システムキッチンとは何?種類・費用・選び方までを全解説

システムキッチンとは

システムキッチンとよく耳にするものの、普通のキッチンとどう違うのか?どんな種類があって、費用はどれくらいかかるのか?
システムキッチンについて疑問をお持ちの方もいらっしゃることでしょう。

システムキッチンとは簡潔にいうと、流し・レンジ・調理台・収納棚などが一式そろったユニット式台所のことです。

近年流通しているキッチンの多くはシステムキッチンで、デザインや機能を多彩なバリエーションの中から選ぶことができます。

しかしながら、その種類の多さからどんなものを選べばいいのかわからない方も少なくないでしょう。

この記事では、そもそもシステムキッチンとは何か?システムキッチンの種類や選び方、費用までシステムキッチンについての参考になる内容をご紹介いたします。

目次

1.システムキッチンとは?

日本にシステムキッチンが登場したのは1970年代後半です。システムキッチンという言葉を聞いて知らない人は少ないでしょう。
しかし、いざシステムキッチンとは何か?と言われると明確に答えられる人は少ないのではないでしょうか?

この章ではシステムキッチンとは何か、その魅力、種類や特徴について紹介します。

1−1.システムキッチンとは何か

システムキッチンとは、シンクやコンロなどがユニット(部材)になっており、一式になったキッチンです。

各ユニットが1枚のワークトップ(天板)で継ぎ目なく繋がっていて、一体になっているのが特徴です。

各ユニットを組み合わせて部材を自由に組み合わせたり、いくつかのパターンの中から選んだりすることができます。

また、各ユニットやドアのデザインなど様々な種類が用意されているため、オーダーメイド感覚で作ることができます。

ちなにシステムキッチンとは和製英語で日本国内で独自に普及した言葉です。欧米ではビルトインキッチンなどと呼ばれます。

1−2.システムキッチンの魅力

① それぞれの部材を別途設置する必要がない

シンク、調理台、コンロなどが予め統一規格でセットになっているので、それぞれを別々に準備して設置する必要がありません。

② 組み合わせの自由度が高い

システムキッチンは各社それぞれ統一の規格で調理台、コンロ、キャビネットなどの部材が複数用意されています。それらを自由に組み合わせることができるので、自分のライフスタイルに合わせてキッチンを構成することができます。

③ 扉などのデザインが豊富でインテリア性が高い

システムキッチンはデザインが洗練され、デザイン性が高いです。部材を自由に選べることに加えて扉の色などのデザイン面でも自由に選ぶことができます。

④ キッチンに段差がないので調理しやすい

ワークトップ(天板)が1枚なので、キッチンに段差がなく、調理がしやすいです。

⑤ 掃除がしやすい

キッチンに段差がないのは、調理がしやすいのと同時に掃除もしやすいです。また、部材の間に隙間が無いので水が部材の間に染みこんでしまうこともありません。

2.システムキッチンの種類と特徴

2−1.部材型と簡易施工型

システムキッチンには部材型と簡易施工型があります。

部材型は1軒1軒キッチンの形状に合わせ、レイアウトや寸法などを細かく自由に決めて作り上げるシステムキッチンです。

一方、簡易施工型はワークトップやシンクなどの各部材があらかじめパターン化されていて、その中から選んでいくシステムキッチンです。一般的にシステムキッチンといってイメージされるのはこちらの簡易施工型です。

部材型がオーダーメイド、簡易施工型がセミオーダーメイドと考えるとわかりやすいでしょう。

とはいえ、近年簡易施工型も様々な部材を選んで組み合わせることができるようになってきており、その違いは曖昧になってきています。

コストは当然ながら、パターンから選ぶ簡易施工型よりも細かい設計から行う部材型の方が高くなりがちです。

2−2.レイアウトと配置の種類

システムキッチンはレイアウトの種類がいくつかあります。それぞれ、メリット・デメリットがあるので自分のライフスタイルに合ったものを選択することが大切です。

I型

I型

I型は狭いスペースにも配置できることや、価格も他のレイアウトに比べると低価格で人気のレイアウトです。

 

