2019年10月1日の消費増税と同時にはじまった経済産業省による「キャッシュレス・消費者還元事業」。「リフォームもキャッシュレス・消費者還元事業の対象になるのか?」と気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
結論から申し上げますと、条件をクリアすれば、リフォームも「キャッシュレス・消費者還元事業」の対象になります。
この記事では、「キャッシュレス・消費者還元事業」のポイント還元をリフォームで受ける方法からキャッシュレス決済以外でリフォームをお得にする方法までお伝えします。
※こちらの記事の情報は全て2019年11月現在の情報です。
目次
1.リフォームを「キャッシュレス・消費者還元事業」でお得に!
2019年10月1日から開始された「キャッシュレス・消費者還元事業」。こちらでわかりやすく解説していきます。
1-1.経済産業省の「キャッシュレス・消費者還元事業」とは?
「キャッシュレス・消費者還元事業」とは経済産業省による消費増税後の消費の冷え込みを緩和する為の施策です。期間中、対象店舗でキャッシュレス決済をすると、支払い分の最大5%分がポイント等で返ってきます。
「キャッシュレス・消費者還元事業」実施期間
2019年10月1日~2020年6月30日
ポイント還元を受けるためには、以下が条件となります。
- キャッシュレス決済をすること
- ポイント還元の対象店舗でキャッシュレス決済をすること
「キャッシュレス決済」とは「現金以外の方法で決済をすること」です。以下のキャッシュレス決済の方法があります。
・QRコードまたはバーコード(LINE Pay、Pay Pay)
・クレジットカード(磁気カード、ICカード)
・デビットカードなど(銀行系、国際ブランド系)
・プリペイドカード
・電子マネー(SUGOCA、Suicaなど)
リフォームも工事をするリフォーム店が、「キャッシュレス・消費者還元事業」の対象店舗であれば、ポイント還元を受けることが可能です。詳しくは、1-2以降で解説していきます。
1-2.リフォームの場合、「キャッシュレス・消費者還元事業」でどのくらいポイントが還元されるの?
「キャッシュレス・消費者還元事業」では、対象の店舗でキャッシュレス決済を行うと、最大5%のポイント還元を受けることができます。
●30万円のリフォーム(洗面所リフォームの平均相場)をした場合、
30万円×ポイント還元5%=15, 000円がポイント還元
●15万円のリフォーム(トイレリフォームの平均相場)をした場合
15万円×ポイント還元5%=7,500円がポイント還元
※還元率が2%の場合もあります(1-3補足)。
※ポイント還元には上限があります(1-3)。
日用品などと比べてリフォームは高額のため、還元ポイントは比較的大きくなります。実際の還元ポイントはリフォーム店の見積もりから計算してみましょう。
1-3.多くのキャッシュレス決済サービスにはポイント還元の上限がある!
「キャッシュレス・消費者還元事業」では、キャッシュレス決済サービス(クレジットカードなど)ごとに、ポイント還元の上限が定められています。
・LINE Pay 30,000ポイント/月
・Pay Pay 25,000ポイント/月 7,500ポイント/回
・三井住友VISAカード 15,000ポイント/月
※出典元:「経済産業省主要キャッシュレス決済サービスまとめ」
自身の利用しているキャッシュレス決済サービスのポイント還元の上限を調べるには、ご利用のキャッシュレス決済サービスにお問い合わせいただくことが確実です。しかし、主要なキャッシュレス決済サービスであれば、経済産業省がポイント還元方法とあわせて資料が出していますので、こちらをチェックしてみてください。
「キャッシュレス・消費者還元事業」では、対象店舗で5%と2%の還元率の違いがあることをご存知でしょうか。店舗によって、還元率が異なるため、チェックしておきましょう。
中小企業(※) :5%
フランチャイズ傘下(コンビニなど):2%
※フランチャイズチェーンでも、フランチャイズ本部が中小・小規模事業者に当たる場合、ポイント還元が5%受けられます。
ちなみに、「キャッシュレス・消費者還元事業」に加盟店として登録ができるのは、中小・小規模事業者とフランチャイズ傘下の店舗(コンビニなど)のみです。
※中小・小規模事業者とは、「資本金の額または出資の総額が3億円以下」または「従業員の数が300人以下」の会社及び事業主のことを指します。
1-4.ポイント還元のタイミングと方法はキャッシュレス決済サービスによって違う!
