「外壁のリフォームで金属サイディングが気になっているけど、どんな素材なんだろう?」
このように外壁に金属サイディングを採用するか迷っているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、金属サイディングの特徴から具体的な施工金額に至るまでを解説いたします。
外壁リフォームで金属サイディングを使用するか悩んでいる!という方は、是非、当記事をご参考ください。
目次
1.金属サイディングについて知ろう
まず初めに、金属サイディングとはどんな素材なのか?その特徴やメリット・デメリットについて解説いたします。
金属サイディングについての基本的な知識となりますので、ここでしっかりと押さえていきましょう。
1-1.軽量で断熱性に優れた素材
画像出典:http://gaiheki-paintplaza.com/goods/g_gaiheki_igkogyo/37.html
金属サイディングとは、表面にメッキ塗装が施された金属板に、断熱材が裏打ちされた厚さ15mm以上の金属製の外壁材のことをいいます。「金属は重いのでは?」と思われる方もいらっしゃいますが、実際には他の外壁と比較しても軽量で、建物にかかる負荷が少ないという特徴があります。
また、金属板に断熱材が裏打ちされているため、高い断熱性も持ち合わせており、非常に優秀な外壁材です。
1-2.金属サイディングのメリットとデメリット
<金属サイディングのメリット>
①断熱性に優れている
金属板に裏打ちされた硬質プラスチックフォームは、気泡の集合体であり、その気泡の中に熱を閉じ込めることで家を一定の温度に保つ役割を担っています。
断熱性に優れ、「外の気温に影響されない」「部屋の温度を外に逃がさない」という性質から部屋の温度を一定に保つことができるため、1年中快適な生活を送りやすいということです。
②耐震性に優れている
前述のとおり、金属サイディングは非常に軽量な建材です。
その重さは窯業系サイディングの約1/4、モルタル外壁の約1/10ほどの重量なので、建物にかかる負荷が軽く、地震による影響を受けにくいという利点があります。
③耐凍害性に優れている
凍害とは、塗膜の劣化箇所から水分が外壁材内部に浸入し、凍結→膨張→爆裂によって外壁材自体が崩れてしまう(剥離)現象を指します。特に寒冷地などで窯業系サイディングボードなどを使用した際に起こりやすい現象です。金属サイディングは、金属という性質上、その内部に水分が浸入しないため凍害が起こりにくいというメリットがあります。
<金属サイディングのデメリット>
①表面にキズがつきやすい
金属は傷がつきやすいという特性があります。
それは金属サイディングも例外ではなく、風で飛んできた細かい石などがこすれることで表面にキズがつくことがあります。
美観を損ねることはもちろん、金属サイディングに施された塗膜の劣化にも繋がります。
②サビが発生しやすい
金属の1番の欠点は「サビが発生する」という点です。
金属サイディング表面についたキズが水や空気に触れることで劣化し、サビが発生する恐れがあります。
「金属サイディングは、1度施工すればメンテナンスはいらない」と思われている方もいらっしゃるかもしれませんが、定期的な点検・メンテナンスは必要不可欠です。
③酸性雨、塩害被害を受けやすい
潮風が吹く海岸近くなどでは、塩分の多い風を受け続けることで、金属サイディングが塩害の被害を受け錆びることが多くあります。同様に、酸性雨を浴びることで成分が溶け出し劣化することもあります。
そのため、海岸付近や酸性雨の多い地域にはあまり向かない建材といえます。
1-3.金属サイディングと窯業系サイディングの比較
外壁のカバー工法には大きく「金属サイディング」と「窯業系サイディング」の2つのパターンがあります。金属サイディングと窯業系サイディングのを比較していきます。
窯業系サイディングは、現在の新築住宅の約80%で使用されている非常に人気の高い外壁材です。
厚さが14mm~18mm、比較的軽量かつ耐火性も良いので、地震や火事などの災害に強いという特徴があります。
施工性がよくデザインのバリエーションが豊富な点も人気の理由でしょう。
<金属サイディングと窯業系サイディングの比較>
外壁材 | メリット | デメリット |
---|---|---|
金属サイディング | ・断熱性に優れる
・耐震性に優れる ・耐凍害性に優れる |
・キズがつきやすい
・サビが発生しやすい ・塩害の被害を受けやすい |
窯業系サイディング | ・デザインが豊富
・耐火性に優れる ・工期が短い |
・未塗装では防水性がない
・蓄熱性が高い ・シーリングが劣化する |
【窯業系サイディング】
しかし、窯業系サイディングには2つのデメリットがあります。
まず、主成分がセメントであるため、窯業系サイディング自体には防水性がありません。そのためサイディング表面は製造時、塗料でコーティング、または現場で塗装が施されます。
サイディング自体に防水性がないため、塗膜の防水性がきれた場合、サイディング内部に水分が浸入し、耐久性が低下する可能性があります。
また、外壁同士の継ぎ目に充填されているシーリング材の打ち替えの費用がかかります。
シーリング材は建物の揺れを緩和するためにサイディングの継ぎ目に充填されています。このシーリング材には可塑剤という弾力性を付与するための添加剤が入っており、紫外線を浴びることで弾力性を失い劣化します。そのため、新たなシーリング材を充填する必要があり、そこに別途費用が発生するのです。
家の雰囲気を変えたい、断熱性や地震対策がしたいという方は「金属サイディング」を、
様々なバリエーションの中から自分に合ったデザインの外壁を選びたいという方は「窯業系サイディング」がオススメです。
2.金属サイディングを使ったリフォーム方法と施工金額
金属サイディングについて知ったところで、金属サイディングのリフォーム方法について解説します。
2-1.重ね張り工法(カバー工法)
既存の外壁材に、上から新たな外壁材を張りつける工事です。新品の外壁材を張るので、まるで新築のような見栄えになります。
また、工事の過程で廃棄物が発生しないため環境に優しい工事でもあります。
工期も約2週間と短期間なので、金属サイディングでリフォームをする場合にはこの重ね張り工法が主流となっています。
金属サイディング 重ね張り工法(カバー工法) | |
---|---|
施工金額 相場 | 150万円~200万円 |
1㎡あたり施工金額 相場 | 4,000円~7,000円 |
2-2.張替え工法
既存の外壁材を全て撤去し、新たな外壁材を張替える工事で、重ね張り工法と同様に新築のような外観に仕上がります。
しかし、大量の廃棄物が発生し、その撤去費用もかかってくるため塗装工事はもちろん、重ね張り工法よりも工事金額が高くなります。
主に、既存の外壁材の劣化が進行している場合に必要となる工事です。
金属サイディング 張替え工法 | |
---|---|
施工金額 相場 | 180万円~250万円 |
1㎡あたり施工金額 相場 | 4,000円~7,000円 |
3.金属サイディングの重ね張り工法と外壁塗装ってどっちがお得?
