【完全解説】屋根リフォームにかかる費用と工事の種類について

屋根は、台風や大雨、紫外線から大切なおうちを守る大切な部分です。しかし、私たちは屋根がどのような状況になっているかは全くわかりません。

「一体、屋根はどのようになってるのだろうか?」「屋根に補修が必要だとしてどれくらいの費用がかかるだろうか?」と 悩む方も多いかと思います。

業者から屋根の傷みを指摘されても、費用の判断基準はわかりづらいものです。

屋根のリフォームに関する情報を知らないために、安易に業者や工事方法を決定することがないよう、今回は「屋根リフォームの種類」(屋根全体工事または部分修復工事)、「屋根材ごとの費用」について調べてみましょう。

1.屋根リフォーム工事とその費用/屋根全体工事

まず、屋根全体をリフォームする代表的な工事として「屋根塗装工事」、「屋根重ね葺き工事(カバー工法)」、「屋根葺き替え工事」の3つの工事があります。工事ごとに費用と工事の特徴についてみていきましょう。

1-1.屋根塗装工事の費用

「屋根塗装工事」とは、屋根材の傷みが少ない場合に屋根を洗浄し、その屋根材にあった塗料を選び、塗装する工事です。屋根材にあった塗装工事には、塗料の種類により費用が相違いたします。

上塗

費用相場

25万円~40万円

メリット

塗料の主要成分の違いにより塗料費用が変わるため、工事費用を抑えることが可能です。また、工期を短期間(約2週間)に工事を行うことが可能です。

デメリット

費用だけで塗料を決定すると、1回の工事費用は安く抑えられます。しかしながら、塗り替えの頻度が増加し、結果、屋根リフォーム工事の総額が高くなることがあります。また、屋根材の上に塗装を行うため、下地である屋根材の痛みがひどく大きな補修が必要な場合、塗装が不可能なことがあります。ご注意ください。

塗料代の相場

塗料 耐久年数 費用 ※1缶あたり
アクリル 約3年未満 5,000~10,000円
ウレタン 約3~5年 5,000~15,000円
シリコン 約5~7年 15,000~40,000円
フッ素 約7~10年 40,000~80,000円
無機 約10~15年 50,000~120,000円
光触媒 約10~15年 50,000~100,000円

※上記はあくまで目安です。塗料メーカーや製品によっても価格が異なります。

【塗料の主要成分ごとの価格と耐久性の関係】

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1-2.屋根重ね葺き工事(カバー工法)の費用

「屋根リフォーム重ね葺き工事(カバー工法)」とは、現在の屋根はそのままに新しい屋根材を上から被せる工事です。葺き替え工事より出費を抑えて、比較的大規模な修繕を行うことができます。採用できる屋根材は、スレート、金属屋根、アスファルトシングルなどです。

商品としては、アイジー工業株式会社のガルバルーフ、日鉄住金鋼板のエバールーフ、ニチハのセンタールーフなどがあります。

屋根重ね葺き

費用相場

50万円~120万円

メリット

「屋根葺き替え工事」と比べて、既存の屋根を解体しないため、解体費用および廃材処理費が不要のため、費用を抑えることが可能です。また、短期間で工事を行うため、職人の方の費用も抑えることができます。また、さらに屋根材が二重になるため、断熱性、遮音性も高まります。

・デメリット

屋根下に湿気がたまることがないように換気口をつけ、外気を取り込む必要があります。そのため、「屋根リフォーム重ね葺き工事」に加えて換気のための工事費用が発生します。

 

1-3.屋根葺き替え工事の費用

「屋根葺き替え工事」は、既存の屋根材を取り外し、新しい屋根材を設置する工事です。屋根材には、スレート瓦(薄い板状の屋根材)、ガルバリウム鋼板(鉄板を基材としてアルミニウム、亜鉛、シリコンからなるメッキ鋼板)、日本瓦があります。

アイボリーブラック

費用相場

70万円~140万円

・メリット

葺き替えを行う場合、屋根だけではなくその下にある防水シートも交換するため、屋根材が長く保たれます。また、軽く性能が優れた屋根材を選ぶことにより、地震発生時の倒壊の危険性を減少させることが可能です。

