風呂タイルの補修はDIYできる?劣化症状別の補修手順まとめ

一日の疲れを癒す最高のバスタイム中に、ふと見つけてしまったタイルのひび割れや欠け。「傷は小さいし、自分で直したいけどやり方が分からない…」「そもそも素人でも直せるものなの?」「放っておいても大丈夫かな…?」などとお悩みではないでしょうか。

実は、風呂タイルの傷は早急に対処することをお勧めいたします。なぜなら、一見すると問題なさそうな小さな傷でも、そのまま放置しておくとじわじわと水が浸入し、壁の内部や土台の腐食やシロアリ被害などの甚大な被害に繋がる可能性があるからです。

ですが、安易に自分で補修するのは禁物です。お風呂や劣化箇所の状態を見て、業者に依頼するか自分で補修するか、どちらか正しい選択をしなければなりません。

この記事では風呂タイルの補修に関して、「業者に依頼すべきケースや費用」「自分で補修する場合の補修手順や注意点」についてお伝えします。ぜひ参考にしてみてください。

目次

1.風呂タイルの劣化はすぐ対処しよう

1-1.補修が必要な劣化症状を写真で紹介

風呂タイルの劣化症状には主に「ひび割れ」「欠け・剥がれ」などがあり、タイル表面だけでなく目地部分(タイルとタイルのつなぎ目)にも起こります。写真はほんの一例ですが、たとえ劣化症状や範囲が小さくとも放置すればするほど劣化が進行してしまうため、早めの補修が必要です。

■タイル部分

■目地部分

1-2.放っておくと土台腐食やシロアリ被害も

前述した劣化症状は、たとえ小さな傷であっても、毛細管現象という物理現象によって水が浸入していき、内部の見えない部分まで劣化が進行してしまいます。

最悪のケースとして、写真のようにシロアリによる土台腐食や内部の金属部品・水道管の腐食など、タイル補修だけのつもりが土台から丸ごと工事しなければならなくなった!ということも有り得るのです。大切な住まいを快適に保つためにも速やかに対処しましょう。

 

2.補修するなら業者に依頼?それともDIY?その判断基準とは

風呂タイルの補修は、専門業者に依頼すべき場合と、自分で道具をそろえてDIYで補修できる場合があります。どちらの方法を選択すべきか、その判断基準をご紹介します。

2-1.業者に依頼すべき基準

業者に依頼すべき基準とは、ずばり「タイルの下地にまで劣化が進行している」という点です。その可能性を見極める項目を以下に記載しました。当てはまる場合は迷わず業者に依頼しましょう。また、業者に依頼する際の費用や、業者選びのポイントについては後の3章にてご紹介します。

■築年数が15年以上の浴室で劣化が生じた場合

浴室の寿命は一般的に約15年~25年です。身に覚えがないのにいつの間にかひびが入っているといった場合は、寿命による経年劣化が要因の可能性大です。シャワーヘッドをタイルの上に落としてひびが入った!などの物理的な要因のものは、自分で補修できることが多いのですが、経年劣化の場合は、タイルだけでなく給水管や土台自体が傷んで歪んでいる恐れがあるのです。表面だけ補修しても見えない部分でどんどん悪化してしまう為、業者に見てもらいましょう。

■タイルの劣化を1年以上放置している場合

水はどんな小さな隙間でも入り込んでいきます。小さな傷だからといって放置していると、内部に入り込み腐らせ、確実に被害範囲が広がっていきます。ましてや浴室は年中湿気が多く暖かい場所であるため、シロアリにとって絶好の棲み処となります。こうなるとタイル表面の補修だけでは済まないため、業者に依頼しましょう。

■全面張り替えで新品同様にしたい場合

壁も床も全面張り替えとなると何日も必要になりますし、タイルの並びや細かい処理など、なかなかプロのようにきれいな仕上がりにはなりません。この際、思い切って全部張り替えてキレイにしたい!という場合は業者に依頼しましょう。

2-2.自分で補修できる基準

自分で補修出来る基準とは、劣化の程度と範囲が「軽微」で「劣化が生じて間もない」こと。例えば、数か所程度の劣化や、物をぶつけたなどの物理的な要因で劣化が生じて間もない場合、下地にまで劣化が進行している可能性は低いです。実際の補修手順は後の4章でご紹介します。

