
玄関ドアが古くなってきた、色が褪せてきたなどの理由でリフォームを検討している方の中には、「そもそも、開き戸と引き戸はどちらがいいんだろう?」「開き戸から引き戸にリフォームすることは出来るんだろうか?」とお悩みの方もいらっしゃるかと思います。
また、引き戸と聞くと、和風のデザインの日本家屋にしか似合わないんじゃないか、といったイメージをお持ちの方もいるかも知れません。
近年はメーカーの企業努力によって、玄関ドアの種類やデザイン、機能にも様々なものがあるのをご存知でしょうか?
この記事では、玄関ドアを開き戸から引き戸にしようか悩まれている方に、事前に知っておいて頂きたい基本の知識をお伝えしていきます。リフォームの際の参考材料として、ぜひ最後まで読んでみてください。
目次
1.玄関ドアを開き戸から引き戸にリフォーム出来るのか?
1ー1.玄関ドアは開き戸から引き戸にリフォーム出来る!
まず最初に、「玄関ドアを引き戸にリフォーム出来るのか?」という方の疑問にお答えします。
基本的に、「開き戸→引き戸」へのリフォームについては、間口の寸法次第ですが可能です。下記に、実際に開き戸の玄関ドアを引き戸にリフォームした施工事例をご紹介します。
■開き戸→引き戸のリフォーム施工事例
【施工前】
【施工後】
開き戸から引き戸になることで、強風の時でもスムーズに開閉が出来るようになりました。
※出典:プロタイムズ松江店
ここで1つ注意点があります。「開き戸→引き戸」といった別の種類へのリフォームの場合、間口が足りない・余ってしまうなどで、玄関の寸法を調整する大掛かりな補修工事も必要となります。そのため、「開き戸⇒開き戸」や「引き戸⇒引き戸」など同じ種類の玄関にリフォームする場合と比べて、時間とコストが増える可能性が高いです。一般的に、開き戸に比べて引き戸の方が横長にスペースを取るからです。
まずは、工事を依頼するリフォーム会社に、今の玄関の寸法のままでリフォーム出来るかどうかを、相談してみることをお勧めします。
2.玄関ドアを引き戸にリフォームするメリット・デメリット
玄関ドアを引き戸にリフォームしようと検討している方の中には、開き戸を使用する時に、様々なお悩みや不便さを感じた経験があるのではないでしょうか。第2章では、引き戸のメリット・デメリットを、開き戸との違いと比較しながら解説していきます。引き戸にすると便利な点もありますが、もちろん、注意すべき点もありますので、参考にしてみてください。
2ー1.玄関ドアを引き戸にするメリット
まず最初に、引き戸にすることでどのようなメリットがあるのかを見ていきましょう。
出典:三協立山アルミ
・荷物の出し入れが簡単になる
開き戸の場合、荷物などで手が塞がっていると、足や腕などでドアを抑えながら出入りしないといけませんが、引き戸であれば、一度開ければ簡単に出入りをすることが出来ます。その他にも、ベビーカーや自転車等の大きい物も、いちいちドアが当たらない位置に避けて、という手間なくスムーズに出し入れが出来るので、子育てをされている親御さんには特にオススメです。
・開閉時の危険性が少ない
開き戸の場合、開けた先に人や荷物があったりするとぶつかってしまったり、ドアが閉まる時に出入りが遅れると手や指が挟まれてケガをしてしまう危険性があります。引き戸であれば、戸が前後することがないため、そのような危険性はなくなります。また、開き戸に比べても少ない力で簡単に開閉出来るため、小さなお子様や車椅子に乗っている方にとっても便利で安全です。
※出典:YKK ap
2ー2.玄関ドアを引き戸にするデメリット
では次に、引き戸にすることでどのようなデメリットがあるのかを見ていきましょう。
・防犯性が弱い
一般的に、開き戸と比べて引き戸はガラスの部分が多いため、割られてしまったり、ドア同士の重なり部分の隙間からカギを操作されてしまう、といったデメリットが想定されます。
ただし、昨今は各メーカーからガラス破り対策の防犯ガラスや、ピッキング対策の構造をした鍵など、様々な防犯機能を持った製品が出されていますので、そのような製品を選べば安心です。リフォームを検討される際は必ず工事前に確認するようにしてみてください。