デメリット

屋根全体の工事としては、一番費用が高く、廃材処理費が発生します。

屋根の「葺き替え工事」を行なう前に押さえておきたいポイント

1-4.屋根リフォーム工事の費用まとめ

これらの3つの工事の費用を比べると

屋根塗装工事<屋根重ね葺き工事(カバー工法)<屋根葺き替え工事の順番になります。

工事の種類 費用 メリット
屋根塗装工事 25万円~40万円 塗料の種類により費用が抑えられる
屋根重ね葺き工事 50万円~120万円 廃材費用が不要
屋根葺き替え工事 70万円~140万円 耐久年数が長い

費用は、屋根面積(広いほど割安、狭いほど割高)、工事方法、工事範囲(雨漏りの有無)、足場組立の有無に関係します。

 

2.屋根部分工事の種類とその費用/屋根補修工事

では、続いて屋根の部分補修工事の種類についてみていきましょう。

 2-1.漆喰(しっくい)補修工事・瓦屋根補修工事が必要な状況とその費用

①漆喰補修工事

漆喰とは、瓦や石材の接着や目地の補給、壁の上塗りなどに使われる、水酸化カルシウム(消石灰)を主成分とした接着剤となる建材で、日本瓦に使用します。

漆喰にひびが入ったり、傷んだりすると、接着剤としての役目が果たせず、瓦のずれが発生します。また、漆喰の剥離部分から雨水が入れば、雨漏りの原因となります。日本瓦自体の耐久性は50~100年ですが、漆喰は、約15年ごとの点検・補修が必要です。

・漆喰補修工事が必要な状況

漆喰が劣化している場合、補修工事が必要になります。劣化とは、漆喰の剥がれ、一部落下により瓦の固定性が弱まり、瓦のずれ、割れ・欠けが発生した時に補修工事が必要となります。

漆喰補修

補修前

漆喰補修

補修後

費用相場

30~80万円(足場代を含む)

②瓦屋根補修工事

「瓦屋根補修工事」とは、傷んだ瓦屋根を交換し、補修する工事です。

・瓦屋根補修工事が必要な状況

瓦屋根にひび・ずれ・劣化やゆがみが発生し、雨漏りが発生した場合、補修工事が必要になります。

費用相場

30~100万円(10坪~30坪程度)

(足場代は、屋根の傾斜によって足場の不要な場合があります)

2-2.コーキング補修工事が必要な状況とその費用

コーキング補修工事とは、ゴムのような収縮性のあるパテで雨漏り箇所などを防ぐ工事です。コーキングには、ウレタン系とシリコン系などがあります。

・コーキング補修工事が必要な状況

コーキングが切れている箇所や漆喰の劣化箇所を補修します。

窓枠のコーキング劣化

費用相場

打ち替え(※1) 900~1,500円/m(コーキング打ち替え箇所に伴う)

打ち増し(※2) 500~1,000円/m(コーキング打ち増し箇所に伴う)

※1:既存のシーリングを全て撤去し新しいコーキングを補給する方法
※2:既存のシーリングの上に新しいシーリングを足す方法

2-3.棟板金交換工事が必要な状況とその費用

家屋で板金というと、主にスレート(カラーベスト・コロニアル)系の屋根を留めている金属部分のことを指します。

屋根と屋根の面が合わさる棟の接合部分、ここを覆い雨水の浸入を防ぎ、そして屋根材を固定している金属が棟板金です。

・棟板金工事が必要な状況

棟板金を固定している貫板の腐食や劣化のため、棟板金が浮きがったり、台風などで飛んでいってしまっている場合、補修します。

台風や突風などの自然災害で損傷した場合、火災保険を使って修理することが可能なことがあります。業者に依頼する前に火災保険の保険証券を確認し、保険の適用範囲内の補修であるのか、確認しましょう。

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画像出典:プロタイムズ八王子店

費用相場

30~100万円(足場代含む)

2-4.雨樋(あまどい)工事が必要な状況とその費用

雨樋は、通常気にかける部分ではありませんが、補修をおこたると家屋内部へ雨水が浸入する恐れがあります。雨樋工事には、足場代が必要になることがあります。

足場代が雨樋本体費用より高くなることもあるため、雨樋工事と屋根・外壁工事を同時に依頼する方が賢明です。

雨樋

・雨樋工事が必要な状況

雨樋に隙間やひびがある場合、補修工事が必要となります。補修工事の遅れは、雨が軒や外壁を伝うことにより外壁汚れの進行につながります。また、直接雨が地上におちることによって、雨音が大きくなることにもつながります。

費用相場

3,000円~/m(雨樋材料費含む)

 

