日頃から忙しくて放置していた箇所の掃除をそろそろやらないと…
でも、年に何回かのためだけにキッチン、お風呂、トイレなど場所に分けて掃除用洗剤を準備するのは少し面倒ですよね。
本記事ではそんなあなたに向けて「重曹(じゅうそう)」と「クエン酸」だけで家中を掃除できる方法をお伝えします。
目次
1.重曹とクエン酸で家中まるごと掃除できる!
重曹とクエン酸、何故その2つがあれば家中の汚れが落ちるのか?ここでは掃除の観点からそれぞれの特徴と違い、またそれぞれを使って掃除すべき箇所をお伝えします。
勘の鋭い方ならこの章を知っておくだけで、「重曹はここの掃除に使える」「クエン酸はここの掃除に使える」とひらめくこともあるかもしれません。
1-1.重曹とクエン酸の特徴と効果を発揮する汚れ
汚れを落とすための基本的な考えとしては、汚れを中和させること。
重曹 | クエン酸 | |
---|---|---|
特徴 | 弱アルカリ性。
人体に無害な物質で、食品添加物や医薬品として古くから利用されてきた。粒子が細かく、水に溶けにくいため、加熱すると分解して炭酸ガスを発生する。※1 |
酸性。
果物の酸味の成分。水に溶けやすく無色無臭。酸性なので、カルシウムなどを溶かしたり、アルカリ性の物質を中和したりする働きがある。※2 |
効果を発揮する汚れ | ・油汚れ ・コゲ ・湯あか ・手垢 (・生ゴミ臭、腐敗臭) |
・尿汚れ、尿石 ・水あか ・石鹸カス (・トイレのアンモニア臭) |
参考:石鹸百科
※1 https://www.live-science.com/honkan/partner/bicarbonate01.html
※2 https://www.live-science.com/honkan/partner/citric_acid01.html
上記表にて分かるように、酸性の汚れにはアルカリ性のものを使用し、逆にアルカリ性の汚れには酸性のものを使用すると効果が高いといえます。
よって、重曹は「弱アルカリ性」ですので酸性汚れに、クエン酸は「酸性」ですのでアルカリ性の汚れに使用する、ということになります。
1-2.重曹で掃除できる箇所、クエン酸で掃除できる箇所
1-1を踏まえ、重曹で掃除できる箇所、クエン酸で掃除できる箇所をご紹介します。
重曹で掃除できる箇所 | クエン酸で掃除できる箇所 |
---|---|
キッチンのコンロ周り、レンジの中(油汚れ) | シンク、洗面台、水栓(水垢) |
鍋やフライパン(コゲ) | 洗面台、お風呂の鏡(水垢、石鹸カス) |
お風呂の浴槽(湯垢) | トイレの便器(尿汚れ) |
窓ガラス(油汚れ、手垢) |
1-3.排水溝は重曹とクエン酸をどちらも使用する
1-2でご紹介した箇所でほぼほぼ家中完了できる!と思った方も多いかもしれませんが、最も手強い汚れはお風呂、シンクの排水溝ではないでしょうか。
この汚れはさすがに重曹とクエン酸のどちらかだけでは敵いません。ここで登場する必殺技としては「重曹とクエン酸のダブル使い」です。
重曹とクエン酸を混ぜると炭酸が発生し、より強固な汚れを落とすことができるのです。
1-4.重曹とクエン酸を使用する際の注意点
はじめて重曹とクエン酸を使用する方に向けて、注意点を下記にまとめました。使用前に一読されることをおすすめします。
【重曹を使用する際の注意点】
・粒子が手の表面をこするので、特に手荒れしやすい人はゴム手袋をして作業する
・漆器やプラスチックなど、柔らかい素材は重曹の粒子で傷つくことがあるため激しく擦らないようにする、柔らかい布やスポンジを使用するようにする
・湿気を吸うと固まってしまうことがあるため密閉できる(蓋のできる)容器で保管する(またはその都度使える個包装タイプのものを使用する)
・水に溶けにくいため、溶かして使用する場合はぬるま湯で溶かす
【クエン酸を使用する際の注意点】
・大理石には使用しない(大理石の主成分は炭酸カルシウムなので、酸で溶けてしまう)
・目に入ってしまった場合は清潔な水で十分にすすぎ流し、痛みが残る場合は医療機関に相談する(酸性のため、粉や水溶液が目に入ると強い痛みを感じます)。
・大量に飲み込んでしまったときは医療機関に相談する(人体内にも存在する成分のため、ほんの少しなら口に入ってもそれほど心配はありません)。
※重曹もクエン酸も、食品用と掃除用で分けて販売されているパターンが多いです。掃除用の物でも口に入れると危険という訳ではありませんが、口に入れる目的ではないので、食品に使えるのは控えるようにしましょう。
2.【簡単掃除方法】重曹・クエン酸を使ってキレイに変化!Before/Afterあり
2-1.重曹での掃除
重曹での掃除ではこちらを使用。3gずつ小分けになっているので使いやすく、保管も安心です。
建栄製薬 重ソウ 3g×18包
①ガスコンロ
主婦であれば毎日使うコンロ。すぐ汚れるのに、時間をかけて掃除するのはめんどうですよね。
【Before~掃除前~】
コンロ周りはもちろん、下部にも油汚れが飛び散っています。
まずコンロ部品を取り外して重曹を振りかけます。それぞれ1包(3g)ずつ使いました。
1~2分ほどで汚れが中和され、浮いてきます。
スポンジ等でこすっていくとすぐに汚れが落ちます!
