「サイディングボード」とは何かご存知でしょうか?そもそも聞いたことないという方も、聞いたことはあるけれど詳しくは知らないという方もいらっしゃるでしょう。もしくは、現在サイディングボードのことで悩みがある!という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
サイディングボードは、最近住宅の外壁材として多く採用されている素材です。
この記事では、サイディングボードにはどのような種類があり、どれを選べばよいのかということや、補修はどのように行うべきなのかなど、サイディングボードをご自宅の外壁材に採用するところから補修までの知識をお伝えしています。
これから家を建てるという方や外壁のリフォームをお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
1.サイディングボードとは?
1-1.そもそもサイディングボードとは何か
サイディングボードとは、簡単に言うと「パネル外壁材」です。この板状のパネル外壁材を貼り付けることで、住宅の外壁になります。
従来の住宅はモルタルなどを塗ることで壁を作る塗り壁でした。サイディングボードは塗り壁よりも施工期間が短く、安価であるため、昭和50年ごろから急速に成長し、最近では住宅の外壁材の主流になりました。
1-2.サイディングボードのメリット・デメリット
サイディングボードのメリット・デメリットをまとめてみました。
メリット | デメリット |
---|---|
・施工しやすいため工期が短い ・コストが安い ・耐火性に優れている ・耐久性に優れている ・品質が安定している ・デザインのバリエーションが多い |
・熱を吸収しやすい ・シーリングが劣化しやすい ・オリジナル感を出しにくい ・劣化すると補修がし辛い場合がある |
メリット・デメリットを分かった上で、サイディングボードを選択しましょう。
2.サイディングボード4種類それぞれの特徴・費用・平均寿命
サイディングボードは、材質の違いにより大きく4種類に分けることができます。それぞれの特徴や費用、また塗り替えまでの平均寿命を一覧にまとめてみました。
特徴 | 費用 | 平均寿命 | |
---|---|---|---|
窯業系 | ・耐震性に優れている ・防音性に優れている ・耐火性に優れている ・デザインや色の種類が豊富 |
4,500円~8,000円/㎡ | 7年~13年 |
金属系 | ・丈夫で耐久性に優れている ・断熱性に優れている ・軽量で地震の揺れに強い ・防水性に優れている |
3,000円~7,000円/㎡ | 10年~15年 |
樹脂系 | ・耐久性に優れている ・耐候性に優れている ・シーリング材を使用しないため、メンテナンスフリーになる可能性ある ・デザインや色の種類は豊富ではない |
3,000円~5,000円/㎡ | 10年前後 |
木質系 | ・木ならではの温かみがある ・環境に優しい ・断熱性に優れている ・防火地域では採用不可の可能性がある ・メンテナンスをしっかり行う必要がある |
3,000円~10,000円/㎡ | 10年~20年 |
ここからは、4種類それぞれのサイディングボードの施工事例をご紹介します。
2-1.窯業系サイディングボード
窯業系サイディングボードとは、セメントと繊維質系原料を混合して作られた外壁材です。住宅の外壁材として最も普及しているのが、この窯業系サイディングボードです。その普及率は、70%とも言われています。
画像出典:http://www.marukyo-net.co.jp/wp-content/themes/marukyo2/images/choice01-01-02.php
<新築で窯業系サイディングボードを採用した事例>
画像出典:http://sahokomuten.com/gaihekizai
<窯業系サイディングボードに塗り替えを行った事例>
before | after |
---|---|
画像出典:http://www.kanaikenso.jp/case/8770.html
<窯業系サイディングボードに張替えた事例>
画像出典:http://taihou-k.net/free/yougyoukei
2-2.金属系サイディングボード
金属系サイディングボードとは、表面が金属の外壁材です。
画像出典:http://field-tosou.ciao.jp/kind-of-roof-and-wall
<金属系サイディングボードに張替えた事例>
画像出典:http://taihou-k.net/free/kinnzoku#top
2-3.樹脂系サイディングボード
樹脂系サイディングボードとは、塩化ビニル樹脂を原料として作られた外壁材です。樹脂系サイディングボードはアメリカ発祥であり、まだまだ日本では普及率が約1%程度と低いです。
しかし、非常に耐久性に優れているため、今後普及率が上がる可能性があります。
画像出典:http://ie-tosou.net/post-256.html
2-4.木質系サイディングボード
画像出典:http://www.igkogyo.co.jp/syohin/wsd/wsd_lineup/wsd_allitem/mw.htm