・気密性が低い
構造上、開き戸はドアをピッタリと密閉することが出来ますが、引き戸は基本的に壁の外側に付けることになるため、どうしても隙間が出来やすくなってしまい、気密性が悪くなってしまいます。ですので、断熱や防音のことを考えると、開き戸に軍配が上がります。
ただ、こちらも複層ガラス(後述)を採用した引き戸など、気密性に配慮した製品も出ていますので、検討する際に確認してみましょう。
これらの点を踏まえると、玄関ドアの引き戸・開き戸は、それぞれ下記のようなお家にオススメです。
■引き戸
・玄関前に車を駐めていたり、門扉があるのでスペースがあまり取れないお家
・子育てをしていてベビーカーや大きい荷物が頻繁に出入りするお家
・車椅子に乗っている家族がいるお家
■開き戸
・防犯性を気にしていて特に重視したいお家
・防音、断熱性を落としたくないお家
3.玄関ドアを引き戸にリフォームする費用相場について
引き戸にリフォームする際の費用は、【ドア本体の価格】+【取り付け・撤去費用】で決まります。
リフォーム費用相場 | 「開き戸→引き戸」のリフォーム
(玄関の寸法調整を伴う) |
---|---|
ドア本体価格 | 約30~50万円 |
工事費用 (家や玄関の形状による) |
約15万~30万円 |
合計 | 約45万~80万円 |
上記はあくまで目安の価格です。
実際はドアの形状やグレード・性能、オプションの有無、工事内容などによっても変わりますので、正確な費用を知りたいという方は、ご近所のリフォーム会社などに問い合わせて見積を依頼してみてください。
4.引き戸選びのポイント
ここまでで、引き戸にするメリット・デメリットや予算感が大体掴めてきたでしょうか?
次に第4章では、引き戸選びのポイントについて解説していきます。
引き戸と言えば、和風の家にしか合わないのでは?というイメージをお持ちの方もいるかもしれません。ですが最近はモダンでオシャレなデザインや、木目調で重厚感のあるデザイン、その他形状・機能などでも豊富なラインナップがあります。お家の顔となる玄関をせっかくリフォームするのですから、じっくりとあなたの好みに合うものを探してみてください。
4ー1.引き戸の形状で選ぶ
一口に引き戸といっても様々な形状がありますので、ここでは代表的なタイプの違いについて表にまとめてみます。
戸の形状 | 特徴 | イメージ写真 |
---|---|---|
片引き戸 | 1本の溝またはレールの上を左右どちらかに滑らせて開閉するタイプで、開けた時に邪魔にならず、すっきりした印象になります。 | ![]() |
引き違い戸 | 2枚以上の戸を2本以上の溝またはレールにはめ、滑らせて開閉するタイプです。
左右どちらにでも開閉できるので、使い勝手が良いのが特徴だが、玄関・廊下などに一定の幅が必要です。 |
![]() ※出典:三協立山アルミ |
両引き込み戸 | 中央の2枚の扉を左右に開閉させるタイプの扉で、間口が広くとれるのが特徴です。 | ![]() |
4ー2.デザインで選ぶ
次に、引き戸の様々なデザインの中から代表的なものをご紹介します。もちろん、これ以外にも豊富な種類のデザインがありますので、お家のタイプ、好みに合わせて検討されてみてください。
■モダンタイプ
幅狭のエントランスやモダンな住宅にもフィットする1枚扉のすっきりとしたデザイン。
■和風タイプ
和風住宅に似合う、格子を活かした伝統的なデザインです。
※出典:YKK ap
■洋風タイプ
風格と気品に満ちた伝統洋式スタイルの重厚なデザインです。洋風木調の深い味わいを醸し出します。
※出典:三協立山アルミ
4ー3.機能性で選ぶ
最後に、ドアに備わっている機能性を解説していきます。オプションでの追加となる場合が多いですが、あったら便利な機能が色々とありますので、参考にしてみてください。
機能 | 特徴 | イメージ写真 |
---|---|---|
