マイホームに設置したウッドデッキ。外壁や屋根と違って木材を使用しているので、早く傷んでしまい、困っている方も多いのではないでしょうか。
ウッドデッキは比較的にDIYがしやすく、業者に頼まず自分で済ませることもできる部位です。
しかし、重要なのが「塗料選び」。塗料選びを間違えると、イメージしていた仕上がりと異なる出来栄えになってしまい、せっかくのウッドデッキが台無しになってしまいます。
ウッドデッキの塗料は、「浸透タイプ」と「造膜タイプ」の2種類があります。どのような見た目にしたいかによって、選ぶタイプは異なるので塗料についてよく理解し慎重に選びたいものです。
本記事では、DIY時に悩みがちなウッドデッキ塗料の選び方からおすすめ塗料、DIYする際の注意点をご紹介いたします。塗料について知識をつけ、後悔しない塗料選びをしましょう!
目次
1.塗料選びに迷ったら浸透タイプを選びましょう
(画像出典:http://www.xyladecor.jp/lecture/guide/function.html)
ウッドデッキの塗料には「浸透タイプ」と「造膜タイプ」があります。浸透タイプは、木材に塗料を浸透させ腐るのを防ぐ塗料、造膜タイプは、木材表面に塗膜を作り保護する塗料です。
造膜タイプのほうが、塗膜表面で水を弾いてくれるので耐久性が高そうに感じます。
しかし、劣化したウッドデッキはひび割れも発生しており、ひび割れから水が染み込み、ウッドデッキ内部の腐食や劣化が進んでしまいます。
ですので、まずはウッドデッキの状態を正確に把握する必要があります。
浸透タイプなら表面に膜を作らず、保護成分が木材内部に浸透し、内側から効果を発揮してくれます。塗り替え後にひび割れをしても内部を守ってくれるので安心できます。造膜タイプは表面のみの保護なので、内部を守ることはできません。
以上のことから、特にこだわりがなく、塗料選びで迷っている場合は浸透タイプを選ぶと良いでしょう。
浸透タイプと造膜タイプの違いについては、次の章で詳しく比較します。
2.塗料の種類と選び方
ウッドデッキの塗料の種類と違いを紹介します。自分の好みや家にあったタイプを選びましょう。
2-1.仕上がり(浸透タイプor造膜タイプ)の違い
前章で説明した通り、浸透タイプと造膜タイプは仕上がりが大きく異なります。それぞれの特徴を理解した上で目的にあったものを選びましょう。
機能 | 仕上がり | 耐久性 | |
---|---|---|---|
浸透タイプ 木目を残したい方におすすめ |
表面に膜を作らず、保護成分が木材内部に浸透し、内側から効果を発揮。塗替え後にひび割れしても内部を守ってくれるので安心。 | 木目が残るため木材の風合いや手触りをそのまま活かせる。 | 塗膜の割れや剥がれがないので、再塗装時の下地処理が楽。ただし、効果持続の為に定期的にメンテナンスが必要。 |
造膜タイプ 劣化がひどいウッドデッキにおすすめ |
表面に膜を作る為、雨などの外敵から木材を守る。塗替え後にひび割れが発生した場合、ひび割れから水が内部に侵入してしまう恐れがある。 | ペンキを塗ったような見た目になり、木目は隠れる。木材の汚れや傷を隠すことができる。 | 表面の保護機能は高いが、割れや剥がれが生じた場合の処理が必要。 |
2-2.塗料の安全性を考慮する(水性or油性)
前項では浸透タイプと造膜タイプの違いについて説明しました。仕上がりと機能に大きな差があることがお分かりいただけたかと思います。さらに、塗料には水性塗料と油性塗料の2種類あります。浸透タイプと造膜タイプそれぞれに水性と油性の2種類の塗料が存在します。
水性塗料は、主な成分が水であり、乾燥時に水が蒸発します。塗料の粘度が高くて薄める場合は水を使用する為、においが少なく、ちいさなお子様がいるご家庭は水性塗料を選ぶと安心です。
油性塗料は、主な成分が油で、塗料を薄める際はペイント薄め液やシンナーを使用します。
耐久性が高いのは油性塗料です。安全性や臭いがきつい等のデメリットはありますが、浸透性や耐久性が高い為、多く選ばれています。
