ホームセンターの展開する低価格のリフォーム工事に魅力を感じているものの、ホームセンターのリフォーム工事を手放しでは信用できず、ホームセンターに依頼しても良いものか、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。悩みの種となっているのは、「ホームセンターのリフォーム工事は、専門業者等と比べて差異がないのか」「品質の面で問題はないか」といったところでしょうか。
はじめに悩みの種となっている疑問にお応えすると、”ホームセンター”というくくりで、それらを判断することはできません。なぜならば、ホームセンターのリフォームは、まだまだ新しいサービス形態のため、ズバリ、”ホームセンターのリフォーム工事はこうです”という答えを明示できる段階ではないからです。リフォーム事業への進出具合も様々で、リフォーム事業に力を入れているホームセンターもあれば、水回りのリフォームだけに特化しているホームセンターもあり、なかには全くリフォームを手がけていないホームセンターもあります。
そのため、ホームセンターへの工事依頼を考えるならば、各ホームセンターを個別に判断するよりほかありません。ただし、一般的な傾向として、ホームセンターが得意とするリフォーム領域はありますので、知識として、その辺りの情報も押さえておくと良いでしょう。
そこで、この記事では、ホームセンターが得意なリフォーム工事をはじめ、個々のホームセンターの見極め方、さらにホームセンターと地元の工務店等のメリット・デメリットの比較等をご紹介してまいります。ホームセンターへ依頼するかどうかで迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
1.ホームセンターが得意なリフォーム工事
1-1.各ホームセンターによって得意分野は異なる
先にホームセンターにリフォーム工事を依頼するかどうかは、各ホームセンターを見極めるよりほかはないとお伝えしましたが、ホームセンターの得意分野もまた、各ホームセンターを見極める以外に方法はありません。
その理由は、ホームセンターのリフォーム事業の形態を考えるとよくわかります。
そもそもホームセンターにリフォームを依頼した場合に、必ずしもホームセンターが工事をするとは限りません。もちろん工事内容によってはホームセンターが対応することもありますが、多くはホームセンターが提携している施工会社へ工事を依頼しています。つまり、実際にリフォーム工事を手がけるのは施工会社となります。
そのため、ホームセンターがどんな分野のリフォームが得意か、というのは、”どんな分野に精通している施工会社と提携しているか”によって大きく異なります。水回りが得意な施工会社と提携していれば、水回りが得意、さまざまなリフォームに対応できる施工会社と提携したり、複数の施工会社と提携していたりすると、それだけ得意分野が広くなるというわけです。
1-2.ホームセンターが得意なリフォーム工事の傾向
ホームセンターの得意分野は提携する施工会社によってそれぞれ異なるものの、もともとホームセンターの生業は小売業ですので、設備機器の販売に付随したリフォーム、たとえば、「ウォシュレットの取り付け」や「蛇口の交換」「ユニットバスの交換」「ドアの交換」などは、一般的に得意とするホームセンターが多い傾向にあります。”設備機器の交換にまつわるリフォーム”とお考えいただくと、わかりやすいかもしれません。
その他のリフォーム工事については、得意・不得意を一概に判断できるような材料はありません。「1-1.各ホームセンターによって得意分野は異なる」でご紹介した通り、各ホームセンターの提携する施工会社によってさまざまです。
そのため、実際にホームセンターへの依頼を考えるならば、上記の一般的な傾向等は踏まえつつも、各ホームセンターを個別に見極める必要があります。
2.頼れるホームセンターを見つけるために知っておきたい6つのこと
2-1.ホームセンターの知名度や規模と、リフォーム工事への安心感は必ずしも比例しない
ついつい「よく名前を耳にするホームセンターや、多店舗展開しているような大規模のホームセンターならば安心」と思ってしまいがちですが、こと”リフォーム工事”を依頼するならば、話は別です。
ホームセンターの主事業はあくまでも小売業。リフォーム事業へどれほど力を入れているかは、個々のホームセンターによって異なります。知名度のある大規模なホームセンターがリフォーム事業に参入したばかりということもあれば、聞き覚えのない小さなホームセンターがリフォームが得意ということも十分にあり得ます。
もちろん知名度や規模は全く関係ないというわけではありませんが、あくまでも一つの指標として参考にする程度にしておきましょう。
2-2.施工実績で得意分野&技術力をチェック
