おうちに来られた方が必ず見る【 玄関ドア 】。おうちの顔といっても過言ではありません。
そんな玄関ドアですが、内側はまだまだキレイでも、外側は紫外線や風雨にさらされて色があせてしまったり、サビが発生していたり・・・見た目の汚さが気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
「玄関ドアの塗装が剥がれたけど、どうすればいいのかわからない」
「木製の玄関ドアにしたけど、木がボロボロになってしまった」
そんなお悩みを持たれている方もいらっしゃると思います。
玄関ドアのリフォームには、玄関ドアそのものを取り替える方法と、以前の玄関ドアに塗装して生まれ変わらせる方法があります。
この記事では玄関ドアへの塗装を検討されている方へ、塗装の際の注意点やオシャレに変身させる方法をご紹介します。ぜひ参考にされてみてください。
1.【基本知識】玄関ドアの種類
実際、玄関ドアにはどのような種類があるのでしょうか。ここでは玄関ドアに使用されている素材についての基本知識をご紹介します。
1-1.素材別!玄関ドアのメリット・デメリット
玄関ドアは大きくわけて、木製の玄関ドアと金属製の玄関ドアがあります。ここでは、玄関ドアの種類ごとのメリット・デメリットをご紹介します。
木製の玄関ドア | 金属製の玄関ドア | |
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外観 | ||
メリット |
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デメリット |
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木製の玄関ドアはデザイン性に優れているため、おうちをオシャレにしたいとこだわる方が選ばれます。素材が木であるために、温度や湿度によって木が収縮をして徐々に馴染んできます。そのような性質があるために、木製の玄関ドアのメンテナンスを怠ると、色があせたり木が腐ってしまったりする場合もあります。そのため、木製玄関ドアは5年に1度はメンテナンスをするようにしましょう。
金属製の玄関ドアはステンレスやアルミ、鋼板などの素材でできており、近年の金属の成型技術の発展により、デザイン性が豊富になってきました。
しかし、安価であるというメリットの反面、既製品であることが多いために、オリジナルでデザインをすることが難しいです。
金属製の玄関ドアは耐久性に優れているために、メンテナンスにさほど気を配る必要もありませんが、表面の塗装が剥がれる場合もありますので、その際はメンテナンスが必要となります。
1-2.アルミ製の玄関ドアは塗装ができないって本当!?
画像出典:プロタイムズ下関店
「アルミ製の玄関ドアは塗装ができない」
そのようなことを聞かれた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
前章でもお伝えしましたように、金属製の玄関ドアと思って塗装の依頼をしたら、実は金属製の玄関ドアの中でも“アルミ製”だった!という方もいらっしゃると思います。
またアルミ製の玄関ドアと分かっていて、外壁塗装と合わせてアルミ製の玄関ドアの塗装も依頼をする方もいらっしゃると思います。
ですが依頼しても、「すぐに剥がれてしまいます」「できません」と断る業者も少なくないようです。
なぜならば、アルミに塗装をするには、外壁に使用する塗料と同じものは使用せず、硬度が出るよう強溶剤塗料を吹き付けで施工する必要があるからです。
吹き付けによる塗料の飛散を防ぐために、養生に特に気を配る必要があり、アルミ製の玄関ドア塗装をするには高度な技術力が必要となるのです。
ですが、アルミ製の玄関ドア塗装を引き受けてくれる、きちんとした技術をもった業者もいます。アルミ製の玄関ドアの塗装を検討している場合には、技術をもった業者であるか確認するためにも、施工事例や玄関ドア塗装に使用する塗料を詳しく聞くなどしてみましょう。
2.玄関ドアを塗装する際の費用相場
実際に玄関ドア塗装を業者に依頼する際、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。
玄関ドアの種類や状態、大きさ、業者によって変わってきますが、一戸当たり2~10万円が相場となります。
