A 専門家の回答
黒田尚美
カラーコンサルタント
株式会社 ケイズ・カラープラニング代表。色彩計画コンサルタント。商工会議所カラーコーディネーター検定1級、文部科学省認定色彩能力検定1級、日本色彩学会会員、国際カラーコンサルタント協会会員 ほか。建物の内装、外観、商品企画、店舗・企業の販売促進イベントなどの色彩戦略に関するコンサルテーションを行う。
外装色へのご質問ありがとうございます。
そうですね。自分の敷地内に自分のお金で建てるのですから自由にならないことにご不満のある方もいらっしゃるようです。
赤白ハウス『まことちゃんハウス訴訟問題』はしばらくの間、 ワイドショーで賑わいましたね。この場合は、第一種低層住宅専用地域で閑静な住宅地ではあるものの住宅のデザインを規制する地域ではありません。それで、家主側が勝訴となりました。条例などで決められている地域以外は、ご近所との関係性が深く関わってくるかと思います。
『良好な都市景観を形成することを目的としている』景観条例として都市ごとにきれいな町並みをつくる取り組みがあります。
特に観光地で昔ながらの町並みを保存しようとする地域に多いようです。有名な京都の町並み保存では京都らしい景観の維持のために様々な色彩基準が設けられています。そのため有名なコンビニエンスストアやファーストフード店のロゴカラーも使用を制限されていたりします。
ヨーロッパでは、早くから町並み作りへの意識が高かった為に各地で伝統と風格が残っていますが、日本では少し出遅れていて、やっと2004年に景観法が制定されました。建築物の色だけではなくデザインや高さなども規制されています。大型の広告に大きな面積で派手な色を使えない場合もあります。
どの程度が許容範囲かというご質問へのお答えは、とても難しいものです。
条例で決められている地域は明確ですが、それ以外は案外あいまいです。一般的には派手すぎず、暗くなりすぎず常識の範囲で。。と言わざる負えないですよね。
おっしゃるとおり、派手でなくとも真っ黒の色が外壁全面であれば印象はとても強くなりますので一般住宅では避けるべきでしょう。派手すぎる色、暗すぎる色は大きな面積で使用しない。これが、一番の問題解決になるかと思います。受ける印象は人それぞれ違います。まことちゃんハウスも楽しくて素敵と感じる方もたくさんいらっしゃいました。
しかし、ごく普通の一般住宅ではアクセントカラー程度に抑えることがご近所との関係性もうまくいき、毎日過ごすご自宅から受ける色の影響も効果的に活用できると思います。