おそらく多くの方が、普段かかわりのない“トイレのリフォーム”について、ほとんど知識も経験も持ち合わせていないと思います。そのため、いざトイレをリフォームしようと思っても、費用相場も業者選びも、そもそも何からはじめたらいいかもわからない、という状況に陥りがちです。
そこで、この記事では、トイレのリフォームの中でも、よくある「トイレの交換」に関して、知っておきたい情報をまとめてご紹介してまいります。ぜひ、参考にしてみてください。
1.トイレの交換について知っておきたい3つのこと
1-1.トイレ本体の交換は業者に依頼すべし
ズバリ申し上げると、トイレ本体を自分で交換するのは、あまりオススメできません。その理由は、失敗したときのリスクが大きすぎるためです。
最大の懸念は水漏れです。多少の水漏れなら拭いてしまえば良いかもしれませんが、大量に漏れた場合、床下に浸水し、建物の躯体の劣化につながってしまう可能性があります。また、マンションやアパートの2階以上にお住まいの場合は、階下に大迷惑をかけてしまうことにもなりかねません。
「最新のトイレに交換したい」「和式から洋式へ交換したい」といったトイレ本体の交換は、プロの業者に依頼しましょう。
1-2.便座だけの交換なら自分でも対応可能
便座はインターネットやホームセンターなどで簡単に購入でき、難しい技術や特殊な工具も必要ないので、素人でも取り付け可能です。トイレのサイズや形等によって取り付けられる便座に制限があるので、新しい便座を購入する際には注意が必要です。ウォシュレット付き、フタの自動開閉、脱臭など、様々な機能性がついた便座が販売されています。
※温水専用便座(ウォシュレット)の取り付けについて、自分でできる!ウォシュレットを取り付ける方法の記事で詳しくご紹介しております。ぜひご覧ください。
1-3.トイレは修理するなら交換した方がメリット大!?
トイレに何か不具合が発生した場合に、修理をするより、本体ごと交換してしまった方が結果的にお得になるケースがあります。
その理由は、トイレの節電・節水の機能がどんどん進化しているためです。仮に修理するより、交換する方が一時的には費用がかかったとしても、長期スパンでみると、節電・節水機能により、電気代や水道代が大幅に削減できることを考えると、交換した方がお得というわけです。
既存のトイレが古いほど、交換した方がお得になる可能性が大きいと言えるでしょう。修理が必要になった場合には、ぜひ交換も視野に入れて業者に相談されることをオススメいたします。
2.数あるトイレの中から、自分たちにぴったりのトイレを選ぶ方法
2-1.トイレの種類から選ぶと上手くいく
トイレを大きくわけると「組み合わせ型トイレ」「タンク一体型トイレ」「タンクレストイレ」の3つの種類に分けられます。
特徴 | メリット | デメリット | |
---|---|---|---|
組み合わせ型トイレ |
画像出典:LIXIL アメージュZ タンクと便座、便器が別々になっているタイプ。壊れた部分だけを交換することもできるので、費用対効果に優れている。 |
好みや予算にあわせて、タンク・便座・便器を自由に組み合わせられる。 | 形状的に埃や汚れがたまりやすく、掃除がしにくい部分がある。 |
タンク一体型トイレ |
画像出典:アメージュZ シャワートイレ 組み合わせ型ではバラバラに分解できる「タンク・便座・便器」が一体となったタイプ。すっきりとしたデザインが印象的。 |
組み合わせ型と比べると、継ぎ目があまりないので、掃除がしやすい。 | 便器と便座が一体となっているため、例えば便座だけが壊れた場合、修理はできても交換はできないタイプのものがほとんど。 |
タンクレストイレ |
画像出典:LIXIL サティスSタイプhttp://www.lixil.co.jp/ タンクのないタイプ。水道直結方式のため、連続して水を流すことができる。 |
タンクがなく、コンパクトなつくりなので、掃除がしやすい。また圧迫感がなく、トイレを広く使える。 | 手洗い器がないため、トイレ内に手洗い場をつくるなどの対応が必要。 |
トイレ本体の費用を抑えたい方は、低価格のタンク、便座、便器を自由に選べる組み合わせ型トイレがオススメです。タンク一体型トイレは、デザイン性の高さと、掃除のしやすさが人気です。またトイレを広く使いたい場合は、タンクレストイレを選ぶと良いでしょう。
2-2.排水方式によって選べるトイレが異なる
実際にトイレ製品を選び始める前に、自宅のトイレが床排水か壁排水かを確認しましょう。排水方式によって選べるトイレが異なるので注意が必要です。
一般的に戸建て住宅が床排水、マンションが壁排水となっていますが、稀にマンションでも床排水となっている場合もあります。
2-3.トイレの人気機能をチェック!
