食洗機(食器洗い乾燥機)の購入を検討しているけど、分岐水栓という部品を設置しないといけないらしい。自分で取付ける事ができれば工事費用が安く上がるし、やってみようかな?
でも、自分でやってうまくいくだろうか?とお悩みではありませんか?
設置タイプにもよりますが、食洗機の設置を自分で行うことは可能です。ただし、設置にあたっては注意点などもあります。
この記事では食洗機をDIYや業者に依頼する時に知っておきたい知識をまとめています。
ぜひ、参考にしてみてください。
1.食洗機の取付工事の流れとかかる費用
まず設置にあたって気になるのが、工事の流れとかかる費用ではないでしょうか。取付工事の流れと費用は卓上型とビルトインで多少異なります。
1-1.取付工事の流れ
食洗機は主に卓上型とビルトイン型があります。
卓上(据え置き)型食洗機
卓上型はキッチンの空いた場所に設置するタイプの食洗機です。
卓上型食洗機の設置手順
①分岐水栓を設置する
分岐水栓とは、既存の水栓を分岐させ、食洗機に水を送る出口を作るための部材です。
②分岐水栓と食洗機を繋ぐ
設置した分岐水栓と食洗機を繋ぎます。
③コンセント・アースを繋ぐ
食洗機のコンセント、アースを配線します。
ビルトイン型食洗機
ビルトイン型はシステムキッチンに組み込んで設置するタイプの食洗機です。
ビルトイン型食洗機の設置手順
①キャビネットを撤去する
食洗機を設置する箇所のキャビネットを撤去します。
②食洗機を載せる脚ユニットを設置する
脚ユニット(食洗機を載せる部材)に食洗機を設置します。
③給水(湯)管・排水管の分岐設置
給水管・給湯管への分岐設置と排水管の分岐を設置します。
④給水(湯)管・排水管への接続
分岐を給水管・給湯管・排水管へ接続します。
⑤食洗機本体をセットする
食洗機を脚ユニットの上にセットします。
⑥電源に接続する
電源のコンセントに接続します。
1-2.DIYで設置した場合にかかる費用
卓上型(据え置き型) | ビルトイン | |
---|---|---|
本体代 | ¥27,000~65,000 | ¥36,000~400,000 |
分岐水栓 | ¥3,000~18,000 | ¥15,000~18,000 |
モーターレンチ | ¥1,500~3,000 | |
ドライバーセット | ¥700~3,000 | |
合計 | ¥32,200~89,000 | ¥57,000~424,000 |
※価格参考:価格.com
ビルトイン型でキャビネットの加工、コンセントの電気工事などが必要な場合、追加で工具や部品費がかかります。
1-3.業者に依頼した場合にかかる費用
業者に依頼した場合には、工賃がかかります。下記は目安です。
卓上型(据え置き型) | ビルトイン | |
---|---|---|
取付基本工事費 | ¥5,000~10,000 | ¥30,000 |
キャビネット撤去・廃棄 | ¥15,000 | |
給水排水分岐工事 | ¥15,000 | |
電気工事 | ¥10,000 | |
合計 | ¥5,000~10,000 | ¥70,000程度 |
※キャビネットの加工が必要な場合さらに金額がかかる場合があります。
※海外製の食洗機はさらに高い金額設定がされているケースがあります。
※費用は目安のため業者によって異なります。詳しくは業者にお問い合わせください。
ビルトインタイプはキャビネットの加工の有無や、電気工事が必要かなどで見積りが変わってきますので、専門業者に現場を見てもらって詳細な見積りを出してもらう必要があります。
2.DIYで食洗機の取付けを行う方法
この章では、DIYで食洗機を取付ける方法をお伝えします。今回は卓上型(据え置き型)の取付方法を紹介いたします。
3-1でも詳しく記載していますが、ビルトイン型は難易度が高く、DIYによる作業・設置はオススメいたしません。
2-1.設置場所の決定
まずは設置場所を決めます。
