マンションの防音リフォームの種類や効果、費用まで徹底解説!

この記事をご覧になっている方は、防音のリフォームに興味を持たれていると思います。年頃のお子様が居て下階への生活音に配慮をしなければならない。また、趣味で楽器の演奏を部屋で行いたいので、他の部屋に音が漏れない様にしたい。もしくは、ペットを飼っていて鳴き声や走り回ったりする時の騒音など、様々な理由でお悩みを持たれているのではないでしょうか。

この記事では、防音のためにマンションでのリフォームを行った際の対策別の効果、費用について分かりやすく解説いたします。この記事を参考にリフォームを依頼し、快適な住環境を得る事でストレスの無い生活を送りましょう。

1.防音対策のリフォームで、叶えられる事

お住まいへ防音リフォームを行う事によって、下層への足音、漏れている生活音、楽器の音などの様々なお悩みを改善する事は可能です。
ですが、防音の方法は多種多様で、お悩みによって選ぶべきリフォーム方法が異なります。
第一章では具体的な防音リフォームの種類をご紹介する前に、知っておいてもらいたい防音のメカニズムに関してご説明いたします。

そもそも「防音」という言葉は概念的なもので、吸音、遮音という複数の要素が含まれています。
それでは、吸音、遮音とはどんなものなのか、解説いたします。

【吸音】スポンジ状の素材の吸音材などで、空気音の反射を少なくし、音の反響を抑える事です。吸音材の繊維に音がぶつかると音のエネルギーが小さくなるため、部屋の中で発生した音の反射を小さくするためにも、天井や壁に吸音材を設置します。

【遮音】文字の通り、内部からの音を遮ることです。遮音性能の良くない部屋では、外部からの音が伝わってくるため、快適な睡眠や、安らかな生活の営みが妨げられる可能性があるため、重い材料や密閉性の高い材料で、音を漏らさないように対策することが可能です。また、二重窓を設置したり、厚地のカーテンを併用すると遮音効果が上がります。

防音をキチンと行うためには、遮音と吸音の両方が必要です。遮音シートなどで対策を行い、遮音性能を上げ過ぎてしまうと、音を跳ね返す作用がありため、音源のある部屋の表面材として用いると部屋内の反響音が大きくなる可能性があります。そのため、オーディオルームなどの音源がある部屋の表面には吸音材をで対策をされるのがオススメです。吸音と遮音をバランスよく組み合わせる事が大切になります。

理解を少しでも深めて、次の章からの防音リフォームを学んで頂ければと思います。

 

2.防音リフォームの5つの種類と費用

マンションの防音リフォームには、様々な箇所への対応策が考えられます。
それぞれの対応を行った場合と、その費用を解説していきます。この章で取り扱う方法は、リフォーム業者へ依頼する本格的な防音リフォームになります。日常の生活音が気になる方の対策は、4章にDIYでも出来る防音リフォームを紹介しているので、まずそちらを試してみるのもオススメです。

防音リフォームは施工箇所、対策方法によって費用が異なるため、リフォーム業者へしっかりと要望を伝え、納得できる費用と対策を一緒に考えてもらう様にしましょう。

2-1.お子様や、ペットの足音などが下階へ響くのを防ぐ、床への防音リフォーム

床の防音

床への防音リフォームは、以下の方法が代表的なものですが、いずれも比較的高額になります。
どの程度の防音を行いたいか、どの方法で対策を行うのがベストなのか、リフォーム会社へ依頼する際に、目的をしっかり持って相談しましょう。

・張り替える
既存のフローリングを撤去して防音機能のある床材への張り替えを行います。様々なメーカーが防音機能のある床材を出しているので、張り替える素材によって価格が変わりますが、費用は、6帖で約14万円~20万円程です。
ご予算でどの素材にするか相談してください。遮音性能が高ければ高いほど、この緩衝材によって厚さが出るため、床の踏み心地がやわらかくなります。踏み心地はあらかじめショールームなどで確認する様にしておきましょう。

・重ね貼り
既存の床の上に、そのままフローリングを貼っていく方法です。既存の床をはがす工事をする必要がなく、ゴミが出ないため、工事時間は短くなり、解体費や処分費がかからないのでリフォーム費用も安くなる傾向があります。費用は、6帖で約12万円~15万円程です。
床の高さが床素材の厚みの分上がってしまうので、扉の調整も必要になる場合がありますので、ご注意下さい。重ね貼りの場合には下地の確認が出来ないため、フローリングを張ってから10年以上経過していたりする場合には、下地の状態を確認してもらった方が良いでしょう。

