、
・外壁塗装中に音がする理由
・外壁塗装中の「うるさい」についての対策
・近隣から「うるさい」などのクレームを引き起こさないための対策
などについて徹底解説してまいります。これから外壁塗装をする人も、今まさに外壁塗装中という人も、ぜひ参考にしてください。

1.外壁塗装はうるさい?

疑問

外壁塗装中に「うるさい」と感じるかどうかは、人によります。
先述の通り、「うるさい」という人がいる一方で、「全然気にならない」という人も少なからずいます。

とはいえ、外壁塗装中に音がするのは、間違いありません。

下記2章では、外壁塗装中にどんな音がするのかについて、具体的に解説してまいります。
どんな音がするのかがわかれば、なぜ「うるさい」と感じる人がいるのか、「自分たち家族は、うるさいと感じるかどうか」なども、よりリアルにイメージしていただけるはずです。

 

2.外壁塗装中にどんな音がする?

この章では、外壁塗装中にする「音」について具体的に解説いたします。

2-1.足場の設置時・解体時に大きな音がする

足場 種類

外壁塗装では高所作業のために足場を立てますが、この足場の設置時・解体時に大きな音がします。

なぜ足場の設置時・解体時に大きな音がするかというと、足場には様々な種類がありますが、どの足場も金属製のパーツを組み合わせて立てるためです。足場の設置時には金属製のパーツを固定する音が、解体時には金属製のパーツを外す音がします。

ちなみに、外壁塗装の工事で使用されることの多い“くさび(ビケ)足場”はハンマーで叩いて固定・解体するため、特に大きな金属音がします。

2-2.洗浄時に音がする

洗浄

外壁塗装には、塗装前に外壁を洗浄する工程があり、“高圧洗浄機”と呼ばれる機械を使用するのが一般的です。
この高圧洗浄機の使用時に下記の音がします。
・高圧洗浄機の駆動音
・洗浄音(機械を使って強い水圧で洗浄をするため、水が機械から噴き出す音、水が外壁にあたる音などがする)

2-3.外壁塗装時に音がする(吹き付け塗装の場合のみ)

吹き付けイメージ

吹き付け塗装とは、吹き付け機械(エアレススプレー・万能ガンなど)を使って霧状にした塗料を、吹き付けて塗装する方法です。
吹き付け塗装をすると、吹き付け機械の使用時に下記の音がします。
・吹き付け機械の駆動音
・塗料が機械から噴き出す音

外壁の塗装方法には「手塗り塗装」「吹き付け塗装」という2つの方法があり、音がするのは「吹き付け塗装」をした場合のみです。
ちなみに、「手塗り塗装」とは読んで字のごとく、手で塗装をする方法です。刷毛やローラーなどを使用しての塗装は、この手塗り塗装になります。手塗り塗装では機械を使用することはないので、機械音等がすることはありません。

▼吹き付け塗装について詳しくは、下記記事をご覧ください。

吹き付け塗装とは?「吹き付け塗装の外壁」を塗り替える方法を解説

2-4.場合によっては下地処理(補修)時に音がする

外壁塗装をする前に、外壁の種類や劣化症状に応じて様々な下地処理(補修)をします。この下地処理時に、音がすることもあります。

例)下地処理(補修)時の音

◎ひび割れ補修

ひび割れ補修
外壁に幅0.3mm以上の大きなひび割れが発生している場合、ひび割れ箇所をU字型にカットして補修します。
ひび割れ箇所をU字型にカットする際に、カットする機械(ディスクサンダー等)の駆動音、外壁をカットする音がします。

 

◎ケレン

ケレンとは、サビや脆(もろ)くなった古い塗膜を除去する補修方法です。サビや古い塗膜の状態によっては、ケレン時にディスクサンダーやカップワイヤーブラシなどの機械を使用します。
これらの機械を使用してケレンを行なった場合、機械の駆動音やサビ・塗膜を除去する音がします。

 

※上記は音がする下地処理の一例です。外壁の種類や生じている劣化症状によって様々な下地処理が行なわれます。上記以外の音がする下地処理が行なわれる可能性も十分にあります。
実際にお住まいの下地処理時に「音がするかどうか」「どんな音がするのか」などを事前に把握しておきたい場合は、塗装業者に確認をしてみてください。

▼下地処理について詳しくは、下記記事を参考にしてください。

外壁塗装の下地処理は超重要!その役割から施工方法まで徹底解説!

