ALC外壁の方必見!ALCの基礎知識と特徴、注意点を徹底解説

ALC外壁

「新築を購入するにあたって外壁材をALCをにしようと考えているけど、ALCって実際はどんな外壁なの?」
「今うちは外壁がALCなんだけど、メンテナンスはどうしたらいいの?」
というように素材の特徴が分からずお困りの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、ALCの基礎知識から選ぶ際の注意点まで詳細に説明していきます。

1.ALC外壁の基礎知識

ALCを外壁材に選ぶ前に、まずはALCの特徴について知っておかなければなりません。

1-1.ALCは軽量で断熱性に優れた素材

ALC外壁とは「軽量気泡コンクリート」とも呼ばれるコンクリートの1種です。
コンクリートと聞くと硬くて重いというイメージを持つ方もいるかもしれませんが、ALCは内部に気泡の穴が空いており、水に浸すと浮くほど軽量な素材です。一般的には通常のコンクリートの約1/4の重量となっています。
また、この気泡に含まれた空気が層をつくり、熱の伝わりを抑制し、夏の暑さや冬の寒さから室内を一定の温度に保つ断熱効果が期待できます。
ALCは耐久性も高いため、建築物の構造材料として戸建住宅から高層ビルまで、外壁、屋根、床用などさまざまな用途で使用されています。

1-2.他の外壁材との比較

【比較一覧表】

外壁材 特徴 主原料 新築時の
㎡単価
メンテナンス周期
窯業系サイディング 耐火性が良い
施工性が良い
色・バリエーションが豊富
セメント、繊維質 3,000円~ 約10年
モルタル デザインが豊富で意匠性に優れる
継ぎ目がなくコーキングが不要
セメント、砂 4,500円~ 約10年
ALC 断熱性・耐火性に優れる
コンクリートの1/4の重量
セメント、ケイ石、生石灰 7,500円~ 約10年~15年
金属系サイディング 断熱性に優れる
軽量で耐震性に優れる
スチール、アルミ 4,000円~ 約10年~15年

2.ALCを外壁材にしたときのメリットとデメリット

ではALCの特徴を踏まえた上で、そのメリットとデメリットについて詳しく説明していきます。

2-1.メリット

(1)50年の耐久性!

まずは一つ目のメリットは、ALCという素材自体の高い耐久性です。
定期的にメンテナンスをすれば、50年程度は外壁張替えなどの大規模工事が不要なことです。
現在の傾向として、30年で建て替えるよりも50年以上長く住むというものがあります。
これは近年の少子高齢化、人口減少に伴って、新しく家を建てるより長く住むということが重要視されてきたからです。
「建て替える」から「メンテナンスをして長く住む」と考え方がシフトしているので、この高い耐久性は非常に頼もしいものとなっています。

ALC
画像出典:http://www.casanavi.co.jp/akk/color.php

(2)高い断熱性で「夏涼しく、冬暖かい」

2つ目は断熱性に優れ、季節の温度変化の影響を受けにくいという点です。
ALCは内部に無数の気泡を含んでおり、この気泡が空気の層を作っています。
空気の層が外部からの熱を断つことで「夏に涼しく、冬に暖かい」住宅を実現しやすくしています。
さらに、断熱性を高めることで夏場や冬場などのエアコンの使用率を減らし電気代の節約にも期待できます。

ALC 気泡
画像出典:https://www.asahikasei-kenzai.com/akk/pb/powerboard/about_pb/alc.html

(3)優れた耐火性で安全性を向上

次に耐火性に優れ、住宅の安全性を保持できるというメリットがあります。
主原料が無機質であるセメントやケイ石などであるため、炎や熱を受けたとしても燃えにくく有害物質が発生しません。
また万が一、隣家が火事になった場合などにも炎が燃え移る危険性を低くすることが出来ます。

ALC 耐火
画像出典:http://www.towntv.co.jp/2009/12/post-33.php

2-2.デメリット

(1)吸水性が高い

主成分がセメントであるため、吸水性が非常に高い素材となっています。
外壁表面を守る塗膜が劣化すると、ALC内部の気泡に水が浸入→冬場の寒さによって内部の水が凍結→凍結により水が膨張しひび割れが発生
といった現象が起こり、建物自体の耐久性を低下させる恐れがあります。
対処法としては、塗装によるメンテナンスを施し外壁表面を保護するというものがあります。