木質系サイディングボードとは、天然の木を加工、塗装をして作られた外壁材です。ログハウスのような、温かみのある家を演出できます。断熱性に優れ、環境にもやさしい建材です。
3.劣化の状態に応じた補修方法と費用
この章では、劣化の状態に応じた補修方法と費用をご紹介します。ここで紹介しますのは、DIYでなく業者に頼んで行うものですので、ご注意ください。
3-1.シーリングのみの劣化なら「シーリング打ち替え」
既存の塗膜に劣化はなく、シーリングのみがやせてきた、または割れてしまったなど劣化した場合は、シーリングの打ち替えを行いましょう。シーリングの打ち替えとは、既存のシーリング材を撤去し、新たにシーリング材を打つ方法です。費用は、20万円~40万円(700円~1,200円/m)です。
打ち替えの他に、増し打ちという方法もあります。増し打ちとは、既存のシーリング材を残したまま、上から新たにシーリング材を補充する方法です。増し打ちの方が新たに補充するシーリング材が少ないため、当然費用も安くなります。費用は、およそ15万円~30万円(500円~900円/m)です。
しかし、増し打ちの場合、既存のシーリング材との性能(付着性や柔軟性)の違いにより、早期に不具合が総じてしまく可能性があります。そのため、基本的には打ち替えを行うことをおすすめします。
3-2.色あせやチョーキングなど塗膜の劣化なら「塗り替え」
色あせやチョーキングなど、塗膜が劣化してしまったときは、塗り替えを行いましょう。チョーキングとは、既存の塗膜が劣化し、塗料に含まれる成分が粉状となって表面に出てくる現象です。
塗替えにかかる費用は、およそ60万円~150万円です。費用に大きく差がありますが、これは塗装する範囲の差と、使用する塗料のグレードによる差です。もちろん、グレードの低い塗料の方が費用は安く抑えることができますが、その分劣化も早まります。可能であれば、耐久年数の高い塗料を選ぶようにしましょう。
3-3.反りや浮きなどサイディングボード自体の劣化なら「張り替え」
サイディングボード自体が劣化してしまい、塗り替えでは補修できない場合はボードの張り替えを行いましょう。これまでに何度か塗り替えによる補修を行い、サイディングボードを30年~40年程使用されている場合は張り替えをお勧めします。
また、張り替えには、
・既存のサイディングボードの上から張る
・既存のサイディングボードを撤去して張る
という2つの方法があります。
既存のサイディングボードの上から張る方法の方が撤去代がかからず、費用は安く抑えることができます。しかし、既存のサイディングボードに反りが発生している場合はこちらの方法では張り替えが行えませんので注意が必要です。
費用は、およそ
・既存のサイディングボードの上から張る場合で150万円~210万円
・既存のサイディングボードを撤去して張る場合で180万円~240万円
です。
※費用は面積・業者などにより異なります。
3-4.自宅のサイディングボードは直張り工法?通気工法?
サイディングボードを張る方法には、「直張り工法」と「通気工法」の2つの工法があります。
直張り工法とは、サイディングボードの裏面と防水シートが直接接している工法です。サイディングボードが防水シートと接して隙間がないため空気が通らず、湿気が溜まりやすくなってしまいます。そのため、サイディングボードの劣化が早まってしまうのです。
通気工法とは、サイディングボードの裏面と防水シートの間に隙間ができるように張る工法です。隙間ができることで空気が通り、湿気を逃がすことができます。2000年代以降、通気工法が主流となっています。
直張り工法のお宅のサイディングボードを張り替える際に、通気工法へ変更できます。既存のサイディングボードを撤去して張る必要がありますので、ある程度の費用は必要になります。
4.失敗しない!業者の選び方
4-1.サイディングボードの施工事例が豊富であるか
新築、シーリング材の打ち替え、塗り替え、張り替えのどれにおきましても、サイディングボードの施工事例が豊富であるか、というのが業者を選ぶ際のポイントの一つです。「その道のプロ」に施工をお願いするためにも、ホームページで施工事例を確認する、または業者の方に施工事例について尋ねてみるとよいでしょう。
4-2.アフターフォローや保証内容は充実しているか
もし施工後に不具合が生じてしまった、というときのために、アフターフォローや保証内容が充実している業者を選ぶことも重要です。アフターフォローや保証がない業者は、後から不具合が生じても補修に対応しないケースが多く、手抜き施工をされてしまう可能性もあります。大切なマイホーム、丁寧な施工をしてもらうためにもアフターフォローや保証内容を確認しましょう。
また、業者の選び方につきましてはこちらもご参考にしてみてください。
「リフォーム業者選びに口コミサイトを最大限活用する方法!」
5.まとめ
これまでサイディングボードに関する知識をお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか。新築でサイディングボードを採用される方は、ご自身に合ったサイディングボードの種類を見つけましょう。外壁リフォームをご検討の方は、ご自宅にあったメンテナンス方法を優良業者の方に施工してもらいましょう。
今後、サイディングボードと永く付き合っていくためにお役に立られれば幸いです。