トイレを選ぶときに気になるのは、やはり様々な機能性ではないでしょうか。技術はどんどん進化しており、温水洗浄便座(ウォシュレット)や温風乾燥、脱臭消臭だけでなく、節水・節電機能をはじめ、防汚性に優れた機能も登場しています。
■節水・節電機能
<TOTO>
http://www.toto.co.jp/products/toilet/seiketsu_ecology/eco.htm
<LIXIL>
http://inax.lixil.co.jp/onna-gocoro/point/p2.html
■キレイな状態を保つ機能
<TOTO>
http://www.toto.co.jp/products/toilet/point/01.htm
<LIXIL>
http://www.lixil.co.jp/lineup/toiletroom/feature/toilet/default.htm
3.トイレの交換にかかる費用相場
3-1.トイレ本体を交換する場合
トイレ本体の交換を業者に依頼した場合、トイレ本体の価格とあわせて、工事費、既存トイレの処分費がかかります。トイレ本体の価格は、機能性によって大きく変動するので一概には言えませんが便器と便座だけのシンプルなタイプが5万円~、温水洗浄便座付きのタイプは10万円~、タンクレストイレや全自動洗浄などの高機能タイプのものは15万円~、が相場です。さらにトイレ交換の工事費は約2万円~、既存トイレの処分費は約3,000~8,000円が目安です。
■和式トイレから洋式トイレへ変更する場合
トイレ本体の価格、工事費、既存トイレの処分費に加えて、給排水管工事や床の張り替え等が必要になるため、トイレ本体だけの交換に比べ、高額となるケースがほとんどです。給排水管工事は1万円~、床の張り替え工事は1万5000円~が費用目安です。また設置するトイレによっては、別途、電気工事が必要となる場合もあります。
「できるだけ費用をかけずに和式トイレから洋式トイレにしたい」という方は、設置するだけで和式トイレが洋式トイレになる便器を使うという手もあります。
<TOTO>
http://www.toto.co.jp/webcatalog/
<LIXIL>
http://webcatalog.lixil.co.jp/
3-2.トイレの便座を交換する場合
便座本体の費用相場は、ウォシュレット付きの場合おおよそ2万円前後で、高いものになると10万円を超える製品もあります。脱臭機能や節水機能、ノズル掃除など、さまざまな機能性によっても価格が変動します。
また便座の交換を業者に依頼する場合、さらに工事費用として8,000~10,000円ほどかかります。
※トイレの温水洗浄便座の費用については、トイレに自分でできる!自分でできる!ウォシュレットを取り付ける方法でもご紹介しております。「1-3.ウォシュレット本体の気になる費用相場」「3.業者に依頼した場合にかかる費用」をご覧ください。
4.信頼できる業者の見抜き方
4-1.見るべきポイントは、“トイレ”リフォームの施工実績
まずは、トイレリフォームの実績を確認しましょう。どんなに豊富な水回りの施工実績があっても、それがトイレでなければ、あまり意味がありません。トイレの施工実績が豊富にある業者の方が、提案の幅も広く、技術力も間違いない場合が多いと言えます。
4-2.見積りは2社以上を比較・検討するのが大前提
適正な費用相場を知るためには、相見積りをとるのが一番です。少なくとも2社以上には、見積りを依頼するようにしましょう。
見積りを比較・検討する際、安さだけを頼りに決めてしまうのは危険です。極端に安い場合、もしかすると何等かの手を抜いたか、後から追加工事費を請求される可能性もあります。安い見積りを提示された際には、「なぜ安いのか」を確認するようにしましょう。安さの根拠を明確にできない場合には、疑いの目をもった方が良いかもしれません。
4-3.アフターフォロー&保証内容は契約前にチェック
水回りのリフォームの場合、特に“何かあったときに、すぐ駆けつけてくれるか”というのは、業者選びの重要なポイントの一つです。
また保証についても確認しておくと安心です。トイレ本体のメーカー保証に加え、業者による工事保証も併せて確認しておきましょう。リフォームは新築と異なり、工事保証についての法的な義務はありません。だからこそ、その業者がどこまで責任を負う覚悟があるかというのは、品質への信頼における一つの指標となるのです。
まとめ
内装を変えるなどの大きなリフォームをしなくても、トイレ本体や便座を変えるだけで、トイレはグッと便利で快適な空間になります。近年、トイレはどんどん進化しており、トイレ本体も便座も、様々な機能性をもったものが登場しているので、ぜひチェックしてみてください。
*ウォシュレットは、TOTO株式会社の登録商標です。