ブロック塀の汚れが目立ってきて、綺麗にしたい。でも、業者に頼むといくらかかるのだろう?DIYでもできるの?とお悩みではありませんか?
実はブロック塀の塗装は業者に頼むこともできますし、劣化が酷くなければDIYで行なうこともできます。
しかし、ブロック塀の塗装は方法を誤ると膨れや剥がれなどの不具合が起きる可能性が高いので注意が必要です。
この記事では、ブロック塀の塗装方法、DIY方法、劣化の状態について説明しています。この記事を読めば、ブロック塀の塗装を業者に頼むか、自分で行なうかが判断できるようになります。
1.ブロック塀の塗装方法
ブロック塀の塗装の一般的な方法は洗浄→目地埋め(補修)→塗装という流れです。塗料は主にアクリルやシリコン塗料が主流ですが、近年ではジョリパット(©アイカ工業株式会社)などの模様塗装も人気です。
1-1.必要な材料
樹脂モルタル
シーラー
塗料(アクリル・シリコン・凸凹の弾性塗料など)
ローラー
刷毛
ヘラ
1-2.塗装の手順
① 塀の汚れを落とす
ホコリや泥、苔やカビなどの汚れがついているので、高圧洗浄機やブラシなどで洗い流します。
② 目地埋めと補修
ブロック塀の目地部分をモルタルで埋めます。また、ひびなどが入っている部分も合わせてモルタルで補修します。
③ 養生
マスキングテープや養生シートで塗料が付いてはいけない部分を覆います。
④ シーラー塗布
塗料の吸い込みを防ぎ、密着を良くするためにシーラーを塗ります。
⑤ 塗料を塗布
端の塗りにくい部分はハケで塗ります。その他の広い面はローラーで塗っていきます。
乾燥させて2回目を塗ります。
凹凸を活かしたい場合は砂骨ローラーなどの凹凸専用のローラーを使用すると、比較的容易に凹凸面を作ることができます。
1-3.ブロック塀を塗装する時の注意点
ブロック塀の塗装の方法を誤ると、塗ってしばらくした後に塗膜の膨れや剥がれが起きる可能性があります。
その理由として、ブロック塀は湿度の高い庭の近くにあることや、雨そのものや雨によって湿度が上がった地面などから水を吸い込みます。
ブロック塀の中に吸い込まれた水は天気になると蒸発しようとします。その際に塗膜を押し上げようとして膨れや剥がれになるのです。
また、ブロック塀の裏側が花壇などで高く盛り土されている場合、その花壇の水がブロックの表側にでてきて塗装面が膨れる場合があり、注意が必要です。
注意点
1.よく乾燥させてから塗装をすること
2.水を入りにくくすること
3.水の逃げ道を作ること
ブロック塀は吸水性が高く、庭の土などから湿気を吸いやすい為、数日かけてしっかり乾燥させてから塗装をします。
さらに、塀に防水塗料でしっかりと塗装を行ない水が入らないように行なうことが重要です。
また、溜まった水が逃げやすいように透湿性の高い塗料を使用することがポイントです。
ブロック塀にオススメの塗料
エクスファイン艶消(アステックペイントジャパン)
低汚染性、透湿性に優れたブロック塀専用の塗料。艶消で落ち着いた仕上りを実現します。透湿性が高く、塗装後の剥がれや膨れが発生しにくい塗料です。
1-4.プロの技「コンクリート描画工法」
コンクリートの壁を塗る場合に特殊なスポンジを使ってコンクリートの模様を描写する「コンクリート描画工法」というものがあります。
これは、高い技術が必要な工法でまさにプロの職人技です。塗装でブロック塀を打ちっぱなし風に再現するとこのようになります。
画像出典:プロタイムズ岐阜関店
2.ブロック塀をジョリパットで塗る方法
近年ではブロック塀にデザイン性の高いジョリパット(©アイカ工業株式会社)と呼ばれる模様塗り塗料を使う事が増えました。
この章ではジョリパットという製品の説明や施工方法について紹介いたします。
2-1.ジョリパットとは
ジョリパットとはアイカ工業株式会社が販売している塗り壁材の一種で、アクリル塗料と砂をミックスした材料でできています。
それでは、塗り壁と塗装は具体的にどういった違いがあるのでしょうか。