2-1.玄関ドア別の塗装費用
◆木製の玄関ドア:2~10万円
木製の玄関ドアは、どのような塗料を塗るかによっても金額が変わってきます。
木部用塗料としては、造膜タイプ・浸透タイプの2種類があります。
①造膜タイプ塗料
造膜タイプの場合には、マットな仕上がりで木目を全部あるいは一部塗りつぶす方法となりますので、費用は比較的安価に抑えることができます。
しかし、木材は呼吸をするものなので、(木材による湿度調整機能があり)、かつ膨張や収縮するため、塗料の種類によっては一部の透湿性がない造膜タイプでの塗装となると木材が呼吸(湿度調整機能を発揮)できなくなる状態になってしまいます。そのため、数年後には塗膜が割れや剥がれてしまう可能性もありますので、注意が必要です。(透湿性がある造膜タイプの塗装もあります)
とはいえ、破風板など目につきにくい場所を造膜タイプで塗装するケースはよくあります。心配な場合は業者に確認されると良いでしょう。
②浸透タイプ塗料
浸透タイプの場合は、木目を活かす方法です。既存の塗膜をサンドペーパー等で研磨して全てキレイに剥がしてから塗装をする必要があります。その後浸透型の木部用塗料を使用し、染色します。その後下塗りをおこないますが、研磨・下塗りを複数回繰り返しますので、かなりの手間と労力がかかります。
業者によっては、見た目にこだわり、木製家具用のシーラーやクリアー剤を使用し、研磨・下塗りを5回以上繰り返すこともあります。
また高級感があるものとして、オイル仕上げをおこなう場合には10回ほど塗布する場合もあります。
画像出典:プロタイムズ下関店
◆金属製玄関ドア:3~7万円
金属製の玄関ドアの中でも、アルミ製の玄関ドアを塗装においては、まず業者選びから始まります。上記で紹介しましたように、アルミの上から塗料を塗るということは、非常に難しく、すぐに剥がれる可能性が非常に高いため、断る業者も少なくありません。
。アルミ製の玄関ドア塗装の場合には強溶剤の塗料を使用し、吹き付けにて施工をする必要があります。そのため、塗料が飛散するのを防ぐためにも、養生も念入りにする必要があり、意外と手間がかかるのです。
このように、玄関ドアは塗装面積が少ない割に費用が高いように感じますが、木製の玄関ドアの塗装は、補修工程が多く手間がかかるため自ずと費用が高くなります。アルミ製の玄関ドアの場合には、業者の技術が必要となるため、費用が相場より高くなる可能性が大いにありえます。
2-2.玄関ドアの塗装を安く済ませる方法
このように、塗装面積のわりに塗装費用が高く感じやすい玄関ドアの塗装ですが、業者によっては外壁塗装と一緒に玄関ドアの塗装を依頼すると、玄関ドア単体で塗装を依頼するより安く施工してくれる、もしくは、ほぼサービス同然の金額で施工してくれる場合もあるようです。そのため玄関ドア塗装を検討されていて、詳しい費用を知りたいという方は、業者に見積もり依頼をしてみるとよいでしょう。
3.玄関ドアの塗装手順とかかる日数
では実際に玄関ドアを塗装するとなると、どのような流れでおこなうのでしょうか。
工程 | 木製玄関ドア | 金属製玄関ドア |
---|---|---|
1 | 下地処理(研磨・旧塗膜剥離) | 下地処理(ケレン) |
2 | 染色 | 下塗り(サビ止め) |
3 | 下塗り(木部用下塗り塗布) | 中塗り |
4 | 中塗り | 上塗り |
5 | 上塗り |
玄関ドアは木製・金属製ともに、基本は下地処理→下塗り→中塗り→上塗りという工程となります。
ですが、その同様の工程の中でも、下地処理の方法が違ったり、下塗りの塗料が違ったり、塗り方が変わってきます。
また業者によっては、下地処理を複数回繰り返し、かなりの手間・時間をかけておこなうこともあります。
玄関ドアを塗装するとなると、どのくらいの日数が必要になるのでしょうか。工期としては2~4日かかってきます。
外壁塗装と一緒に依頼するのであれば、工期を気にする必要はありませんが、玄関ドア塗装のみを依頼する際には上記の日数がかかることを頭に入れた上で業者に依頼をするとよいでしょう。
4.玄関ドアをDIYで塗装してみよう
実際に玄関ドアの見栄えが悪くなっている場合、DIYで塗装をしてみようと考えられている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