2-3.2回目の塗り替えの場合は前回と同じ塗料を選ぶ
みなさんも想像できるように、水と油は反発します。例えば、前回油性塗料を施工した場合、その上から水性塗料を塗ってしまうと弾いてしまい馴染みません。
前回、水性塗料で施工した場合は水性塗料を塗り重ね、油性塗料で施工した場合は油性塗料を塗り重ねるようにしましょう。
しかし、前回の塗装からかなり時間が経っており、既存塗料が傷んでいたり残っていない場合には、前回と違う塗料を使用することが可能です。もし古い塗料が残っていたら、サンダー等で丁寧に研磨して、塗料をはがす必要があります。
3.プロが厳選!人気の塗料2種紹介
ウッドデッキの塗装でよく使われている塗料を2つ紹介します。素人に限らずプロもよく使用する塗料です。
3-1.キシラデコールシリーズ
木材保護塗料といったら「キシラデコール」。発売以来45年以上の実績もある定番ブランドです。油系の浸透タイプが一般的ですが、水系や造膜タイプの塗料もあります。
商品名:キシラデコール
メーカー名:大阪ガスケミカル
http://www.xyladecor.jp/products/list.html
3-2.ガードラックシリーズ
こちらも40年近く発売されている木材保護塗料。推奨品は水系の浸透タイプと半造膜タイプ。カラーバリエーションも豊富です。
画像出典:http://www.washin-chemical.co.jp/product/watertype/gllx/694)
商品名:ガードラック
メーカー名:和信化学呼応行株式会社
http://www.washin-chemical.co.jp/guardlac_envi_info
3−3カンペハピオ 油性木部保護塗料
カンペパピオの油性木部保護塗料は、少量サイズでも展開されているので塗装範囲が少ない場合におすすめです。
商品名:油性木部保護塗料
メーカー名:カンペハピオ
4.DIYで注意したいポイント
最後に、施工時の注意したいポイントを紹介します。塗料選びも施工も失敗せず、最高の仕上がりにしましょう!
4-1.塗装前に塗料をよく撹拌(かくはん)する
塗料は、様々な成分が混ざっており、時間が経つと成分が沈殿します。そのまま塗料を塗布すると、塗料の効果が発揮できませんし、色ムラも出来てしまいます。塗料缶を空ける前に必ず容器を上下に振り、ローラーや混ぜ棒で撹拌してから使用しましょう。
4-2.木目に沿って1枚ずつ塗装する
木目を綺麗に指すために、板一枚ずつ丁寧に施工しましょう。ローラーで複数枚一気に施工したほうが楽ですが、ムラが出てしまい、仕上がりも汚くなってしまいます。木目の方向にローラーや刷毛を動かすと、きれいな木目を出すことができます。
4-3.塗料は少なめにとり、塗り回数は2~3回
1度にたっぷり施工すると、乾燥しづらく塗布量もムラになってしまいます。ローラーに塗料をつけた後、缶の縁で余分な塗料をしごいてから塗布しましょう。1度で仕上げず、2~3回塗りで施工すると発色もよくなり、綺麗に仕上がります。2、3回目に塗布する際は、前の塗装がしっかりと乾いたことを確認してから塗布しましょう。
4-4.晴れの日にDIYする
塗料の乾きをよくするためにも晴れの日におこないましょう。仕上がりや耐久性にも影響します。また、理想は施工前3日間雨が降っておらず、ウッドデッキが完全に乾燥している状態をつくり、塗装後も3日間ほど雨が降らず塗料をしっかりと乾燥させることです。施工前にウッドデッキの状態を確認し、少しでも湿っていそうであれば、施工はやめましょう。
ウッドデッキの詳しい施工方法は、こちらの記事もご覧ください。
まとめ
本記事では、ウッドデッキの塗料の種類と選び方を紹介しました。特にこだわりがない、どれを選べば良いかわからない方は、浸透タイプの塗料を選びましょう。
ウッドデッキは定期的にメンテナンスをすることで長持ちさせることができます。ひどく劣化してしまう前に、ご自身で塗装してみてはいかがでしょうか?思ったよりも簡単にできるので、DIY初心者の方にもおすすめです。