水平で安定した場所で、コンセントやアースが届く位置かをどうか確認します。
・ドア開閉時、蛇口にあたらないこと
・本体と壁との間に0.5 cm以上の空間が必要
などを確認します。
本体サイズ
画像出典:Panasonic
画像出典:Panasonic
設置スペースの目安
画像出典:Panasonic
NP-TZ100/TH2/TA2は高さが65cm以上必要です。
画像出典:Panasonic
NP-TCR4/TCM4/TCB4は高さが52cm以上必要です。
底面積
画像出典:Panasonic
設置脚があるため、多少シンクにせせり出しても設置が可能です。
最低26.8cm以上あれば設置が可能です。
画像出典:Panasonic
最低25.9cmあれば設置が可能です。
ただし、幅が足りない場合でも専用ステンレス置き台を使用すれば設置可能です。
画像出典:Panasonic
メーカー希望小売価格 4,000円
対象物との距離
画像出典:Panasonic
画像出典:Panasonic
●設置の際は、給排水ホースの長さにご注意ください。
●本体と壁の間に0.5 cm以上のあきが必要です。(上記寸法には0.5 cmのあきを含んでいます)
●上記寸法は目安です。キッチンの形状によっては上記の通り設置できない場合もあります。
●キッチンの形態・条件によっては、食器洗い乾燥機、食器洗い機が設置できない場合もあります。
2-2.分岐水栓の選定方法
分岐水栓はキッチンの水栓の品番によって適合するものが異なります。まずは、設置箇所の水栓の品番を調べましょう。
品番は水栓の根元や横側、裏側あたりに記載されています。
品番・水栓メーカーがわからない場合は下記から相談できます。
適合する分岐水栓がわかったら購入します。分岐水栓は各種通販サイトで購入可能です。
取付時に必要な六角レンチも付属しています。
2-3.必要な道具
DIYでの設置に必要な道具は下記です。
モーターレンチ
¥1,500~3,000
ドライバーセット
¥700~3,000
2-4.分岐水栓の取付方法
こちらの水栓に分岐水栓を設置します。
まず、シンク下にある元栓を締めます。(元栓が外にある場合もあります)
蛇口から水(お湯)が出ない事を確認します。
水栓のレバーを外します。
ドライバーセットにある、キリやマイナスドライバーを準備します。
水と湯のマークがある部分を外します。
このような感じで外れます。
完全に外れました。部品を失くさないように気をつけましょう。
分岐水栓に付属していた六角レンチを入れて回します。
外れました。
カバーナットのカバーを回して外します。
モーターレンチでカバーナット(黄色い部分)を回して外します。
この状態から中のカートリッジを上に引っ張って外します。外しにくい場合は再度レバーを付けてからレバーごと引っ張ると外しやすいです。
分岐水栓を取り付けます。
分岐のピン(凸)と水栓ピン穴(凹)が、はめ込まれているか確認しながら取り付けます。動かしているとカチッとはまる場所があります。
この時に分岐する水栓の場所を調整してください。分岐部分を回した時に本体ごと回ってしまう場合は、上記のピンがハマっていない可能性がありますので、再度調整してください。そのままだと水漏れの恐れがあります。
カートリッジを取り付けます。
外した時と逆の手順で、カバーとナットを取り付けます。
レバーを取り付けます。
分岐の接続を行います。分岐コック(写真内の上下矢印右の部分)をしっかり締めましょう。
給水ホースを接続します。これで分岐水栓の設置は完了です。設置前に締めた元栓を開きます。
蛇口レバーを操作して水漏れがないか確認してください。
2-5.コンセント、アースの配線
Panasonicの製品のコンセントとアースの長さは約1.9mです。コンセントとアースがある箇所まで届くかを事前に確認しておくと、あとから届かなかったというトラブルを防ぐことができます。
コンセントの延長コードでの延長は漏電などの危険があるため禁止となっておりますので、直接接続できる距離にあるか確認しておきましょう。
