大規模なリフォームをしようとする際に、一時的な仮住まいを探さなければならない場合があります。
しかし、いざ仮住まいを探そうとしても、
「どうやって探せば良いの?」
「どんなところを仮住まいにしたら良いの?」
「ペットはどうしたらいいの?」
といった疑問や悩みを持たれる方もいらっしゃるでしょう。
そのような方々のために、この記事では、仮住まいの選び方から、仮住まいへの入居時によくある悩みの事例とその解決方法をご紹介していきます。
1.仮住まいの必要性とメリット・デメリット
仮住まいとは、家の改修工事や建て替えの際の工事期間中に、一時的に住む家のことで、リフォームなどで一定期間住居に住むことが出来ない人たちが利用します。
工事を行う会社によって仮住まいが用意される場合もありますが、自ら用意しなくてはならないことがあります。
そのような方々が仮住まいを利用することが本当に必要なのかどうか自分で判断するための基準を持っていただくために、ここでは仮住まいの必要性とメリット・デメリットについてご紹介します。
1-1.仮住まいは必要性に応じて利用する
リフォームや建て替えをするなら「必ず仮住まいをしなけれなばならない」ということはありません。
例えば、一般的なリビングなどのリフォームの際には、家に住みながらでも改修を行うことは可能であり、居住しながらでも工事を行えるのです。
しかし、水回りのリフォーム(キッチン、洗面所、トイレ)などのリフォームを行う際には、工期が1日という短期間であってもリフォームが終わるまで水回りが使えないという状況が続いてしまいます。
また、外壁などの塗り替えの際にも、室内には影響がなくても、塗り替え作業をしている人が気になる、塗料の臭い、普段と異なる環境などの要因からストレスを溜めてしまう人も少なくはありません。
これらのストレスは生活に支障が出る場合もあります。
建て替え | リフォーム | |
---|---|---|
概要 | 建物を基礎の部分も含めて一度取り壊し、新しい建物を立てること。 | 基礎の部分を残して、建物の一部を改修・修繕・増築すること。 |
工期 | 4ヶ月~8ヶ月
※参考 |
1日~4ヶ月 |
問題 | ・家をすべて壊してしまうので、家財の置き場所や、施工中の住まいがない。
・工期が長いので、中長期的な仮住まいを探す必要がある。 |
・改修中に出入りする業者にストレスを感じる。
・改修中の音・臭いがストレスになる。 ・短期間で施工が終わるので、短期的な仮住まいを探す必要がある(中長期的な仮住まいは借りにくい) |
このようなリフォームにおける生活の問題の解決策の一例として、仮住まいを挙げることが出来ます。
リフォームの規模や、生活に支障が出るか出ないかといったことを基準にして、仮住まいをするかどうかを考えると良いでしょう。
1-2.メリット・デメリット
仮住まいをすることにはメリットとデメリットがあります。
ここでは、それらについて表にまとめていますので、仮住まいをすることを迷っている方の判断基準として参考になさってください。
メリット | デメリット |
---|---|
・工事中のストレスを溜めずに済む
・施工中の埃・塵・化学成分によってシックハウス症候群になる可能性を減らせる。 ・ほぼ普段通りの生活リズムを保てる。 |
・費用がかさむ。
・引っ越しを2度しないといけない。 |
2.仮住まいを選ぶときに押さえておきたい5つのポイント
仮住まいを「いざ借りよう!」と思っても「どうやって仮住まいを選べばいいのか」ということはなかなか想像しにくいでしょう。
そこでここでは、仮住まいを探すにあたって押さえておくと良い5つのポイントをお伝えします。
1.期間・家族構成によって借りる住まいの種類を変える。
仮住まいの種類として、以下の5種類が挙げられます。
①(短期)賃貸住宅 ②UR住宅 ③ウィークリーマンション ④マンスリーマンション ⑤ホテル
それぞれの住まいを借りる基準としては次のように判断すると良いでしょう。
期間 | 家族構成(目安) | |
---|---|---|
(短期)賃貸住宅 | 2週間~※1 | 2~5人 |
UR住宅 | 4ヶ月~※2 | 2~5人 |
