外壁のコーキングについて、「コーキングの汚れが目立つようになったけど、補修しないといけないの?」「業者に頼むべきなのか、自分でも補修できるのかがわからない」といった悩みを抱えていませんか?
この記事では、コーキングの基本的な知識から自分でもできるコーキング補修の方法をご紹介いたします。
ぜひ、ご参考ください。
目次
1.コーキングの基礎知識
1-1.コーキングの主な役割は「防水」
補修を考える前に、まずはコーキングの特徴や役割について知っておかなければなりません。
コーキングとは、外壁同士の繋ぎ目に発生する隙間を埋めるために使われている材料のことで、シーリングと呼ばれることもあります。
サイディングボードやALC外壁は、複数のパネルやボードを張り合わせてできているので、どうしても外壁同士の間に隙間が発生してしまいます。
その隙間を埋める事で家に雨や湿気が入り込むことを防ぐ役割を果たしているがコーキングです。
劣化したコーキングを補修せずそのままにしておくと、ひび割れが発生しサイディングボードとコーキングの間に隙間ができ、雨水が浸入する原因となります。
1-2.コーキングの寿命は約10年!
一般的にコーキングの寿命は約10年といわれています。年数の経過だけではなく、紫外線や雨などの気候の影響を受けることでコーキングがひび割れたり、やせて隙間があいてしまったり、ぼろぼろとはがれる剥離という現象がおこります。
2.コーキングの補修方法には2種類ある
コーキングは、劣化すると補修の必要がありますが、補修方法としては2つの方法があります。
1つは打ち替え、もう一つは増し打ちと呼ばれる方法です。
2-1.「打ち替え」と「増し打ち」とは?
<打ち替え>
まず「打ち替え」についてですが、既存のコーキングを全て撤去し、新しいものに打ち替える方法です。
既存のものを丁寧に撤去し、新しく打つコーキングに十分な厚みを持たせることで、コーキング本来の役割を発揮できます。
ただし、既存のコーキングが下地としっかりと密着しており、撤去するのにはそれなりの手間と費用がかかってしまうというデメリットがあります。
<増し打ちし>
次に「増し打ち」についてです。増し打ちは既存のコーキングを撤去せず、その上から新しいコーキングを被せて補修する方法です。増し打ちですと既存のコーキングの撤去作業が必要無いため、その分施工が速くなり、費用も抑えることができます。
ただし、既存のコーキングと新しく打ったコーキングがうまく密着せずに、補修後すぐに剥がれてしまう可能性が高いといったデメリットも存在します。
2-2.コーキング補修の費用相場
補修方法 | 費用(メートル) | 特徴 |
---|---|---|
打ち替え | 1,200~1,500円 | 既存のコーキングをすべて撤去し新しいコーキングを打つ方法 |
増し打ち | 700~900円 | 既存のコーキングの上から新しいコーキングを打つ方法 |
コーキングの補修費用はメーター計算で出されるのが一般的です。既存のコーキングの撤去作業や使用するコーキング材の量が多いため「増し打ち」より「打ち替え」の方が費用が高くなります。
2-3.「増し打ち」の方法はオススメできない
コーキングの補修には、2-1で説明をした「増し打ち」という方法があります。
既存のコーキングを取り除かず新しく打つコーキングの量も削減する事が出来ますが、正直、この方法はあまりオススメすることはできません。
オススメできない理由としては、既存のコーキングと新規のコーキングとは密着性が良くないので、すぐに剥離を起こす可能性が高いためです。
また、既存のコーキングを撤去せずそのままにしておくと、コーキングが痩せていき、コーキング同士の中で空間ができてしまい、本来の役割を果たすことが出来なくなるのです。
このような理由から、コーキングの補修は既存のコーキングを綺麗に取り除く「打ち替え」の方法を選択しましょう。
3.コーキング劣化のサインと補修のタイミング
では、具体的にどのような症状が見られたら補修が必要なのか説明していきます。
3-1.ひび割れ
コーキングは紫外線を浴び続けることで劣化し、弾力性が失われ、図のようなひび割れを起こします。
これはコーキングに含まれる可塑剤が紫外線によって気化し、伸縮性が失われてしまうために起こる現象です。
放置すると、ひび割れが進行し「破断」という現象に繋がります。
3-2.肉やせ
肉やせ
画像出典:http://www.kanaikenso.jp/
肉やせとは経年によってコーキングに伸縮性を持たせる可塑剤が表面に溶け出し、コーキングの厚みが減少することです。
新築時に施工した時のコーキングのボリューム不足や接着剤不足も原因として考えられます。
放置すると、密着していた外壁とコーキングが離れる「剥離」という現象に繋がります。
<補修のタイミング>
コーキングの劣化を放って置くと、コーキング周辺の外壁のひび割れや欠落を招く恐れがあります。
ひび割れた箇所から雨水が浸入し建物自体を傷め、大規模な修繕が必要になってしまうのです。
外壁の塗り替えの周期が約10年~15年なので、そのタイミングでコーキングの補修をおこなうと良いでしょう。
4.コーキングの補修は業者に依頼した方が安心
いざ補修をするとなった時、自分で補修するのか、業者に依頼するべきなのか悩んでしまいますね。
基本的にコーキング補修は業者に依頼した方が安心です。その理由を説明して行きます。
4-1.意外と難しいコーキング補修のDIY
DIYもずいぶん一般的になってきました。道具や材料をホームセンターなどで購入し、自分の手で補修をおこなうことを言います。うまくすれば業者に依頼するよりも費用をぐっと安くすませることも可能ですが、以下のような危険性を含んでいます。
・コーキングをヘラでならした後、テープを剥がしているときにコーキングが切れずに一緒に剥がれてしまった
・新しく打ったコーキングがすぐにはがれてしまい、何度も同じ作業をすることになった
・コーキングが他の場所にこびりついて取れなくなってしまった
一見、簡単そうに見える作業ですが、使用するコーキング剤の種類や打ち方のコツといった専門知識が必要となる作業です。
また、2階建ての場合ははしごを掛けることになり落下の危険性もあるのでコーキングの補修は業者に依頼するのが安心です。
4-2.業者に依頼するメリット
4-1で説明したように、コーキング補修には専門知識と技術が必要となります。
DIYで材料を購入するのと比較すると費用は高くなりますが、業者は専門知識と技術を持ち合わせているので確かな仕上がりを期待できます。
4-3.業者を見極めるポイント
業者の中には、コーキング補修を「増し打ち」で済ます事でコストを抑え、見積もりを安く見せる業者がいるので注意が必要です。
「打ち替え」が必要な状態なのにも関わらず、「増し打ち」で済ますという事はコーキングの耐久性を著しく落としてしまうことに繋がります。
2つの補修方法の違いを知る人が少ないのをいいことに、見積もりを操作するケースがありますので、コーキング補修を考える際には数社で相見積りをとってから依頼する業者を判断しましょう。
まとめ
これまで、コーキングの基本知識から補修する際の注意点まで説明しましたがいかがだったでしょうか。
業者に依頼する際は、「増し打ち」と「打ち替え」のどちらの方法で補修をおこなうのかに注目し、その理由もしっかりとヒアリングすることが信頼できる業者かどうかを見極めるポイントです。
大切な住宅を長く維持させるためにも、失敗しないコーキングの補修をおこないましょう。