Ⅱ型

Ⅱ型

Ⅱ型はシンクと熱源が別々にあるのがⅡ型のレイアウトです。それぞれの間隔が広過ぎると使いにくいレイアウトになるので注意が必要ですが、間隔を適切に設計すると2人でも作業がしやすく、とても使いやすいレイアウトです。

 

L型

L型

L型はシンクと熱源が直角にある、または同じ面にあるパターンがあります。作業スペースが広いのがメリットですが、その分コーナー部分に無駄なスペースが生まれやすいのがデメリットです。

 

U型

U型

U型は作業スペースに加え、収納も広く取れるため、広い住まいの方に人気のレイアウトです。デメリットはL型同様にコーナー部分に無駄が生まれやすいことです。U型はコーナーが2箇所できるので、L型よりもデッドスペースが出来やすいです。空いたスペースをどのように使うのか決めて設計することが重要です。

 

レイアウトの種類

タイプ 特徴 メリット デメリット
I型 I型コンロ・シンク・調理スペースを一列に配置 ・狭いスペースにも配置できる
・色や種類が豊富
・低価格のものからある
・横の動きが多い為、キッチンが長くなりすぎると、作業効率が悪くなる
Ⅱ型 Ⅱ型コンロ・シンク・調理スペースを二列に分け、並行に配置 ・足元にあるマットやゴミ箱などがリビングやダイニングからは見えない

・I型と比べて作業動線を短くできる

・二人でも作業がしやすい

・2列の幅が広くなりすぎると、作業効率が悪くなる
L型 L型コンロ・シンク・調理スペースをL字型に配置 ・I型よりも調理スペースが広くとれる

・少ない歩数で作業を完了できる

・コーナー(角部分)がデッドスペースになりやすい
U型 U型コンロ・シンク・調理スペースをコ型に配置 ・調理スペースが広く取れる

・体の向きを変えるだけで様々な作業に対応できる

・収納スペースを充分に確保できる

・目的なくコ型を選ぶと、キッチンスペースを持て余してしまう
・コーナー(角部分)がデッドスペースになりやすい

費用が安く抑えられ、狭い場所でも設置できるⅠ型は根強い人気があります。その次によく選ばれるのは、I型に比べ動線が短く使い勝手の良いL型です。ある程度キッチンスペースが必要なⅡ型、U型は、作業スペースが十二分に確保できるため、料理好きな方にオススメの型になります。

L型・U型はコーナー部分にデッドスペースが生じやすいので、何を置くのか、どのように活用するのかを考え、無駄が出ないようにしましょう。

 

キッチン配置の種類

キッチンを壁に面して配置するか、独立して配置するかでその使い勝手に大きな差が生じます。

  配置方法 メリット デメリット
壁付け 壁付け型壁側に向けてキッチンを配置 ・キッチンの占有スペースが小さくで済むため、部屋のスペースを効率よく使える・窓に面して設置することも可能 ・リビングやダイニングからキッチンが丸見えになってしまう
ペニンシュラ ペニンシュラ型左右どちらか片側が壁に接するように配置 ・家族とコミュニケーションをとりながら調理や片付けができる※Ⅰ型・L型・コ型でよく利用される配置  ・片方が壁に面しているため、片側からしか出入りできず、作業効率が落ちる
アイランド アイランド型コンロ・シンク・作業スペースの一部もしくは全部が独立した配置 ・複数人でキッチンを囲み、料理や片付けができる・オシャレなキッチン空間を演出できる

・両サイドから出入りできるので動線が短く効率的

・調理のにおいや煙がリビングに広がってしまう・上部に収納が確保できないので、収納スペースが少なくなる

「キッチンスペースをできるだけコンパクトにおさめたい」「リビングやダイニングスペースを広く確保したい」という方には、壁付けを選びましょう。リビングやダイニング側を向いて設置する場合、ペニンシュラかアイランドを選ぶことになります。中でも、存在感のあるアイランドは「家でよくパーティをする」「家族みんなで料理をする時間が楽しみ」という方にオススメです。

 

2-3.ワークトップの素材

システムキッチンのワークトップの素材は、ステンレス、人工大理石、人造大理石、メラミン化粧板など様々です。この節ではそれぞれの素材の特徴、メリット・デメリットを解説します。