ウィークリーマンション | 1~2週間 | 2~4人 |
マンスリーマンション | 1ヶ月~ | 2~5人 |
ホテル | 1日~1週間 | 2~4人 |
※1 短期の仮住まいの際には、一般的な賃貸住宅は契約することが難しいのですが、2週間からの仮住まい用の短期賃貸住宅の案内をしているサイトもあります。(参考サイト:テンポラリーハウス ※このサイトでは戸建を中心に短期賃貸が紹介されています。)
※2 UR住宅は、原則3ヶ月以下の契約はできません。
2.家賃や敷金、礼金、引っ越し費用などをあらかじめ確認しておく。
仮住まいを借りる上で、避けては通れないのがお金の問題です。
通常のリフォームなら、住まいのリフォームのための費用だけで良いのですが、建て替えなどで仮住まいを借りるとなると、仮住まいの敷金、礼金、家財道具を運び出すための引っ越し費用などが必要になってきます。
それらを事前に把握して置かなければ、「いざリフォームを」「いざ仮住まいを」と思った時に費用が足りないということになりかねません。
仮住まいにかかる費用については、仮住まいをご検討の際は事前に把握するようにしましょう。
本文では、「4.仮住まいに必要な費用」の章で仮住まいにかかる費用を仮住まいの種類ごとに説明していますので、ご参考ください。
3.広さを確認しておく。
仮住まいを借りる上で、広さを確認しておくことは大切です。
これは、家族の人数に適しているかということや手持ちの家財道具が部屋の中に収まるかどうかの基準にもなるからです。
もしも、家族の人数に適していない場合は、仮住まいの期間に暮らし勝手が悪く、ストレスが溜まってしまうことや、家財道具が部屋の中に入らない場合に、トランクルーム(レンタル倉庫)を借りることになり、かえって費用がかかるということにもなりかねません。
このようなことを防ぐために、仮住まいの広さは必ず確認しておきましょう。
家族構成ごとの適した部屋の広さについては表にまとめていますので、もしも仮住まいをするならどれぐらいの広さが適しているのか、ということを確認する際に参考にしてください。
家族構成 | 部屋の広さ |
---|---|
2人 | 2DK、2LDK |
3人 | 2DK、2LDK |
4人 | 3DK、3LDK |
5人以上 | 3DK、3LDK以上 |
(引越し侍:「人数、年齢、建物タイプ別で見る『間取り』の違い」を参照)
※家財の量によって、必要な部屋の広さは変わりますので、仮住まいの部屋を決める際は、事前に家財の量を把握しておくと良いでしょう。
また、家族構成に適した部屋の広さは以下の式で求めることができます。アパートやマンションだけでなく、賃貸住宅の戸建住宅の利用をお考えの際にも参考にしてみてください。
戸建住宅(一般型誘導居住面積水準): 25㎡×世帯人数+25㎡ (2人以上の世帯)
共同住宅(都市居住型誘導居住面積水準): 20㎡×世帯人数+15㎡ (2人以上の世帯)
(国土交通省:住生活基本計画を参照)
4.これまで使っていた家具やカーテンが使用可能か確認しておく。
また、今まで使用していた家具やカーテンが利用可能かも確認しておくことは大切です。
これは、なぜかというと仮住まい先の住宅に家具やカーテンのサイズなどが合わなかった時に、仮住まいの期間のために新しいものを購入しなければならなくなる可能性もあるためです。
リフォームの費用だけでも大きな出費になるので、なるべく出費がかさまないようにしたいですね。
5.学区を確認しておく。
仮住まいに住む際に小中学校の学区を確認しておくことは、様々な手続きが必要かどうか確認することにもなるので重要です。
例えば、仮住まいが現在お子様の通っている学区外になってしまうという場合には、転校せずに現在の学校に通うには手続きが必要です。
その際には、家の建て替えやリフォームを証明する書類を提出すると良い地域もあるそうですが、地域によって対応が異なるので学校に確認をしておくと良いでしょう。
・期間・家族構成によって借りる住まいの種類を変える。
・家賃や敷金、礼金、引っ越し費用などの費用をあらかじめ確認しておく。
・広さを確認しておく。
・これまで使っていた家具やカーテンが使用可能か確認しておく。
