【基礎のひび割れ】注意すべき6つの劣化症状と効果的な補修方法まとめ

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基礎のひび割れ

マイホームの基礎部分にひび割れが!

住宅の耐震性に注目が高まる昨今、住宅を下から支える基礎にひび割れ(クラック)を発見したとあっては、大きな不安を感じてしまうのは当然だといえます。しかし、ひび割れにも様々な種類があり、基礎を補修すべき場合とそうでない場合があるのをご存知ですか?

もし補修のタイミングや劣化症状の見分け方を知らなければ、強引な営業により不必要な工事をすることになってしまうかもしれません。お家の基礎の状態をある程度ご自分でチェックできるようになっておけば、劣化具合に応じた適切な対処をすることが可能です。

そこで本記事では、基礎のひび割れに関する基礎知識や、補修の目安となる劣化症状の一覧、業者選びの際の注意点などをご説明させていただきます。この記事を読んで、基礎のひび割れ補修に関する正しい知識を身に着けてください。

1.まずは基礎のひび割れについて詳しく知ろう

劣化症状や補修工事の進め方などの詳しい説明に入る前に、まずは基礎のひび割れの原因や、ひび割れが引き起こす問題について詳しく解説させていただきます。

1-1.そもそも基礎のひび割れはどうして起きる?

基礎にひび割れ(クラック)が発生する主な原因は以下の通りです。

・乾燥収縮

基礎のひび割れの原因としてもっとも多いのは、乾燥によってコンクリート内部の水分が蒸発することで基礎が収縮する現象です。住宅の基礎のようにコンクリートが固定されている場合、乾燥収縮によって引っ張られたコンクリートが、耐えきれずひび割れてしまうのです。

・気温変化

コンクリートは温度が急激に下降すると縮む性質を持っており、その際に発生した力がコンクリートの引張強度を上回るとひび割れが発生してしまいます。夏場に施工された基礎などによく起きる現象です。

・不同沈下

地盤が弱い場所に建つ家で発生する可能性がある現象で、住宅が斜めに傾くことで基礎が建物を支えきれなくなり、ひび割れが発生してしまいます。程度によっては、日常生活に支障をきたしたり、住宅そのものが倒壊してしまう危険もありますので注意が必要です。

・地震

よほどの大型地震でもなければ、深刻なひび割れが発生することは少ないです。地震のあとに大きなひび割れが発生している場合は、基礎に何らかの問題がある可能性を疑ってみることをおすすめします。

・施工不良

コンクリートのかぶり厚さ(鉄筋から表面までの厚さ)の不足や、強度不足など、基礎を施工する際に問題があった場合にもひび割れは発生してしまう可能性があります。

・コンクリートの中性化

コンクリートは吸水性の高い素材であるため、雨や大気中の二酸化炭素に長い間さらされると内部のカルシウム化合物が中性化してしまう現象が起きてしまいます。鉄筋を保護していたアルカリ性のコンクリートが中性化してしまうことで、鉄筋が錆びて膨張してしまい、その結果ひび割れが発生してしまうのです。

 

1-2.放置すると鉄筋の錆や地盤沈下の可能性も

基礎に発生したひび割れを放置すると、どのような事態を招くのでしょうか?

まず最初に警戒しなければならないのは、ひび割れから雨水がコンクリート内部に浸入することで発生する鉄筋の錆。構造に影響を与えるほどではない幅0.3mm以下の「ヘアークラック」であっても、雨水の浸入は起こり得るため注意が必要です。

また、深刻なひび割れを放置すると基礎の強度が低下してしまい地盤沈下が発生する可能性があります。住宅の重量を基礎が支えきれなくなり傾いてしまうのです。後ほど紹介する重大な劣化症状に、あなたのお家の基礎が当てはまる場合は、まず業者に診断を依頼することをおすすめします。

 

1-3.耐震性への影響は?

やはり気になるのが、大型地震が起きた時の影響について。基礎に発生したひび割れは、住宅の耐震性に影響を与えるのでしょうか?

結論から言うと、幅0.3mm以下のひび割れが少し発生している程度では耐震性に大きな影響はありません。ただし、構造に影響を及ぼす恐れのあるひび割れが発生している場合はその限りではありません。深刻なひび割れを放置することで基礎の強度が低下してしまっている場合、大型地震が発生した際には最悪の場合倒壊の危険性もあります。もし、すでに住宅に傾きが発生してしまっているようであれば早急の対策が必要です。

 