ホームセンターの得意分野や技術力を探るなら、施工実績をチェックするのが一番です。HPでチェックするか、HPに掲載のない場合は、直接ホームセンターの店舗で確認しましょう。
どんなリフォーム工事が多いのか、トイレなのか、お風呂なのか、はたまた内装なのか、施工実績をチェックして、依頼したいと思っている分野の工事にどれぐらい精通しているのかを確かめてみてください。少なくとも、その分野の施工実績が豊富にあるホームセンターの方が、提案の幅も広く、技術力も間違いないケースが多いことは確かです。
施工実績を明確に教えてもらえなかったり、依頼したいと思っている分野の施工実績がない、という場合には、そのホームセンターへの依頼を考え直した方が良いかもしれません。
2-3.口コミ情報も参考の一つに
「自身ではホームセンターの良し悪しが全く判断できない!」という場合には、口コミ情報をチェックするのも一つの手です。口コミ情報からは、成功談・失敗談をはじめ、経験者にしかわからない情報が収集できることもあります。特に、自身と同じリフォーム工事を経験した人の口コミからは、有益な情報が得られる可能性大です。
ただし、口コミで得た一つの情報だけを頼りに何かを決めてしまのはオススメできません。
よくよく考えてみれば当然ですが、口コミ情報は匿名性が高いため、その情報が信じられる情報かどうかの見極めは難しいところ。口コミ評価の高い業者が良い業者で、低い業者が悪い業者とは言い切れないのです。
とはいえ、口コミ情報が役に立たないというわけではありません。あくまでも参考情報の一つとして上手く活用されることをオススメいたします。
※口コミ情報を賢く活用する方法について詳しくは、「リフォーム業者選びに口コミサイトを最大限活用する方法!」をご覧ください。
2-4.専門知識のない担当者には要注意
窓口となる担当者に専門知識があるかどうかも、ホームセンターの良し悪しを見極める一つの判断指標となります。
ホームセンターにリフォームを依頼する場合、基本的に窓口にいる担当者とのやりとりのなかで、全てを決定します。「我が家に合う設備機器はどれか」「費用を安く抑える方法はないか」など、さまざまな悩みを担当者に相談しながら決めていくことになります。
そのため担当者に専門知識がないと、相談にのってもらえないばかりか、こちらの要望がうまく工事現場に伝わらない、といった事態になりかねません。最悪の場合、実生活にそぐわない、使いずらい仕上りになってしまう可能性もあるのです。
まずは、リフォーム工事に関して、困っていることや悩んでいることなどを率直に質問してみましょう。専門家としての回答が得られない場合には、注意が必要かもしれません。
2-5.”実際にだれが工事をするのか”を明らかにしておく
先述の通り、ホームセンターにリフォーム工事を依頼しても、ホームセンターが工事をするとは限りません。工事に関しては、ホームセンターはあくまでも窓口で、実際にリフォーム工事をするのは提携先の施工会社というケースがほとんどです。
この仕組み自体に問題はありませんが、”だれが工事をするのか”、工事を担当する会社のことは把握しておきたいところ。会社名や所在地はもちろん、リフォーム工事の実績や得意とするリフォーム工事の内容等は確認するようにしましょう。
2-6.保証体制は契約前に必ず確認を
なにか不具合が発生したときの”保証”は、契約前に必ず確認しておきたいポイントの一つ。保証期間や保証範囲はホームセンターによって異なるため、詳細内容まで確認しておくと安心です。
リフォームは新築と異なり、工事保証についての法的な義務がありません。そのため、そのホームセンターがどれぐらい責任を負う覚悟があるのか、というのは、工事品質への信頼において一つの指標となるのです。
設備機器等を購入する場合には、各設備機器ごとにメーカー保証もつくので、併せて確認しておきましょう。
3.ホームセンター?地元の工務店?どこに依頼すべきか迷っている方へ
3-1.工事内容によって、ある程度は依頼先を絞り込める
“そもそも、どこに工事を依頼すればいいかわからない”という場合、依頼したい工事の規模や内容によって業者を絞り込むと間違いがありません。
たとえば水回りの設備交換などの小規模のリフォームを検討している場合には、ホームセンターをはじめ、地元の工務店や設備会社系が依頼先の候補となる可能性が高いでしょう。一方で住まいを丸ごとリフォームしたり、建物の耐震補強など構造に関わるような大規模なリフォームは、大手ハウスメーカーや設計事務所への依頼を考えるのが一般的です。ホームセンターによっては、大規模リフォームに対応してくれるところもあるので、”ホームセンターに依頼したい”という場合にはまずは問い合わせてみてください。
3-2.ホームセンター・地元の工務店・大手ハウスメーカーetc…の特徴を徹底比較!
