アスベスト含有の建物の塗装について

過去に施工された建物にアクリル樹脂リシン吹付け(下地RC打放師上)がしてあり、塗装の一部がアスベスト含有と診断されました。これを撤去する方法と今度何を吹付けすれば良いのでしょうか?
また、この吹付けをそのままにしてこの上にカバーする方法は無いでしょうか?

S さん

A 専門家の回答

赤嶺雄一郎

赤嶺雄一郎

一級建築士、一級建築施工管理技士

一級建築士、一級建築施工管理技士、賃貸不動産経営管理士他 建築設計事務所勤務を経て、大手建設会社にて分譲マンションの大規模修繕工事を担当。長期修繕計画に基づく費用対効果の高い修繕計画の立案、設計監理業務を得意とする。

■撤去する方法、何を吹き付ければ良いか
アスベストが含有している塗材(建材)が問題となるのは、「建物解体時や撤去時の飛散」です。
平成29年5月の環境省通達で、「吹付工法で施工されたことが明らかな場合は、大気汚染防止法が規定する吹付石綿に該当するものとして届出や作業基準の遵守等が必要」と規定されました。飛散の恐れと除去費用が高い順に、レベルⅠ~Ⅲに区分されます。剥離剤を併用したケレン工法を採用した場合、飛散リスクが大幅に軽減されるため、比較的安価なレベルⅢで対応できることがありますが、行政によっても見解が分かれることがあるため、事前に確認を行う必要があります。撤去後の吹付材については完全ノンアスベストのリシン等が各社より発売されています。

■この吹き付けをそのままにしてこの上にカバーする方法が無いか
セメントフィラーや微弾性フィラー等を塗布し、各種仕上塗装を行うことが可能です。
防汚性・防水性・ひび割れ追従性が向上する一方、リシンのメリットである透湿性や風合いは損なわれるため注意が必要です。

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