シロアリは、あなたの身近なところにいるのはご存知でしょうか?
あなたの家の庭や床下の土にも、シロアリは生息しているかもしれません。というのもの、遡った話をすれば、昔からシロアリが生息していた土地に人間が勝手に家を建ててきたといったほうが正しいかもしれません。
シロアリは、木を好んで活動する生き物であるため、木が多く使用されている日本の建物は、シロアリ被害を受けるリスクが非常に高いと言えます。
ですから、日本で生活する場合はシロアリの対策は目をつぶることのできない問題です。
ここでは、大切なお家をシロアリ被害から防ぐための対策をご紹介いたします。
目次
1.放っておくと怖いシロアリ被害
被害が多く見られるのは、湿度の高くなりやすい、浴室、トイレ、流し等水まわりの土台、柱、枠、敷居、玄関や勝手口の枠、框(かまち)、下駄箱などです。 雨漏り、水漏れがあると梁(はり)や屋根の構造体にも被害が起こります。
最近では、洋風で柱が露出していない建物も多くなっているので、特に発見が遅くなることが多くなっているのが現状です。
1-1.シロアリを見つけてからでは遅かった!シロアリの被害事例
上の写真は畳や、柱、壁が見えないところでシロアリからの食害を受けていた被害写真です。
写真のように、シロアリからの食害が起きてしまっている家は、少しの振動で家が倒壊するという最悪の事態が起こる可能性もあります。崩壊まではいかない被害でも、一度シロアリが出た家は耐久度が著しく下がってしまいます。また、不動産売買の際、多くの仲介業者が使用する重要事項説明書に、「シロアリ被害調査の実施の有無」を記載しているケースがほとんどであるため、そういう点においても、食害が起きる事による資産価値の減少は可能性としてあると言えます。
そして、シロアリ被害によって起きる最も大きな要因は、金銭面の問題です。
家屋がシロアリによって荒らされた場合、被害部分を補修、リフォームしなくてはならないのですが、その時のリフォーム費用は一件あたり、数百万円から、場合によっては1,000万円近くかかると言われています。
1-2.シロアリの種類によって被害規模が違う
シロアリの種類は全世界でおよそ2000種類も存在します。しかし、その中で日本にいるシロアリはおよそ20種類であり、家を食べるシロアリは大きく分けて3種類程度です。シロアリの9割の種類は森に生息し、人間とは関わらない所でひっそりと生きています。
日本にいて家に害を及ぼすシロアリ
名称 | ヤマトシロアリ | イエシロアリ | アメリカカンザイシロアリ |
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特徴 | ヤマトシロアリとは、日本全土に居るシロアリであり、北海道でも存在を確認されています。常に湿った木材の中で生活しています。日があたらず湿気の多い、かつ暖かい所を好む傾向があります。家屋においては、キッチン、浴室、洗面所などの水廻りはヤマトシロアリにとって最も生活のしやすい場所になります。 | イエシロアリとは、茨城県から沖縄の方面で活動しているシロアリです。ヤマトシロアリと同じ領域も加害します。さらに、水を運ぶことのできる能力を持ち生活範囲が広いため、天井裏、襖など、木材のある部分の全領域を加害することもあります。また、木材だけでなく、コンクリートや発泡スチロールなども加害する例があり、危険性の高いシロアリです。 | こちらは外来種です。輸入品から紛れてやってくるので主な活動範囲はありません。特徴として、生きていくのに水分を必要とするヤマトシロアリとイエシロアリに比べ、ごくわずかな水分だけでも十分に活動可能な極めて生命力の高いシロアリです。 |
2.シロアリ対策の初めの第一歩は「業者に電話」
2-1 シロアリを発生しないようにする“事前対策”
一般的に、シロアリの予防策としてとられている方法は、薬剤を使って処理を行う防蟻工事です。新築の場合は、法律上防蟻工事を行うことが義務付けられていますが、それ以外は規則がありません。薬剤の効果の関係上、防蟻工事後5年経過した家に関しては、それ以降は任意での工事となります。
▪防蟻工事は業者に依頼する
今日、ネットやあらゆる本で、自分で出来るシロアリ対策の方法がたくさん出回っています。しかし、業者が行う防蟻工事は素人が行う手段より効果的であり、コストがかかるぶんその効果は十分に期待できます。