「いつポイントがもらえるの?」「どうやってもらえるの?」とお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。ポイント還元方法は以下4種類あり、ご利用のキャッシュレス決済サービスによって異なります。
ポイント付与:決済額に応じたポイントまたは、チャージを付与する方法
※時期はサービスごとで異なる
即時充当:購買時に、即時購買金額にポイント相当額を充当する方法
引落相殺:口座から引き落とす際に、ポイント相当額を引落し、金額と相殺する方法
口座充当:少なくとも一ヶ月以内に口座にポイント相当額を付与する方法
キャッシュレス決済サービスごとの還元方法は、経済産業省のHP内で検索可能ですので、ご確認ください。
主要なキャッシュレス決済サービスであれば、経済産業省からの資料が出ておりますので、こちらをチェックされてください。
2.リフォームでポイント還元を確実に受けるためのチェックポイント
リフォームでキャッシュレス決済をすれば、無条件でポイント還元が受けられるというわけではありません。いくつかの必須条件がありますので、確実にポイント還元を受けるために事前にチェックしておきましょう。
2-1.使用しているキャッシュレス決済サービスがポイント還元の対応しているか?
ご自身の持つキャッシュレス決済サービスがポイント還元に対応しているかは、経済産業省のHPで確認しておきましょう。主要なキャッシュレスサービスは対象となっていますが、そうでない場合は事前にチェックしておいて損はありません。
例)
・QRコードまたはバーコード(LINE Pay、Pay Pay、Origami Pay、au Pay)
・クレジットカード/デビットカード(イオンカード、JCBカード、セゾンカード)
・プリペイドカード(nanaco、WAON、楽天Edy)
・電子マネー(SUGOCA、Suica、ICOCAなど)
※電子マネーはポイント還元を受ける場合、設定の手続きが必要になります。ご利用のサービスの設定方法を確認しておきましょう。
2-2.リフォーム店がキャッシュレス還元制度の対象店舗かチェック!
どのリフォーム店でもポイント還元が受けられるわけではありません。経済産業省の「キャッシュレス・消費者還元事業」の対象店舗である必要があります。調べる方法は2点。1つはそのリフォーム店にこちらのマークがついているかです。ポイント還元の対象店舗には店頭やHPなどに掲示されています。
もう1点は、経済産業省の地図機能、アプリを使って調べる方法です。WEB上でポイント還元の対象店舗かどうかを確認することができます。
・地図機能
工事を依頼したいリフォーム店がポイント還元対象店舗かを事前にチェックしておきましょう。
2-3.使用するキャッシュレス決済サービスをリフォーム店で利用できるかをチェック!
決済予定のキャッシュレス決済サービスが利用するリフォーム店でも利用できるかをチェックししておきましょう。たとえば、PayPayでリフォームの決済を行う場合には、PayPayとリフォーム店が契約し、消費者が利用するための設備を整えておく必要があります。気になる方は、利用可能なキャッシュレス決済サービスをリフォーム店に問い合わせておきましょう。
経済産業省の定める「キャッシュレス・消費者還元事業」は2019年10月1日~2020年6月30日の9ヶ月間となっています。期間を越えての決済にはポイント還元がされないため、リフォーム工事や支払いの時期は6月30日までに調整しましょう。
クレジットカードやQR決済などの各種キャッシュレス決済サービスには支払い可能額の上限があります。その上限は、さまざまで月だけでなく、一回の決済での上限など支払可能額はキャッシュレス決済サービスごとで異なりますので、ご利用のサービスの支払可能額の上限を確認しておきましょう。リフォームは、高額になるため、支払可能額を上回る可能性があります。月の支払可能額が越えてしまう場合は、大きな金額の決済月のみ利用限度額を上げておくなどの対策をしておくと、スムーズに決済が可能です。
3.キャッシュレス決済でお得にリフォームする方法
3-1.小規模リフォームだと、最大限のポイント還元が受けられる!
多くのキャッシュレス決済サービスには、ポイント還元の上限があります。ポイントの上限を越えた場合、越えた金額分にはポイント付与がされません。小規模リフォームであれば比較的低価格なため、ポイント付与上限内でのリフォームが可能です。
30万円×ポイント還元5%=15,000円がポイントで還元
・100万円のリフォームをした場合
100万円×ポイント還元5%=50,000円はポイント還元ができない
※ポイント還元の上限のため(1.5~3万円分の還元となる)(1-3)
多くのキャッシュレス決済サービスでのポイント付与上限は1.5~3万円。つまり、1つのキャッシュレス決済サービスを利用した場合、最大60万円以下のリフォーム工事料金の全額がポイント還元の対象になります。※2つ以上のキャッシュレス決済サービスを利用した場合は後述します。
今回は、60万円以下(キャッシュレスポイント還元のポイント付与上限)のリフォームを小規模リフォームとして、紹介させていただいております。
鍵の交換 2~6万円
ベランダ防水工事 10~20万円
壁紙の張替え 4~6万円
キッチンの取替 20万円~
リフォーム費用の相場は以下の記事に詳しく説明しております。
リフォームが高額になった場合、より多くのポイント還元を受けるために、2つ以上のキャッシュレス決済を活用することも可能です。
例)リフォーム料金100万円をLINE PayとPayPayで決済を分けることで、最大5万円のポイント還元が受けられます。
LINE Pay決済 600,000円×ポイント還元5%=30,000円
PayPay決済 400,000円×ポイント還元5%=20,000円
⇒30,000円+20,000円=50,000円
※1つのキャッシュレス決済サービスで決済した場合、15,000~30,000円のポイント還元となります。(正しい還元額はご利用のキャッシュレス決済サービスを確認しましょう)
3-2.小規模リフォームを別々の月で行うとお得!