アルミ製の玄関ドアは素人では難しいため、オススメはしません。ここでは木製の玄関ドアの場合の、DIY塗装の方法を紹介しますので、玄関ドアのDIY塗装を検討されている方は参考にされてみてください。
4-1.玄関ドアのDIY塗装の施工手順
木製玄関ドアをDIYで塗装する際には、一般的に以下の手順でおこないます。
手順 | 様子 | 方法 | 使用道具 | |
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1 | 下地調整 | サンドペーパーを使用して、旧塗膜を剥離します ここでどれだけ下地処理ができるかで、仕上がりが変わってきます |
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2 | 養生 | ドアノブやのぞき穴・床など塗装をしない箇所をマスキングテープで養生します |
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3 | 塗装 | 角や隅など塗りづらい箇所から先に、刷毛を使用して塗装します その後ローラーもしくは幅広の刷毛を使用して全体を塗装します |
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4 | 上塗り・仕上げ | 下地が完全に乾いたら、3の手順と同様に上塗りをします はみ出してしまった箇所はペイント薄め液を使用して拭き取ります |
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4-2.玄関ドア塗装の注意点
上記の方法でDIY塗装をするのが一般的ではありますが、実は上記の方法では、2~3年後に塗膜が剥がれるといった不具合がでる可能性が非常に高いのです。それはなぜなのでしょうか。
実は、木製玄関ドアをDIYで塗装する際のポイントは【 いかに旧塗膜を剥離できるか 】にかかっています。
ここできちんと旧塗膜を取り除けていなければ、上から新たに塗装をしても旧塗膜と一緒に上から塗った塗膜も剥がれ落ちてしまいます。そのために、旧塗膜を綺麗に取り除くことが重要となりますが、綺麗に取り除くには毒性の高い剥離剤を使用する必要があるのです。剥離剤は皮膚につくとすぐに炎症を起こす可能性が非常に高く、また臭いを嗅ぎ続けると酸素欠乏症や有機溶剤中毒症にかかる場合もあります。
そのような危険な剥離剤を使用せずにDIYで塗装をするとなると、サンドペーパーを使用して旧塗膜を落としますので、手間と時間がかかってしまうのです。そして手間と時間をかけてDIYで塗装をおこなっても、結局旧塗膜をきちんと剥離できていないために、2~3年後に不具合がでるということが多いのです。
長く持たせたい場合は専門の塗装業者に依頼することをオススメいたします。
4-3.玄関ドアの塗装にオススメの塗料
木材用の塗料には、2種類あります。
- 浸透タイプ塗料:木目がはっきり出る
- 造膜タイプ塗料:マットな仕上がりで耐久性が高い
ここでは、木製の玄関ドアに塗ることができる塗料をご紹介します。
◆ガードラック
浸透タイプのラテックスと、半造膜タイプのアクアとありますので、好み・用途に合わせて選びましょう。
◆オスモカラー
画像出典:http://www.imliving.com/makt_sizen_toryou/osmo/index.html
オスモカラーは自然の植物油を使用している、ドイツの無公害木材保護塗料です。内装・外装用ともにバリエーションが豊富にあります。また、ウッドステインプロテクターは外装用浸透タイプの塗料で、下塗り・上塗りを同一塗料で仕上げることができるため、経済的です。
◆ノンロット
画像出典:http://www.nonrot.jp/nonrot/205n.html
木材の通気性を活かしながら、耐UV・超撥水・防腐・防カビ・防虫という機能を持ち合わせた、浸透タイプの塗料です。素人にも扱いやすい塗料です。
ここでは3種類ご紹介しましたが、木部用の塗装はまだまだあります。
「 ウッドデッキなど木部を塗装する前に知っておきたい知識 」にて木部用塗料がさらに紹介されていますので、参考にされてみてください。
また、ホームセンターにも木部用塗料は販売していますので、ホームセンターの販売員へ、木製玄関の塗装をしたいと相談してみるとよいでしょう。
4-4.【 番外編 】分譲マンションの玄関ドア塗装はここに注意!