アースについても、長さが足りない場合は延長する必要があるため、事前にアースまでの距離を確認しておいておくことをおすすめいたします。
今回の設置場所はアースがシンクをまたいだ先にしかないため、水栓の裏を通しました。
ただし、この状態では濡れる恐れがあるのでカバーをします。
配線カバー(1m ×10本入り)約¥1,000。
裏面に両面テープがあらかじめ貼ってあるタイプです。
配線がすっきりしました。
設置が完了しました。
3.業者に食洗機の取付けを依頼する方法
ここまで設置方法をお伝えしましたが、自分で設置する自信がないという方のために、業者に取り付けを依頼する方法を解説いたします。
また、ビルトイン型は卓上型(据え置き型)よりも設置の難易度が上がるため、業者に依頼することをオススメいたします。
3-1.ビルトイン型は業者に依頼したほうが良い
繰り返しになりますが、ビルトイン型の食洗機は卓上型(据え置きタイプ)よりも施工難易度が高いため、専門業者に依頼することをオススメします。
以下に理由を挙げます。
①キャビネットの加工が必要な場合がある
高さや奥行きが合わない場合、キャビネットを加工するなどの処理が必要になってきます。
強度の面で場合によってキャビネットの補強なども必要です。
②電気工事が必要な場合がある
適切な場所にコンセントがない場合、電気工事士によるコンセントの設置が必要です。
コンセントが無いからといって延長コードなどで床面を転がすのは止めましょう。感電・漏電・火災の原因となるためメーカーは警告事項※にしています。
※パナソニック取付設置説明書
3-2.良い業者の探し方
業者に依頼しようとする際に、リフォーム業者、水道工事専門店、家電量販店などの選択肢があります。ここでは、どこに頼めばいいのか確認すべきポイントをお伝えいたします。
施工実績が豊富にあるか
施工業者のWEBサイトなどで施工実績が豊富にあるかどうかを確認しましょう。自分の希望する工事の施工事例があるかも確認しましょう。
指定給水装置工事事業者であるか
給水装置に関わる工事は、各市町の水道局の指定を受けた業者(指定給水装置工事事業者)の施工が原則です。こちらもWEBサイトなどに記載があるか確認しましょう。また、指定給水装置工事事業者は各市町の水道局で確認できます。
関連資格を所有しているか
給水装置の工事に関する資格を所有しているか確認しましょう。
また、食洗機の設置時には電気工事が必要な場合があります。電気工事に必要な資格も所有しているかを確認しましょう。
・第一種電気工事士
・第二種電気工事士
・給水装置設置技術主任者
・排水設備工事責任技術者
工事保証があるか
施工店で商品を購入した場合は商品保証、工事の施工不良などがあった場合の工事保証がついているかを確認しましょう。
業者指定の場合
家電量販店などで購入して設置サービスを申し込んだ場合は、家電量販店と提携した業者が設置に来ることになります。不安な場合はどのような業者が来るのかを購入の際に確認すると良いでしょう。
3-3.依頼方法
業者が決定したら、電話やWEB経由で依頼します。業者とのやりとりをスムーズに行うために、以下の内容を事前に確認しておきましょう。
ビルトインの場合
・戸建かマンションか
・キッチンの奥行・高さ
・既に食洗機のご利用の場合
・現在の食洗機の品番
・現在の食洗機の幅
・現在の食洗機の設置状況(シンクの下・シンクの隣・トップオープン)
・現在の食洗機の扉の開閉タイプ
卓上型(据え置き型)の場合
・水栓の品番
・設置場所の奥行き・高さ
まとめ
この記事では食洗機のDIYによる取付けにお伝えしました。
DIY前に分岐水栓の品番の確認、設置場所の確認を事前に行いましょう。
卓上型の食洗機の設置は比較的難易度が低いためDIYでもできますが、あくまで自己責任になりますので、自信がない場合は業者に依頼することをオススメいたします。