徹底解説!カラーベストの特徴とメンテナンス方法

「屋根の色あせやコケが目立っているので補修を考えているけど、カラーベストにはどんなメンテナンス方法があるの?そもそもカラーベストってどんな屋根?」
このようにカラーベストの屋根のことで悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

カラーベストは、平型化粧スレートのことでデザイン性、施工性の高さから近年の新築住宅で多く採用されている屋根材です。薄く軽量なため屋根にかかる負荷が少ないというメリットもあります。

このカラーベストのメンテナンス費用は、決して安くはありません。高い費用を支払うのですから、カラーベストの現状に最も適した満足のいく工事をしたいものですね。

カラーベストは約10年周期でメンテナンスが必要だと言われていますが、築年数や建てた時期によってその費用も変わってきます。劣化症状を長く放置すると、いざメンテナンスする時にかえって高額な工事になってしまいます。

メンテナンス方法としては、主に「塗装工事」「カバー工法」「葺き替え工事」の3つがあります。どの工法が自分の家に適しているか、まずはカラーベストの現状をしっかりと把握することが大切です。

本記事では、カラーベストの特徴や劣化症状、建物の築年数別で見たメンテナンス方法と費用について解説します。カラーベストについてお悩みの方はぜひご一読ください。

1.カラーベストの特徴を解説

まずは、「カラーベストってどんな屋根材?」という方に向け、カラーベストの基本的な特徴について解説いたします。

1-1.軽量で耐震性・コスト・デザイン性に優れた屋根材

カラーベストとは、「平型化粧スレート」のことで、セメント、ケイ石を原料とし、繊維質で補強して成形される屋根材です。屋根材表面は塗装が施されています。デザイン、施工性の良さから、近年の新築住宅の約80%でこのカラーベストが採用されています。「スレート瓦」「コロニアル」と呼ばれることもあります。一般的な粘土瓦の半分以下の重量で建物全体への負荷が少なく耐震性に優れています。また、工期が短く済み、材料費が安価なためコストの面でも優れている屋根材といえます。

1-2.アスベストが含まれるものと含まれないものの2種類がある

アスベストとは、天然にできた鉱物繊維であり、熱、摩擦、酸やアルカリに強いという特性があります。丈夫で変形しにくいため、カラーベストを含む様々な建材に使用されていましたが、人体に吸い込むと肺がんや中皮腫を発症する点が問題視され、以降の製造・使用は禁止されています。

とはいえ、アスベストを含んだカラーベストの解体時に巻き上がる粉塵を吸い込まなければ人体に影響はないため、通常の生活に支障を来たす可能性は非常に低いです。

近年製造されたカラーベストにはアスベストは含まれていませんが、しっかりとした耐久性があります。
しかし、1999~2000年代に製造されたアスベストが含まれていないカラーベストの中にはもろいものが多く、屋根に乗ると割れる場合もあります。メンテナンスを検討されている場合は業者にアスベストを含んでいるかどうか確認をしてもらうと安心です。

1-3.約10年を目安にメンテナンスを検討

カラーベストの表面は工場製造時に塗装(アクリル塗装が多い)が施されています。この塗膜の耐久性が約10年ですので、そのタイミングでメンテナンスが必要になります。カラーベストは主にセメントで構成されているため、塗膜の防水性がなくなると、建材が大量の水を吸い込んでしまい、建材自体の寿命を著しく早めてしまう要因になります。建物を長く保つためにも、築10年、または前回のメンテナンスから10年経過する場合は一度業者に見てもらうようにしましょう。

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2.カラーベストのメンテナンス方法と費用相場

1章ではカラーベストの特徴について解説しました。1-3でも触れたように、カラーベストは塗膜の劣化や時間の経過によって劣化します。その際、メンテナンスが必要になるのですが、それには大きく分けて3つの種類があります。2章では、その3つのメンテナンス方法について解説します。

2-1.「塗り替え」旧塗膜の上から新しい塗膜をつくる


画像出典:プロタイムズ姫路東店

最も一般的な方法にカラーベストの「塗り替え」という方法があります。カラーベスト表面の汚れを高圧洗浄で落とし、塗料を下塗り1回、上塗り2回の合計3回の工程で仕上げる方法です。
注意したいのが、アスベストが使用禁止になり、その後すぐに市場に出回ったノンアスベストのカラーベストは脆いものが多く、塗装ができないものも存在するということです。(株式会社ニチハのパミールなどが有名です)