金属サイディングの主流の工法である重ね張り工法と、外壁の塗替えはどちらがお得なのでしょう?
ここでは、どちらのコストパフォーマンスが良いのかを比較していきます。
外壁塗装
旧塗膜を除去し、新しい塗料を塗布するリフォーム方法です。
費用が安価で工期が短い、現在もっとも一般的なリフォーム工事です。
外壁重ね張り(カバー工法)
画像出典:http://www.reform-online.jp/news/specialty/4403.php
既存の外壁材の上から新しい外壁材を張り付けるリフォーム方法です。
まるで新築のような仕上がりになります。
初期費用が高い分、メンテナンス周期は10年~15年と外壁塗装より周期が長くなっています。
<金属サイディング重ね張り工法と外壁塗装の比較>
方法 | 初期費用 | メンテナンス費用(塗装) | メンテナンス周期 |
---|---|---|---|
重ね張り工法 | 150万円~200万円 | 100万円~150万円 | 10年~15年 |
外壁塗装 | 100万円~150万円 | 100万円~150万円 | 7年~10年 |
<30年後を想定すると?>
外壁塗装の工事金額が100万円、約10年を周期に再塗装して100万円かかると、合計で400万円の費用が発生します。
金属サイディングのカバー工事金額が150万円とし、約15年を周期に再塗装して100万円かかると、合計350万円の費用となります。
こう見ると、金属サイディングの張替えは初期費用が高いですが、長期的に見ると塗替えよりもコストを抑えることができます。
またメンテナンス回数が少ない分、手間を軽減することができるので金属サイディングの張替えの方がコストパフォーマンスが良いといえるでしょう。
4.金属サイディングシェアTOP3メーカーを紹介!
ここでは各メーカーの一部の商品を紹介します。
商品選択の際の参考にされてください。
4-1.アイジー工業株式会社
実に業界のシェア40%を誇る、金属サイディングのシェア1位のメーカーです。
ガルスパンNEO
画像出典:http://www.igkogyo.co.jp/syohin/siding/sd_lineup/sd_allitem/jgs4.htm
金属ならではの上品でスタイリッシュなデザインで、カラーバリエーションも豊富です。
アイジー工業製の金属サイディングの中でも圧倒的な人気があります。
穴あき・さび・変褪色を10年間保証します。
画像出典:http://www.igkogyo.co.jp/syohin/siding/sd_point/sd_zairyo
4-2.ニチハ株式会社
業界のシェア22%を占める、金属サイディングのシェア2位のメーカーです。
センターサイディング
画像出典:http://www.nichiha.co.jp/wall/center.html
シャープなライン柄のデザインで、豊富なカラーバリエーションが揃っているので、建物や好みに合ったものを選ぶことが出来ます。
アルミニウム・亜鉛合金メッキで鋼板をサンドしており、通常の亜鉛メッキよりも高い耐久性を持っています。
4-3.旭トステム株式会社
金属サイディングシェア10%の業界3位のメーカーです。
スパンサイディング
画像出典:https://www.asahitostem.co.jp/product/dan/dan_recommend/recomn3.php
旭トステムで人気の金属サイディングです。
仕上げの塗装にフッ素系塗料を使用しているため、塗膜の機能を長期にわたって保護することが可能です。
施工後も安心の塗膜10年保証付きです。
画像出典:https://www.asahitostem.co.jp/product/dan/dan_recommend/recomn3.php
まとめ
いかがでしたか?金属サイディングの特徴やメリット・デメリット、各種メーカーなどの解説をしました。
コストパフォーマンス重視の方、家をスタイリッシュなデザインにしたい方、断熱・耐震効果を付与したい方は、ぜひ金属サイディングの採用を前向きに検討してみてください。