(2)他の外壁材に比べると高価

1-2の表で示すとおり、他の外壁材と比較すると新築時の平米当たりの単価が高額となっています。
ALCは外壁材の中でも機能性が総合的に高い分、当然といえば当然でしょう。
金額をもとに、ライフプランをよく考慮した上で選択する必要があります。

3.ALCを外壁に採用する際の注意点

高耐久で優れた外壁材であるALCですが、採用する上でいくつか注意しておきたいポイントがあります。

3-1.「水」は天敵!防水性の高い塗料を

2-2でも解説しましたがALCは吸水性が非常に高く、それによる影響を受けやすい素材です。
塗装をする際には防水性の高い塗料を選択し、外壁表面を水から保護することが大切です。

【防水性の高い塗料の例】

DANシリコンセラ

画像出典:http://www.monotaro.com/p/1639/4035/

商品名 DANシリコンセラR
メーカー 日本ペイント株式会社
性質 水性
液型 1液型
機能 シリコン

EC-5000PCM

商品名 EC-5000PCM
メーカー 株式会社アステックペイントジャパン
性質 水性
液型 1液型
機能 ピュアアクリル

 

ニューデポールR

画像出典:http://item.rakuten.co.jp/daiei-peinto/10000457/

商品名 ニューデポールR
メーカー 株式会社ダイフレックス
性質 水性
液型 1液型
機能 ウレタン

これらは「弾性塗料」と呼ばれるもので、伸縮性が高いので建物のひび割れに追随して表面化することを防ぎます。
ひび割れが表面化しないことにより、雨水の建物への浸入経路を断つことができるのでオススメです。

3-2.定期的なメンテナンスが必要

塗装による防水性が失われると、染み込んだ雨水が外壁の内部にまで浸入して芯の鉄筋を腐らせてしまいます。
この鉄筋は無数の気泡を有するALCの強度を補強するためのものなので、錆びが発生すると外壁自体の耐久性が低下してしまいます。
ALCの塗装のメンテナンス周期は約10年です。
その家に長く住むためにも、前回の塗装から10年を経過する場合は業者に外壁の状態を診てもらうのが良いでしょう。

【塗装メンテナンスの費用相場】

依頼する業者や劣化状況によって塗装の費用は前後しますが、一般的な価格は以下となります。

費用相場:100万~150万

3-3.コーキングの補修が必要

02-シーリング-細かいヒビ

ALCを選択する上で留意しなければならないのが、外壁同士の「継ぎ目」の目地があるという点です。
目地にはコーキングが注入してあるため、サイディングなどと同様にその箇所も補修する必要があります。
サイディングよりもボードの幅がせまいので、目地の数が多くなり結果的に補修費用が高くなる場合もあります。
建物は四季の温度変化や地震などの外的要因によって常に動いており、その動きを吸収する役割を果たしているのが目地なので、外壁の塗装メンテナンスと一緒にしっかりとコーキングの補修をしてあげましょう。

 

4・主なALCメーカー

ALC協会に認められた日本を代表するALCメーカーを紹介いたします。

・旭化成
https://www.asahi-kasei.co.jp/

・住友金属鉱山シポレックス
http://www.sumitomo-siporex.co.jp/

・㈱クリオン
http://www.clion.co.jp/

 

まとめ

ここまで、ALCの特徴から注意点まで説明しましたがいかがだったでしょうか。
最後にまとめとして外壁をALCにする際のメリットとデメリット、そして注意したいポイントを整理します。

・ALCのメリットとデメリット

メリット デメリット
・50年を超える高い耐久性!
・断熱性に優れ「夏涼しく、冬暖かい」
・耐火性に優れ安全性が高い
・吸水性が高く、水の影響を受けやすい

・ALCを外壁材にする際に気をつけるべきポイント

注意点① 水が天敵なので防水性の高い塗料を使用する
注意点② 定期的にメンテナンスをおこない、外壁を良好な状態に保つ
注意点③ コーキングも補修する必要があることを理解しておく

外壁にALCを採用する場合は、その特徴と注意点をしっかりと理解した上で判断するとよいでしょう。建物を長く持たせるには正しいメンテナンスを施し、ALCの長所を引き出してあげることが大切です。

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