・二重床工法
遮音性能を高めるため、床のスラブ(コンクリート)の上に直接、床材を貼るのではなく、スラブの上に金属製の束(つか)を立て、その上にフローリング床を施工し、間に緩衝材を入れて床板を二重にしたものです。鉄筋コンクリートスラブとの間に空間が出来るので、直張りより防音性を高める事が出来ます。また、空間が出来るため、直床で埋め込んである配管や配線を移動させる事が出来ます。
費用は、6帖で床の解体に約10万円・解体時の廃材処分に約3万円・材料費+施工費で約50万円。合計で約60万前後の費用が掛かります。
二重床工法の実績のある業者に依頼する様にしましょう。

フローリングの遮音等級
床の音の伝わり方を示すものでLH(重量衝撃音。人の足音など)とLL(軽量衝撃音。スプーンなどを落としたときの音)の2種類がある。
L値は、その区別なく、両方を総合して評価した値。いずれも数字が小さいほど遮音性能が高い。

遮音等級 イス、物の落下音など 共同住宅の生活状態
L-40 ほとんど聞こえない 気にせず生活出来る
L-45 サンダル音は聞こえる 少し気をつける
L-50 ナイフを落とすと聞こえる やや注意して気をつける
L-55 スリッパをはいた足音が聞こえる 注意すれば問題ない
L-60 箸を落とした音が聞こえる お互いに我慢できる程度
L-65 10円玉を落とすと聞こえる 子供がいると下階から文句が出る

マンションの管理規約の防音規定では、一般的に遮音等級(L-45以上)と定められているケースが多いので、
リフォーム業者に相談する際には、管理規約も確認しておきましょう。
※マンションの規定によっては、床へのリフォームを禁止している場合もあります。

2-2.ホームシアターなどを楽しみたい方は、壁への防音リフォームで対策をしっかりと

 

ホームシアター
壁の防音リフォーム対策は、壁の中に遮音シートと吸音材を入れる事によって、高い防音効果が期待出来ます。
費用は6帖で約12万円~25万円程。石膏ボードを二重にすると更に防音効果が高まります。
石膏ボードの費用は3000円/㎡~が目安となります。

2-3.一室の生活音が漏れるのを防ぎたい方は、窓への防音対策がオススメ

二重窓
窓の内窓を取り付けて、二重窓にすることで防音は勿論、断熱や防犯の効果も期待出来ます。
二重窓に変更する事によって、室内へ入ってくる音も約半分程にまで軽減出来ます。
今お住まいの窓に取り付けるカタチになるので、施工時間も最短で約一時間程です。
価格は、約4万~12万円
※商品代+工事費、窓のサイズにより、費用が異なります。

費用は更にかかりますが、窓ガラスの素材そのものを防音機能があるものに変更すれば、更に防音機能は上がります。

窓へのリフォームに関しては、防音以外にも詳しく説明した記事がありますので、こちらも参考にされてみて下さい。

窓リフォームで断熱・防音・防犯・結露の悩みを解決する方法

 

2-4.窓への防音とプラスして、通気口への防音リフォーム対策も

窓の防音対策と合わせて換気口を防音仕様へと変更した場合にも、屋外へ漏れる音を防ぐ事は出来ます。
費用は、屋内キャップのみを変える場合だと、1万円以下。屋内の換気口も防音換気口へ変更した方が、より防音対策が高まります。
その場合の価格は2万円~5万円以下が相場の様です。

 

2-5.本格的に楽器を演奏したい方へ!防音室の購入と設置

各目的によって防音リフォームを説明しましたが、リフォーム業者に依頼を行わずに、防音室を購入するという方法もあります。音楽を自宅で本格的に演奏する方や、
防音室も用途によって様々な種類があるので、費用別に分けてご紹介いたします。

・約50万円、本格的に楽器の演奏を自宅で行う方にオススメの防音室。
「カワイ 防音室 ナサール LVSX09-13」
防音ルーム ナサール
画像出典:株式会社カワイ音響システム

こちらの商品は広さが0.8畳なので、マンションで広めの部屋の中にも設置が可能なタイプになります。
ピアノ販売で有名な河合楽器の製品で、楽器を演奏する方のための本格的な防音ルームです。
商品のバリエーションも多く、管・弦楽器用の0.8畳タイプからグランドピアノ用の4.3畳まで9サイズが用意されているので、楽器の種類によって、どの防音室を利用するか選べます。簡単組立、移設も可能、パネル工法で工事は1日で完了します。

 

・30万円以下の重圧で耐久性のある防音室。
「サイレントデザイン組立式シリーズ」
サイレントデザイン
画像出典:サイレントデザイン

28万円~購入出来る、音圧が80dB程度の比較的に音圧の低い楽器に対応した防音室。
設置できるかどうかはお住まいの条件によるので、マンションでの設置は難しいかもしれませんが、検討される方はメーカーへご相談されてみてください。
組立自体は特殊な工具も必要無く、どなたでも簡単に出来る様に設計されている様ですが、輸送+組立費が別途4万円以上必要になるとの事です。