小規模リフォームを複数箇所したい!と思われている方はリフォーム業者と調整し、小規模リフォームを別の月で行うなどの工夫で最大限のポイント還元を受けることが可能です。
・1ヶ月目(洗面所リフォーム)
50万円×ポイント還元5%=25,000円分がポイントで還元
・2ヶ月目(トイレリフォームなど)
30万円×ポイント還元5%=15,000円分がポイントで還元
・3ヶ月目
30万円×ポイント還元5%=15,000円分がポイント還元
合計55,000円分がポイント還元
※一括で決済した場合、ポイント付与上限により、15,000~30,000円分のポイント還元となります。
4.【補足】キャッシュレス決済だけじゃない!リフォームをお得にする方法!
キャッシュレス決済でのポイント還元について解説してきましたが、リフォームをお得にする方法は、他にもあるのをご存知でしょうか。
こちらの章では、リフォームをお得にする方法をいくつか紹介していきます。以下の方法は、全て、キャッシュレスポイント還元とも併用できるので、さらにお得にリフォームが可能です。ぜひ、活用されてください。
4-1.キャッシュレス決済サービス独自のポイント還元
「キャッシュレス・消費者還元事業」とは別に、各キャッシュレス決済サービスが独自のポイント還元を実施しています。経済産業省の「キャッシュレス・消費者還元事業」とあわせて利用可能です。
- Pay Pay:通常利用特典1.5%+まちかどペイペイ3.5%
PayPayでは通常利用特典として1.5%のポイント付与がされます。さらに、2019年10月1日~11月30日でキャンペーン「まちかどペイペイ第1弾」が開催中。通常のポイント還元からプラスで3.5%のポイント還元となるため、あわせて最大5%の還元となります。※出典:PayPay「まちかどペイペイ第一弾」 - LINE Pay:利用特典0.5~2%
LINE Payでは、前月の支払いによって、当月の還元率が変わるマイカラー制度を実施。最大2%の還元となる「キャッシュレス・消費者還元制度」のポイント還元5%と合わせると7%が返ってくるかもしれません。
※出典:LINEPay「マイカラー制度」 - 各種クレジットカード:それぞれのカード会社での利用特典
クレジットカードによって、利用特典としてのポイント付与がある場合も。期間限定でプラスアルファの利用特典を定めているサービスもあるため、各サービスをチェックしておきましょう。
各種キャッシュレス決済サービスには、上記のような独自のポイント還元が多くあります。普段のお買い物だけでなく、リフォームにも使用できます。ポイント付与の上限もあるため、しっかり確認した上でお得にリフォームをしましょう。
キャッシュレス決済を使用する方法以外にも、国の制度等を使って、お得にリフォームをすることができます。ぜひ、チェックしておきましょう。次の章で詳しく説明していきます。
4-2.次世代住宅エコポイント制度
次世代住宅エコポイント制度は、国土交通省が行っている消費増税後の消費冷え込み対策です。
条件を満たしたリフォームや改築を行った物件に対して、様々な商品と交換できるポイントを発行する制度です。
条件に当てはまれば、最大30万円相当の商品と交換ができるポイントがもらえるなど、大きな額の還元が見込める制度となります。
条件として、一定の省エネ性、耐震性、バリアフリー性能等を満たす住宅や家事負担の軽減のリフォームが挙げられています。ぜひ、ご自身のリフォーム内容が対象になるかを国土交通省HPでご確認ください。
4-3.自治体の補助金、助成金
自治体の補助金や助成金は、市区町村などの自治体から支給されるものです。省エネや、三世代住宅のためのリフォームなど、各自治体によって、支給される補助金・助成金が異なりますので、各自治体のHPや自治体の支援制度検索サイトにて、ご確認ください。
また、受け取り方などの参考に以下の記事をご参照ください。
4-4.省エネリフォーム減税
省エネリフォーム(太陽光発電の設置、断熱改修工事)などを行った場合、所得税や固定資産税などの税金が控除や減額措置がされる場合があります。ぜひ、工事業者に相談の上、ご活用ください。条件等はありますが、以下の記事でわかりやすくまとめております。ぜひ、参考にされてください。
まとめ
2019年10月1日にはじまった「キャッシュレス・消費者還元事業」。
条件さえクリアすれば、リフォームもポイント還元を受けることが可能です。詳しくは1、2章、3章にまとめております。
また、4章以降ではさらにリフォームをお得にする方法をまとめております。増税後もお得にリフォームは可能です。リフォームをお考えの方はぜひ参考にされてください。