断熱性 | 引き戸に使用されるガラスには、単版仕様と複層仕様という2種類があります。単版仕様は文字通り、ガラスが1枚となっているためそこまでの断熱性能はありませんが、複層仕様のものは、2枚のガラスで構成されており、その間に中間空気層を設けることで、優れた断熱性能を発揮します。冷暖房の効果アップや、結露低減などのメリットもあります。 | ![]() |
採光性 | ドアに欄間や採光枠を取り付け自然の光を採り入れることで、玄関が明るくなります。お客様を出迎える時や、出掛ける時、帰って来た時も気持ちよくなるでしょう。 | 欄間
採光枠
|
通風性 | 網戸を取り付ければ、ドアを開けたままでも虫などの侵入を防ぎながら自然な風を採り入れ換気をすることが出来ます。湿気を防いだり、夏の暑さを和らげる対策として活用出来ます。 | ![]() ※出典:YKK ap |
安全性 | 構造上、引き戸に比べて開き戸の方が防犯性能に優れていますが、昨今の引き戸はどのメーカーでも防犯対策がなされているので、しっかり選べば安心です。
①ラッチ機構 障子を閉めた際、すぐに鎌錠が掛かり、障子の跳ね返りを防ぎます。それによって、うっかり戸が開けっ放しになるということや、いちいち閉め直さなければいけないという煩わしさもなくなります。 ②着脱式サムターン(つまみ・シフター) 着脱式のつまみがついているため、万が一、ガラスを破られ外から手を入れられても、解錠出来ないようになっています。 |
①![]() ② |
4ー4.メーカーで選ぶ
ここでは、玄関ドアメーカーの代表的な3社をご紹介します。
■LIXIL
玄関ドアと言えば、LIXILと連想する方が多いのではないでしょうか。玄関ドアだけでなく、キッチン・バス・トイレなどの住宅に関わる、あらゆる設備を取り揃えている総合メーカーです。
「リシェント」という玄関ドアシリーズの製品を展開しており、玄関引き戸、勝手口などもラインナップされていいます。他社に比べてデザインの種類が豊富なのも特徴です。
■三協アルミ
三協立山アルミは、住宅・エクステリア建材だけでなく、最新技術のビル建材の開発・生産・販売を行っているメーカーです。
他社に比べてデザインが個性的で特徴があるのが三協立山アルミの「ノバリス」シリーズです。特にドアハンドルに木目調のものがあるのはノバリスだけです。個性的な商品を好む方にはオススメします。
■YKK ap
YKK apと聞くと、窓の会社と思い浮かぶ方が多いのではないかと思いますが、実はアルミサッシの国内シェア第2位の規模を誇るアルミ建材メーカーなのです。もちろん、玄関ドア・引き戸も「ドアリモ」というシリーズがラインナップされています。デザイン性はさることながら、利便性の高い電子錠が評価を得ています。
カードキーやリモコンキーなどで施錠・解錠ができるのはLIXIL・三協立山アルミと同じですが、特徴として、シールキーでも施錠・開錠ができることが挙げられます。スマホや身近な小物にシールを貼るだけで、容易に解錠が出来るのです。
5.玄関ドアのリフォームはどこに頼めばいいのか?
実際に玄関ドアのリフォームをするとなった場合、リフォーム会社に依頼をすることになると思います。
ただ、リフォーム会社と一口に言っても、内装の専門・外装の専門・どちらも出来るなど様々な会社が存在します。まずは、その会社のホームページなどで、玄関ドアのリフォームの施工実績があるのかどうかを確認してみることをオススメします。
具体的な選び方のポイントについては、下記の記事にも記載されていますので、参考にしてみてください。
まとめ
・玄関ドアは開き戸から引き戸にリフォームすることが出来る
・「開き戸→引き戸」のリフォームの場合、玄関の寸法を調整する大掛かりな補修工事も必要となる可能性がある
・開き戸から引き戸にすると、大きな荷物の出し入れが簡単になったり、開閉時の危険が少なくなるメリットがある
・最近の引き戸には、断熱性や防犯性に配慮した製品もある
引き戸について、開き戸との違いや、デザイン・機能など様々な情報についてご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。玄関はお家の顔であり、毎日のお出かけやお客様のお出迎えで使用する大事な場所です。玄関ドアのリフォームの際に、この記事が少しでお役に立てれば幸いです。