また、それでも不安な方は、無料で現場診断を行ってもらえる業者もあるため、一度診断だけでも業者に依頼することをおすすめします。

 

3.業者に依頼する際の費用・工期の目安と注意点

いざ業者に依頼!と決めても、費用や工期、業者選びの基準など悩みますよね。そんな方の為に以下に参考情報をまとめました。

3-1.業者に依頼する際の費用・工期の目安

補修する面積や箇所、劣化具合によって必要な費用が変わりますが、平均すると補修費用は2~6万円、工期は半日~1日というケースが多いようです。ただし、現場調査をした結果、土台が傷んでいるといった場合は10万円~、工期は約1週間ほど必要になります。

3-2.業者選びの5つのポイント

①最低3社以上相見積りをとる

業者によっては不当な金額を請求するケースがあるようです。例えば、極端に安い金額で後から思わぬ追加請求をされたり、逆に極端に高い金額を請求される可能性があります。必ず3社以上は相見積りをとり、正しい相場を把握しましょう。

②社歴が長く施工実績・事例が多い

職人によって仕上がりに大きく差が出る為、経験と実績が豊富な業者に依頼することが重要です。

③現地調査を丁寧に行い、見積り内容を詳しく説明してくれる

悪徳業者の中には現地調査を簡単に済ませ、言葉巧みに不安を煽り、項目がざっくりとした見積書で相場以上の金額を請求してくる場合があります。優良な業者かどうか見極める為にも、現地調査を入念に行い、見積りに関して納得のいく説明をしてくれるか確認しましょう。

④問い合わせ対応や工事対応が早い

お風呂は毎日使う場所なので、生活に支障が出ないよう1日でも早く対応してくれる方が安心です。

⑤保証とアフターメンテナンスがある

万が一、補修後に不具合が生じた時にしっかり対応してくれるかどうかも重要なポイントです。補修前に口頭、契約書にて必ず確認を取りましょう。

3-3.【補足】これを機に全面リフォームを検討するなら

補修ではなく、ユニットバス等への全面リフォームも検討されている場合は、以下の記事がおすすめです。

これを読めばまるわかり!タイプ別おすすめお風呂リフォーム

 

4.風呂タイル補修のDIYに挑戦!準備物と補修手順まとめ

ここまでは業者に依頼する際のお話をしてきましたが、わざわざ業者に依頼せずとも自分で補修できる場合もあります。ここからは補修に必要な道具や材料と、補修手順についてご紹介します。

4-1.タイルのヒビの補修手順

■タイルのヒビ補修に必要な物

種類 費用 詳細
コーキング剤  298円
(※価格参考:ヤフーショッピング)
 ひび割れ部分を埋める材料です。ヘラ・マスキングテープとセットになったお得なものもあります。
ヘラ  536円
(※価格参考:amazon.co.jp)
コーキング剤を均一に伸ばす際に使用します。また、 コーキング剤とセットになっているものもあります。
マスキングテープ  119円
(※価格参考:モノタロウ)
劣化箇所以外にコーキング剤が付着するのを防ぎます。100円ショップでも手に入ります。
雑巾  108円  100円ショップで手に入ります。また、ご家庭にあるもので構いません。

■補修手順

①ヒビ割れ周辺を雑巾で拭き、水気を取ります。

②コーキング剤がはみ出すのを防止する為、ヒビ割れに沿って両側に3mm程度間を空けてマスキングテープを貼ります。

③コーキング剤をヘラに付け、ヒビ割れの内部まで埋め込むように隙間なく塗っていきます。

④完全に乾燥したらマスキングテープをはがして完了です。

4-2.タイルの欠け・剥がれの補修手順

欠けや剥がれの補修の場合、下地に残っているタイルや接着剤、目地を全てきれいに取り除いてから新しいタイルを貼る必要があります。周囲のタイルを傷つけないよう、より丁寧に行いましょう。

