お住まいの外壁がサイディング、という方も多いのではないでしょうか。
事実、「高い耐久性」や「豊富なデザイン」が人気を集め、サイディングは、今や日本の住宅に使用されている外壁材の約80%を占めています。
お住まいの外壁がサイディングの方に、まずお伝えしたいのは、サイディングには定期的なメンテナンスが必要であるということです。
「サイディングには、メンテナンスはいらない」といった噂話がまことしやかに囁かれていることもありますが、それは、真っ赤なウソ。サイディングを長く持たせるには、メンテナンスは必須です。
そこで、この記事では、サイディング外壁の住まいの方に、オススメのメンテナンス周期や補修方法など、知っておいていただきたい情報をまとめてご紹介してまいります。また、新しく家を建てたり、リフォームをするにあたり、「サイディング外壁にするかどうか悩んでいる」という方に向けて、知っておくべきサイディング情報を3章にまとめております。ぜひ、参考にしてください。
目次
1.サイディング外壁のメンテナンス周期
1-1.シーリング補修は約5~10年周期が目安
サイディング外壁において、もっとも早く劣化するのは“シーリング(コーキング、シール)”と呼ばれる部分。シーリングには、サイディング板とサイディング板の間、サッシと窓ガラスの間などをふさぎ、住まいの気密性を高める役割があります。
シーリングの補修は、劣化症状をみながら、約5~10年周期を目安に考えるのがオススメです。
■補修が必要なシーリングの劣化症状
劣化の症状 | ||
---|---|---|
ひび割れ |
破断 |
剥離 |
▼外壁のシーリング補修について詳しくは、こちらの記事も参考にしてください。
1-2.塗り替えメンテナンスは約10~15年が目安
サイディングには、時間の経過とともに様々な劣化症状がみられるようになります。劣化症状が発生すると、見た目によくないだけでなく、雨漏りなどの不具合につながることもあるため、塗り替えメンテナンスをする必要があります。
塗り替えは、劣化症状をみながら、約10~15年周期を目安に考えるのがオススメです。
■塗り替えが必要な劣化の症状
劣化の症状 | |
---|---|
チョーキング |
色あせ |
カビ・藻の発生 |
塗膜の膨れ・剥がれ |
※金属サイディングの場合のみ、サビが発生することがあります。サビが発生した場合にも、塗り替えの検討が必要です(サイディングの種類について詳しくは、下記「2.より詳しくメンテナンス周期を掴むなら、サイディングの種類を調べるべし」を参照ください)。
[参考]塗り替え時に使用する塗料によって、次回のメンテナンス時期が変わる!
塗り替え時に耐久年数に優れた塗料を選べば、それだけ次回の塗り替えまでの期間が長くなります。
塗料 | 耐久年数 | |
---|---|---|
アクリル | 約3~5年 | |
ウレタン | 約5~7年 | |
シリコン | 約7~10年 | |
ピュアアクリル | 約15年~ | |
フッ素 | 約15年~ | |
無機 | 約15年~ |
※上記の耐久年数はあくまで一般的な耐久年数です。製品によっては、上記の耐久年数と大きく異なることもあります。
▼サイディングの塗装メンテナンスについて詳しくは、こちらの記事を参考にしてください。
1-3.劣化が進行している場合には「重ね張り」「張り替え」を検討する場合も
サイディング外壁の劣化が大きく進行している場合には、塗り替えではなく、重ね張りや張り替えと呼ばれる工事が必要になることがあります。
■重ね張り
既存の外壁の上に、新しい外壁材を施工する工法
■張り替え
既存の外壁を取り除き、新しい外壁材を施工する工法
下記のような劣化の症状が見られる場合には、重ね張りや張り替えが必要です。
■重ね張り・張り替えが必要な劣化の症状
劣化の症状 | |
---|---|
欠けている箇所がある |
サイディングが反っている |
1-4.[補足]サイディング外壁を長く持たせるために実施したい、年1回の点検&掃除!
