「中古物件を買ったが、階段が急なので取り替えたい」「高齢の両親がいるので階段に手すりをつけたい」「リフォームの見積もりをとったが適正価格なのかどうか知りたい」
といった悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか。
うっかり見落としてしまいがちですが、階段は家庭内事故が起きる確率が高い場所と言われています。
この記事では、そのような悩みが解決できる内容をお伝えしていきます。
階段リフォームの費用相場、注意点から階段の種類がどのようなものがあるのか、といった悩みをお持ちの方必見です。
階段のリフォームをお考えの方はぜひ参考にしてください。
目次
1.階段のリフォームの費用はいくらぐらいかかるのか?
1-1.階段リフォームの費用相場
リフォームには定価がありません。その為に複数社から見積りをとり、比較することで適正価格を知ることができます。
階段リフォームにおいて、「急な階段なので、勾配を緩やかにして上り下り楽にしたい」といったが声が多く聞かれます。その際、家や階段の形状等によっては構造から再設計が必要になってくるので大規模なリフォームが必要になります。この場合の価格は100万円以上と高額になります。階段リフォームでの最優先項目は「事故を未然に防ぐ為にいかに対策を打つか」です。具体的な対策として手すりの設置、滑り止めの設置、足元灯の設置等が挙げられます。これらの場合、1万円~30万円程度の価格からリフォームを始めることができます。
ここでは先ず、大規模なリフォーム事例から見ていきましょう。
【例1】 段数を1~2段増やすリフォーム:20万円〜50万円程度
階段には危険要素がたくさんあります。勾配が急だと階段の上り下りも辛く、踏み外して転倒してしまうといった恐れもある為、段数を増やして段差を低くすることが重要です。そこで、蹴上げを低くし踏面を広くして段数を1~2段増やす等、現状の階段スペースを上手に活用しながら勾配を緩やかにするリフォームがあります。この場合、階段を再構築といった大規模なリフォームではない為、比較的価格を抑えてリフォームすることが出来ます。
※蹴上げ・・・階段一段の高さ
※踏面・・・階段のステップ部分
【例2】 階段回りのデザインを見直すリフォーム:20万円〜110万円程度
デザインを見直す場合、こだわればこだわるほど費用はかさみます。せっかくリフォームするので、こだわり抜いたデザインにしたいと思う方が多いと思いますが、事前に予算を確定した上でデザインにこだわることをオススメします。また、階段のみをリフォームした場合は他の部分が黒くくすんだように見えてしまう場合があります。そのような場合は、付近の壁のクロスや等も取り替えてみることをオススメします。
【例3】 階段の架け替えリフォーム費用:50万円~200万円程度
位置を変えず、新しい階段に架け替える大掛かりなリフォームです。既存の階段の状態によって費用や工事方法は大きく変わってきます。簡単な工事ではない為、費用がかさむことを頭に入れておくと良いでしょう。また、大掛かりな分、勾配やデザイン、色など、好みや住まいの雰囲気に合わせて自由にカスタマイズすることが出来るので、自分好みの階段に仕上げていきましょう。
【例4】 勾配を緩めて再構築するリフォーム:100万円〜150万円程度
階段が急である為、階段を一度取り外し、勾配を緩めて設計・再構築した場合のリフォームです。大規模なリフォームの為、費用は高額になりますが、使用する建材の材質であったり、段数の増減によって費用に差が出ます。予算に合わせて安全で納得のいくリフォームを行いましょう。
【例5】 階段の位置を変更するリフォーム費用:150万円~300万円程度
階段の位置を変更する場合、家を支える壁や柱なども移動させなければならないケースが多いです。その場合は間取りの変更も伴う為、大規模修繕となり、費用もかさみ、工期も長くなってしまいます。このケースで気を付けて頂きたいのが、建築確認申請が必要かどうかです。リフォームの規模が一定の基準を超える場合、都道府県あるいは市町村の行政に申請しなければなりません。また、工期が長くなる為、長い間上の階に行き来することが困難になることに気を付けて下さい。
