「我が家のサイディングが汚い…!こんなに汚くなるものなのか?」
「汚いサイディングをキレイにするには、どうすればいいのか?」
といった疑問をお持ちの方は少なくないでしょう。
2020年の現時点で、全く汚くならないサイディングは存在しません。汚くなるスピードに差はあれど、どんなサイディングも時間の経過とともに汚さが目立つようになります。
汚いサイディングは、洗浄をするとキレイになる可能性があります。洗浄をしてもキレイにならない場合は、塗装をしてキレイにするのがオススメです。このあたり、本章で詳しく解説いたします。
この記事では、
・サイディングが汚くなる原因(1章)
・汚いサイディングをキレイにする方法(2章)
・業者に依頼をした場合、汚いサイディングをキレイにするのにかかる費用相場(3章)
について解説いたします。汚いサイディングにお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
目次
1.サイディングが汚い!?原因は?
この章では、“なぜサイディングが汚くなるのか”その原因をプロが解説いたします。
また、参考情報として、汚くなりやすいサイディング箇所についてもお伝えいたします。
1-1.原因は排気ガス・カビ・コケ・サビ etc…
サイディングが汚くなる主な原因は、以下の通りです。
[サイディングが汚くなる主な原因]
●排気ガス・土砂・チリ・ホコリ・鳥の糞などの付着
●カビ・コケ・藻などの発生
●サビの発生
少し専門的な話になりますが…
サイディングが汚くなるのは、サイディング表面の塗膜(塗装後にできる塗料の膜)の劣化も関係しています(※多くのサイディング製品は、表面に塗装が施されています)。
塗膜が劣化すると、キレイを保つ性能が低下するため、より汚くなりやすい状態になるのです。つまり、サイディングを施工してから時間が経過すると、サイディングはより汚くなりやすい、ということです。
サイディングが汚いと、当然、住まいの見た目(外観)に大きく影響します。また、サイディングの劣化スピードを早める原因となることもあります。
そのため、汚いサイディングは早々にキレイにすることをオススメいたします。
1-2.サイディング|汚くなりやすい箇所がある
サイディングには、汚くなりやすい箇所があります。
以下、「汚くなりやすい箇所」「なぜその箇所が汚くなりやすいのか」をお伝えします。汚いサイディングを確認する際、また汚いサイディングをキレイにする際に役立つ情報となりますので、ぜひ参考にしてください。
[サイディング|汚くなりやすい箇所]
・雨があたりにくい箇所(軒下、庇の下、ベランダの下など)
サイディングに雨水があたることで、落ちる汚(よご)れは少なくありません。
しかしながら、雨水はサイディング全面に均等にあたるわけではないため、雨水があたりにくいサイディング箇所は、汚(よご)れが落ちにくく、汚くなりやすい傾向にあります。
※近年は、セルフクリーニング性能など、雨水で汚(よご)れを洗い流す性能が高いサイディング製品も多数登場しています。
・突起物の下(サッシの下、換気扇の下、排気口の下など)
サッシや換気扇、排気口などの突起物の下は、雨だれで汚くなりやすい箇所です。
雨だれは、突起物の上などにたまった汚(よご)れが雨水で流れ出て、地面まで流れ落ちずにサイディングに残ってしまうことで生じます。
※ここで言う「雨だれ」とは、雨水の通り道にできる汚れのことです。
・日当たりのよくない箇所
北側・高い建物があるなどして日が当たりにくいサイディング箇所は、湿気が多く、カビや藻などが発生しやすい傾向にあります。
・道路沿い
特に交通量の多い道路沿いのサイディングは、排気ガスの総排出量が多く、砂・チリ・ホコリなどが舞うため、汚くなりやすいです。
※1章の汚くなる原因を総称して「汚(よご)れ」と呼称しています。
2.汚いサイディングはキレイになる?