・学区を確認しておく。
以上の5点は仮住まいをする際に、ぜひとも確認しておいていただきたいことです。
3.契約から引っ越しまでの流れ
ここでは、仮住まいの契約から引っ越しまでの流れをご紹介します。
一般的に仮住まいを始めるのは、施工にとりかかる約1週間程度前からです。
仮住まいの日程については、施工業者としっかり話し合ってみましょう。
また、仮住まいをする住宅の種類や荷物の引っ越しのための業者の手配などによって、どれぐらい前に契約をしなければならないということは変わってきます。
賃貸であれば、入居日の1ヶ月前~2週間前に契約をできるように仮住まい探しをしましょう。
ホテルであれば、予約はいつからでもできるので、たとえ仮住まいの1日前でも予約はできるのですが、連泊で宿泊したり、希望の部屋をおさえておくためにも少なくとも1ヶ月前までには仮住まいをする部屋を予約しておきたいところです。
仮住まいの期間としては、大規模な改修の場合、改修の工期が長くなる場合があるので大体、予定工期+1ヶ月を目安にすると良いでしょう。(この点については改修を依頼する施工会社と話し合って決めるようにしましょう。)
引っ越し業者の手配については、1~2ヶ月前ぐらいから引っ越し業者の比較をはじめると、余裕をもって費用の比較などができます。
しかし、3月、4月のような繁忙期に引っ越しをする場合、希望の日程が取りにくいということがあるので、仮住まいをすることが決まった早い段階のうちから引っ越し業者を選び、話し合っておくことが大切です。
そして、荷造りや各種の手続きを終えると、引っ越しをすることになります。
以上のような日程で引っ越しをした後は、施工が終わった後に再び引っ越しをして家に帰る、というような順序になります。
仮住まいの契約から、施工後の引っ越しまでのフローチャートも参考にしてみてください。
4.仮住まいに必要な費用
これまで、仮住まいの費用について何度も触れてきましたが、ここでは仮住まいにかかるおおよその費用を仮住まいの種類ごとにご紹介していきます。
※ここで例としてあげていく費用については、お住まいの地域によって多少前後します。
4-1.(短期)賃貸住宅の場合
仮住まいとして賃貸を契約した時に必要になる、おおまかな費用としては、
・敷金 (相場:家賃1~2ヶ月分)
・礼金 (相場:家賃1ヶ月分)
・不動産仲介料 (相場:家賃1ヶ月分)
・家賃 (入居期間分の費用)
・水道光熱費 (入居期間分の費用)
・共益費 (入居期間分の費用)
・清掃・修理費 (退去時に支払い)
以上の7点が挙げられます。
(短期)賃貸の場合、家賃の相場は5万円から10万円ほどなので、3人家族で2LDKの8万円の賃貸住宅を6ヶ月間借りた場合
・敷金 16万円(8万円×2ヶ月)
・礼金 8万円(8万円×1ヶ月)
・不動産仲介料 8万円(8万円×1ヶ月)
・家賃 48万円(8万円×6ヶ月)
・水道光熱費 13万8000円(2万3000円×6ヶ月)※3
・共益費 3万6000円(6000円×6ヶ月)※4
・清掃・修理費 0円~(敷金の金額内で収まることが多いため)
合計97万4000円(16万200円/月)程度かかることになります。
これらの費用に加えて家財などの引っ越しの料金が必要な場合があります。
※3 3人世帯における、水道光熱費の相場の2万3000円を元に算出しています。
※4 家賃8万円の賃貸の共益費の相場である、4,000円~8,000円の平均値を元に算出しています。
4-2.UR住宅の場合
仮住まいとしてUR住宅を契約するためにかかる費用としては、
・敷金 (相場:家賃1~2ヶ月分)
・家賃 (入居期間分の費用)
・水道光熱費 (入居期間分の費用)
・共益費 (入居期間分の費用)
・清掃・修理費 (退去時に支払い)
以上の5点が挙げられます。
費用の面では一般の賃貸物件に対して、礼金や仲介手数料などがかからないところが特徴的です。
UR住宅の場合、家賃の相場は5万円から12万円ほどなので、3人家族で2LDKの9万円のUR住宅を6ヶ月間借りた場合
・敷金 18万円(9万円×2ヶ月)
・家賃 54万円(9万円×6ヶ月)
・水道光熱費 13万8000円(2万3000円×6ヶ月)※3
