お家のフローリングについたキズやへこみが気になっていませんか?
うっかり物を落としてしまい、フローリングに傷が…といったことは誰しも経験があるかと思います。
お家は日々の生活の中心となる場所ですので、いつまでもきれいな状態に保ちたいものですね。
そんな気持ちとは裏腹に、気づかないうちに日に日に傷が増えていくのがフローリングです。
フローリングはお部屋の内壁などと比べても、タンスや棚などとの接触が非常に多い箇所なのです。
接触の際、フローリングに摩擦や負荷がかり、それが傷となって残ります。
ですが、フローリングの傷は意外と簡単な方法で補修が可能です。
そこで、今回は「フローリングの傷が気になる!なんとかしたい!」とお悩みの方にむけ、劣化症状別にフローリング補修方法、必要となる費用、注意点を記事として取り上げました。
症状別の補修方法を身に着け、ぜひ実践してみてください。
1.フローリングの補修は自分でできる!
フローリングの補修についてですが、まず考えるべきことは「自分でもできるのか?」「業者に頼んだ方がいいのか?」という点です。
結論から申しますと劣化具合によっては「自分で補修が可能」です。浅い傷やへこみ、カビや剥がれであれば準備物を揃えれば自分で補修ができます。
深い傷やフローリングにまで達したカビ、シミなどは業者に相談することをおすすめします。では、次の章では自分でできる劣化症状別の補修方法と準備物について解説していきます。
2.劣化症状別!自分でできるフローリングの補修方法と準備物
フローリングの劣化には様々な症状があります。
この章では、劣化症状別の自分でできる補修方法について解説していきます。
2-1.擦り傷は色を塗って補修できる
フローリングの小さな傷は市販の補修グッズで補修できます。
種類がたくさん存在するので、手に入れやすいでしょう。
いくつかの商品と使用方法を紹介します。
①家族で補修屋さん(ハウスボックス )
傷に塗ってこするだけの簡単補修キットです。
■準備物:家族で補修屋さん、カッター、サンドペーパー、
■手順
STEP1. 補修したい箇所のケバ立っている部分をカッター、サンドペーパーでキレイに取り除く
STEP2. 歯ブラシなど柄先の丸いもので、軽くこすって傷口を滑らかに整える
STEP3. 付属のイージーリペアスティックの小手先で、固形の塗料を溶かして傷部分に流し込む
STEP4. 付属のゴシゴシスクレーパーのギザギザの面で、流し込んだ塗料の盛り上がった箇所をこすり平らにする
STEP5. ゴシゴシスクレーパーの尖った面で、平らにするとともに周りのフローリングに色を馴染ませる
3種類の固形の塗料が付属されています。1色でフローリングの色が合わない場合は、3色を組み合わせて色味を調整します。
②フローリング用キズかくしテープ
フローリング用キズ隠しテープを貼るだけで、軽微な傷を隠すことができます。
カラーバリエーションも豊富なので、自宅のフローリングの色により近いものを選びましょう。
③かくれん棒フローリング用(株式会社建築の友)
■準備物:かくれん棒フローリング用、ドライヤー、歯ブラシ(サンドペーパーなどでも可)
■手順
STEP1.傷ついた箇所を歯ブラシで掃除し、ほこりやゴミを除去する。
STEP2.傷にクレヨンの形状をした塗料を軽く押し当て、ドライヤーの熱で溶かして傷を埋める
STEP3.付属のヘラで、傷からはみ出た塗料をすき取る
こちらも数種の色味の塗料が付属されています。フローリングの色味に合わせる際は、スプーンなどの上で色を整えましょう。
④住まいのマニキュアミニ(株式会社建築の友)
傷ついて凹んだ箇所を埋めることはできませんが、塗るだけで傷を隠すことができるので手軽に短時間で作業を済ませたい方におすすめです。
⑤ウッドリフレッシュ(リペアワークスジャパン)
傷に塗るだけの簡単な作業ですので、不器用な方にもおすすめです。
■準備物:ウッドリフレッシュ、雑巾
■手順
STEP1.キャップを外し、先端にインクを染み込ませるため、雑巾の上で数回プッシュする
STEP2.インクが染み込んだ状態のウッドリフレッシュを傷の上に塗布する
STEP3.余分な箇所に付着したインクを雑巾で軽く拭き取る
STEP4.インクの保護とツヤを出すため、インクが塗布された箇所の上から付属の保護剤を塗布する
フローリングの色味と合わなかった場合でも、水性のインクを使用しているため、湿らせた雑巾で拭き取ることができます。作業自体がとても容易なことだけでなく、木目が消えないという点も良いです。
フローリングの傷は、主に「塗って隠す」「張って隠す」の2つが主な補修方法です。
まずは、自分で簡単にできそうな方法を試してみてください。
2-2.へこみはアイロンの熱で蒸らして元通り
1回できてしまったフローリングのへこみ、補修は難しそうですよね。
ところが、フローリングのへこみは家庭にあるもので簡単に直すことができます。
布とアイロンでへこみを補修
■準備物:布、アイロン
■手順
STEP1.水で濡らした布をフローリングのへこんだ部分に置く
STEP2.布の上からアイロンを当てて蒸す
これだけの手順でフローリングのへこみを戻すことができます。
フローリングは木でできている場合がほとんどなので、木が水分を吸収して膨らむことでへこみがなくなるのです。
傷がなくへこんでいる場合であれば、へこんだ部分を針で穴を開け、水分が入るようにすると良いです。
へこみはお家にあるもので補修が可能ですので、ぜひ実践してみてください。
2-3.剥がれは接着剤と木工パテで補修できる
フローリングの剥がれの補修方法についてです。べろっと剥げてしまい諦めていませんか?