そのようなカラーベストのメンテナンスは、塗装工事ではなくカバー工法をおすすめします。

費用相場 30万円~

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2-2.「カバー工法」既存屋根の上から金属製屋根を被せる

重ね葺き

屋根重ね葺き工事とも呼びます。既存の屋根の上から金属製の屋根をそのまま被せる工法です。新しい屋根を被せるため、まるで新品のような出来栄えになります。塗り替えよりも金額は高くなりますが、既存屋根の劣化がひどく、塗装できない状態である際はこちらの工法がおすすめです。また、アスベストが含まれているカラーベストの場合は、塗装工事かカバー工法を検討し、撤去費用が高額な葺き替え工事は避けたほうが良いでしょう。

費用相場 50万円~

2-3.「葺き替え」既存屋根を撤去し新しい屋根を取り付ける

屋根葺き替え

屋根葺き替え工事は、既存の屋根を取り外し、新しい屋根材を設置する工事です。既存屋根のみではなく、その下に設置されている防水シートも交換するので、より長く良い状態を保つことができます。また、カバー工法とは異なり既存屋根を取り外すため、屋根の総重量が増えることはありません。そのため、建物にかかる負荷を軽減でき、耐震性にも優れています。なお、既存屋根の撤去費用、廃材の処分費もかかり、屋根のメンテナンスでは最も高額な工事になります。

・費用相場 70万円~

このように、カラーベストのメンテナンスには、大きく「塗り替え」「カバー工法」「葺き替え」の3つの工法があります。

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3.カラーベストに表れる劣化症状と適切なメンテナンス方法

カラーベストには3つのメンテナンス方法があるということはご理解頂けたのではないでしょうか。では、実際に自分の家にはどの方法が適しているのでしょうか。基本的には、家に見られる劣化症状に合わせてメンテナンスをおこなう必要があります。劣化症状ごとに適した方法をまとめましたので、ぜひご参考ください。

①色褪せ

経年劣化により、塗膜表面が色褪せている現象です。塗膜の耐久性が落ちていますので、見た目が悪くなることはもちろん、防水性も低下します。このまま放置すると水捌けがさらに悪くなり、苔・カビ・藻が発生しやすくなる負のスパイラルに陥ってしまいます。
築10年、前回のメンテナンスから10年以上経過している場合は、この色褪せが発生している可能性は高いでしょう。初めてのメンテナンスであれば塗り替えをおすすめします。

②苔、カビ、藻の発生

塗膜の防水機能が低下し、屋根材に水が滞留することで起こる症状です。色褪せと同様に美観の低下を招きます。さらに、苔は根っこから根酸と呼ばれる酸性物質を放出するため、本来アルカリ性であるカラーベストを中性化させ、脆くさせてしまう恐れがあります。
メンテナンス方法としては、高圧洗浄でしっかりと苔、カビ、藻、また剥がれかかった旧塗膜を洗い流し、塗り替えをおこなうのが一般的です。

③割れ、欠け

強風時の飛来物や雹、アンテナの転倒によってカラーベストにひび割れや欠けができてしまうことがあります。このひび割れから雨水が建物内部に浸入することで雨漏れの原因になります。
言うまでもなく、このひび割れは放置するとさらに大きく広がっていきます。完全に欠けてしまうと、その部分が屋根から滑り落ちる可能性もあるため非常に危険です。小さいひび割れだからと放置しがちですが、その隙間から水が建物内部に浸入してきますので、早めのメンテナンスをおすすめします。
軽度のひび割れであれば塗り替えで良いですが、すでに雨漏れが発生している場合は葺き替え工事が必要なケースもあります。

④棟板金の釘抜け、緩み

屋根の棟板金は釘を打ち込んで固定しているのですが、強風や気温の寒暖差の影響を受け、徐々に釘が外へ飛び出してきます。この釘が緩むと棟板金の固定も甘くなるため、屋根との間に隙間ができ、雨水の浸入口が出来てしまい雨漏りの要因になってしまうのです。また、釘が完全に抜けてしまうと棟板金が滑り落ちたり、風で飛ばされる可能性もあり大変危険です。メンテナンスの際は、緩んだ釘をスクリュー式の釘に交換して再度の緩みを防止するのが一般的です。

