外壁のコーキングを補修する際の費用相場と注意するポイント

コーキング

戸建て住宅の外壁に使用される窯業系サイディングパネルやALC板のつなぎ目に使用される「コーキング(シーリング)」。

コーキング材にヒビ割れや剥離などの劣化と思われる症状が見られるため、補修したいと考えているけれど、補修を検討する上で一番気になるのが「費用」に関することだと思います。「費用はどのくらいかかるの?」「見積りでもらった金額は適切なの?」なんてお悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか?

そこで今回の記事では、そんな外壁のコーキング補修の費用について、費用を決める要素などをお伝えします。ぜひ参考にしてください。

1.コーキング補修の費用

コーキングの補修を行なう場合、業者に依頼し補修を行なう方法と自分で補修を行なうDIYの2つの方法があり、それぞれかかる金額も異なります。
概算の金額ですが、

業者に補修を依頼する場合が、30~50万円
自分で補修をする場合が、5~7万円

必要となります。
それでは、業者への依頼の場合とDIYの場合の費用の内訳を詳しく見ていきましょう。

1-1.業者に依頼する場合

コーキングの補修は、打ち替えと増し打ちの二つの工法に分けられます。

打ち替えとは、既存のコーキングを全て撤去し、新しいコーキングを打つ方法で、増し打ちとは、既存のコーキングの上から新しいコーキングを打つ方法です。この2つの方法を金額面で比較すると、打ち替えのほうが金額が高くなります。
打ち替えの方が高くなる理由として打ち替え工法の場合、既存のコーキングを撤去し、その撤去費用が上乗せされるのと、古いコーキング材がなくなる分、使用するコーキング材の量が増えるため高くなるのです。

業者に補修を依頼する場合、次の項目により費用が決定します。

【増し打ちの場合】
全体の費用=(コーキング材×長さ)+足場代

 

【打ち替えの場合】
全体の費用=(コーキング材×長さ)+足場代+既存のコーキングの撤去代

 

それでは、金額を決定する各項目を詳しく説明します。

〇コーキング材の種類
戸建て住宅のサイディング外壁・ALC外壁などには変性シリコン系やポリウレタン系のコーキング材が一般的に使用されます。
変性シリコン系コーキング材は、紫外線に強く耐候性に優れているのが特徴で、700~900円/mが相場です。
ウレタン系のコーキング材は弾力性を持っている為、動きに追従しやすい、という特徴があります。500~600円/mが相場となります。

〇施工する目地部の長さ
建物によって目地部の長さは異なりますので、目地部の距離が長ければ長いほどそれに比例して金額も高くなります。

〇足場を組むかどうか
足場の設置も金額を決める大きなポイントです。コーキング補修は2階部分まで行うため、大体の物件では足場を設置する必要が発生します。足場を設置する場合、通常の打ち替えまたは増し打ち工法に、追加で足場代15~20万円が発生します。

〇既存のコーキング材の撤去費
コーキングの打ち替えの場合、既存のコーキング材を撤去する必要があり、そのコーキング材の撤去にも費用が掛かります。およそ600~700円/m必要となってきます。

 

【まとめ】
補修業者に依頼するとどのくらいの費用が必要になるのか、シミュレーションしてみました。
仮に、建物全体の目地部の長さが180mの場合

打ち替え(800円/mの変性シリコン系コーキング材を使用)では、
コーキング施工費144,000円800円×長さ180m)+撤去代126,000円(700円×180m)=270,000円

増し打ち(800円/mの変性シリコン系コーキング材を使用)では、
コーキング施工費144,000円800円×長さ180m)=144,000円

そして足場を設置すると上記の金額に15~20万円がプラスされますので、総額では
打ち替えでは、42~47万円程度
増し打ちでは、30~35万円程度
となります。

※あくまで目安として、ご参考にして下さい。

 

1-2.自分で施工を行なう場合(DIY)

自分でコーキングの補修を行なう場合の費用をお伝えします。
自分でコーキング補修を行なう場合必要となるものは、以下のものです。

種類 特徴 価格相場
コーキング材 1本でおよそ3メートル分の目地に打つことができます。 500~2,000円/1本
コーキングガン 容器に入ったコーキング材を押し出すための器具です。 200~10,000円
マスキングテープ 汚れを付けたくない箇所に施工前にマスキングテープを貼ることで汚れやコーキング材
が付着するのを防ぐことができます。
1巻き18mのものが多いです。
300~500円/個
ヘラ コーキングを打ったあとに、仕上げを滑らかにするために使用します。 500円/1本