少し手間はかかりますが、この剥がれも市販の道具で補修することができます。
■準備物:マスキングテープ、ヘラ、ハケ、瞬間接着剤、木工パテ、サンドペーパー、パウダー塗料、仕上用スプレー
■手順
STEP1.剥がれている箇所に接着剤を流し込み、上から押さえしっかりと貼り付ける
STEP2.作業する箇所をマスキングテープで囲い、養生する
STEP3.欠けている部分にヘラを使い、木工パテを埋める
STEP4.木工パテをサンドペーパーで平らになるまで削る※削った後、削りカスが出るので掃除をします
STEP5.フローリングの色に近い塗料で、木工パテを埋めた箇所を塗りつぶす
STEP6.塗付つぶした箇所に木目を書く
STEP7.仕上用スプレーでツヤを合わせ完成
きれいに仕上げるポイントは、木工パテで埋めた後のサンドペーパーがけです。
ここで完全に平らになるように削ります。削りが甘く、表面に凹凸があると、塗料が剥がれやすくなることに加え、補修跡が目立ってしまいます。
フローリングの剥がれは、手間はかかりますが準備物は簡単に手に入れることができます。
時間に余裕のある方は実践してみてください。
2-4.床鳴りは専用の補修キットで音を抑える
床鳴りとは、フローリングを歩いたときに「ぎぃぎぃ」と鳴る、あの音のことです。
この床鳴りは、その接合部同士が木の調湿機能によって伸縮することで発生する場合がほとんどです。
梅雨や雨が続いた際に多くなる現象で、気候の変化によって収まります。
①床鳴り止まるんです(ハウスボックス)
■準備物:床鳴り止まるんです、雑巾
■手順
STEP1.床鳴りが気になる箇所の、フローリングの継ぎ目に「床鳴り止まるんです」を流し込む
STEP2.周囲に漏れた「床鳴り止まるんです」を雑巾で拭き取る
②ギシギシストッパーミニ(ハウスボックス)
■準備物:ギシギシストッパーミニ、電動ドリル
■手順
STEP1.床鳴りする箇所にホームセンターで販売されている電動ドリルで1mm~2mm程度の穴を開ける
STEP2.ギシギシストッパーミニの特殊樹脂を開けた穴に注入する
2-5.カビはアルコールを湿らせた雑巾できれいに拭き取る
冬や梅雨など気温・環境の変化が激しい時季にフローリングにもカビが発生してしまいます。
実は、フローリングは細菌が多く潜んでいる箇所なのをご存知でしたか?
