ご自宅のテーブルやウッドデッキなどの様々なところにある木材の痛みや汚れが目立ってきて、きれいにしたいとお考えではないですか?あるいは色味を変えて、心機一転したいという思いがありませんか?
しかし、いざ塗装しようとしても、どんな塗料を使えばいいのかわかりませんよね?
実は、木材の塗料は一般的に外壁や屋根に塗る塗料とは種類が異なります。木材の塗料には、防カビ・防腐・防虫、木材の呼吸を妨げないような機能が必要なのです。
本記事では、木材塗料にどんな種類があるのか、どんな塗料がおすすめなのかお答えします。
目次
1.木材塗料の種類
木材に使用する塗料には、「木目を生かすことのできる塗料」と「木目を消すことのできる塗料」の二種類があります。それぞれに特徴がありますので、まずはその違いについて説明します。
1-1.木目を生かす塗料
木目を生かす塗料とは、木材の保護成分が浸透するタイプの塗料です。木目を生かす塗料の特徴は、浸透し、表面に塗膜を作らないので何といっても木材特有の温かみを損なわない点です。
木目を生かす塗料は浸透し、塗膜を形成しないため、塗膜の不具合でよくある剥離や割れが起こりません。一方、デメリットとしては長持ちしないことや、素地の劣化が著しい場合、塗装しても不具合が透けて見えてしまうことが挙げられます。
環境にもよりますが、一般的に塗替えサイクルは1~3年です。
画像出典:プロタイムズ群馬高前店
1-2.木目を塗りつぶす塗料
木目を塗りつぶす塗料とは、木材の上に塗膜を作るタイプの塗料です。木目を消す塗料の特徴は、長持ちするという点です。
長持ちするため、屋外での使用に適しています。また、素地を完全に隠蔽することができるため、木材の割れや汚れ等の劣化症状を隠すことが可能です。
一方、木目が塗りつぶされてしまうということと、塗膜が形成されるため剥離や割れが起こる可能性があります。
木目が塗りつぶされると雰囲気ががらりと変わり、木の質感はなくなります。
環境にもよりますが、一般的に塗替えサイクルは、4~6年です。
画像出典:プロタイムズ八王子店
木目を残したいのか、それとも長持ちさせたいのか自分の希望に合った塗料を選びましょう。
2.おすすめの木材塗料
1章で木材の塗料には木目を生かすタイプと木目を塗りつぶすタイプがあることをお伝えしました。それぞれの種類の塗料でおすすめをご紹介いたします。
2-1.木目を生かしたい方におすすめ塗料
製品名:キシラデコール
色数:15色
塗回数:2~3回
参考価格:¥9,000 (3.4L)
施工可能面積:5~7㎡/L
塗り重ね乾燥時間:12時間
溶液タイプ:溶剤
製品名:オスモカラーウッドステインプロテクター
色数:18色
塗回数:2回
参考価格:¥13,000 (3L)
施工可能面積:12㎡/L
塗り重ね乾燥時間:4~6時間
溶液タイプ:溶剤
製品名:ノンロット205N Zカラー
色数:15色
塗回数:2回
参考価格:¥9,000 (3.5L)
施工可能面積:5~8㎡/L
塗り重ね乾燥時間:2~6時間
溶液タイプ:溶剤
製品名:サドリンクラシック
色数:28色
塗回数:2回
参考価格:¥8,700 (4L)
施工可能面積:6㎡/L
塗り重ね乾燥時間:24時間
溶液タイプ:溶剤
※価格は販売店によって異なる場合がございます。
ここでは4つの製品を紹介致しました。
迷ったらキシラデコールがおすすめです。木材塗料といったら一番最初に思い浮かべられるのがこの塗料です。色数ではサドリンクラシックが多いので、色にこだわりたい方はこちらの塗料を探してみると良いかもしれません。
2-2.木目を塗りつぶしたい方におすすめ塗料
製品名:キシラデコールコンゾラン
色数:18色
塗回数:2~3回
参考価格:¥8,400 (3.5kg)
施工可能面積:4~6.6㎡/kg
塗り重ね乾燥時間:1~2時間
溶液タイプ:水性
製品名:サドリンエナメル
色数:8色
塗回数:2回
参考価格:¥11,500 (4L)
施工可能面積:7㎡/L
塗り重ね乾燥時間:14時間以上