1-2.階段の部分リフォームの費用相場
階段では家庭内事故が多いですが、リフォームするには上記のように比較的費用がかさんでしまう為、そのままにしておく方も多くいらっしゃいす。しかし、最近では階段を一度撤去してからリフォームしなくても簡単にリフォームができるようになってきています。例えば、安全の為に手すりや踏み板にすべり止めを付ける。このようなリフォームは10万円前後と比較的安価で済ませることが出来ます。
ここでは、階段にすべり止めのマットやシートを付けたり、手すりの設置工事をした場合の価格帯例を見ていきましょう。
【例 1】 階段にすべり止めシートを張り付け:1~2万円程度
既存の踏み面に滑り止めシートを貼り付けるだけで転落・転倒といった非常に危険な事故を未然に防ぐことが出来ます。滑り止めシートは1万円以下から購入できるものもたくさんあるので、簡単にリフォームをすることが出来ます。また、コルクやカーペットといった柔らかい階段部材を貼り付けると、安全性が高まり転倒しても怪我を小さくすることが出来ます。
【例 2】 階段に手すりを取り付け:5~30万円程度
階段での転落・転倒を未然に防ぐ為、階段への手すり設置は必須と言っても良いでしょう。左右どちらの壁にも設置することが理想的ですが、スペースや費用の問題でどちらか一方の壁だけに取り付ける場合は、降りる際の利き手側に取り付けるのが良いでしょう。手すりを付ける場合、出来るだけ切れ目が無い状態で、下地がしっかりした場所に取り付けなければなりません。その為、壁の状況に応じて下地の補強工事が必要になる事がありますので、頭の中に入れておくと良いでしょう。
2.階段リフォームの注意点・ポイント
2-1.注意点
注意点①:勾配
階段の勾配を緩やかにすればそれで良いかというと、実はそうではないこともあるのです。勾配を緩くする場合、蹴上げが短くなり、踏面が長く広くなります。この場合、歩幅を大きくとらないといけなくなる為、普段歩く歩幅よりも大きくしなければならないことがあります。上りやすくしたのに逆に歩きづらくなってしまった、なんてことにならないように注意が必要です。また、階段の面積を広くとらないといけなくなる為、階段回りの空間面積が圧迫されるので注意が必要です。
階段を緩やかにするには、階段の長さを伸ばす必要もあります。実は階段の場所移動と似たようなリフォームとなります。既存の階段の位置次第では伸ばすスペースが無いにもかかわらず無理やりリフォームを行ってしまうと部屋の中にまではみ出てしまう事もあるので注意が必要です。
注意点②:工事期間
階段を新たに架け替えるリフォームの場合、工事期間中は階段が使用できなくなります。工期がどのくらいになるのかを事前に確認して、使用できない期間内の対策を検討しておくことが大切です。
注意点③:明るさ
階段をリフォームする際、階段の「明るさ」にも注意が必要です。
昼間は窓から差し込む光で足元が確認できますが、夜は真っ暗で足元が不安定となってしまいます。誤って階段を踏み外さないようにする為にも、階段リフォームをする際は足元灯(フットライト)を取りつけ、「明るさ」をプラスすることをオススメします。また、明るめの色の階段材を使用すると足元が見やすくなります。
2-2.ポイント
階段リフォームは、「より安全な階段にしたい」という理由で検討される方がほとんどです。階段の安全性を考える際に重要な要素としては、上りやすく滑りにくい勾配や一段の幅、上り下りの際に掴まる場所を確保することが大切です。家庭での最も危険な場所のひとつが階段です。滑ったり転んだりして大怪我をしないよう、費用が多少かさんでしまっても、なるべく安全な手すりをつけましょう。
また、天窓や飾り棚などを設けるとちょっと気の利いたスペースとなります。せっかくのリフォーム、雰囲気を変えてみるのもおススメします。
その他、体格や性別、年齢によって蹴上げ、踏面の適当サイズは異なってきます。リフォームを考えられる際には様々なサイズの階段で実際に上り下りして、自分に合った適当な蹴上げ、踏面のサイズを測ることがポイントです。
3.どんな階段があるの?