DIYで塗装となると、分譲マンションの玄関ドアも塗装をしたいと考えられている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ここでは、分譲マンションの玄関ドアの塗装に関しての注意点をご紹介します。
結論から言いますと、マンションの玄関ドアは専用使用部分(共用部分でありながら、特定の区分所有者だけが使うことができて、その他の者は使用することができない部分)となります。そのため、個人ではリフォームできない範囲となりますが、分譲マンションによっては、内側の塗装に関しては工事を認めているところもあります(詳しくは管理組合にご確認ください)
ですので、玄関ドア塗装をDIYでやりたいと考えられている方は、玄関ドアの内側のみ塗装するようにしましょう。
しかし、分譲マンションに使用されている玄関ドアといえば、基本は金属製の玄関ドアが大半かと思われます。木製玄関ドアの分譲マンションの場合には、上記でご紹介した手順にてDIY塗装をおこなっていただければ特に問題はありません。ですが、金属製の玄関ドアの場合には、強溶剤塗料を使用したり、吹き付け用のスプレーガンを使用したりする必要があり、塗装が大変難しいため、業者に依頼をする方がよいでしょう。
5.玄関ドアをオシャレに変身させる方法
こだわりを持って建てた大事なおうちですから、リフォームの際には、玄関ドアをご近所のおうちの玄関ドアよりもオシャレにしたいと考えられている方もいらっしゃると思います。
ここでは、玄関ドアをオシャレに変身させる方法をご紹介します。
5-1.【 玄関ドア×外壁 】のオススメの色の組み合わせ
今までの玄関ドアと同じ色だと変化が見られない。色を変えてみたい!と思っている方に、玄関ドアと外壁の色の組み合わせでオススメの色を紹介します。
◆ホワイト×ブラウン
画像出典:プロタイムズ下関店
外壁・玄関ともに、白でまとめていたものを、塗り替えの際に外壁はツートンカラーに分けて塗り、玄関ドアは外壁の2階の色と合わせてホワイトに塗っています。
ブラウンで1階部分を引き締めて、玄関をホワイトにして明るくお客様を迎えるような配色になっています。
◆ブルー×ホワイト
画像出典:プロタイムズ下関店
外壁を塗り壁でホワイトにしたのを機会に、施主様のご要望で玄関を爽やかなブルーに塗り替えました。
外壁・窓枠がホワイトでまとまっている中で、とてもいいアクセントになっています。
◆グリーン×ミント
画像出典:プロタイムズ下関店
外壁を爽やかなミントカラーにし、玄関ドアを同系色のグリーンで塗装することによって、引き締めています。
玄関まわりのデザインもステキで、オシャレな印象を受ける配色となっています。
◆エンジ×ベージュ
画像出典:プロタイムズ下関店
こちらも同系色での配色です。エンジ×ベージュで外国風に仕上がっています。
5-2.玄関ドアにデザイン塗装を取り入れてみよう!
玄関ドアは塗り替えて気分転換をするだけではないのです。玄関ドアにデザイン性を取り入れることもできます。
画像出典:プロタイムズ下関店
塗り替え前と同じブラックの仕上がりですが、無地であった玄関ドアにデザインを取り入れています。
普通の玄関ドアとはちょっと違うオシャレな仕上がりで、おうちに来られた方もワクワクするような仕上がりです。
このように、玄関ドア塗装は色を塗り替えるだけではなく、デザイン性を取り入れることもできます。
どのような施工ができるかは業者によって得意・不得意がありますので、まずは依頼をしようと検討している業者の施工事例を見て、実際に相談してみるとよいでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。玄関ドアの塗装といっても、玄関ドアの材質によって方法や費用は変わってきます。またおうちの顔となる玄関ドアですので、いつでもキレイな状態でお客様を迎え入れることができるよう、定期的なメンテナンスをするようにしましょう。
1.玄関ドア塗装の費用相場は2~10万円
2.アルミ製の玄関ドアの塗装は断る業者も多いが、きちんとした技術をもった業者もいる
3.木製の玄関ドアで一番重要なのは旧塗膜剥離
4.玄関ドアにもデザイン塗装を取り入れることができる