溶液タイプ:溶剤
製品名:オリンピックマキシマムソリッド(塗りつぶし)
色数:112色
塗回数:2回
参考価格:¥10,000 (3.78L)
施工可能面積:9~12㎡/L
塗り重ね乾燥時間:30分以上
溶液タイプ:水性
製品名:ガードラックアクア
色数:16色
塗回数:1回
参考価格:¥9,000 (3.5kg)
施工可能面積:10㎡/kg
塗り重ね乾燥時間:3~4時間以上
溶液タイプ:水性
迷ったときはキシラデコールコンゾランです。ただ塗回数は2~3回なので、1回で済ませたいという方にはガードラックアクアがおすすめです。色にこだわりたい方はマキシマムソリッドが112色のラインナップがあるのでおすすめです。
マキシマムソリッドは、アメリカの塗料で非常に人気のある塗料です。
※水性(水に溶かしている塗料)と溶剤(油に溶かしている塗料)それぞれのメリット、デメリットを挙げます。
溶剤 | 臭気:強い
洗浄:ペイントうすめ液 有害性:比較的高い 仕上がり:比較的良い |
---|---|
水性 | 臭気:弱い
洗浄:水 有害性:比較的低い 仕上がり:比較的悪い |
溶剤の方が比較的性能は高いですが、臭気や有害性から扱いづらいという点があります。扱いやすさでは水性の方が断然上です。
2-3.木目を生かしつつ耐候性もほしい方におすすめの塗料
木の温かみも残しつつ、でも長持ちさせるという方法が実はあります。
それは、木目を生かす塗料を塗装した後に、木目を塗りつぶす塗料(塗膜を形成するタイプ)の透明を塗装するという方法です。
これにより、木目を生かしつつ耐候性を持たせることができます。ただこの方法は、手間と費用がかかるので完璧を目指したい方向けです。
3.木材塗装はDIYか業者に依頼するべきか
3-1.DIYか業者に依頼するかの判断基準
DIYか業者に依頼するかの判断基準は以下の3つです。
①足場が必要かどうか
高所を塗装するとなると足場がどうしても必要になり、危険が伴います。足場が必要になる場合、結局足場の業者に依頼しなければならないので、業者に任せましょう。
②面積がどのくらいか
外壁など広い面積を塗装する場合は、業者に依頼するのが無難でしょう。ウッドデッキくらいであれば、DIYで塗装することは十分可能です。
③木材に塗装がされていないか
塗装がされていると、いざ塗替えをしようとした際に、はじかれて塗れないという場合があります。木材に塗装がされているかの簡単な確認方法は、水をかけてみることです。
水をはじく場合は、何かしらの塗装がされている可能性が高いので、業者に依頼する方が無難でしょう。小面積であれば、サンドペーパーで研磨し、塗装を落とすことも可能です。
以上の点から、DIYにするのか業者にするのかを判断していきましょう。
4.DIYでする木材塗料の塗装方法
4-1.準備するもの
事前に施工する面積をメジャーを用いて測定しておきましょう。
計算した面積から必要な量の塗料を購入します。
例:キシラデコールを30㎡の面積に塗装する場合
標準使用量:0.15~0.20L/㎡
30㎡×0.15L/㎡=4.5L
30㎡×0.20L/㎡=6.0L
となり4.5L~6.0Lの塗料が必要ということがわかります。
以下に塗装に必要な道具を挙げます。
これらの道具は、ホームセンターやインターネット通販で購入することが可能です。ローラーやハケには水性用と溶剤用があるので、塗料に合ったものを選ぶようにしましょう。
塗料 | ローラー |
---|---|
刷毛 | マスキングテープ |
マスカー | サンドペーパー |
ウエス | 皮スキ |
バケット | 手袋 |
保護眼鏡 | 混ぜ棒 |
4-2.下地処理
塗装をする前に欠かせない作業が下地処理です。下地処理のできが仕上がりの美しさに大きく影響します。
洗浄
①ほこり、砂などの汚れ・付着物は、ダスター刷毛などを用いてよく清掃します。
②必要に応じて水または温湯で拭くか、洗って表面のほこりなどを除去し、十分に乾燥させます。