本体のコンロまわりにも重曹を振りかけ、少し濡らしたキッチンペーパーで拭いていきます。
【After~掃除後~】
かなり綺麗になりました!
【Before(左コンロ)と After(右コンロ)の比較】
掃除していない左部分のコンロと比べると違いは歴然。今まで使用してきた掃除用スプレーよりもするっと汚れが落ちました。
②シンク
こちらもコンロと同じくすぐに汚れてしまう箇所。こちらにも重曹が使えます。
【Before~掃除前~】
特に排水溝周りに汚れが目立ちます。
【After~掃除後~】
こちらも重曹を振りかけ、スポンジでこするとあっという間に綺麗になりました!
③電子レンジ
よく見ると油汚れが溜まってしまっている電子レンジ。
【Before~掃除前~】
まず、重曹をマグカップに入れ、水に混ぜて溶かしレンジで3分ほど温め、3分経ったあとも3分ほど扉を閉めておきます。これで重曹成分をレンジ内に行き渡らせます。
(マグカップに入れるので、気になる方は掃除用ではなく食用の重曹を使いましょう)
3分後、重曹成分で汚れが柔らかくなっていますので、キッチンペーパー等で拭いていきます。
しつこい汚れには重曹を多めに、またマグカップを中で放置する時間を多めにとるとより効果的です。
【After~掃除後~】
油汚れも綺麗に落ちました!しかしコンロ上部のガチガチに固まってしまったしつこい油汚れは残ってしまったので、重曹をレンジ内でチンして→放置の作業を再度行いました。
2-2.クエン酸での掃除
クエン酸での掃除ではこちらを使用。
大洋製薬 食添クエン酸 500g
スプレー式ボトル
【クエン酸スプレーの作り方】
100円ショップで購入した350mlのスプレー型容器に、クエン酸を2~3g入れ(大体でOK)、振って水に溶かすと出来上がりです。
1-2でも掃除できる場所をご紹介しましたが、本章では実際にどのくらい汚れが落ちるのか簡単な掃除手順と一緒にご紹介します。
①洗面台の水栓
洗面所の水栓は手洗い、洗顔、歯磨き等で毎日頻繁に使うため気づけばかなりの水垢汚れが…。
【Before~掃除前~】
クエン酸スプレーをまんべんなく吹付け、キッチンペーパーやマイクロファイバー雑巾などの柔らめの布でふき取ります。
【After~掃除後~】
あっという間にピカピカになりました!!
しかし、水栓の根本部分の汚れがまだ気になるため、クエン酸を再度吹付け、キッチンペーパーの上にラップを巻き、「クエン酸パック」をして半日ほど置いてみました。
【クエン酸パック】
半日程置いて再度乾いたキッチンペーパーで拭き取ると…
【After~クエン酸パック後~】
こちらもピカピカに!
このように汚れが落ちにくい箇所はクエン酸パックが効果的です。
※注意※半日置かなくても2~3時間でいいのではないか?とやってみたところあまり汚れの落ちはよくありませんでした…。長時間放置するほどクエン酸が汚れを中和してくれるようです。焦りは禁物です。
②お風呂、洗面台の鏡
お風呂は毎日使うものの、鏡の掃除は放置しがち…水垢、湯垢で汚れがこべりついてしまっている方も多いのでは?
【Before~掃除前~】
遠目で見るとそこまで汚れは目立ちませんが、アップで見ると完全に汚れているのがわかります。
【Before~掃除前アップ~】
こちらは水栓の根本と同じく汚れがしつこそうなので、初めからクエン酸パックを適用。まずクエン酸スプレーを全体に吹付けます。
乾かないうちにキッチンペーパーを貼り付け、再度上からクエン酸をスプレーし密着度を高めます。その後ラップで全体をパック。
こちらも半日程置きます。
※乾燥しないように一時的に換気扇は止めておきます。
【After~クエン酸パック後~】
こちらもかなりピカピカになりました!
