外壁をタイルでリフォームするメリットとかかる費用

外壁タイルの重厚感や高級感、そしてメンテナンスフリーという魅力。次のリフォームでは外壁をタイルにしたいけど、どんなメリットがあるのか?費用はどれくらいかかるのか?そんな疑問をお持ちの方の為に、この記事では外壁をタイルにリフォームする時に知っておきたい情報をお伝えします。

1. 外壁タイルのメリットと基礎知識

1-1. メンテナンスがほぼ不要

外壁タイル

外壁タイルは粘土や長石類を粉砕して混合し、1,300度以上の高温で焼きあげたものです。耐久性が非常に高く、紫外線や雨などの自然環境に対して劣化や変色・変質がほとんどありません。さらに火に強い、熱に強い、寒さに強い、そして傷にも強いという特徴もあります。

近年では汚れにくい親水性の特徴をもつ外壁タイルが増えてきました。親水性のあるタイルはタイル表面に薄い水膜を形成することで、汚れが付きにくく、また、汚れがついた場合でも雨によって汚れが洗い流されるセルフクリーニング機能を持っています。すなわち、タイルは耐久性が高く、汚れにくい、そして汚れても手入れが簡単というとても優れた素材と言えます。タイルのメンテナンスがほぼ不要と言われているのはこのような理由あるからです。

一般的にタイル以外の窯業系サイディングなどの外装材では7年ほどで塗装の塗り替えが必要です。対して、外壁タイルは塗装の塗り替えの必要はありません。メンテナンスは汚れが目立ってきたタイミングで高圧洗浄などで洗浄するだけで済みますので、メンテナンスコストが非常に低く経済的なメリットも大きいです。ただし、タイル同士の継目である目地部分は10年ほどでメンテナンスが必要です。また、地震で亀裂ができることもあります。ですので、ほぼメンテナンス不要ですが、完全にメンテナンスフリーというわけではない点は注意してください。

1-2. デザイン性が高い

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プロタイムズ下関店 施工事例より

古くから多くの建造物に使用されてきた外壁タイルのメリットとして、そのデザイン性の高さがあります。元々自然の素材から作られたタイルが持つ自然な美しさ、総タイルの建物が持つ独特な高級感とその存在感は他の外装材には出せない風格を持ち、見る人を圧倒します。色や形の種類も豊富ですから、きっとあなた好みに外壁を彩ることができるでしょう。

1-3. 外壁用タイルの種類

■吸水率による区分

タイルは素地(生地)の粗密(細かさ)や気孔の多少などにより性質が分類されます。吸水率が低いほど、磁器質の性質を表します。近年では吸水率が高くても磁器質の性質のものや、吸水率が低くても陶器質のものもでてきました。そういった理由もあり、2008年のJIS改正で測定方法が自然吸水から強制吸水(煮沸法または真空法)へ変更になり、磁器質、せっ器質などの呼び名からⅠ類・Ⅱ類といった呼び方に変わっています。

吸水率による区分 吸水率(%)
Ⅰ類(磁器質) 3.0%以下
Ⅱ類(せっ器質) 10.0%以下
Ⅲ類(陶器質) 50.0%以下
旧JISの吸水率による区分 吸水率(%)
磁器質 1.0%以下
せっ器質 5.0%以下
陶器質 22.0%以下

吸水性の高いタイルは主に内装用に使われます。水分は凍ると体積が増して、陶器が割れてしまう恐れがあるため、寒冷地では吸水率が低いタイルが適しています。

■釉薬(ゆうやく・うわぐすり)の有無による種類

釉薬とは素焼(すやき)の陶磁器の表面に光沢を出し、強度を強め、液体がしみ込むのを防ぐのに用いるガラス質の薬品です。釉薬を施したタイルを施釉タイル、釉薬を施していないタイルを無釉タイルといいます。

施釉タイル 無釉タイル
表面に釉薬を施したタイル 釉薬をほどこさず、素地がそのまま表面となるタイル

■外装壁タイル形状

形状名 実寸法(mm)
小口平 108 × 60
二丁掛平 227 × 60
三丁掛平 227 × 90
四丁掛平 227 × 120
ボーダー 227 × 30
モザイクタイル 90 × 45
ブリックタイル 寸法は種類で様々

通常の平のタイルを平物。角などに使う形状のタイルを役物といいます。

■成形方法

乾式成形 湿式成形
高圧のプレス機で成形したもの。コストは湿式成形より安価。 原料を混練して機械で押し出して成形したもの

■目地の用語

タイルの張り方には縦目地が通る「通し目地」と、次の目地をずらして張る「馬踏み目地」があります。

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通し目地 馬踏み目地
タテの目地が直線に通る 縦の目地がずれて通る

馬踏み目地は馬目地と呼ぶこともあります。

このように外壁のタイルには様々な区分や種類分けがあります。
外壁タイルを選ぶ時に参考にしてみてください。

1-4.  外壁用タイルの工法(湿式と乾式)

住宅のタイル張りの種類に湿式工法と乾式工法があります。

湿式工法 乾式工法
施工方法 水で使って練った材料(モルタル)や接着剤で下地とタイルを張り付ける工法。古くから行われていた工法。 水を含む素材を使わず、溝を付けたサイディング素材や合板にタイルを引っ掛けて固定するものと、窯業系サイディングの下地に接着剤で固定する方法がある。近年主流の工法。
メリット デザイン性の高さ。選べる材料の種類が多い。質感が良い。 乾燥する時間が不要の為、工期が短くて済む。施工後のはがれやひび割れが少ない。