2.基礎を補修すべきひび割れの種類一覧

ここからは、基礎を補修すべきひび割れの状態を写真付きで解説させていただきます。業者に相談する前に、ご自身でチェックする際の参考にしてください。

2-1.幅0.3mm、深さ4mm以上の「構造クラック」


画像出典:プロタイムズ仙台南店

幅0.3mm以上、深さ4mm以上の「構造クラック」と呼ばれるひび割れが発生している場合は、基礎を補修が必要です。構造クラックは「貫通クラック」とも呼ばれ、ひびが表面だけでなく内部の鉄筋まで届いてしまっている非常に危険な状態です。雨水の侵入によって鉄筋が錆びてしまうだけでなく、ひび割れが広範囲に広がってしまい、最悪の場合地盤沈下を招いてしまう可能性があります。換気口の角の部分に発生しやすいので、ぜひチェックしてみましょう。

また、ひび割れの幅を測る際は「クラックスケール」と呼ばれる道具を使用すると便利です。(写真参照)

クラックスケールはホームセンターなどで購入することができます。価格は数百円程度で、基礎だけでなく外壁のひび割れをチェックする際にも使用できますので、住宅のリフォーム・補修を考えている方は持っていて損はないでしょう。また、幅0.3mm以下、深さ4mm以下の髪の毛ほどの大きさのひび割れは「ヘアークラック」と呼ばれ、基礎の強度に直ちに影響を与えることはないとされています。

 

2-2. 同じ場所にある複数の微細なひび割れ

たとえ小さなひび割れであっても、限られた範囲内にいくつも発生している場合は注意が必要です。1m以内に3つ以上のひび割れがあるかどうかを目安とし、あまりに多くのひび割れが発生している場合は基礎の構造への影響が疑われるため、プロによる診断を検討してみた方がいいかもしれません。

 

2-3.基礎の高さいっぱいまで伸びているひび割れ


画像出典:プロタイムズ福岡北店

基礎を上から下まで横断して伸びているひび割れには注意が必要です。たとえ幅が小さなヘアークラックであっても、そのような場合は早めに補修を検討することをお勧めします。

 

2-4.水平方向に走るひび割れ


画像出典:プロタイムズ金沢駅西店・富山中央店

あなたのお家の基礎に発生したひび割れが、写真のように横方向に伸びていた場合、設計や施工に何らかの問題を抱えている可能性があるかもしれません。

1章でも述べた通り、基礎にひび割れが起きる原因としてもっとも一般的なのは、乾燥や温度変化によって生じるコンクリートの収縮です。ひび割れは縦方向に発生することが多く、そのほとんどが構造に影響を与えるほどではないヘアークラックです。しかし、横方向や斜めに伸びるひび割れは大きな力が基礎に加わることで発生します。

しっかりと施工された基礎であれば、多少地震が起きた程度ではクラックが発生することはありません。上記ようなひび割れがある場合は住宅の構造に何らかの問題がある可能性があります。信頼できる業者に一度相談してみるといいでしょう。

 

2-5.基礎コンクリートの破裂・滑落


画像出典:プロタイムズ東三河店

小さなひび割れを長期間放置してしまうことで発生するのが、基礎コンクリートの破裂・滑落です。ひび割れがどんどん広がってしまい、内部への水の浸入を防ぐことが難しくなってしまうばかりか、放置すると地盤沈下のリスクも大幅に増加してしまいます。基礎のひび割れがこの写真のような状態になる前に補修しておくことをおすすめします。

 

2-6.雨染みの発生

基礎のコンクリート内部に雨水が浸入していることを示すサインとしてもっともわかりやすいのが、ひび割れ周囲の雨染みの発生です。酷い場合は内部の鉄筋のサビ汁が溢れてしまっている場合もあり、基礎の強度への影響が懸念されます。そもそもコンクリートそのものには防水性がありませんので、ひび割れがない箇所にも雨染みが発生する可能性が十分にあります。

雨染みを未然に防ぐためには、基礎を塗装して雨水の浸入をシャットアウトする必要があります。基礎の塗装によるメンテナンス方法については、3章で詳しく解説させていただきます。

 

3.基礎のひび割れ補修の進め方

ここまでの内容で、基礎のひび割れに関する基本知識や、補修すべき劣化症状について説明してきました。もしマイホームの基礎がここで挙げた劣化症状に当てはまるようであれば、基礎の補修について本格的に考える必要がでてきます。そこで本章では、実際に基礎のひび割れを補修する際の流れや費用相場、自分で補修する方法までを説明させていただきます。

3-1.代表的なひび割れ補修方法

まずは、代表的なひび割れ補修方法を紹介させていただきます。基本的にはこちらで紹介する方法で補修していくのですが、業者に依頼しなければならない補修方法もあります。業者に相談する場合の予備知識としても役に立ちますので、ぜひご参考にしてください。

Uカットシール工法(Vカットシール工法)

Uカットシール工法とは、コンクリートのひび割れ部分を専用の電動工具(ディスクグラインダー)にU字型の溝入れカッターを使用してカットしたあと、その部分にシーリング材・エポキシ樹脂を充填し、モルタルなどを塗布して表面を整える工法です。幅の広いひび割れや、シーリング材が奥まで届かない深いひび割れに対応できる補修方法です。カッターの種類によって、Vカットシール工法などとも呼ばれています。