ステンレス

ステンレスは耐熱性、耐久性、耐摩耗性に優れた素材です。傷が目立ちにくく、汚れも拭き取りやすいなど、ワークトップの素材として多くのメリットがあり、プロの調理場でもステンレスが採用されています。

デメリットとしては、その無機質な質感から、人によってはデザインが物足りない、古臭いと感じる方もいます。

クリナップ社の高級グレードS.S.シリーズにはステンレスが採用されています。

料理を良くされる方、毎日のお手入れを最小限に済ませたい方にはステンレスがオススメです。

人工大理石

かつては憧れの素材でしたが、今や主流となった人工大理石です。高級感があり人気の素材です。名前に大理石と付いていますが、実は樹脂からできており、大理石は一切含まれていません。
アクリル樹脂やポリエステル樹脂を主成分とした人工素材で、キッチンのワークトップ以外にも風呂の素材などにも広く使用されています。
一般的に主成分がアクリル樹脂の方が、主成分がポリエステル樹脂のものよりも耐久性が高く、価格も高価です。

メリットとしては、様々な形に加工しやすいため、コストも安く、種類が豊富という点です。

デメリットとしては柔らかいので傷つきやすく、調味料などをこぼしたら直ぐに拭き取らないとシミがつきやすい点です。

メーカーとしてはアメリカデュポン社のコーリアン®が有名です。人工大理石はデザイン・バリエーションも豊富で見た目を重視する方にオススメです。

人造大理石

人工大理石と似ていますが、こちらは天然の大理石などを粉砕して、樹脂などで固めた半人工素材です。外観はマーブル状でランダムな模様なのが特徴です。イタリア語の「Terrazzo」テラゾーと呼ばれることもあります。

メリットとしては、天然の持つ独特のデザイン性と高級感。本物の天然石よりは低価格・高耐久性で手入れも簡単な点です。デメリットとしては、傷や熱に弱いこと、調味料などをこぼしたら直ぐに拭き取らないとシミが付きやすいことです。

日本のメーカーでは主にトクラス社が人造大理石を採用しています。

また近年では、タカラスタンダード社が天然水晶(クォーツ)を合成した高級人造石を使用したワークトップも発売しています。
天然水晶(クォーツ)の美しい表情をそのままに、耐久性を高めた高級ワークトップです。

人造大理石のワークトップはデザイン性を重視する方にオススメです。

熱い調理器具などを頻繁にワークトップ置きたい方、汚れが気になる方は次に紹介するステンレス製の方が良いでしょう。

天然石(御影石)

他の材質にはない高級感が天然石の特徴です。デザイン性の高い海外メーカーのキッチンによく見られます。天然石が持つ独特の高級感は魅力的で、コストはかかってもデザインにこだわりたい!という方にオススメです。デメリットとしては、他の材質よりもコストがかかること、汚れが染みやすく、変色しやすいことです。

メラミンポストフォーム

メラミン樹脂を塗った化粧板に熱や圧力をかけて加工して合板に貼り、成形(ポストフォーム)したものがメラミンポストフォームです。人工大理石が普及するまで、一般的なカウンター材でした。
メリットとしては、傷やよごれに強く価格も安価です。デメリットとしては熱に弱い点が挙げられます。

 

ワークトップ素材のまとめ

コスト 耐久性 メンテナンス性 耐熱性 インテリア性
ステンレス
人工大理石
人造大理石
天然石(御影石)
メラミンポストフォーム

ワークトップはデザイン性を重視するなら、天然石や人工大理石・人造大理石、コストやメンテナンス性を重視するならステンレスをオススメです。

 

2−4.システムキッチンの収納

システムキッチンの収納(キャビネット)は高さや、扉の開き方を扉型かスライド型かなど自由に選択できます。

吊戸棚(吊り戸棚)

上部に設置される収納です。上部のスペースを活用できるため、食器や調理器具を収納すればキッチンをスッキリすることができます。

手動で引き下げると下に降りてくるプルダウン型や、電動で昇降するものもあります。

選択の際に注意する点としては、使う人の身長に合っているかどうかです。吊戸棚が高すぎると、出し入れする際に踏み台などが必要になり、非常に不便です。
また、重たい調理器具や食器を出し入れする際に危険でもあります。