3-1.階段の種類を知る
階段の種類は「直階段・かね折れ階段・折り返し階段・らせん階段・カーブ階段」といっておおきく5つに分かれます。
リフォームの段取りを手際よく進める為にも、ご自身の家の階段は何というか知っておくことが大切です。
安全性や上り下りのしやすさ、設置にかかる費用等が異なる為、事前に確認をし納得のいくリフォームを行いましょう。
直階段:12万円程度~
名前の通り、真っ直ぐ上り下りするタイプの階段です。現在の一般住宅で最も多く使用されているタイプの一つです。構造がシンプルでスペースも広さを必要としないかたちなので費用も比較的安価です。しかし、少ないスペースで高さを出す為に、急勾配になってしまうこともあり、万が一バランスを崩してしまうと下まで一気に転落してしまう恐れがあるので注意が必要です。また、階段の高さが4mを超える場合、建築基準法により4m以内で踊り場を設けなければなりません。また、費用は材質や段数によって一概に言えませんが12万~30万程度(既製品)と考えておくと良いでしょう。
階段の途中でL字型に90度折れているタイプで、踊り場がある構造になっています。直階段と違って踊り場があるので、一気に下まで転落してしまうことを防ぐことができます。吹き抜け構造に設置すると空間演出効果を高め、視覚的に楽しむことが出来ます。ただ、構造上折れている分、広い面積が必要となり費用も直階段よりかさんでしまいます。また、費用は材質や段数によって一概に言えませんが15万円程度~(既製品)と考えておくと良いでしょう。
折り返し階段:15万円程度~
かね折れ階段とよく似ている構造ですが、L字型(90度)ではなくU字型 (180度)に折れているのが特徴です。踊り場があるので、かね折れ階段と同様に転落した際に一気に下まで落ちてしまわないメリットがあり、直階段よりも断然、安全性が高くなります。ただ、踊り場のスペースがかね折れ階段よりも広い面積を必要としますので注意が必要です。
その分費用もかね折れ階段よりもかさんでしまいます。折り返しの場合、ステップ数が多くなるので勾配が緩やかになり、踏面も広く取れるようになるので安全かつ楽に上り下りが出来ます。また、費用は材質や段数によって一概に言えませんが15万円程度~(既製品)と考えておくと良いでしょう。
螺旋階段:50万円程度~
ステップが螺旋状になっている構造の階段です。広いスペースを必要としないメリットがあります。見た目はお洒落で視覚効果の高い階段ですが、複雑な形状の為、費用がかさんでしまいます。また、ステップが三角形になることが多く、中心に近いほど踏面は狭くなってしまいます。その為、物を持っての上り下りには危険が伴い、実用性が低い階段となっています。また、費用は材質や段数によって一概に言えませんが50万円程度~(既製品)と考えておくと良いでしょう。
カーブ階段:80万円程度~
螺旋階段とは違い、一周するのではなく曲線を描くように上り下りする構造の階段となっています。視覚的に風格があり、ゴージャスな印象を与えることが出来ます。螺旋階段と比べ緩やかな曲線の為、ステップは三角形になることはなく踏面も広く取りやすいので安全性の高い構造となっています。螺旋階段よりも広い面積を必要とする為、費用も比較的かさんでしまいます。また、費用は材質や段数によって一概に言えませんが80万円程度~(既製品)と考えておくと良いでしょう。
4.どこでリフォームを頼んだら良いのかわからない
4-1.インターネットで相見積もり(ポータルサイト)
リフォームを依頼する際、どこに頼んだら良いのか分からない方は多いと思います。
そこでポータルサイトを使用すると効率よく、リフォーム業者を選定することができます。
ポータルサイトとは、玄関や入り口という意味があり、インターネットにアクセスする際の入り口となるWEBサイトのことを指します。
登録して見積もり依頼を掛けると、リフォーム業者数者から連絡があります。その中から、価格が予算とピッタリであったり、過去の実績や、施工事例はどんなものかを考慮して信用できると感じた業者を選ぶと良いでしょう。
オススメのポータルサイトとして、中古物件情報とリフォーム会社情報、工事金額のシュミレーションなども見られる「オウチーノ」や、利用者数6年連続№.1である「ホームプロ」等があります。
↓オウチーノ
↓ホームプロ
4-2.相見積もりを取る際の注意点・ポイント
相見積もりは、実際にリフォームする物件を見てもらい、傷み具合やリフォームの可否などを調べてもらうと良いでしょう。
事業者から提出された提案書や見積書については、工事費用の総額だけを比較するのではなく、プランや見積の工事内容が希望条件に合っているか確認することがポイントです。業者の言い値でリフォームを進めない為にも、「一式」等と記載され具体的な工事内容がわかりにくい場合は、明細を求めることが大事です。
また、業者によって金額が大きく異なる項目については、内訳等について説明してもらいましょう。
↓リフォームの見積もりに関する記載があるページです。ぜひ、参考にしてください。
【保存版】知らないと損!悪徳リフォーム業者の手口と絶対に騙されない為の全知識
5.リフォームで使える補助金
大規模リフォームの場合、多大な費用がかかってきます。そのような場合、地方自治体から補助金や助成金、税金の還付といった優遇制度を活用しましょう。
リフォームの種類等によって限定される場合もありますが、リフォーム費用の一部を助成している地方自治体は多いです。また、もらえる金額、対象リフォーム、申請方法等も各地方自治体によって異なります。詳細は役所の担当窓口に問い合わせてみましょう。
↓介護リフォームの補助金についての記載があるページです。ぜひ、参考にしてください。
まとめ
いかがだったでしょうか?
階段は家の中でも安全性に注意が必要な場所です。家の中での事故を回避し、住みやすい家を実現する為には階段をリフォームする必要が出てくるでしょう。
階段をリフォームする際、どこをどのぐらいまでリフォームするのかによって費用が大きく変わってきます。
今必要かつ、将来を見越してどんな対策が必要なのかよく考えてからリフォームしましょう。
また、実際にリフォームする際は、目的にしっかりとした提案ができるか、過去の実績があるか、施工事例がどんなものかなどから、信用できる業者を選定していきましょう。