③油類などの付着物は皮すきなどで十分に取り除いたあと、塗料用シンナーで拭いて十分に乾燥させます。
※素地表面に付着している汚れや付着物を除去するときは、素地にきずを付けないよう十分に注意してください。
研磨
かんな目、逆目、けばなどは研磨紙を用い、取り除きます。
画像出典:プロタイムズ白河店
パテかい (パテを用いて穴などを埋める)
①素地の割れ目、虫食い穴、打ちキズ、隙間、深いくぼみなどは、樹脂パテで埋めて平らにします。
画像出典:プロタイムズあきる野店
②パテかい部は研磨紙を用います
画像出典:プロタイムズあきる野店
※樹脂パテを充填する部分は脆弱な部分を十分に除去して、木質系素地のもつ本来の強度になるようにしてから充填する。除去が不十分であると、塗装完了後にその部分のパテが剥離する場合があります。
4-3.養生
マスキングテープやマスカーを用いて塗装しない箇所を覆います。
画像出典:プロタイムズ福岡北店
4-4.塗装
①購入した塗料の仕様書を確認し、何回塗りなのか、どれくらいの量塗るのか、乾燥時間はどれくらいなのかを把握します。
②木材塗料は保護効果をあげるために防腐、防カビ、防虫剤を使用しているため、安全衛生面から手袋、めがね、マスクなどの保護具を装着します。
③開封前によく振り混ぜ、開封します。
※缶によっては皮スキなどを用いて開封します。
④缶を開けたら、まぜ棒でかき混ぜます。缶の底に成分が沈殿している場合があるので、よくかき混ぜてください。
⑤塗料をバケットに移し、塗りにくい箇所から塗装をします。
⑥1回目の塗装が終わったら、仕様書(取り扱い説明書)に記載されている塗り重ね乾燥時間を目安に乾燥させます。
※開缶したまま放置しておくと、蒸発とともに塗料表面が乾燥します。
この膜は塗料に混入すると再溶解せず、塗膜中につぶやかすとなって残留し仕上がり不良の原因となるため、
使用しないときは容器を密閉し、材料の貯蔵は必ず冷暗所に保管します。
膜を張った場合は、その膜を取り除いてから使用します。
⑦2回目の塗装の前に指で触ってみて塗料がつかないか確認します。
⑧塗料がつかなければ、2回目の塗装を同様に行います。
⑨乾燥したら養生を剥がして完成です。
4-5.片付け
塗料が残ってしまった場合、新聞紙などに塗りつけて乾燥させてから廃棄してください。水道に流したり、地面に流したりしないようにしてください。
5.失敗しない塗装業者の選び方
業者を選ぶ上で重要なポイントを3つ挙げます。
①適正価格かどうか
相場価格を押えるために、3社以上で相見積もりを必ずとりましょう。費用が高すぎても、安すぎても注意しましょう。
②資格を有しているか
一級塗装技能士の資格をもっていることや塗装工事業の許可を得ているか確認しましょう。塗装業は資格や認可がなくても、開業することが可能であるので、資格を有しているということは実務経験があるということの裏付けになります。
③保証などのアフターフォローがあるか
保証がある場合でも気を付けてもらいたいのが、保証内容です。保証があっても、保証対象条件がないに等しいというようなことも考えられます。どれくらいの期間保証してくれるのか、どういう不具合のときに保証してくれるのかということをしっかり確認しておきましょう。より詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてみてください。
また、数ある業者の中には悪徳業者も存在しています。塗料がどれだけ良いものを使用しても施工が悪くては性能を発揮することができません。そのため、信頼できる業者を選ぶことが重要です。
まとめ
木材を塗装すると一言でいっても、どんな塗料を使用するべきか、DIYか業者に依頼すべきかといった悩みは必ずあると思います。ご自身の要望に合った塗料を選び、満足のできる塗装をしましょう。塗装は、高額な買い物です。確かな知識を学んで、慎重に判断してください。
この記事を参考にして、ご納得のいく塗装を選んでいただければ幸いです。