吊戸棚の高さで失敗しない為には、実際のショールームに行って、自分の身長で使いやすい高さがどれくらいかを調べておくことが大切です。

フロアキャビネット

下部の収納部分がフロアキャビネットです。扉で開くタイプやスライドで開くタイプがあります。

スライド型の収納は奥までスペースを有効に使えます。ただし、一般的にスライド型は低グレードではオプション扱いで、扉型よりも割高になる場合があります。

最下部に使用頻度の低いものを収納しておけるフロアコンテナが付いているタイプもあります。

キャビネットはシンクや調理台毎に替えることもできます。

キャビネットは使用用途によって選択します。

考え方としては、水回りゾーン、調理ゾーン、コンロゾーンと大きく3つのゾーンに分けます。

水回りゾーンはボールや包丁、まな板などシンクで使うものや、包丁など下ごしらえで使うものを収納。

調理ゾーンは調理小物や下ごしらえに必要な調味料、粉物、などを収納。

コンロゾーンはフライパンや鍋など、大きな調理器具を収納。

それぞれのキャビネットで使用頻度の低いキャビネットは扉型、使用頻度の高いものはスライド型にするなど、自分のライフスタイルに合わせて選択しましょう。

 

2-5. システムキッチンのキャビネット扉

システムキッチンのキャビネットの扉の素材は、主に「ステンレス、メラミン化粧板、木、ホーロー、UVは塗装が挙げられます。

ステンレス

ステンレスの扉は、サビにくく、耐熱性が高く、メンテナンスがしやすいため水回りの製品に多く使用されています。ワークトップもキャビネット扉もステンレスのオールステンレスのシステムキッチンもあります。
ワークトップ同様によく料理をする方、メンテナンス性を重視する方にオススメの素材です。

メラミン化粧板

メラミン化粧板は硬く傷が付きにくく、耐薬品性に強いです。扉にする場合は、高圧メラミン化粧板を基材に貼り付けます。メラミン化粧板は色や柄も豊富です。

木のワークトップ同様、木ならではの暖かみや温もりを重視したい方が選ばれることが多いです。価格は、比較的高価となります。基本的に表面に樹脂塗装がしてありますが、汚れ等はすぐ拭き取らなくてはシミになりやすいですし、こまめにお手入れする必要があります。

ホーロー

ホーローとは、金属の基材にガラス質の釉薬を被せて高温で焼き付けたものです。
※釉薬・・・陶磁器の表面に塗るガラス質の粉

ホーローの扉は、表面に付着した汚れを拭き掃除のみで取り除けるのでお手入れが簡単、熱に強い、傷がつきにくいという特徴があります。
しかし、ヒビや割れが発生すると、錆びてしまう可能性があるため、注意が必要です。

ホーローシステムキッチンはタカラスタンダード社が有名です。

UV塗装

UVは紫外線を意味します。紫外線を照射して硬化する塗料を使用し、工期短縮するのがUVは塗装です。ピアノの仕上げに使用される方法で、耐磨耗性・耐傷性があり、高級感のある高い鏡面のような仕上がりになります。

 

扉材を選ぶ際のポイント

システムキッチンの扉は選んだ色や材質によってキッチン全体の印象が大きく変わります。ですから、上記で説明した材質の特性とともに「キッチン全体のバランスを考えて選ぶこと」が重要です。

キッチンの天井やフローリング、冷蔵庫や調理器具などとバランスがとれているか、調和しているかを考えて選択しましょう。

キッチンは雑多なものが多く並ぶので、自己主張のない色やデザインがおすすめです。単体で見たら素敵だけれど、実際に家に入れてみるとイメージと違った・・・ということにならないように注意しましょう。

システムキッチンの色についてはこちらの記事もご覧ください。

システムキッチンの色を選ぶ時に押さえておきたいポイント

 