 

・10万円以下で購入出来る、お一人様向けの防音ルーム。
「組立式 簡易防音室 だんぼっち」
組立式 簡易防音室 だんぼっち
画像出典:株式会社VIBE

やはり防音室は高額のため、安価で防音ルームを自宅に持ちたいという方向けです。自宅内でカラオケを思いっきり歌いたい。音楽の録音を行いたい。
家の中に居て、他の部屋からの音を気にせずに集中出来る環境を作りたいなど。という目的の方にオススメです。
設置に関しては工事の必要がなく、使用しない際には折り畳みが出来るなど、取扱いやすい防音ルームになっていますが、そこまで高めの防音効果は期待出来ない様です。また、中は熱がこもりやすく暑くなるそうなので、長時間使用される場合はご注意下さい。

 

3.マンションの防音リフォームを行う際に注意すること

3-1.マンションの管理規約の確認は必須

分譲マンションなどの集合住宅でリフォームを行う場合、施工にあたっては管理規約を遵守する必要があります。管理組合によってマンションのルールは定められているので、着工前にはこの管理規約を確認し、管理組合(理事長宛)にて工事申請書を提出し、承認を得るなどのルールがあります。リフォームを行う前に、まず管理会社へどの様な工程を踏まえるのが適切かを相談しておくのが良いでしょう。
また、賃貸の場合には、リフォームを行う事自体が難しい場合もあるので、オーナーか管理会社へ確認をされてみてください。

3-2.工事前に近隣へ挨拶をしておくと安心

防音工事をリフォーム業者へ依頼する際、費用は勿論ですが、終了するまでにどの程度の期間が掛かるのか、どれぐらいの時間に工事を行うかをキチンと確認し、お住まいのマンションの隣接した部屋へどの程度の影響があるのかをキチンと確認しておきましょう。
防音対策を行うために、騒音を発してしまい、近隣の方からクレームになってしまっては本末転倒です。可能であれば、工事を行う日の前に、隣接した部屋の方へ訪問を行い、リフォーム工事を行う旨を伝えておきましょう。
トラブルを避けるために忙しい施主に代わって挨拶を行ってくれるサービスを行ってもあるので、リフォームを依頼される業者へ相談してみましょう。

【挨拶文雛形つき】ご近所トラブルを回避!外壁塗装の挨拶Q&A集

4.自分でも出来るDIYでの防音対策

2章では、業者へ依頼を行う防音リフォームの対策を紹介しました。
当然ながら、プロに依頼を行えばしっかりとした対策を行ってくれますし、満足度も高いものを得られると思いますが、気になるのは費用が高額な点だと思います。
そこで、費用を安く済ませて、少しでも部屋の防音対策を行うためにDIYで自分の出来る範囲でも出来る方法をご紹介いたします。

お子様の足音など、下階への防音対策なら「P防振マット

防音マット
画像出典:防音専門 ピアリビング

ピアノやドラムなどの楽器に下に敷いたり、洗濯機の下に敷いて下階に伝わる振動を大幅にカットします。
畳の下にP防振マットを引くことで、和室の床への防音対策も可能です。

価格 2,800円(10mm厚)4枚で一畳分。

 

日常の生活などを音を気にする方へ、壁への防音対策「吸音パネル

吸音パネル
画像出典:壁紙屋本舗

テレビの音、掃除機の音、話し声などの気になる生活音の反響を吸収し、軽減する吸音パネル。
カラーバリエーションも豊富なので、お部屋に合わせた色合いで設置することが出来ます。
断熱効果により、冷暖房の節約効果も期待出来るそうです。

価格 1枚2,550円(税別)~

 

窓から外へ漏れる音の対策なら「窓用ワンタッチ防音ボード

防音ボード
画像出典:防音専門 ピアリビング

窓枠等に手を加えることなく、枠にボードをはめ込むだけなので、傷がつかず賃貸マンションでもご利用可能です。
受注生産の完全オーダー品めなので、お住まいの窓枠を計測してピッタリ合ったサイズで作成してもらえます。
数値的には2重窓と同等の防音効果が得られるとの事です。
防音ボードの上から防音カーテンを利用することで、更に防音効果は高まります。

価格( 1枚タイプ)
[幅465mmまで] 19,000円~60,000円(税別)
[幅466mm~2,000mmまで] 24,000円~90,000円(税別)

2枚連結タイプ~4枚連結対応まであり、高さに応じて価格も異なります。

 

まとめ

いかがでしょうか?防音対策のリフォーム事例をご紹介いたしました。
防音したい音の種類や、目的、予算によってもどんな風に防音リフォームを行なうのか、方法も異なります。
ご紹介したリフォームの方法をご参考に、納得のいく防音リフォームを成功させてください。

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