2-5.外壁塗装中は職人の話し声が聞こえることも

外壁塗装中は、足場業者・塗装業者・営業担当者など多くの関係者が出入りするため、騒々しくなりがちです。朝礼(その日の作業内容を確認するために、現場で朝礼を行なう塗装業者は少なくありません)や打ち合わせなどの声がすることもあるでしょう。休憩中などには、ちょっとした雑談が聞こえてくることもあるかもしれません。

※「話し声」の対策については、以下3-3を参照ください。

 

3.外壁塗装中の「うるさい」についての対策を徹底解説!

外壁塗装中の「うるさい」を回避&少しでも軽減するための対策をご紹介します。これから外壁塗装をする人も、今まさに外壁塗装中という人も、ぜひ参考にしてください。

3-1.音がするタイミングを把握する

突然、大きな音がすると、それだけでストレスに感じてしまう人は少なくありません。
まずは、どのタイミングで音がするかを把握しておくことが重要です。音がするタイミングを把握しておけば、大きな音への心構えができるほか、事前に対策も考えられます。

以下、外壁塗装の流れと音がするタイミングを表にまとめたものです。

[外壁塗装の流れ|音がするタイミング]

外壁塗装の流れ
(各工程にかかる日数)
音がするタイミング
▼足場設置前の現場確認
(1日・1時間ほど)
▼足場の設置
(1日)
大きな音がする(2-1)
▼高圧洗浄
(1日)
音がする(2-2)
▼下地処理(補修)
(1日)
※音がすることもある(2-4)
▼養生
(1日)
▼塗装|下塗り
(1日)
※吹き付け塗装をした場合のみ音がする(2-3)
▼塗装|中塗り・上塗り
(2日)
※吹き付け塗装をした場合のみ音がする(2-3)
▼完了検査
(1日・1時間ほど)
▼足場の解体
(1日)
大きな音がする(2-1)
▼完成

※上記の音がするタイミングは、際立って音がするタイミングを挙げています。上記に挙げていないタイミングでも、多少の作業音はします。
※各工程にかかる日数は目安です。天候、外壁の大きさ、外壁の劣化状況などによって、日数が上記と異なることもあります。

・何月何日に音がするのか
・どのぐらいの時間帯に音がするのか
など、外壁塗装のスケジュール、音がする詳細なタイミングについては、塗装業者に確認をすれば教えてもらえます。

3-2.外壁塗装の間、日中は外出をする

「絶対にうるさい思いをしたくない…」という場合は、外壁塗装の工事をしている日中は外出してしまうのも一つの手。家にさえ居なければ、うるさいと感じることもありません。

とはいえ、外壁塗装は10~14日(目安の期間)続くため、連日の外出を負担に感じる方もいるでしょう。こうした方は、音がするタイミングだけ外出をするのがオススメです。

外壁塗装中は留守にしても大丈夫!安心して工事を見守る方法も紹介!