【まとめ】

建物全体の目地部のコーキング補修を行なうと仮定し、必要となる金額をシミュレーションしました。(コーキング材は1本で3m打つことができる。マスキングテープは1巻き18mのものを使用。

仮に、建物全体の目地部の長さが180mの場合
・コーキング材(1,000円/1本)は60本必要となる計算ですので、60,000円必要となります。
・コーキングガンは3,000円のものを1本使用します。
・マスキングテープ(300円/1個)は10個必要ですので、3,000円必要です。
・ヘラは500円のものを1本使用します。
以上を合計すると、約65,000円でコーキングの打ち替えができる計算となります。

※あくまで目安として、ご参考にして下さい。

 

2.なぜコーキング補修を行なう必要があるの?

2-1.コーキング材の目的と役割

外壁材は、常に自然環境に曝されているため、太陽光や雨の影響を受け伸び縮みしたり、地震や風によって外壁材がずれることがあります。そこで外壁材の間の目地と呼ばれる部分にコーキング材を打ち込み、建物の動きやずれに追従させることが重要です。建物の動きに追従し、ずれなどを起こさせないためにも。コーキングは非常に重要なのです。

しかし、コーキングも外壁材と同様に紫外線を受けたり雨風に曝されたり、地震で建物が揺れるなどの自然からの影響を受けることで劣化してしまいます。

それでは、コーキングはどのような時に補修すれば良いのでしょう?コーキングの劣化症状と補修のタイミングをお伝えします。

2-2.このような劣化の場合は補修のタイミング

ご自宅のコーキング材にヒビ割れや破断のような劣化はありませんか?ご自宅のコーキング材を確認してみてください。

ひび割れ 地震などにより建物の動きに追従できずに、ひび割れてしまいます。
危険度:中(2~3年以内の補修が必要)

02-シーリング-細かいヒビ

破断 ひび割れが大きくなることで破断が発生します。補修の緊急性が高い劣化症状です。
危険度:高(早急な補修が必要)

劣化した目地

肉やせ 経年とともにコーキングがやせ細ってくる劣化症状が肉やせです。
危険度:高(早急な補修が必要)

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以上のような劣化症状がある場合、コーキング補修を行なう必要があります。ぜひご自宅のコーキングを確認してみてください。

2-3.コーキングの劣化を放置するとどうなるの?

上記でお伝えしたような劣化を放置すると、まず、ひび割れや剥離した部分から、サイディングパネルの内側に雨水が浸入します。内側に雨水が浸入することで、建物の、断熱材にカビが発生したり、建物を構成している骨組みとなる木材が腐食してしまいます。

建物内部が腐食してしまうと、サイディング本体を張り替えるなど、大規模な改修が必要になり、コーキング補修費の数倍の費用が掛かってしまいます。費用を安くするためにも、定期的なコーキング補修が必要となることを覚えておきましょう。
断熱材カビ
雨水の浸入により腐食した構造体

3.コーキング補修を行なう上でのポイント

3-1.コーキング補修は屋根外壁塗装と同じタイミングがオススメ?

コーキングの補修を行う場合、屋根・外壁塗装と同じタイミングで行う方が多いのではないでしょうか?
それでは、金額的にみて、コーキング補修単体で行うのと、屋根・外壁塗装とのセットで行うのとでは、どちらがお得なのでしょうか?
足場の費用は約15万円~20万円なのですが、コーキング補修のみの場合であっても足場を設置することが多いです。もし、コーキング補修と外壁塗装を別で行うとなると、それぞれ15~20万円が費用としてかかることになり、余分な足場代金が必要になってしまいます。

もし、コーキング補修と屋根外壁塗装を同時に行うと、足場設置代が1回に抑えることができ、その分のコストカットを図ることができます。以上を考慮すると、コーキング補修と屋根外壁塗装は同時のタイミングで行うほうが良い、と言えるでしょう。とはいえ、コーキング補修の場合は約40万円、屋根外壁塗装の場合は約100~150万円、総額は大きく異なります。

「リフォームの費用は抑えたい」「コーキングは補修の必要があるが、外壁に特に大きな劣化症状がなくリフォームの必要性が低い」、とお思いの方は、コーキング補修のみで良いかもしれません。

3-2.DIYでのコーキング補修は危険

費用を抑えながらコーキング補修を行いたい。と考える場合、一番真っ先に出てくるのが「DIY(自分で補修を行う)」という方法です。
確かにDIYは費用を大幅に安くできる、というメリットがありますが、DIYでのコーキング補修は、大きなリスクが潜んでいることを理解しておきましょう。