特にリビングなどの生活の中心となる場所のフローリングは、トイレの床の2,5倍以上の細菌がいると言われています。
カビは美観を損ねるだけでなく、カビが発する胞子を吸い込むことで健康面にも影響を及ぼす場合もあります。
フローリングのカビの除去は、自宅にあるもので準備できるので、ぜひ挑戦してみてください。
■準備物:無水エタノール(消毒用アルコールでも可)、ゴム手袋、未使用の雑巾、マスク
■手順
STEP1.アルコールをに水を加え、8:2の割合で薄める
STEP2.目立たない箇所で1度使用し、脱色しないか確認する
STEP3.雑巾にアルコールを湿らせ、雑巾にカビの色が付かなくなるまで拭き取る
作業をする際は、カビに触れるためゴム手袋の着用を推奨します。
また、アルコールを使用するので窓は必ず開けた状態にしましょう。
3.フローリングを補修する際に知っておくべきこと
フローリングの劣化症状別に補修方法を解説しましたが、事前に知っておくべきことがいくつかあります。
補修に乗り出す前に、チェックしてください。
3-1.自分でおこなう補修は劣化を目立たなくするだけのもの
フローリングの補修は、市販されている補修キットや自宅にあるもので、ある程度は可能です。
しかし、それらはあくまで症状を緩和する・目立たなくさせるものであって完璧に元通りにすることはできません。
症状の進行が早く状態がかなり悪い場合は、業者に相談することも視野に入れましょう。
後述の4章で、業者に依頼した方が安心なフローリングの劣化症状を紹介します。
3-2.【賃貸】事前に大家さんに確認を取ろう
賃貸物件である場合、事前に大家さんへの確認を怠らないようにしましょう。
軽微な補修ではなく、業者を呼ぶ必要があるような補修の場合は特に気をつけてください。
3-3.【賃貸】退去時のクリーニング費用が安くなるわけではない
賃貸物件にお住みの方で意外と多いのが、「補修すれば退去時のクリーニング費用を抑えられる」という思い違いです。
自分でおこなう補修は、劣化症状を目立たなくするものであり、補修箇所が根本的に元通りになるわけではありません。
よって、劣化症状が緩和されたからといって、元通りになった訳ではないためクリーニング費用が安くなるということもありません。
自分でおこなう補修は、あくまで「自分自身が気になる箇所を目立たなくさせる」行為であると捉えましょう。
4.こんな症状は業者に依頼した方が安心
この章では、自分では補修が難しいフローリングの劣化症状を紹介します。
該当する症状が見受けられる場合は、業者へ相談した方が無難でしょう。
4-1.カビが頑固で拭いても取れない場合
前述したように、「カビをアルコールで湿らせた雑巾で拭いたけどきれいに取れない!」ということがあります。
その場合、フリーリングの板にまでカビが侵入している可能性が高いです。
カビの発生に気づくのが遅れると、このように表面だけでなく内部にまでカビが進行してしまうため、自分で除去するには強力な漂白剤等を使用する他ありません。
しかし、フローリングが脱色してしまう上、完全に除去することはできないので業者に依頼した方が安心です。床を張り替える、または除菌した後に防カビ剤を使用しての作業になります。
4-2.シミをごまかすのではなく根本的に補修したい場合
フローリングのシミは、自分で補修できないことはありませんが、フッ化水素などの劇薬を使用するため自分でおこなう補修はおすすめできません。
業者に依頼すれば、費用は自分でおこなうより高額になりますがフローリングを張り替えることなく、きれいな状態に戻すことができます。普段生活をする中で、水がこぼしてしまったり、汚してしまったらすぐに拭き取るという習慣を作るようにしましょう。
4-3.張替えで新品同様に補修したい場合
自分で補修するより、新品と同じように根本的に解決したい!という方もフローリングを張り替えるという方法があります。
張り替えるフローリングには、主に下記の2種類があります。
【フローリング張替えの種類】
①無垢材フローリング
温かみのある風合いが欲しい方におすすめの床材です。高い断熱性に加え、調湿機能も備えています。
中には傷つきやすいものや反りが発生することもあり、温度や湿度の変化に弱い側面もあります。
張替え後も、定期的なワックス掛け等のメンテナンスが必要な床材です。
②合板材フローリング
ベニヤ板を貼り合わせて作られたフローリングです。値段も比較的安く、デザインが豊富なのが特徴です。
深い傷がついた場合は、再度張替えの必要がありますが、費用を安く抑えたいという方におすすめの床材です。
4-4.業者選びの注意点と工事費用の目安
フローリングの張替えは、既存のフローリングの撤去や張替え工事の手間から費用が高額になります。
さらに、工法や張替えの必要性などは、素人では判断しにくい部分であるため、必要以上に高額な工事費用を提示する業者も少なからず存在します。必ず2社以上の業者から相見積りをとることをおすすめします。
フローリング張替え費用相場:25万円~40万円
まとめ
いかがだったでしょうか。フローリングの補修といっても、症状により補修方法は様々です。
軽い劣化の補修の場合は、市販されているもの・自宅にあるものを活用して補修ができ、費用もぐっと抑えることができます。
劣化がひどい・根本的に補修がしたいという場合は費用がかさむ場合もありますが、業者に依頼すると安心ですね。
劣化症状別の補修方法を知り、自分でフローリングの補修に挑戦してみましょう。