・共益費 4万500円(6750円×6ヶ月)※5
・清掃・修理費 0円~(敷金の金額内で収まることが多いため)
合計89万8500円(14万9750円/月)程度かかることになります。
また、一般的な賃貸物件での仮住まいと同様に、仮住まいの費用に加えて家財などの引っ越しの料金が必要な場合があります。
※5 家賃9万円の賃貸の共益費の相場である、4,500円~9,000円の平均値を元に算出しています。
4-3.ウィークリーマンションの場合
仮住まいとしてウィークリーマンションを契約した時に必要になる、おおまかな費用としては、
・契約事務手数料 (契約時に支払い)
・賃料 (日割り、もしくは月固定の金額)
・水道光熱費 (日割り、もしくは月固定の金額)(家賃に含まれている場合もあります)
・清掃費 (退去時に支払い)
以上の4点が挙げられます。
ウィークリーマンションの場合、家賃の相場は一日あたり5000円から1万6000円ほどなので、3人家族で2LDKの1万円のウィークリーマンションを2週間借りた場合
・契約事務手数料 1万5000円※6
・賃料 14万円(1万円×14日)
・水道光熱費 1万4000円(1000円×14日)※7
・清掃費 1万5000円※8
合計18万4000円(35万3000円/月)程度かかることになります。
短期間の利用であれば、一般の賃貸物件に比べて利用しやすい価格となっていますが、家賃相場で考えると他の物件の2倍ほどの値段になっています。
また、リフォームの規模によっては、これらの費用に加えて家財などの輸送やトランクルームを借りる費用が必要になることもあります。
※6 契約事務手数料が1万円から2万円の物件が多く見られたので、これらの平均値を元に算出しています。契約手数料が必要でない場合もあります。
※7 水道光熱費の一日あたりの利用料の平均が1000円でしたので、この価格を元に算出しています。
※8 清掃費が、7000円から4万5360円と物件によって大きな差がありましたが、相場としては1万5000円程度でしたので、この価格を元に算出しています。
4-4.マンスリーマンションの場合
仮住まいとしてマンスリーマンションを契約した時に必要になる、おおまかな費用としては、
・契約事務手数料 (契約時に支払い)
・賃料 (日割り、もしくは月固定の金額)
・水道光熱費 (日割り、もしくは月固定の金額)(家賃に含まれている場合もあります)
・清掃費 (退去時に支払い)
以上の4点が挙げられます。
マンスリーマンションの場合、家賃の相場はウィークリーマンションより少し価格が下がって、一日あたり5000円から1万5000円ほどなので、3人家族で2LDKの29万4500円(9500円/日)のマンスリーマンションを3ヶ月間借りた場合
・契約事務手数料 1万5000円※6
・賃料 88万3500円(29万4500円×3ヶ月)
・水道光熱費 9万3000円(3万1000円×3ヶ月)※7
・清掃費 3万円※9
合計102万1500円(34万500円/月)程度かかることになります。
こちらもウィークリーマンションと同じく、家賃相場で考えると他の物件の2倍ほどの値段になっています。
また、ウィークリーマンションでの仮住まいと同様にリフォームの規模によっては、仮住まいの費用に加えて家財などの輸送やトランクルームを借りる費用が必要になることもあります。
※9 清掃費については、契約内容によって異なりますが、3ヶ月の利用の場合には、1ヶ月未満の利用の場合の2倍の額になる傾向があります。
4-5.ホテルの場合
仮住まいとしてホテルに滞在するためにかかるおおまかな費用としては、ホテルの宿泊料金のみである場合が多いです。
しかし、ここで注意しておきたいのは、ホテルは 人数×宿泊料金×宿泊日数 で料金が計算されるので、人数が多ければ多いほど割高になる傾向があります。
また、リフォームの規模によっては、これらの費用に加えて家財などの輸送やトランクルームを借りる費用が必要になることもあります。
4-6.それぞれのメリット・デメリット
