「カーポート」は屋根と柱のある自動車を保護するための簡易的な車庫です。屋根と外壁のある「ガレージ」に比べて簡単に、費用を抑えて設置できます。
カーポートを選ぶ際には「そもそもどれぐらいの費用がかかるのか」「費用を抑えたい」「おしゃれなカーポートを手頃に設置したい」などと考えられているのではないでしょうか。そんな疑問を解消し、希望を叶えるために、本記事では下記の2点をお伝えします。
・カーポートの費用相場(1~2章)
・カーポートの費用を予算内に抑えるためのポイント(3章)
カーポートの予算をまず決めたい、種類別のカーポートの費用相場が知りたい、なるべく費用を抑えながら希望に合うカーポートを選びたい方はぜひ参考にされてください。
1.カーポートの総費用の相場は約20~50万円
カーポートの総費用の相場は約20~50万円です。総費用の内訳は「本体価格」と「施工費用」の2種類で、それぞれの費用相場は下記の通りです。
・カーポートの本体価格の相場(1台用):約15~40万円
・施工費用の相場:約5~10万円
カーポートのサイズやデザインによって合計金額は変動しますが、車の保護だけのためにカーポートを設置する場合は上記の合計金額が予算の目安となります。
2.カーポートの本体価格と施工費用の相場
ここではカーポートの「本体価格の相場」と「施工費用の相場」をより詳細にご紹介いたします。
2-1.カーポートの本体価格の相場
カーポートの本体価格は「収容台数」と「デザイン性・機能性」で変わります。それぞれの費用相場を実際の製品情報を交えてご紹介いたします。
【収容台数ごとの費用相場】
カーポートの本体価格は、自動車の収容台数が増えるにつれて高くなっていく傾向があります。
台数 | 本体価格の相場 |
1台用 | 15万円~ |
2台用 | 25万円~ |
3台用 | 50万円~ |
※製品によって上記の本体価格は変動します。
【デザイン性・機能性ごとの費用相場】
カーポートはデザイン性や機能性が高いほど、本体価格が高くなる傾向があります。形・機能別に本体価格の相場と特徴を表にまとめました。お住まいに最適なカーポート探しの際に参考にしてみてください。
タイプ | 特徴 | 本体価格の相場(1台用) |
片側支持タイプ・後方支持タイプ | 屋根を支える柱が一辺にのみ設置されているタイプ。限られたスペースに設置する場合におすすめです。 | 約15~50万円程度 |
両側支持タイプ | 屋根を支える柱が二辺に設置されているタイプ。柱の本数が多い分、強度が高まります。積雪や風の強い地域でよく選ばれています。 | 約25万円〜 |
積雪対応タイプ | カーポートが積雪の荷重によって破損するのを防ぐために強度を高めたタイプ。両側支持タイプのものが多く「柱の本数が多い」「梁が太い」「屋根に強度の高いスチール折板を採用している」などの特徴があります。 | 約35万円〜 |
デザイン性・機能性の高いタイプ | デザインが洗練されたものや、カーポート以外の役割を果たすものがあり、汎用のものに比べて価格が高くなる傾向があります。 | 約50万円〜 |
皆様のお住まいに合いそうなカーポートは見つけられましたか?タイプごとにメーカーの製品情報をまとめましたので、カーポート選びの際にご参考ください。
■片側支持タイプ・後方支持タイプ
【メーカー】LIXIL
【 製品名 】フーゴ
【 価格 】324,400円~
【デザイン】片側支持タイプ
※出典:LIXIL
【メーカー】三協アルミ
【 製品名 】カーポート カムフィエース
【 価格 】260,800円~
【デザイン】片側支持タイプ
※出典:三協アルミ
【メーカー】三協アルミ
【 製品名 】カーポート フォーグ
【 価格 】525,800円~
【デザイン】後方支持タイプ
※出典:三協アルミ
【メーカー】YKK
【 製品名 】ファクトポート
【 価格 】182,300円~
【デザイン】片側支持タイプ
※出典:YKK
■両側支持タイプ
【メーカー】LIXIL
【 製品名 】ソルディーポート
【 価格 】580,500円~
※出典:LIXIL
【メーカー】三協アルミ
【 製品名 】カーポート スカイリード
【 価格 】329,100円~
※出典:三協アルミ
■積雪対応タイプ
【メーカー】YKK
【 製品名 】ジーポートpr0
【 価格 】361,600円~
※出典:YKK
■デザイン性・機能性の高いタイプ
【メーカー】LIXIL
【 製品名 】カーポート SC
【 価格 】523,700円~