それぞれの特長や、メリット、デメリットを比較することで、自身にぴったりの業者が見えてくることもあります。「3-1.工事内容によって、ある程度は依頼先を絞り込める」も参考にしつつ、どこに依頼するのがベストかを考えてみましょう。
特徴 | メリット | デメリット | |
---|---|---|---|
ホームセンター | 一般的にトイレの交換やユニットバスの交換など、設備機器の販売に付随したリフォームが得意。 | 大量仕入れにより、大幅なコストダウンが期待できることもある。
買い物の途中などに、気軽に立ち寄れる。 |
リフォーム工事自体を提携先の施工会社が対応する場合、工事品質に不透明感がある。 |
地元の工務店 | 得意分野やリフォーム規模は各工務店によって様々。昔から長くその土地で営業をしている工務店も多い。 | システム化されていないことが多いため、融通がききやすい。
地域密着の会社が多く、何かあったときにすぐ駆けつけてもらえる。 |
デザインテイストや取り扱っている設備機器が古い場合もある。 |
大手ハウスメーカー | 手がけるのは、自社で建てた住まいのリフォームがメイン。 | 多くのハウスメーカーが自社で建てた住まいの定期点検や補修工事を実施し、その履歴等の情報も蓄積している。そのため、リフォームを同ハウスメーカーに依頼すると、これまでの点検結果や補修工事等を踏まえて、いつ・どんなリフォームをすればいいかを細かく提案してくれる。
住まいを建てたときと同じハウスメーカーにリフォームを依頼すると、保証等が受けられる場合がある。 |
リフォームの規格が決まっていることが多く、細かな融通がきかないことも少なくない。 |
設計事務所 | 耐震補強や間取りの変更などの大規模リフォームをする場合に依頼するケースがほとんど。 | 設計事務所は設計と施工管理を行ない、施工自体は別の施工会社が行なう。施工管理をする会社と施工をする会社が異なるため、手抜き工事が発生しにくい。
施主のあいまいな要望も、具現化してもらえる。 |
なかには、リフォームの実績がない設計事務所もある。
建築士によってテイストが大きく異なるため、相性の良い建築士を探す必要がある。 |
設備会社系 | 大手の住宅設備メーカー系列の会社。各住宅設備メーカーの取り扱う製品の設置・メンテナンス等を手がけている。 | キッチン、お風呂、トイレ、洗面台等の水回りや、給湯機などのガス回りのリフォームが得意。 | メーカー系列の会社であるため、別のメーカーの設備機器等を取り扱うのが難しい。 |
塗装・内装・左官・ガラス等の専門業者 | 屋根・外壁塗装は塗装店、クロスや畳な内装業者、左官工事は左官業者、サッシはガラス業者など、それぞれ各専門分野に特化ししている。 | 各分野に特化しており、専門性が高いため、確かな工事品質が期待できる。 | 各専門分野以外のリフォームについては、自社では請け負えない場合がほとんど。 |
上記以外にも、家具やカーテン等を取り扱うインテリアショップ系の会社がリフォーム事業に進出していたり、リフォームに特化したリフォーム専門店が登場するなど、さらに多種多様な会社がリフォーム事業に参入しています。
※リフォーム業者選びについて詳しくは、「【保存版】知らないと損!悪徳リフォーム業者の手口と絶対に騙されない為の全知識」も参考にしてください。
4.まとめ
“ホームセンターに依頼しても良いものか…”と悩んでいる方の多くが、すでに依頼したいと思っているホームセンターに心当たりがあるのではないでしょうか。気になるホームセンターがある場合には、ぜひ「2.頼れるホームセンターを見つけるために知っておきたい5つのこと」を参考に、そのホームセンターを見極めてみてください。