3-3.話し声が気になる場合は業者に伝えるべし

話し声をうるさいと感じる場合は、話し声が気になっている旨を業者に伝えるのが良いでしょう。

その日の作業内容を確認するための朝礼、作業を進めるために必要な打ち合わせなどをしないわけにはいかないため、完全に無言というのは困難ですが、ボリュームを下げてもらう、不要な会話は控えてもらうといったことは可能です。

「業者に話し声がうるさいとは言いにくい…」という方もいらっしゃるかもしれませんが、黙って我慢していたためにストレスがたまり、外壁塗装の満足度が下がってしまう方が業者にとってもマイナスとなります。

もちろん「うるさい…!」などと感情的に伝えるのはよくありませんが、「可能であれば、もう少し声のボリュームを下げてほしい」などと、丁寧にお願いをする分には、何ら問題ありません。

3-4.耳栓&イヤホン・ヘッドホンを使用するという方法も

耳栓

自分で手軽にできる対策としては、
・耳栓をする
・イヤホン・ヘッドホンをつけて、音楽などを聴く
などが有効です。

近年、周囲の音が聞こえにくくなるノイズキャンセリングの機能がついたイヤホン・ヘッドホンなどもあります。こうしたイヤホン・ヘッドホンを使用すれば、気になる工事音等をよりシャットアウトできるかもしれません。

 

4.近隣から「うるさい」などのクレームを引き起こさないために

外壁塗装中、近隣の方々が「うるさい」と感じてしまうこともあります。
この章では、近隣の方々から外壁塗装中の音などに対するクレームを引き起こさないための対策について解説いたします。

4-1.外壁塗装前の場合|事前に近隣へ説明に伺っておくのがベスト

近隣から「うるさい」などの外壁塗装に対するクレームを引き起こさないためには、外壁塗装前に近隣宅へ説明に伺っておくことが有効です。現在まだ外壁塗装前のタイミングであれば、工事がはじまる前に説明に伺うことを強くオススメいたします。

なぜ外壁塗装“前”の説明が有効かというと、
「何も聞いていない…」
「突然うるさい音がして、何事かと思った」
など、何の断りもなかったことが原因で不快な感情が増幅し、クレームに発展してしまうことが少なくないためです。

近隣宅へは、遅くとも工事の1週間前くらいには伺っておくのが良いでしょう。「外壁塗装の工事をする旨」「工事のスケジュール」などを伝えるとともに、騒音や臭いなどでご迷惑をおかけする可能性があることについて謝罪の意を伝えてください。

代わりに近隣へ説明に伺ってくれる塗装業者も少なくありませんが、業者任せにせず、できれば一緒に説明に伺いましょう。施主自身が説明に伺った方が、誠意が伝わるのは間違いありません。誠意が伝われば、クレームも起きづらくなるはずです。

クレームを防ぐためには、ご迷惑をおかけしていることはないかを外壁塗装がはじまってからも定期的に確認するなどして配慮を示すことも重要です。

4-2.外壁塗装がはじまっている場合|今からでも近隣へ説明に伺うべし

「現在すでに外壁塗装がはじまっているが、近隣へは何の説明もしていない…」という場合は、できるだけ早く近隣宅へ説明に伺いましょう。

仮に近隣の方々がすでに外壁塗装に対して不快感を感じてしまっている場合、このまま何もしなければ、「うるさい!」などのクレームが発生するリスクは高まる一方でしょう。ですが、今からでも説明に伺えば、わずかでも心証を良くすることができるかもしれません。

説明に伺った際には、まずは説明に伺うのが遅くなってしまったことについて謝罪し、「外壁塗装の工事をしている旨」「今後の工事スケジュール」を伝えてください。あわせて現時点でご迷惑をかけしていることはないかを確認するなど、誠意のある対応をすることが重要です。

【挨拶文雛形つき】ご近所トラブルを回避!外壁塗装の挨拶Q&A集

 

まとめ

外壁塗装中、「うるさい」と感じるかどうかは人それぞれ。とはいえ、「うるさい」と感じる人がいるのは事実です。

外壁塗装中に、どんな音がするのかについて詳しくは2章にて解説しております。どんな音がするのかがわかると、外壁塗装を控えている方々も「自分たち家族はうるさいと感じるかどうか」をよりリアルにイメージしていただけるでしょう。

また、外壁塗装中の「うるさい」についての対策を3章でお伝えしています。これから外壁塗装をする人も、今まさに外壁塗装中という人も、ぜひ参考にしてください。