ここでは、賃貸住宅・UR住宅・ウィークリーマンション・マンスリーマンション・ホテルのそれぞれを仮住まいにするメリット・デメリットを一覧にしてご紹介しています。これらのメリット・デメリットを知っていると、どこを仮住まいにするか決めやすくなるかもしれません。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
(短期)賃貸 | ・様々な規模の部屋が用意されている。
・従来の生活と変わらない生活ができる。 |
・一般的な賃貸物件の場合、短期の契約が成立する可能性が極めて低い。
・退去時の清掃費が高い。 ・敷金が全額戻ってこないような契約を要求される場合がある。(※入居期間が短いので、住まいの原状回復のための負担の比重が入居者の方が大きくなっても仕方がないとも考えられます。参考:全国賃貸不動産管理業協会) ・短期の賃貸は、一般の不動産会社では取扱い件数が少ないため、探しにくい。 |
UR住宅 | ・一般的な賃貸物件に比べて、初期費用がかからない。(礼金・手数料が不要)
・保証人が必要ない。 ・間取りが大きく、収納スペースが多い。 ・設備が整っており、それまでのライフスタイルで生活できる。 ・退去時の精算方法が明確にされている。(短期入居の場合、敷金が多く戻ってくる可能性が高い) ・全国に75万戸の物件があるので、選択肢が多い。
|
・3ヶ月以下の短期の利用はできない。
・家賃が高い物件が多い。 ・年収によって入居の可否が決まる。(家賃の○倍の月収が必要など) ・駐車場の利用料が比較的高い。 ・敷金を家賃の3ヶ月分用意しなくてはならない場合がある。 ・郊外部に位置することが多い。 ・ペットと一緒に暮らせる物件がほとんど無い。 |
ウィークリーマンション
マンスリーマンション |
・敷金・礼金がないので気軽に入居できる。
・光熱費が賃料に含まれていることもある。 ・開栓手続きなどの立会いの必要がない。 |
・料金が賃貸相場の2倍近くになっている。 ・料金が前払いというケースが多く、初期費用がかかることがある。 ・単身者向けものが多いため、間取りが一般的な賃貸物件に比べて狭い。 ・部屋が狭いことや部屋数が少ないことが多いので、荷物を置く場所がなく、結果としてトランクルームを借りなければいけなくなり、費用が余計にかかることがある。 |
ホテル | ・チェックイン時に名前や住所を記入するだけで良いので、賃貸や水道、ガスなどの契約のわずらわしさを伴わない。
・気軽に滞在できる。 ・好みに合わせて選びやすい。 |
・費用が割高になる。
・長期滞在しにくい。 ・荷物の置き場所がほとんどない。 |
広さに余裕のある仮住まい物件の方が、トランクルームを借りる必要がなくなる等、トータルのムダな支出を抑えることができます。
また、仮住まい中の家財の保管についても、事前に見通しをたてておきましょう。
これまでにご紹介いたしました各賃貸住宅やホテルなどは、仮住まいの期間やご家族の形態、どのように生活したいかを考えながら決めていくと良いでしょう。
5.仮住まい中に気になること
仮住まいをしよう、となっても、「ここってどうしたらいいの?」という疑問は多くあります。
そこでここでは、それらの疑問に対する回答をまとめさせていただきました。
仮住まいをするにあたってのお困りの際に、参考にしていただければと思います。
5-1.住民票は移動しなくても大丈夫
リフォームをするために、仮住まいへの引っ越しをする際に、住民票は移動する必要があるのだろうか?と悩まれる方は多くいらっしゃいます。
通常は引っ越しをしてから14日以内に市区町村に転入届を出して、住民票を移動する必要があるのですが、仮住まいは、住宅のリフォームや建て替えの工事のための「長期滞在」であるといえるので住民票を移動する必要はありません。
しかし、仮住まいの期間が一年間以上の長期間になる場合や、子供の転校が伴う場合は住民票を移す必要が出てくる場合もあります。また、子供の学校の学区外に仮住まいをする場合は、必要書類を提出しなければならないこともありますので、しっかり学校の先生と相談すると良いでしょう。
住民票を移さないので、住まいに関する手続きを何もしなくていいのではないかと思われるかもしれませんが、郵便物に関しては手続きが必要になります。