近年では施工性の良さから工期が短縮できる乾式工法が主流となっています。

2. 外壁をタイルにする為にかかる費用

2-1. 外壁用タイルの初期費用は高め

外壁用のタイルはサイディングなどに比べて価格が高い外装材です。
価格はタイルの種類や工法によっても変わってきますが、
乾式工法で下地のパネルが¥5,000/㎡程度で、タイルが¥8,000~¥30,000/㎡程度。
両方合わせて¥13,000~¥35,000/㎡ほどです。
役物を使った場合には単価が上がります。また、施工平米数が少ないと割増になるケースもあります。

外壁塗装の施工単価が、¥2,000~¥5,000、サイディングの施工単価が¥4,000~¥6,000程度ということを考えると、割高だといえます。

外壁の施工の種類 ㎡単価
塗装 ¥2,000~
サイディング ¥4,000~
タイル ¥13,000~

※施工費は地 域・施工条件・施工㎡数・副資材 (接着剤など)により異なります。

2-2. ライフサイクルコストでみるとお得

ライフサイクルコストという言葉をご存じでしょうか?新築や改修時の施工に必要な材料費、施工費、などを全てトータルして考えた建物の一生にかかる費用のことです。
外壁のリフォームにかかる費用はその後も何十年も住むと考えた場合、全体にかかるコストの一部でしかありません。

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これまで説明してきた通り、外壁のタイルは非常に耐久性が高い外装材でメンテナンスの手間があまりかかりません。例えば、一般的な外壁では7年~10年で塗り替えの必要がありますが、タイルの場合は汚れが気になったら高圧洗浄、20年に一度目地の補修をする程度で済みます。

外装タイルでのリフォームは初期費用は割高であるものの、長期的に見るとトータルでかかるコストが逆転するため、結果的に経済的にもお得なのです。ただし、完全にメンテナンスフリーの外壁材は存在しません。タイルでリフォームを行なう際でもきちんとメンテナンスについても施工業者に確認しましょう。

2-3. 外壁タイルの補修にかかる費用

外壁タイルはメンテナンスフリーと言われるものの、全く何もしないで良いというものではありません。外装タイルのメンテナンス方法、そして費用はどれくらいかかるのでしょうか?

■汚れ

外壁の汚れは高圧洗浄で落とします。高圧洗浄を行なう場合は目地部分に直接当ててはいけないなどの注意点がありますので、高圧洗浄の専門業者にお願いしたほうが良いでしょう。

高圧洗浄を業者に頼んだ場合の費用相場ですが、¥200~300円/㎡です。バイオ洗浄などの薬品を使った洗浄の場合、さらに単価は上がります。

■各種劣化に対する改修

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日本樹脂施工協同組合HPより

タイル張り改修工法

名  称 規格・摘要 単位 公表
価格
部分エポキシ樹脂注入工法 浮き部をエポキシ樹脂で躯体コンクリートに部分固定・30g/穴 600
アンカーピンニング部分エポキシ樹脂注入工法 アンカーピンとエポキシ樹脂で躯体コンクリートに部分固定・30g/穴 700
アンカーピンニング全面エポキシ樹脂注入工法 アンカーピン部分13穴/m2・30g/穴、注入部分12穴/m2・30g/穴 m2 16,300
アンカーピンニング全面エポキシ樹脂注入工法(50二丁~小口平以上) アンカーピン部分8穴/m2・30g/穴、注入部分8穴/m2・114g/穴 m2 15,300
注入口付アンカーピンニング部分エポキシ樹脂注入工法 注入口付アンカーピン使用・30g/本 880
注入口付アンカーピンニング全面エポキシ樹脂注入工法 アンカーピンニング部分13穴/m2・30g/穴、注入部分12穴/m2・30g m2 18,900

タイル剥落防止樹脂注入工法・JKテラピン(無振動・無騒音工法)

名  称 規格・摘要 単位 公表
価格
注入口付アンカーピンニングエポキシ樹脂注入タイル固定工法 JKテラピン工法、特殊アンカー挿入、1成分エポキシ樹脂注入、化粧キャップ仕上 個所 2,100
タイル目地固定工法 JKテラピン工法、ネジ孔付特殊アンカー挿入、エポキシ樹脂注入、化粧キャップ仕上 個所 2,300

日本樹脂施工協同組合HPより

3. 外壁タイルと他の外壁材の比較

外壁をタイルにしたいけど、塗装やガルバリウム鋼板でもいいかなと迷っていませんか?
そんな方の為に外壁塗装と外壁タイルの比較をしてみます。

外壁タイル 外壁塗装
(無機塗料)
サイディング ガルバリウム鋼板
初期費用 ¥13,000~/㎡ ¥6,000~/㎡ ¥4,000~/㎡ ¥6,000~/㎡
耐用年数 40年 20年 25~30年 30年
メンテナンス 洗浄・目地補修(20年毎) 洗浄・塗り替え(15~20年) 塗り替え(7~10年)・張り替え(20~30年) 塗り替え(15~20年)

※費用、年数は目安です。環境や状態によっても異なります。

まとめ.

いかがでしたか?この記事では外壁をタイルでリフォームするメリットとかかる費用をお伝えしました。外壁タイルは耐久性、デザイン性の高さから人気の外装材です。外装タイルのリフォームをお考えの方にこの記事がお役に立てられれば幸いです。

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