【コーキング補修のDIYに潜むリスク】

●養生が上手く出来ず、仕上がりが汚くなってしまう。

●足場を組み立てずにはしごに登ったために、落下し怪我をしてしまった。

●コーキング材やプライマーなどの材料についての専門知識に乏しく、何を選べば良いのかがよいのかわからない。

DIYは滅多にやる機会が少なく、実際は不慣れな作業が多いです。そのため綺麗な仕上がりにならないなど、見た目が悪くなる危険性も高くなりますので注意しましょう。
綺麗な仕上がりで、コーキングの役割を十分に発揮するためにも、コストはかかりますが、業者に依頼することをおすすめします。

もしDIYにてコーキング補修を行いたい、という方は1階部分のみ、行なうようにしましょう。理由は、安全対策を十分に行なわないと、2階部分などの高所を行なうのが危険だからです。2階部分は、ヘルメットの装着や足場の設置、安全靴の装着など、安全面を十分に考えて施工しないと事故を起こす危険性が高い箇所です。そのためDIYを行なう際は、1階部分のみにとどめる必要があります。

最後に、業者に依頼した場合とDIYで補修した場合のメリット・デメリットを下にまとめましたので、ぜひ参考にして下さい。

施工方法 メリット デメリット
業者への依頼 ・プロが施工するため、DIYに比べきれいな仕上りになる ・DIYに比べ、高価になってしまう
DIYで補修 ・業者に依頼するのに比べ、安価で仕上げることができる ・キレイに仕上げるのが難しい
・十分な安全対策(ヘルメットの未装着など)を行なわないと危険

3-3.信頼できる業者に依頼するためのポイント

前節で説明したとおり、コーキングの補修は業者に依頼することをおすすめします。
補修業者の中には、コーキング補修を「増し打ち工法」で行うことで費用を抑え、見積もりを安く提示する業者もいます。

劣化しているコーキングを撤去せず、その上から新しいコーキング材を充填すると、コーキングの持つ本来の役割は十分に発揮されません。増し打ちと打ち替え、という2つの工法の違いを、消費者が理解していないのを良いことに、工法の違いや、性能の違いを説明せず、見積もりを操作しようとする業者がいますので、要注意です。

それでは、そのような業者に騙されずに信頼できる業者に依頼するためにはどうすれば良いのでしょうか。
一番は、「数社から相見積もりを取る」ことです。

相見積もりを取った上で、それぞれの会社がどのくらい細かく見積もりを記載しているか、また現場調査の際に、劣化の症状とそれに見合った正しい補修の方法を説明してくれたか、など確認し、依頼する業者を判断しましょう。

業者選びの際の注意点を詳しく知りたい方は下記の記事をご覧下さい。

外壁塗装でトラブルを防ぐ『業者選びのポイント』

3-4.増し打ちより打ち替えがオススメ!

既存のシーリング材の上にシーリング材を新しく打つ増し打ちは、確かに費用が安く済む、というメリットがあるのですが、危険な面もあります。

それは、打ち替え工法と比較し、新しく打ったコーキング材の厚みが確保できなくなる、ということです。コーキングは水の浸入を防ぐことを目的としていますので、水の浸入を防ぐためのコーキング材の厚みが必要となってきます。打ち替えの場合、その厚みを十分に確保することができますが、増し打ちの場合、もともとのコーキング材の厚みがあるため、どうしても厚みが確保できなくなります。そうなると建物の動きに追従するための強度や耐久性が発揮されず、ひび割れなどの早期の劣化につながります。

また、「まだ綺麗だし、増し打ちで十分だろう」と思っていても、表面は綺麗でも内部ではひび割れなどが起きていることもあります。
以上を踏まえると増し打ちよりコストが多少かかっても打ち替えを行なうことをおすすめします。

以下に、増し打ちの場合と打ち替えの場合のメリット・デメリットについてまとめました。

工法 メリット デメリット 耐用年数
増し打ち ・打ち替えに比べコストを抑えることができる ・耐久性に劣る
(既存コーキング材が劣化している場合劣化が早い)
3~5年程度
打ち替え ・新しいコーキング材に打ち替えるため長持ち ・増し打ちに比べコストがかかる 10~15年程度

まとめ

今回は、外壁のコーキング補修を行なう際の費用について、ご説明しました。
コーキングは建物への水の浸入を防ぐ、建物の動きを吸収する、など建物にとって非常に重要な部位です。だからこそ、定期的にメンテナンスを行なう必要がありますし、多少金額がかかっても業者に依頼し、品質の良い補修を行なってもらうことをおすすめします。

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