■欠け・剥がれの補修に必要なもの

種類 費用 詳細
専用接着剤 496円
(※価格参考:amazon.co.jp)
タイルを接着する際に使用します。水に強い、浴室専用のものを購入しましょう。
目地材 610円
(※価格参考:amazon.co.jp)
目地部分を埋める際に使用します。
タイル 130円
(※価格参考:amazon.co.jp)
もとのタイルの色に近いもの、サイズが同じものを購入しましょう。また、剥がれたタイルで再利用できる場合はそちらを使用しましょう。
金づち 416円
(※価格参考:amazon.co.jp)
目地や欠けたタイルをそぎ落とすのに使用します。また、100円ショップでも手に入ります。
タガネ又はマイナスドライバー 233円
(※価格参考:amazon.co.jp)
目地や欠けたタイルをそぎ落とすのに使用します。ご家庭にあるマイナスドライバーでも代用できます。
ヘラ  536円
(※価格参考:amazon.co.jp)
目地材を平らに伸ばす際に使用します。
マスキングテープ 119円
(※価格参考:モノタロウ)
劣化箇所以外に目地剤が付着するのを防ぎます。

■補修手順

①タガネ(またはマイナスドライバー)の柄の部分を金槌で打ち、補修箇所周辺の目地や欠けたタイルを下地が見えるまで平らにそぎ落とします。
※剥がれたタイルで再利用できるものがある場合は、タイルの裏側に残っている古い接着剤をタガネで取り除きます。

②新しいタイルの裏側に適量の接着剤を塗り、貼りつけます。

③壁に貼り付けた場合は落下防止の為、タイルの上からマスキングテープで留めておきます。

④完全に乾くまで時間を空けます
 ※商品によって乾燥時間が1時間~24時間と大幅に異なります。購入前に確認しておきましょう。

⑤完全に乾いた後、目地の両側にマスキングテープで養生します。

⑥目地部分に目地材を隙間なく埋めてヘラで平らにならし、マスキングテープをはがします。

⑦完全に乾燥したら完了です。

4-3.目地部分のヒビ・欠け・剥がれの補修手順

目地とは、タイルとタイルの間にある継ぎ目部分のことです。目地はタイルにかかる衝撃を吸収するためにタイルよりも強度が弱く、劣化しやすい部分です。

■目地部分の補修に必要なもの

種類 費用 詳細
目地材 610円
(※価格参考:amazon.co.jp)
目地部分を埋める際に使用します。
金槌 416円
(※価格参考:amazon.co.jp)
目地や欠けたタイルをそぎ落とすのに使用します。また、100円ショップでも手に入ります。
タガネ又はマイナスドライバー 233円
(※価格参考:amazon.co.jp)
目地や欠けたタイルをそぎ落とすのに使用します。ご家庭にあるマイナスドライバーでも代用できます。
ヘラ  536円
(※価格参考:amazon.co.jp)
 目地材を平らに伸ばす際に使用します。
マスキングテープ 119円
(※価格参考:モノタロウ)
 劣化箇所以外に目地剤が付着するのを防ぎます。

■補修手順

①グラグラと浮いている目地があれば、タガネ(またはマイナスドライバー)の柄の部分を金槌で打ち、下地が見えるまで平らにそぎ落とします。ひび割れの場合はそぎ落とす必要はありません。タイルのひび割れ補修と同じ要領で、ひび割れの左右をマスキングテープで養生します。

②目地材を水で練り、ヘラで目地に隙間なく刷り込みます。

③30分ほど時間をおき、タイルの表面についた目地材を濡れた雑巾等でふき取ります。
 ※目地材が完全に乾くと取れなくなるため、乾く前にふき取りましょう。

④目地材が完全に乾燥したら完了です。

 

まとめ

・風呂タイルの劣化を見つけたら速やかに対応。

・築15年以上経過し、いつの間にかタイルが劣化しているのはお風呂の寿命のサイン。

・物理要因での劣化、軽度な劣化であれば自分で補修可能。

この記事では風呂タイルの劣化に関して、業者に依頼すべき場合とDIY出来る場合、それぞれについてご紹介しました。

風呂タイルの劣化はできるだけすぐに対応することが一番重要です。この記事を参考に、適切な対応方法を選択してください。

また、もし既にシロアリ被害が疑われて心配という場合は、以下の記事でシロアリの対処法をご紹介しています。ぜひご覧ください。

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