転居の手続きについては、郵便局や日本郵便株式会社のサイトで転居届を提出し、約1週間程度で手続きが完了という順序になります。手続きの方法や必要書類については以下のサイトを参考にしてください。
※転居・転送サービス(日本郵便株式会社:転居の手続きのサイト)
e転居(日本郵便株式会社:転居の手続きのサイト)
※郵便物の転居届は一年間取り消しができないので、仮住まいからもとの家に戻った際には、もとの家への転居届をもう一度出し直しましょう。
5-2.荷物の保管方法は3つある
仮住まいの期間中、家財道具などの荷物をどうしたら良いのか、と悩まれる方もいらっしゃいますが、荷物の保管方法としては、以下の3つの選択肢が挙げられます。
①仮住まい中も住まいに置いたままにする。
②仮住まいに荷物も持っていく。
③トランクルームを借りて荷物を保管する。
①については、主に規模の小さなリフォームなどの場合のみ可能で、費用がかかることはないでしょう。
②については、仮住まいにある程度の広さが求められ、荷物を移動するための引越し費用と元に戻すための引越し費用が必要になります。
③については、家族が生活するのに丁度いい規模の仮住まいを借り、別に荷物を置くためのトランクルームを契約するという形であると考えてよいでしょう。
トランクルームについては費用を安く抑えておきたいところですが、ある程度の期間、家財を保管しておく場所でもあるので、湿度などに気をつけ、家財の損傷や劣化を避けることができるようにした方が、長期的に見ると得をすることになるでしょう。トランクルームの注意しておきたい点は以下のようになります。
1.トランクルームに荷物を運ぶ時間を考えておく。
2.保管の期間によって、温度や湿度など空調対策について調べておく。 3.どのようなレイアウトで、ものを保管するかレイアウトを事前に考えておく。 4.荷物の取り出しが24時間いつでもできるのか確認しておく。 5.家からトランクルームまでの距離を確認しておく。 6.どのようにしてセキリュティが管理されているかを確認しておく。 7.料金体系や初期費用について確認しておく。 8.紛失や火災、盗難などの荷物に何かあった場合に保証があるのか、保険がかかるのかということを確認しておく。 |
また、どんなトランクルームがあるのだろうと思われる方のために、3つほどトランクルームについてご紹介させていただきますので、参考にしてみてください。
2.トランクルームなら.R(ドッとあ~る)コンテナのトランクルーム
5-3.仮住まい中の各種契約の手続きの方法
仮住まい中に、水道代や電気代といった各種契約をどうしたらいいのだろうかとお悩みの方もいらっしゃるでしょう。
仮住まいの期間が短期間の場合は、各種契約を変更する必要性はあまりないでしょうが、家を空ける期間が長期間になればなるほど、契約を変更しておかなければ困ることが増えてきます。
そこで各種契約をどのようにしたらいいのかということを下記に表にしてまとめていますので、お困りの際に参考にしていただければと思います。
契約 | 手続き |
---|---|
電気・ガス・水道 | 契約会社に停止、もしくは移転の手続きをしましょう。
(施工業者が手続きを行なってくれる場合もありますので、確認してみると良いでしょう。) |
郵便物 | 郵便局に転居届を出しましょう。 (詳しくは本記事の5-1を参考にしてください。) |
宅配物 | 宅配物の受け取りの住所を変更しましょう。 |
電話 | 1週間前までに業者に連絡をしましょう。 |
インターネット | 移転手続きの場合、工事が必要な場合もありますので、 早めにインターネット会社に問い合わせをしましょう。 |
新聞・生協・ヤクルト | 仮住まいのことを事前に連絡しておきましょう。 |
5-4.ペットと一緒に住める物件を探す
仮住まいにペットを連れて行きたい、という方も多くいらっしゃいますが、ペット可の仮住まいを探すのはなかなか難しいのが現状です。
しかし、賃貸住宅・ウィークリーマンション・マンスリーマンション・UR住宅・ホテルの全ての物件においてペット可の物件はありますので、地道に探すことで、ペットと仮住まいで一緒に暮らせるようにしましょう。