塗り壁は塗装のようにローラーで塗料を塗るのではなく、左官職人がコテを使って塗るところが大きく違います。
塗り壁の仲間に珪藻土※や漆喰があるのはご存知の方も多いのではないでしょうか。
珪藻土や漆喰が主に室内に使用されるのに対して、ジョリパットは主に外壁に使用されます。
※珪藻土
珪藻土とはプランクトン(珪藻)の遺骸が堆積したものです。主に住宅の内装材に使われることが多い素材です。
画像出典:http://www.rakuten.ne.jp/gold/kabegamiyahonpo/d/diatom/howto/howto2.html
2-2.ジョリパットの施工手順
① 塀の汚れを落とす
ホコリや泥、苔やカビなどの汚れがついているので、高圧洗浄機やブラシなどで洗い流します。
② カオチンフィラーで表面の平滑化
コンクリートの表面を平らにするためにカオチンフィラーで調整します。
② シーラーを塗布
全体にシーラーを塗布します。
③ カオチンフィラーを塗布
再度カオチンフィラーを塗布します。
④ 乾燥
マスキングテープや養生シートで塗料が付いてはいけない部分を覆います。
⑤ ジョリパッドの施工
一度に塗り過ぎないように注意しながら、数回に分けて重ね塗りをしていきます。
最後にコテで模様をつけていきます。
ジョリパットの仕上げ方法には校倉、マイルドプラスターランダムなど、様々な種類があります。
2-3.ジョリパットで施工する時の注意点
ジョリパットはアルカリ性の材料なので、施工する時に鉄のコテを使用するとサビのようなシミで出ることがあります。
従いまして、通常ジョリパットを塗装する時は鉄ではないコテを使用します。
3.ブロック塀の劣化と補修
ブロック塀は耐久性の高いコンクリートでできていますが、外気に接する環境にあるために放置しておくと短期間で劣化が進行します。
3-1.ブロック塀の劣化の進行
画像出典:http://news-sv.aij.or.jp/zairyou/s2/6th.htm
©社団法 人 全国建築コンクリー トブロック工業会・全国コンクリートブロック工業組合連合会
ブロック塀の劣化症状に主に、中性化、鉄筋のさび、ひび割れ、剥がれがあります。
劣化はモルタルの劣化(中性化)、目地のひび割れ→鉄筋のさびの発生→さびの進行とひび割れ発生→ブロック表面の剥がれと進行していきます。
3-2.自分で補修出来るレベルの劣化
コンクリートの劣化は初期のレベルであれば自分でメンテナンス・補修が可能です。
苔やカビなどの汚れ
苔やカビや藻などは特に日当たりの悪い場所に多く繁殖します。
白華現象
白華現象(エフロレッセンス)とはコンクリートの内部に浸入した水分が蒸発時に石灰分とともに表面に染み出し、空気中の二酸化炭素と反応して固まってしまう現象です。
この現象自体はコンクリートの強度には問題はありませんので、心配することはありませんが美観上気になる場合は落とすこともできます。
ヘアークラック
ヘアークラックは言葉の通り、髪の毛くらいの大きさで、幅が0.3mm、深さが4mm以下のものです。
構造や鉄筋に影響がない段階のひび割れです。
ひびの幅を測ることができるクラックスケールという道具がホームセンターに売っています。
■メンテナンス方法
苔やカビなどの汚れのメンテナンス
苔やカビなどの汚れはブラシで擦って落とすか、高圧洗浄機を使用して綺麗に洗い流すことができます。
白華現象のメンテナンス
白華現象は時間が経てば自然に洗い流されますが、早く落としたい場合は酸性のトイレ用洗剤を水に薄めたものをかけて洗えば落とすことができます。
ヘアークラック
市販の補修材を塗って補修できます。
アサヒペン コンクリート外カベ・ブロック塀補修材 C002 グレー系 1KG
アサヒペン コンクリートカベ用樹脂モルタル
コーキングガンタイプのものは、そのまま塗れるので便利です。
3-3.業者に補修を頼んだ方が良いレベルの劣化
劣化が進んでいるブロック塀は、最悪の場合倒壊する恐れもあり、大変危険です。