それでも鏡の端の方はまだ少し汚れが残っていたので、再度クエン酸スプレーを吹き付けてスポンジでこすると綺麗になりました。
しつこい汚れ部分には、クエン酸を再度容器に足し、濃度の濃いクエン酸スプレーを作ってから使うのがいいのかもしれません。
ついでにお風呂のシャンプー等を置く台もクエン酸スプレーをしてスポンジで洗ってみたところ、取れにくかったピンク汚れ(赤カビ:浴室内の雑菌をエサに増殖する)も一瞬で綺麗になりました!
【Before~掃除前~】
【After~掃除後~】
③電気ポット
見えない汚れが溜まってしまっているのが電気ポット。汚れが残っていると電気ポット自体の性能も落ちてしまうとか。
【Before~掃除前~】
湯垢汚れが白く付いてしまっているのがわかるかと思います。
掃除方法は簡単。電気ポットに水を満タンまで張り、クエン酸粉末を2~3g入れて軽く混ぜます。
そして通常通りお湯を沸かし、その後2~3時間放置し洗い流すと…
【After~掃除後~】
湯垢がなかったものに!今まで少し中が洗いにくく面倒だな、と思っていた電気ポットもこれなら簡単にできますね。
2-3.重曹とクエン酸を混ぜての掃除
1-3でもお伝えしましたが、最もしつこい汚れがシンクやお風呂場の排水溝ではないでしょうか。そんなしつこい汚れには重曹とクエン酸のダブル使用で掃除します。
【Before~掃除前~】
まずクエン酸をまんべんなく吹きかけます。
その後重曹を振りかけると、炭酸が発生しシュワシュワと音を立て、汚れが中和され浮き上がってきますので、水を流しながらスポンジで洗うと完了です。
【After~掃除後~】
ゴシゴシ力を入れずともここまで綺麗になりました!同じ要領でお風呂場の排水溝も掃除ができます。
3.重曹、クエン酸を使って掃除するメリット
2章での簡単掃除方法はいかがでしたでしょうか?
ここではそもそもなぜ重曹とクエン酸で掃除することがいいのか?という点をご紹介します。
3-1.①自然由来のもののため安全・安心
この2つの共通点として、掃除だけでなく食べ物にも使用されるという点があります。
よって他の掃除用洗剤等と違い、人体に安全・安全なので、特に小さなお子様がいる家庭では安心して使うことができます。
安全性の高いことから、重曹やクエン酸の自然由来のもので掃除することを「ナチュラルクリーニング」とも言います。
3-2.②この2つだけで掃除が済む
1-2の掃除できる箇所でもお伝えしたように、重曹・クエン酸があれば様々な箇所を一気に掃除することができるのも大きなメリットです。
他の掃除用洗剤等を購入する手間がはぶけるのです。
また、2章のように多くの箇所の掃除をしても、重曹とクエン酸の使用量はわずかでした。掃除用品の節約にもなります。
3-3.③消臭にも使える
汚れは「中和させること」が掃除のポイントとお伝えしましたが、「臭い」も同じ仕組みなのはご存知ですか?
トイレなどのアルカリ性の臭いには酸性のクエン酸、生ゴミや腐敗物などの酸性の臭いにはアルカリ性の重曹が効果を発揮するのです。
掃除に使ったあと余ったクエン酸スプレーをトイレの消臭スプレー代わりにできますし、重曹をごみ袋に少々振りかけるだけで生ゴミ臭を防ぐことができるのです。
4.迷ったときはこれを見て購入!重曹、クエン酸製品のラインナップ
重曹とクエン酸の主な製品をご紹介します。
4-1.【重曹】
・暮らしの重曹(ミヨシ石鹸)
重曹だけでなく、クエン酸もシリーズで販売あり。
・重ソウ(健栄製薬)
小分けに梱包された種類もあり。
4-2.【クエン酸】
・暮らしのクエン酸(ミヨシ石鹸)
同シリーズにて重曹もあり。特に水アカ汚れに効果を発揮。
・食添クエン酸(大洋製薬)
蓋付きのボトルで保管がしやすい。
まとめ
重曹とクエン酸があればいろんな場所の掃除が済むんだ!と思っていただけたのではないかと思います。
本記事でご紹介した掃除方法は本当に簡単ですので、気持ちよく年越しをするためにも、本記事を見ていただきながら年末にかけて一気に掃除をしてみるのはいかがでしょうか?
皆様のお役立て記事となれれば幸いです。