2-6.システムキッチンのシンク

シンクの材質を選ぶ際、ワークトップにステンレスもしくは人工大理石を選ぶ予定の方は、シンクにも同じ材質を選び、シームレスにすることをおすすめします。ワークトップとシンクの接合部をシームレス(継ぎ目なし)にすると接合部に隙間が出来ないため汚れや水垢が溜まらず、見た目にも大変すっきりします。

 

天板と一体型だとお手入れが簡単です。

それでは、システムキッチンの素材を紹介していきます。

ステンレス

ステンレスのシンクもワークトップや扉と同様、水や熱に強い、汚れにくく手入れがしやすい、錆びにくいという特徴があり、価格も安いため数多く採用されています。表面を水垢がつきにくいように加工したものもあります。ステンレスといえば、水の流れる音やお湯を流した時のボンっという音が気になる方もいるかもしれませんが、近年は静音シンクが主流となってきており、ステンレスでも静かなタイプが増えてきています。ワークトップ同様に料理をよくする本格志向の方にはステンレスがオススメです。

人工大理石

シンクの素材でスレンレスとどちらにするか悩まれるのが人工大理石です。アクリル系とポリエステル系があり、アクリルの方が高価ですが耐候性・耐衝撃性に優れています。ステンレスに比べてインテリア性が高く、オレンジ、ピンク、グリーンなどカラーバリエーションが豊富です。熱い油などの入った鍋を長時間放置すると変色したり、硬く鋭利な金属や陶器などで表面に傷が入ったりすることがありますのでご注意ください。ステンレスの無機質な感じよりもカラフルで暖かみのあるキッチンにしたい方には人工大理石がオススメです。

エポキシ系人工大理石(TOTO社)

TOTO社独自の『クリスタルカウンター』は、マットで透明感があり、耐久性・耐熱性にも優れた最高グレードのカウンターです。一般のエポキシ樹脂に、独自加工により耐熱性、耐光性などを加えた「ハイブリッドエポキシ樹脂」で出来ています。熱や衝撃に強く、汚れもスポンジの硬い面にクリームクレンザーを付けて磨くだけで落ちるため、お手入れも簡単です。

 

2-7.システムキッチンは高さは身長÷2+5cm

 

システムキッチンは身長に合わせて高さを選ぶことができます。

高さが合っていないキッチンで作業を行うと、腰に負担がかかり、疲労や腰痛の原因となる可能性があります。

毎日使うキッチンは、使う人の高さに合わせる事が重要です。

キッチンの高さの基準として【 身長÷2+5cm 】がよく使われます。

例えば、身長が160cmの人なら、160cm÷2+5cm=85cm になります。

165cmの場合は、165cm÷2+5cm=87.5cmとなりますが、メーカーによっては87.5cmの高さのキッチンが無い場合もあります。

そうなると、85cmか90cmのどちらを選べばいいか迷いますが、

この場合はマットやスリッパなどの高さも考慮して高い方を選ぶと良いでしょう。

また、低いシステムキッチンを高くするのは大変ですが、もし高いと感じた場合は足場を高くするなどすれば対応できるからです。

 

2−8.システムキッチンのメーカー

クリナップ ・キッチン専業のメーカー
・高品質なステンレスを使用しているため、ステンレス製のキッチンをお考えの方におすすめ
 LIXIL ・価格が比較的リーズナブル
・収納が特徴的で充実していて、使い勝手が良い
・商品のラインナップが広い
 パナソニック ・主婦目線の設計されている
・省エネ機能が充実している
・デザインがスタイリッシュ
 タカラスタンダード ・ホーローが高品質で人気
・価格がリーズナブルなものが多い
・バリエーションが豊富
 TOTO ・見た目が美しく、デザイン性で定評があるため、インテリア性を重視したい方におすすめ
・手入れがしやすい
・水回り機能が充実しており、節水もできる
トクラス ・シームレスなデザインが人気
・豊富なカラーがある
・人造大理石にこだわりがあり、質が高い
ハウステック ・デザインを自分好みに細かく選ぶことができる

システムキッチンの種類につきましてはこちらの記事もご覧ください。

こだわりたい!システムキッチンの種類と特徴をわかりやすく解説!