※出典:LIXIL
【メーカー】三協アルミ
【 製品名 】ウォールエクステリア特注品 グランフローア
【 価格 】4,424,800円~
※出典:三協アルミ
2-2.カーポートの施工費用の相場
カーポートの施工費用の相場は5~10万円程度です。カーポートの設置や修繕などの施工費用についてまとめました。カーポートを新設する方や買い換えを検討している方は参考にされてください。
■新設の場合
施工内容 | 費用相場 |
カーポートを設置する。 | 50,000~100,000円 ※設置面がコンクリートの場合は、10,000円程度別途必要になる場合があります。 |
カーポートの設置場所にコンクリートを打設し、設置面を整える。 | 300,000円〜 (1台分のスペース15㎡の場合) (単価:約20,000円/㎡〜) |
[参考]修繕・買い換えの場合
※既存のカーポートの修繕・買い換えを検討している場合は、下記の費用をご参照ください。
施工内容 | 費用相場 |
屋根のパネルを一枚張り替える。 | 8,000~15,000円 ※別途工事費用が5,500円程度必要になります。 |
屋根のアルミ枠を交換する。 | 15,000円~ |
支柱を交換する。 | 20,000円〜 |
買い換えのために、既に設置してあるカーポートを撤去する。 | 30,000円~ ※カーポートのサイズによって変動します。 |
カーポートの施工費用と本体価格を足すとおおよその予算を計算できます。費用の目安が知りたい方は計算してみてください。また、カーポートの修繕と買い換えについては、一部が破損した場合は修繕、設置から20年以上経過し、柱などの重要な部分に大きな劣化が見受けられる場合は買い換えと考えると良いでしょう。
2-3.[参考]費用以外のカーポート選びのチェックポイント
カーポートを選ぶ際には、費用だけでなく、現在の車のサイズ、台数などを把握しておく必要があります。そこで、カーポート選びの際に押さえておきたいチェックポイントを8つほど一覧にまとめました。選んだカーポートが最適なものかを確認するためにご活用ください。
分類 | チェックポイント | 詳細 |
サイズ | 設置場所のサイズ | ■注意点:一台用のものでもメーカー・材料等によってサイズが異なる場合があり、面積が足りないと選んだものを設置できない可能性があります。
■対策:事前に設置予定の場所の面積を測っておきましょう。 |
車のサイズ | ■注意点:自家用車の車種(軽自動車・大型車等)によってカーポートのサイズは変わります。
■対策:現在所有している自家用車のサイズだけでなく、将来的に買い換えを検討している車のサイズでも収容できる大きさのものを選び、長期的にカーポートの買い換えの必要がないようにしましょう。 |
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将来必要なカーポートのサイズ | ■注意点:自転車やバイクを置きたい、車にキャリアやルーフボックスを付けたい、車の台数が増える可能性があるといったことを考えた上でカーポートのサイズを決めましょう。
■対策:どのような事態にも対応できるように、柱の高いものやサイズの大きなものを選んでおくと良いでしょう。 |
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設置環境 | 周囲のスペース | ■注意点:カーポートの設置の際には、隣接する構造物とのスペースを考えておきましょう。 (例)片側支持タイプのものを選ぶ場合には、外壁とのスペースに余裕を持たせておくことで、強風などで柱に揺れが生じた場合に外壁またはカーポートが破損する等のトラブルを予防できます。 ■対策:隣接物がある場合には、業者としっかりと相談をしておくようにしましょう。 |
雨水の流れる方向 | ■注意点:勾配のある場所にカーポートを設置する場合、屋根が後ろ下がりだと駐車スペースに雨水が伝い、滑りやすくなります。
■対策:柱が車の左右にあり、駐車スペースが雨水で濡れないような形のものを選ぶことをおすすめします。 |
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耐久性 | 気候に合った性能 | ■注意点:積雪の多い地域、強風の吹く地域など、地域の気候に対応したものを選んでおかなければ、カーポートの倒壊による事故等の可能性が考えられます。