薬剤を塗布するだけならば自分でもできると思うかもしれませんが、実際の防蟻工事は床下に入っての作業を行うため、たいへんな労力を伴うものです。狭い空間で長時間、薬剤をきちんと撒くというのも、専門家でないと難しいところもあり、本格的な薬剤の散布となると、専用の道具も必要となります。たとえば、床下の無い、在来工法の浴室・玄関・玄関ポーチなどの土間・木材については、ドリルで穴を開け、開けた穴より専用ノズルを用いて、専用薬剤を注入しなければならないのです。
よって、防蟻工事は業者に依頼したほうが効果的でかつ安全なのです。
▪業者に依頼するメリット
業者に依頼した予防施工には保証がつきます。業者や地域によって期間は異なりますが、基本的にシロアリ予防の保証期間は、約5年となっています。この場合、5年間はシロアリが発生しても契約時に交わした条件の金額の範囲内で駆除、補修、防蟻をやってくれるので、業者に依頼することは保証という観点からも、個人で処置を行うより長期にわたって対策が取れるためメリットの多い方法と言えます。
シロアリ予防の保証は「目に見えるシロアリのバリア」だと考え、保証をひとつの目安として、防蟻工事をされることをおすすめします。
2-2 シロアリが発生した場合の“事後対策”
シロアリが発生した場合も、まずは業者に電話をする事をお勧めします。
シロアリの駆除というのは、目に見えたシロアリだけを駆除すればいいというものではありません。シロアリの巣自体を巣ごと退治することが大前提ですが、この巣を見つけることは、素人には難しいものです。また、シロアリは意外と警戒心が強いので、蟻道を見つけて、その中にシロアリの姿を確認したとしても、物音を立てただけでもすぐに逃げて見えなくなってしまいます。シロアリの生態や習性、さらには建造物の構造などの知識を持っていないと、シロアリの巣を見つけることは難しいのです。
また、ヤマトシロアリやイエシロアリなど、シロアリの種類によって駆除の方法も変わってきます。的確な駆除方法のためには、シロアリの種類をきちんと見極めなければなりませんが、この見極めも素人には難しいです。
シロアリは、間違った方法で駆除すると、かえって被害が広がるという危険性もありますので、非常に難しいものです。早めに専門の業者に電話をし、工事を依頼しましょう。
専門の業者が行うシロアリ対策は大きく分けて、2つの方法があります。
特徴 | ベイト工法 | 薬剤によるバリア工法 |
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仲間へエサを分け与えるシロアリの特性を利用した方法です。家の周りにえさとなるベイト薬剤を仕掛け、薬剤を巣穴へ行き渡らせ、薬剤を食べたシロアリの脱皮を阻害し、退治する。(シロアリは脱皮が出来ないと死にいたる。) | 床下などに薬剤の処理層を作り、シロアリが家屋内に侵入できないようにする方法です。薬剤を土壌散布、床下や柱等の被害部には薬剤を注入、塗布処理を行い、シロアリの侵入を阻止します。 |
シロアリが気になる方、信頼できる業者に点検・工事を依頼したいと考えている方は、こちらをご参考ください↓
「シロアリ駆除の費用相場と信頼できる業者の選び方」
https://reform-journal.jp/siroari-price-596
3.自分でできるシロアリチェック
シロアリの対策は早ければ早いほど良いということは、ここでも繰り返しお伝えしているので、ご理解いただけているかと思います。シロアリの予防、対策など気になることがありましたら、まずは以下の項目が自分に当てはまるのか、ご自身でチェックしてみてください。
□家の中やまわりで羽アリを発見した
□押入れが臭く、じめじめしている
□築5年以上でシロアリ予防をしていない
□近所でシロアリ駆除した家がある
□柱・床下の隙間に土がたまっている
□床を歩くとぎしぎし鳴り、床がゆるく感じる
ひとつでもチェックが入った方は、シロアリが発生する、またはしている可能性が高いです。手遅れになる前に、まずは業者に依頼して点検をすることをお勧めします。
まとめ
いかがでしたか?シロアリについて気にしている方は多くいる一方で、実際自分の家は、「本当に対策が必要なのか」「いつすればいいのか」「どうすればいいのか」などの悩みを抱えているケースが非常に多いのです。
シロアリは、人体に直接影響することがなく、ひっそりと家に潜んでいるので、あまりシロアリ対策の需要を感じないかもしれません。しかし、手遅れになってからでは、もう遅いというケースが非常に多いのがシロアリ被害の恐ろしいところなのです。まずは、ご自分のお家が保証適用期間か否かを確認し、業者に電話をして、現状把握を行いましょう。