 

3.システムキッチンのリフォーム費用と注意点

システムキッチンをリフォームするためには、システムキッチン本体の費用にプラスして施工費もかかります。一般的にキッチンリフォームの目安として言われている金額は50万円~150万円程度です。
しかし、同じような機能のキッチンでも、メーカーやグレードによって費用は大幅に変わります。ここではシステムキッチンのリフォームにかかる費用や注意点を解説いたします。

3−1.システムキッチンのリフォームの費用

システムキッチンのリフォーム費用はシステムキッチンのグレード、レイアウト型、施工費用などによって異なります。

リフォーム費用の目安は 50万円~150万円

システムキッチンのグレードにより費用が異なります。

本体価格

高グレード:100万円〜

高グレードの特徴はワークトップ素材が人造大理石でスライド型キャビネット、静音型のシンク、電動収納など各社の持つ多彩な機能が備わっています。

 

低グレード:30万円〜

低グレードの特徴はワークトップ素材がステンレス、扉型のキャビネット、その他の機能をシンプルに絞ってありコストダウンされています。

それらのシステムキッチン本体の費用に加え、既存のキッチンの解体費用や新しいシステムキッチンの設置費用の施工費用が約20〜30万円前後かかります。

 

レイアウト型による価格帯

1章で紹介したレイアウトの種類によって費用が異なります。価格帯はI型が最も安く、アイランド型が高くなる傾向にあります。

レイアウト型 価格帯
Ⅰ型キッチン  安
 Ⅱ型キッチン  安
 L型キッチン  高
 U型キッチン  高
 アイランド型キッチン  高
 対面型キッチン  高

システムキッチンの価格帯別リフォーム例

100万円以上

メーカー:クリナップ
商品名:S.S
レイアウト型:I型

高品質なステンレスにこだわりぬいて職人技によって作り上げられたシステムキッチンがクリナップ社の高級グレードS.Sです。キズに強い特殊エンボス加工に油汚れも水拭きでキレイにできる「美コート」。排水口への水路を設けゴミをスルスルと流してくれる「流レールシンク」など、デザイン性と利便性を兼ね備えたワンランク上のシステムキッチンです。


メーカー:タカラスタンダード
商品名:レミュー
レイアウト型:対面型

高品位ホーローの品質と機能性から誕生したのがタカラスタンダード社のレミューです。人造大理石のワークトップ、静音性の高いシンク、鏡面のような輝きのハイパーガラスコートのコンロ、足型スライドタイプのキャビネットなど豪華な仕様のモデルです。「洗う、調理、片付ける」をスムーズにする3層構造が採用されています。


メーカー:TOTO
商品名:ザ・クラッソ(クリスタルパッケージ)
タイプ:I 型キッチン

熱に強く、丈夫で透明素材と柄の組み合わせが美しいクリスタルカウンター、タッチで水を出し止めできるタッチスイッチ水ほうき水栓。まな板や包丁、ふきんなどに噴射することで除菌ができる「きれい除菌水」などTOTOのクリーン技術を応用した機能も備えています。


50~100万円

メーカー:クリナップ
商品名:コルティ
レイアウト型:I型

クリナップ社の必要最小限のシンプルな機能をギュッと詰めたコンパクトキッチンです。豪華な装飾や付加機能などは不要で価格重視の方にオススメです。


メーカー:LIXIL
商品名:シエラ
レイアウト型:I型

道具を使いたいとき、手早く取り出せる「アシストポケット」や水を流すたびに、うず状の水流が排水口内部の汚れを洗浄する「くるりん排水口」など、シンプルでも利便性の高い機能が搭載されているのがシエラです。


メーカー:Panasonic
商品名:V-style
レイアウト型:I型

継ぎ目がなく、汚れが溜まりにくくい「スキマレスシンク」、センサーで自動的に電気や水の無駄を抑えてくれるエコセンサーなど環境に配慮した機能を備えています。


各社が高価格グレードから機能をシンプルにした低価格グレードをラインナップしています。ワークトップやシンクの素材は何がいいのか、どのような機能が欲しいのかなど優先したいことを明確にした上で、各社の特徴と予算から選択することがポイントです。