その際には、ペット可でもペットの種類によっては不可となる場合もあるので、契約の際にはどんなペットと一緒に住みたいのかということもしっかり伝えましょう。
また、ペット不可の物件にペットと一緒に住むことを黙って入居するのはやめましょう。退去時に契約違反として原状回復のための費用を全額請求される場合があります。
どうしても、ペット可の物件が見つからなかった場合には、親族に預けるという方や、ペットホテルに預けるという方もいらっしゃるようです。
ペットホテルではサービスの内容は様々で、預かるだけでなく、散歩をしたり、トリミングをしたりということが行われています。これらのサービスは、ホテルによって充実度が異なるようです。
また、ペットホテルの相場については、下記の表にまとめさせていただきました。
動物(分類) | 価格の相場 |
---|---|
猫 | 3150円~ |
小動物 | 1050円~ |
小型犬 | 3150円~ |
中型犬 | 4200円~ |
大型犬 | 5250円~ |
超大型犬 | 6300円~ |
※都市部であったり、サービスの充実度が高かったりするほど、相場は高くなる傾向にあります。
※大切なペットを預ける場所ですので、そのホテルがどのような資格を持った人がいるのか、どんな人達が働いているのか、どんな管理体制なのか、どのようなサービスがあるのかということをしっかりと調べた上で預けるようにしましょう。
親族に預けるのは心苦しく、ペットホテルだと費用が多くかかるということや万が一大切な家族が事故に巻き込まれると、ということをを考えてみるとトラブル回避のためにも、ペット可の物件を探すようにしたいですね。
5-5.仮住まいということを伝えて契約する
「一般の賃貸に入居したい」という場合に大きな壁になるのは、仮住まいの契約期間が短いという点です。この期間の短さのために、一般向けの賃貸の契約を断られてしまうことは多々あります。
その場合に、どうしても一般向けの賃貸に住みたいから仮住まいということを隠して契約できないのだろうか、と考えられる方もまれにいらっしゃるようですが、仮住まいで利用することを契約の際に隠すことはやめましょう。
なぜかというと、退去時に期間内の解約が禁止されている場合にトラブルにつながるからです。
そのようなトラブルに巻き込まれることを避けるためにも、最初から短い期間でも入居可能な物件を選択しましょう。
また、万が一不動産業者に仮住まいということを内緒にして契約をしましょうと言われても、しっかりと断るようにしましょう。
5-6.工期が延びた時の仮住まいの費用については事前に話し合う
工事の種類や天候によっては、リフォームや建て替えの工期が延びてしまうことがあります。
そんな時に仮住まいで暮らす期間を延ばさなければならないということもあるでしょう。その場合、延びた分の仮住まいの費用は自己負担なのか?施工会社の負担になるのか?と疑問に思われるでしょうが、この費用については事前の契約内容や工期が延びた原因などによります。
結果としては、自己負担になる場合が多いようですが、工期が延びた際の仮住まいの費用については、事前に施工会社に確認しておき、しっかりと話し合っておくようにしましょう。また、話し合った内容などは紙に残しておくと後々のトラブルのリスク回避にもつながるでしょう。
まとめ
仮住まいといっても、住む場所を探したり、費用を考えたり、と考えることが多いですよね。
なるべく、金銭的な負担が小さいことが望ましいのですが、リフォームや仮住まいにかかる費用をあらかじめ考えておくとともに、仮住まいでは「今までと同じように生活したい」「ちょっと狭くても費用を安くするためなら、ちょっと窮屈な生活でも大丈夫」といったように、どのような生活をしたいのかということが大切です。
ある程度長期間になると、ただの仮住まいも皆さんの暮らす場所として、帰る場所としての生活の一部になりますから、少しでも心地よく生活ができる場所を選びたいですよね。
費用などについては、施工会社に相談してみるとしっかりとしたアドバイスがいただけるかもしれません。
仮住まいの疑問は少しでも解決されたでしょうか?
この記事が、皆さんのリフォームの際の仮住まいの概要を掴むためのお役に立てていれば幸いです。