サイディングを長く持たせるためには、不具合をイチ早く見つけることが重要です。そこで、メンテナンス時期にさしかかっていなくても、年に1~2回は点検を行ないましょう。
また、点検と同じタイミングで外壁を掃除するのもオススメです。汚れを落とすことで、外観の美しさが蘇るだけでなく、外観の劣化スピードを緩めることができます。外壁を汚れたままにしておくと、汚れが固まり落ちにくくなるだけでなく、塗料は充分にその機能を発揮することができず、劣化は加速度的に進行してしまうのです。
▼掃除方法について詳しくは、下記記事および、参考資料を参考にしてください。
[参考資料]
・ニチハ株式会社 <窯業系サイディングの場合>
・ケイミュー株式会社 <金属系サイディングの場合>
[外壁メンテナンス周期まとめ]
補修内容 | 頻度 |
---|---|
点検&掃除 | 年に1~2回程度 |
シーリングの打ち替え | 約5~10年 |
塗り替え | 約10~15年
※使用する塗料によっても、塗り替え周期が異なります。 |
重ね張り・張り替え | サイディングの反り・欠けが見られる場合 |
▼サイディング外壁の補修については、こちらの記事も参考にしてください。
[参考情報|費用]サイディング外壁のメンテナンスにかかる費用相場まとめ
■補修工事費の目安
工事内容 | 費用相場 | |
---|---|---|
シーリング打ち替え | 900~1,500/m | |
塗り替え | 80~150万円(塗り面積200㎡) | |
重ね張り | 150万円~ | |
張り替え | 200万円~ |
※上記費用はあくまでも目安です。
▼下記の記事も、ぜひ参考にしてください
2.より詳しくメンテナンス周期を掴むなら、サイディングの種類を調べるべし
一口にサイディングといっても、「窯業系サイディング」「金属系サイディング」「樹脂系サイディング」「木質系サイディング」の大きく4つの種類に分けることができます。
お住まいのサイディング外壁が、どのサイディングかをご存知でしょうか。
各サイディングによって耐用年数に差があるため、お住まいのサイディングの種類を把握しておけば、より詳細にメンテナンス周期を掴むことができます。
■サイディングの種類別!耐用年数まとめ
サイディングの種類 | ||
---|---|---|
窯業系サイディング |
外壁材においてNO.1のシェア率を誇る窯業系サイディング。4種類のサイディングの中でも、特に色&柄のバリエーションが豊富。
■主原料/セメント・繊維質 |
耐用年数/ 7~8年 |
金属系サイディング |
リフォーム時に採用されることが多い。軽量で建物にかかる負担が少ないため、重ね張りに最適。耐震性にも優れている。
■主原料/カラー鉄板・アルミニウム合金 |
耐用年数/ 10~15年 |
樹脂系サイディング | 北欧で主流の外壁材。日本では、輸入住宅の外壁によく見られる。外壁材自体に顔料が練り込まれているため、色褪せや塗膜の剥がれ等の劣化は発生しない。つまり、塗り替え不要。日本での普及率は1%程度で、樹脂系サイディングを施工できる業者は少ない。
■主原料/塩化ビニル樹脂 |
耐用年数/ 10~20年 |
木質系サイディング | 天然木に塗装を施したサイディング。木ならではの風合いが魅力。断熱性に優れている。消防法の制限から、地域によっては使用できない場合もある。
■主原料/木材 |
耐用年数/ 10年 |
※製品によっては上記の耐用年数と大きく異なることもあります。正しい耐用年数が知りたい場合は、各メーカーのホームページやカタログ、または施工業者に確認しましょう。
3.サイディング外壁の情報まとめ
新しく家を建てたり、リフォームをするにあたり、「サイディング外壁にするかどうか悩んでいる」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、ここからは“サイディング外壁”のメリットや主力メーカー&商品情報、さらにサイディング外壁の上手な選び方などをご紹介してまいります。
3-1.様々な外壁材の中から、サイディング外壁が選ばれる4つの理由
[ 理由① ]工場で製造されるため、品質が安定している
[ 理由② ]木目調・ストライプ柄・レンガ風・タイル柄etc…、デザインのバリエーションが豊富
[ 理由③ ]施工が簡単なため、工期の短縮・施工費の削減につながる
[ 理由④ ]重量が軽く、耐震性に優れている
3-2.窯業系&金属系サイディングの主力メーカー
よほどのこだわりがない限り、サイディング外壁は「窯業系サイディング」「金属系サイディング」から選ぶことになります。
下記は窯業系サイディングと金属系サイディングの主力メーカーです。サイディング選びの参考情報として、ご活用ください。
[窯業系サイディング]
主力メーカー | 商品例 |
---|---|
ニチハ | Fu-ge
|
ケイミュー | 光セラ Pixcera
|
旭トステム外装 | 窯業AT-WALL
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[金属系サイディング]
企業名 | 商品例 |
---|---|
アイジー工業 | SF-ガルスパンJ
|
旭トステム外装 | 金属Danサイディング
|
3-3.サイディング外壁の上手な選び方
色やデザインのラインナップ豊富なサイディングは、カタログやホームページなどで見ているだけでもワクワクするという方も少なくないでしょう。しかし、いざその中から選ぶとなると、迷ってしまいがちです。何を基準に選べばいいのかわからず、途方に暮れてしまう方も少なくありません。
そこで、ここでは、サイディング外壁を選ぶときの基準となる6つのポイントをご紹介します。
■サイディング選びは、重視したい「基準」を決めるところからはじめよう
重視したいポイントは「予算」なのか、「耐用年数」なのか、「種類」なのか、まずは重視したい「基準」を明らかにすることからはじめましょう。
基準が決まれば、それだけでグッと絞り込めるため、サイディング外壁選びがより楽になります。
☑予算から選ぶ
☑耐用年数で選ぶ
☑サイディングの種類で選ぶ
☑好みの色で選ぶ
☑好みのデザインで選ぶ
☑保証・アフターサポートで選ぶ*
*保障について
多くのサイディング外壁には各メーカーの製品保証がついています。製品を選ぶ際に、「どんな保証があるのか」「どういう場合に保証を受けることができるのか」を把握しておくようにしましょう。業者に確認するとともに、各メーカーのカタログやホームページ等もチェックしておくと安心です。
▼サイディング選びについて詳しくは、こちらの記事も参考にしてください。
まとめ
サイディング外壁はきちんとメンテナンスをすれば、長く住まいを守ってくれる優秀な外壁材です。
すでにお住まいの外壁がサイディングという方は、ご紹介した内容を参考に、メンテナンス計画を立ててみてください。サイディング外壁をこれから選ぼうとされている方は、ぜひサイディングのまとめ情報も参考にしてください。