⑤棟板金の色あせ、錆び

棟板金は金属製のものであり、カラーベストと同様に表面には塗装が施されています。表面塗膜の経年劣化によって防水機能が低下し、雨水を受けると棟板金に色褪せや金属特有の錆びが発生します。錆びは放置することでどんどん全体に広がっていき、棟板金自体を脆くさせます。最悪の場合、穴が開き雨漏りの原因にもなり得ます。錆汁が流れ出し、別の場所に付着するとなかなか落ちませんし、美観の低下を招くこともあります。
メンテナンスの際はケレンで板金表面の錆を落とし、新たに錆止めを塗布します。

⑥反り

カラーベストの主成分はセメントであることは前述した通りですが、表面塗膜の防水性が切れると吸水性が非常に高くなります。カラーベスト内部に滞留した水が、冬場に凍結して膨張→夏場の暑さで収縮といったことを繰り返し、カラーベストが反ってしまします。一度反ってしまうと、横殴りの雨の際に水が建物内部に大量に入り込み雨漏りの原因になります。
メンテナンス方法としては、塗り替えまたはカバー工法があります。ただ、塗り替えをおこなってもカラーベストの反りを直すことはできず、その場合は症状の進行を食い止めることが目的となります。反りが出るということは、その部分以外の箇所も劣化が進んでいることが考えられるため、既存屋根の上から新しい屋根を被せるカバー工法をおすすめします。

以上がカラーベストに起こりうる代表的な劣化症状とメンテナンス方法です。そのほとんどが表面塗膜の防水性の低下により引き起こるものです。このように、カラーベストは定期的なメンテナンスが必要な屋根材なのです。

 

4.カラーベストと他の屋根材の比較

最後に、カラーベストと他の代表的な屋根材を比較してカラーベストへの理解を深めましょう。

①金属屋根(ガルバリウム鋼板)

一般的にガルバリウム鋼板と呼ばれ、アルミニウム、亜鉛、シリコンからなる屋根材です。金属製ですが軽量で錆びにくく、耐久性、耐震性、熱反射性に優れています。薄い板であり外からの衝撃に弱く、傷ついたり凹んだりすることがあります。

②日本瓦

日本瓦には表面に釉薬をかけて焼き上げた釉薬瓦と釉薬を使用せずに仕上げる無釉薬瓦の2種類があります。50~100年の耐久性を持ち、高い強度と和風住宅にマッチする屋根材です。反面、他の瓦と比較すると重量が重いため、家にかかる負荷が大きく耐震性が低下します。

屋根材 特徴 費用 耐用年数
カラーベスト デザインが豊富
工期が短くすむ
軽量で耐震性に優れる
他の屋根材よりも低コスト
定期的なメンテナンスが必要
4,000円~6,000円/㎡(材料費・施工費) 20年~25年
金属屋根 耐久性に優れる
軽量で耐震性に優れる
カラーベストよりも高価
6,000円~9,000円/㎡(材料費・施工費) 30年~50年
日本瓦 和風住宅に合うデザイン
耐久性が屋根材の中でも高い
防水性が高い
重く耐震性が低い
8,000円~12,000円/㎡(材料費・施工費) 50年以上

表のように、他の屋根材と比較するとカラーベストはデザインの豊富さ、コストの低さ、工期の短さが魅力だということがわかります。お求めやすさとデザインの良さが人気の理由なのではないでしょうか。

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まとめ

これまでカラーベストの特徴やメンテナンスの時期や工法について解説しましたが、いかがだったでしょうか?カラーベストは軽量で施工性が高く、デザイン性に富んだ屋根材ですが、約10年を目安にメンテナンスが必要です。3章を参考にどのメンテナンス方法が家の現状に適しているのかを把握することが大切です。

また、アスベスト含有のカラーベスト、アスベストが禁止されてすぐに市場に出回ったノンアスベストのメンテナンスにはカバー工法がおすすめです。家の状態を業者に入念にチェックしてもらい、納得のいくメンテナンスをおこないましょう。

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