この章では、汚いサイディングをキレイにする方法をご紹介します。
2-1. 洗浄でキレイになることも
汚いサイディングは、洗浄でキレイにできる可能性があります。
・サイディングが汚くなってから、さほど時間が経過していない
・サイディングがまだ新しい(サイディングを施工してから2~3年以内が目安)
といった場合は、サイディングが汚くなっている原因にもよりますが、洗浄でキレイになる可能性が高いです。
サイディングの主な洗浄方法は、以下の通りです。
・専用洗剤等を使用しての洗浄
・高圧洗浄(高圧洗浄機を使った洗浄)
・バイオ洗浄(高圧洗浄機+カビ・コケなどに高い効果を発揮する薬剤を使用した洗浄)
※ちなみに、オススメはしませんが、簡易的な洗浄であれば自身でも可能です。ただし、高所作業が必要となる場合は、プロにお願いをしましょう。脚立などにのっての作業等は大変危険なので、絶対にやめてください。
[参考]自身でサイディングを洗浄する方法
まずは水洗いをします。汚くなっている箇所をやわらかい布やスポンジなどで軽くこすって、流水で洗い流してみてください。それでも落ちない場合は、洗剤を使って洗浄してみるのが良いでしょう。洗剤は専用洗剤、もしくは食器用洗剤(中性洗剤)などを使用してください。
※スチーム洗浄は不可です。
※金属サイディングの場合、高圧洗浄機は使用不可です。窯業系サイディングの場合も、高圧洗浄機の使用はオススメできません。高圧洗浄機のあて方によっては、サイディングを傷つけてしまう可能性があります。
※無理に汚(よご)れ等を落とそうするとサイディングを傷めてしまうこともあるため、軽くこすって落ちない場合は、プロに相談をしてください。
2-2.洗浄でキレイにならない場合は、塗装でキレイに
洗浄をしてキレイにならないサイディングも、塗装をすると、サイディングをキレイによみがえらせることが可能です。
また、サイディング塗装には、下記のメリットもあります。
・サイディングの劣化箇所を補修できる
・選ぶ塗料の色次第で、外観のイメージを一新できる
(同系統の色で塗装をすれば、イメージはそのまま外観をキレイにできる)
[参考]塗装後のキレイを保つために!押さえておきたい塗料選びのポイント
サイディングを塗装する場合、ポイントを押さえて塗料を選ぶことで、塗装後のキレイな状態を長く保つことができます。
以下、押さえておきたい塗料選びのポイントを2つご紹介します。
●ポイント① 汚れにくい性能に優れた塗料を選ぶべし
汚れにくい性能に優れた塗料を選ぶことで、より長く塗装後のキレイを保つことができます。ちなみに、汚れにくい性能は、一つではありません。各塗料メーカーが様々な汚れにくい性能を開発しています。代表的な汚れにくい性能としては、「防汚性」「低汚染性」など。その他、藻やカビの発生を抑える「防藻性」「防カビ性」などの性能もあります。
また、性能のほか、大前提として、「耐久性が高い(耐久年数が長い)」塗料の方が、キレイが長持ちする傾向にあることも押さえておきたいところです。
※自身でイチから塗料選びをする必要はありません。塗装業者に「汚れにくい性能に優れた塗料を使用したい」旨を伝えれば、いくつか塗料を提案してもらえます。
[オススメ塗料]
超低汚染リファインシリーズ
「超低汚染」という言葉の通り、汚れにくいのが特徴。そもそも汚れが付きにくいだけでなく、仮に汚れが付いても雨で洗い流される設計となっているため、塗装したての美しい外観を長く保つことができます。
●ポイント② 汚(よご)れ目立たない色の塗料を選ぶのもオススメ
選ぶ塗料の色もポイントの一つ。塗装後のキレイなサイディングを長く保つことを考えるならば、汚れが目立たない塗料の色を選ぶのがオススメです。色に強いこだわりがない場合には、汚れが目立たない色の中から選ぶのが良いでしょう。
汚れが目立たない色は、グレー・アイボリー・薄いブラウン・ベージュなど。一方で、白・黒などは、汚れが目立つ色です。
▼汚れが目立たない色について詳しくは、下記記事を参考にしてください。
ちなみに、塗装以外にも、重ね張り・張り替えという方法で、サイディングをキレイにすることが可能です。ただし、重ね張り・張り替えは塗装に比べて高額な費用がかかるため、「キレイにしたい」という目的だけで選択をする方は稀です。
3.業者に依頼した場合にかかる費用相場
「サイディングをキレイにするのに、いくら費用がかかるのか」は気になるところでしょう。
洗浄(2-1)もしくは塗装(2-2)を業者に依頼した場合にかかる費用相場は、下記の通りです。
●洗浄の費用相場
高圧洗浄の費用相場:200~300円/㎡
バイオ洗浄の費用相場:500円~800円/㎡
※洗浄に使用する水は、水道水を利用するのが一般的です。そのため、洗浄に使用する水の料金は施主(家主)負担となります。洗浄にかかる水道料の目安は、高圧洗浄:1,000~2,000円程、バイオ洗浄:2,000~4,000円程(洗浄剤塗布前・最後の洗い流しの2回洗浄をするため)です。サイディングの大きさによっては、上記以上に水道代がかかることもあります。
※足場を建てる場合は、別途足場費用がかかります。
●塗装の費用相場
80~150万円(一般的な2階建て住宅/塗り面積200㎡)
※上記費用はあくまで目安です。塗装費用はサイディングの大きさ、使用する塗料の種類、必要な補修費用(劣化の進行具合)などによって大きく変動します。
まとめ
どんなサイディングも、時間の経過とともに汚くなります。その原因は、排気ガス・カビ・コケ・サビなど様々です(1-1)。
汚いサイディングは、住まいの見た目(外観)に大きく影響するだけでなく、劣化スピードを早める原因となることもあります。そのため、放置せず、早めにキレイにするのが良いでしょう。
汚いサイディングは洗浄でキレイにできる可能性があります(2-1)。洗浄で落ちない場合は、塗装をするのがオススメです(2-2)。