これからご紹介するような劣化の症状が見られる場合は、外構の専門業者に補修を依頼することをお勧めします。
1mm以上の大きなひび割れ
画像出典:http://tsunami99danger.blog.fc2.com/blog-entry-23.html
ブロック塀のひび割れはよくある現象ですが、放っておくと耐久性や寿命に大きな影響を与えます。
特に幅が1mm以上あるようなひびは、雨が浸入して内部の劣化を進行させる原因となります。
■メンテナンス方法
ひびの大きさに寄って補修方法が違います。
ひびの大きさ | 補修方法 | |
---|---|---|
0.2mm以下 | 被覆法 | ひび割れの表面を補修材で覆う |
0.2mm~1mm | 注入法 | ひび割れの内部に補修材を圧入する |
1mm以上 | 充填法 | ひび割れの部分をU字にカットし、補修材を充填する |
4.ブロック塀の塗装費用
ブロック塀の費用は業者に頼んだ場合とDIYで行った場合はどのくらい違うのでしょうか。
4-1.業者に頼んだ場合
業者の作業は高圧洗浄機による洗浄、ケレン作業などの下地補修を行ったあとに塗装、ジョリパットの左官工事です。
一般的なお宅のブロック塀でしたら、2日程度で作業は終了します。
塗装
工程 | 費用 |
---|---|
高圧洗浄 | 約200~300円/㎡ |
下地処理 | 約1,000円~/㎡ |
塗装 | 約1,500円~/㎡ |
※費用は業者や使用する材料によって変動いたします。
ジョリパット
工程 | 費用 |
---|---|
高圧洗浄 | 約200~300円/㎡ |
下地処理 | 約1,000円~/㎡ |
左官工事 | 約4,000円~/㎡ |
※費用は業者や使用する材料によって変動いたします。
ブロック塀の塗装は膨れや剥がれのリスクが高いため、業者によっては実施していない場合もあります。塀の塗装をやってもらえるかや保証内容は、事前に業者に確認を取ることをおすすめします。
4-2.DIYで行なう場合
業者に頼むより安く行いたいという方はDIYでやるのもひとつの手です。費用は基本的には材料費のみです。
ホームセンターで手に入る市販品の目安価格
材料 | 費用 |
---|---|
刷毛 | 100~300円 |
ローラー | 350円~500円 |
補修材(1L) | 600円 |
下地用モルタル(3kg) | 1,000円 |
シーラー(1L) | 1,500円 |
上塗り用塗料(1L) | 2,000円 |
計 | 約5,550~5,900円 |
※費用は材料によって異なります。
上記でも述べましたとおり、施工方法を誤ると膨れや剥がれが起こる可能性があります。乾燥と防水をしっかり行いましょう。
5.ブロック塀の色とリフォーム事例
画像出典:プロタイムズ下関店
ブロック塀は建物の周りを覆うものですから、どんな色にするのか、その色選びは重要です。
この章ではブロック塀のリフォーム事例を紹介いたしますので、色選びの参考にしてみてください。
5-1.ブロック塀の色についての考え方
建物の外構であるブロック塀は、お家の印象を大きく変える部位です。ブロック塀は道路に面している事が多いため、通行人の目にも入りやすいです。色を選ぶ時には建物や周囲の環境との調和を考えた色にすることが大切です。
近年では塗装以外にも色の付いたカラーモルタルや、デザイン性の高いジョリパットなどの塗り壁も人気です。
5-2.塗装のリフォーム事例
BEFORE
AFTER
まとめ
いかがでしたか?この記事では、ブロック塀の塗装方法、劣化と補修について紹介しました。
ブロック塀は劣化が進行していなければ、自分でリフォームすることも可能ですが、剥がれや膨れのリスクや劣化の進行が進んでいる場合は倒壊の恐れもある為、業者に依頼することをお勧めいたします。
この記事を参考に自宅のブロック塀がどのような状態なのか、どのように塗装したいのかを明確にしてみてください。