 

3−2.システムキッチンリフォームの注意点

カタログ掲載価格が工事価格ではない

カタログに掲載されているのはシステムキッチンの本体価格であり、施工費用は含まれていません。
実際にはシステムキッチンの本体価格に加えて約20〜30万円程度施工費用がかかります。

施工費内訳

解体工事費 養生や、既存キッチン・関連部分の解体・撤去に関わる費用
設備工事・電気工事費 新設キッチンに合わせた給水・給湯・配管、電気配線の調整に関わる費用
キッチン取り付け費 システムキッチンの組立て・設置費
内装工事費 床、壁、天井に関する工事費
現場管理費 全体工期の1/3程度
諸経費 施工費の8~10%相当

上記の施工費内訳は一例です。施工店によっても表記が異なりますし、工事内容によっても上記の費用以外の施工費が発生することもあります。
詳細の施工費内容は、見積書を出してもらうようにしましょう。

既存の場所から移動すると費用が高くなる

システムキッチンの入れ替え時にキッチンを別の場所に移動する、またはI型のキッチンを対面式やアイランド型に変更する場合、施工費用が高くなる場合があります。

なぜなら、位置を動かすということは、新しい位置にダクトや給排水、電気工事をおこなわなければならないため、それらの工事費用が追加でかかってしまうからです。

写真と実物は異なるのでショールームで確認する

カタログで見た写真と実際のイメージは必ずしも同じとは言えません。また、実際に使用する時に高さは自分と合っているか、収納部の操作性はどうかなど、様々な使用感を確認するためにも、実際にショールームに行くことが大切です。

 

3−3.システムキッチンのリフォームを安く済ませる方法

最安価格で買って施主支給で行う

価格比較サイトを使って最安価格で購入し、業者に設置のみをお願いすると安く抑えられる場合があります。施主が製品を仕入れて業者に設置のみをお願いする方法を「施主支給」と言います。

価格比較サイト

価格.com

注意点として、業者によっては持ち込みで用意したシステムキッチンの設置を断られるケースもあります。設置をお願いする業者に事前に施主支給が可能か確認するようにしてください。

また、業者の施工保証がつかなかったり、施工以外の製品不良など、何か問題が起きた場合は設置した業者ではなく、施主が自らメーカーに問い合わせる必要があります。

機能やグレードを下げてI型のレイアウトにする

システムキッチンのグレードと価格は比例します。本当に必要な機能や装飾に限定すると、グレードを落とすという選択肢も出てくるかもしれません。
また、レイアウトの種類では他のレイアウトよりもI型キッチンが比較的安価です。必要最小限の機能の低グレードなシステムキッチンでI型のレイアウトにするという方法も検討してみてください。

展示品やアウトレット品を使う

ショールームやモデルルームで展示品やアウトレットを安価で販売しているところもあります。最新型のモデルではない、サイズや希望のものがあるとは限らないものの、上手く利用できれば費用を抑えることができます。

アウトレット品を扱っている業者

建材王国

ぽけっとリフォーム

システムキッチン展示品(楽天市場)

 DIYで設置するのはオススメできない

安く済ませたいのでDIYでやろう!と思われる方もいるかもしれません。しかし、DIYでのシステムキッチンの設置はオススメしません。

なぜなら、システムキッチンの設置には、ガスの配管工事や電気工事が伴います。

そのため、素人があまり知識のない状態でDIYでやってしまうと、水漏れだけに収まらず、ガス漏れや感電などの大きな事故に繋がる可能性が高いのです。

そのような事故を未然に防ぐためにも、無理にDIYでしようとせず、設置は業者に依頼するようにしましょう。

まとめ

いかがでしたか?

この記事では、システムキッチンの定義から、各社の種類、設置時の注意点などをお伝えしてきました。

システムキッチンは多種多様な素材や機能があり、選ぶ際には迷ってしまうかもしれません。

そんな時は、デザイン、機能、手入れのしやすさ、価格、など、あなたが何を優先したいのかを明確にして、その要望に満たせるシステムキッチンを選ぶことが大切です。

この記事があなたのシステムキッチン選びのお役に立てると幸いです。

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