3.屋根材ごとの特徴と費用

では、ここからは、屋根リフォーム工事にて新しく使用する屋根材の種類についてみていきましょう。

屋根材の素材の違いは、屋根材の形や重量に関連しています。

3-1.スレート瓦の特徴とその費用

スレート瓦とは、薄い板状の屋根材です。スレート瓦には、「天然スレート」、「石綿スレート」、「無石綿スレート」、「セメント系スレート」などがあります。昔は、石綿スレートが多く使用されていましたが、石綿の健康被害が増加し、現在は無石綿スレートに切り替わっています。費用は、スレートの中では天然石を使用した「天然スレート」が一番高価な屋根材です。

スレート

費用相場

5,000円~7,000円/㎡(材料費・施工費)

・耐久年数

20~25年

■メリット

他の屋根材と比較して、費用が一番安く、最大で24色以上から選択できるため、色合いが豊富です。また、スレート自体の重さが軽量(約68キロ/坪)のため耐震性が高いものが多くあります。

■デメリット

着色が落ちやすいため、10年に1度程度の塗装が必要です。また厚みが薄い(約5ミリ程度)ため、割れやすく、耐久性が低い点があげられます。

3-2.ガルバリウム鋼板の特徴とその費用

ガルバリウム鋼板は、アルミニウム、亜鉛、シリコンからなる、アルミ亜鉛合金メッキ鋼板です。

*ガルバリウム鋼板は新日鉄住金の登録商標です。

garubariumu

画像出典:http://www.iwasawa-woody.jp/roof/

費用相場

6,000円~8,000円/㎡(材料費・施工費)

・耐久年数

50年以上

■メリット

亜鉛鉄板の耐食性(さびにくい)とアルミニウムの長期耐久性を合わせもち、熱反射率に優れています。また加工しやすいため、デザインが豊富で、軽量(約17キロ/坪)であるため耐震性に優れています。

■デメリット

薄い板であるため、衝撃に弱く、すぐに凹むことがあります。また、普及率が低いため、ガルバリウム鋼板に慣れた施工業者がまだ多くありません。ガルバリウム鋼板屋根の工事経験が多い施工業者を中心に選びましょう。

3-3.日本瓦の特徴とその費用

日本瓦には、表面の処理方法によりガラス質の釉薬をかけて焼き上げた釉薬瓦、釉薬を使用しない無釉薬瓦、製造の最終段階でいぶし、炭素の皮膜を形成したいぶし瓦の3種類があります。費用は、釉薬瓦→無釉薬瓦→いぶし瓦の順となります。

瓦

費用相場

8,000円~10,000円/㎡(材料費・施工費)

・耐久年数

50年以上

・メリット

防水性に優れ、50年~100年以上の耐久性があります。また、高温で焼成することにより強度が高く、和風の住宅によくあい、デザイン性に優れています。

デメリット

葺き替えを行う場合、費用が高く、瓦を支える漆喰の定期的な補修が必要となります。

他の瓦とくらべて重い(約165キロ/坪)ため、耐震性が低くなります。

3-4.屋根材費用まとめ

屋根材の費用を比べると、

スレート瓦<ガルバリウム鋼板<日本瓦の順番になります。

屋根材の種類 費用 瓦の耐久年数
スレート瓦 5,000円~7,000円/㎡(材料費・施工費) 20~25年(※1)
ガルバリウム鋼板 6,000円~8,000円/㎡(材料費・施工費) 50年以上
日本瓦 8,000円~10,000円/㎡(材料費・施工費) 50年以上(※2)

※1 着色が落ちやすいため、10年に1度程度の塗装が必要です。

※2 漆喰の劣化状況によっては、10~15年に1度のメンテナンスが必要です。

屋根材を選ぶときには、

①屋根材の重量が木造住宅の耐震性の確保に関係すること

②屋根の勾配(傾斜)が素材によって変わること

③防火対策

この3点を踏まえて考えましょう。

【決定版】屋根材の種類と、新築・リフォームにおすすめの商品まとめ

 

まとめ

屋根リフォーム工事について、工事種類と屋根材の費用についてお伝えしました。まず、屋根リフォーム工事を検討する時に屋根全体を補修する必要があるのか、部分工事で可能なのかを判断する必要があります。そのためには、現場調査をしっかり行い、工事範囲をきちんと説明できる施工業者を選ぶことが必要です。

費用だけで判断せずに、今お住まいのお家に長く住み続けるためにメリット、デメリットを踏まえ、リフォーム工事を選びましょう。

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