■対策:耐荷重性能や耐風圧性能が、お住まいの気候に対応しているかを事前に確認しましょう。 |
その他の活用 | 子供が遊ぶ場所にする場合 | ■選び方:車がない時間に子供が遊ぶ場所として活用する場合は、子供の遊び方や掃除道具を置くスペースの確保等を考えてサイズや仕様を決めるとよいでしょう。
■注意事項:子供が怪我しにくいようにカーポートの下のコンクリートを平坦に整え、散らかっている石などを定期的に掃除する必要があります。 |
洗濯物を干す場合 | ■選び方:カーポートの屋根を活用して洗濯物を干す場合は、柱にかかる洗濯物の荷重を分散できる両側支持タイプのものがおすすめです。
■注意事項:雨などが突然降り出した場合に洗濯物が濡れないようにするなら、大きめのサイズのカーポートを選んだほうが安心感も高まります。 |
3.カーポートの費用を予算内に抑えるためのポイント
カーポートの費用相場から、大体の予算感を掴めてきたのではないでしょうか。しかし、見積もりを業者からもらうと予算よりも高い場合があります。そんな時、どうすれば良いのかをご紹介いたします。
3-1.費用相場の把握のために見積もりを2~3社からとる
カーポートの費用を予算内に抑えるためには、業者の検討段階で見積もりを2~3社からもらいましょう。なぜなら、カーポートの見積金額は業者によって異なり、費用相場を知らなければ相場よりも高額な見積金額のまま設置を依頼してしまう可能性もあるためです。
2~3社からもらった見積書を比較し費用相場を把握した上で、費用相場と予算感に合う業者があればその業者を選ぶと良いでしょう。
※適正価格で発注するためにも、見積金額が予算よりも高額・低額に関わらず費用相場は把握しておくようにしましょう。
3-2.予算に近づけるための提案をもらえないか業者に相談する
業者から見積書を2~3社とってみても、費用相場自体が想像していたよりも高いこともあります。そんな時には、予算に近づけるための提案をもらえないか業者に相談してみましょう。大体の予算を提示しながら業者に費用の削れる部分がないかを確認してみると、コスト削減の提案してもらえる可能性もあります。
[参考]コスト削減の提案の例
見積額を予算額に近づけるためには、使用材料や施工内容の変更を提案されることがあります。それぞれの想定される提案内容は下記の通りです。
●使用材料の変更
設置するカーポートを型落ち品にすることによって材料費を削減できる場合があります。型落ち品といっても、格段に性能が落ちるわけではないので性能面には問題ありません。
●施工内容の変更
カーポートのコンクリートの舗装面積を減らすなどの施工内容を変更により費用を削減できる場合があります。
(例)コンクリート舗装面積の削減
カーポートのコンクリートで舗装する部分をタイヤ部分のみにして、そのほかの部分には砂利を敷くと、コンクリート舗装にかかる費用を削減できることもあります。
※出典:ガーデンプラス
3-3.他社の見積書を提示して業者と交渉をする
見積書が2~3枚程度手元にあると、見積書を提示して施工費用の交渉ができます。例えば、見積書には使用材料や人件費などが項目ごとに記載されており、業者ごとに金額が異なります。
交渉の際には項目ごとの費用を比較して、金額を調整して欲しい部分を他社に合わせてもらえないかといった形で値下げ交渉をすることもできます。
※交渉で費用を抑えすぎると施工が雑になるなどの可能性もありますので、あまりにも相場とかけ離れた交渉はやめておいた方が良いでしょう。
3-4.予算の見直しが必要な場合も
もしも、何社に見積書をとっても費用が予算内に収まらない場合は、予算設定が費用相場からかけ離れすぎている可能性があります。そのような場合は、業者の見積書を再度見直した上で費用相場を把握し、予算を設定し直すことをおすすめします。
まとめ
カーポートの費用についてご紹介してきましたが、いかがでしたか。本記事の押さえておきたいポイントを再度振り返ってみましょう。
・カーポートの総費用の相場は約20~50万円(1台用のカーポートの場合)
・収容台数やデザイン性、機能性に応じてカーポートの費用は変わる
・生活の変化や活用方法を先に考えた上でカーポートを選び、長期的な満足度を高める
・費用相場の把握し比較の軸をもつために見積もりを2~3社からとる
・費用が予想以上の場合は、予算に合わせてカーポートの施工内容を調整してもらえないか業者に相談・交渉する
本記事が、皆様がカーポートを選ぶ際の費用の把握にお役立ちできますと幸いです。