ビックス工法

ひび割れ表面に設置したパイプにゴム製の注入器を設置し、ゴムの圧力で長時間を掛けてエポキシ樹脂を注入していく方法です。幅0.1mm以下の微細なひび割れにも樹脂を充填することが可能です。


画像出典:http://www.netis.mlit.go.jp

アラミド繊維シートの貼り付け

アラミド繊維とは、タイヤや光ファイバーなどにも使用されている非常に強度の高い素材です。鋼材の7倍の引張り強度があるとされるこのシートを基礎の部分に貼り付け、その上からモルタルなどを塗布して表面を平滑にしていきます。軽微なひび割れの補修に使用するにはやや費用がかかりますが、耐震性の向上が大いに期待できる工法です。


画像出典:http://www.nippon-ec.com/

それぞれの補修方法が対応できる劣化症状と、おおまかな費用相場についてまとめたものが以下の表です。

補修方法 対応できる劣化症状 費用相場(m)
Uカットシール工法(Vカットシール工法) ひび割れ全般 4,000円~6,000円
ビックス工法 微細なひび割れ 10,000円~20,000円
アラミド繊維シートの貼り付け ひび割れ全般 20,000円前後

 

3-2.ひび割れ補修の流れ

基礎に発生したひび割れは、どのように補修するのでしょうか。施工の流れを、写真付きで解説させていただきます。

横方向にひび割れが発生しています。このようなひび割れは基礎に大きな力が加わった場合に発生する可能性があるため補修工事を実施しました。今回の補修では、幅の広いひび割れにも対応できる「Uカットシール工法」という補修方法を採用しています。

 

それでは、実際の施工の様子を見てみましょう。

まずは高圧洗浄によって、基礎についたコケ・藻などの汚れをきれいに洗い流していきます。

 

ひび割れ部分を専用電動工具を使ってU字型にカットしていきます。

 

U字型にカットした部分にエポキシ樹脂を充填していきます。

 

モルタルを塗布して表面を平滑に整えていきます。

 


画像出典:プロタイムズ金沢駅西店・富山中央店

基礎用の防水材を塗装することで、補修部分を目立たなくするだけでなくコンクリートが雨水を吸水することを防止することができます。内部の鉄筋を錆から守るためには、非常に重要な工程です。(基礎の塗装については、こちらの記事で詳しくまとめられています。ご参考にしてください)

 

3-3. ひび割れ補修の費用は1箇所あたり1~2万円程度

基礎のひび割れ補修工事の費用相場は、1箇所あたり1~2万円程度となっています。どの程度ひび割れが発生しているかによりますが、お家全体で10万円程度はかかると見ていいでしょう。ちなみに、工事期間はおよそ2~3日程度です。

 

3-4.自分で補修する場合のツールをご紹介

2章で紹介したような深刻なひび割れの場合は業者に相談することをおすすめしますが、表面の化粧モルタルが割れた程度のものであればご自身で補修することも可能です。以下で、ホームセンターなどで購入できる代表的な補修材を紹介します。

アサヒペン「コンクリート クラック・止水補修材」

画像出典:http://www.asahipen.jp/

ひび割れの上から塗布することができる補修用モルタルです。基礎コンクリートだけでなく、モルタル外壁のひび割れにも対応可能。すばやく固まるため、水漏れ防止に効果的です。インターネット販売価格は税込928円。

 

アサヒペン「ワンタッチ カベ用コンクリートひび割れ補修材」

画像出典:http://www.asahipen.jp/

ひび割れ箇所に直接中身を押し出して使用できる、パウチ容器の補修材です。誰でも簡単にひび割れを補修することが可能です。インターネット販売価格は税込585円。

 

インサル クラックシャット

画像出典:http://www.insulpak.net/product/icrack/

ひび割れ箇所にセメントを吹きかけるだけでヘアークラックを補修できる、スプレータイプの補修材です。非常に簡単に施工できるため、基礎に微細なひび割れが発生しても安心です。

 

4.基礎のひび割れ補修を業者に頼む前に知っておきたいポイント

最後に、基礎のひび割れ補修を業者に頼む際の注意点を紹介させていただきます。悪徳業者に騙されず、適正価格でひび割れを補修するためにぜひご参考にしてください。

4-1.基礎のひび割れ補修はリフォーム会社・塗装会社に依頼しよう

基礎のひび割れ補修は、いったいどんな業者に依頼すればいいのでしょうか。

基本的には、外壁・外構工事や耐震工事などを手掛けるリフォーム会社などであれば施工は可能です。防水性を高めるために基礎を塗装したい場合は塗装などの外壁リフォームを行っている会社を、基礎の本格的な補強工事を行いたい場合は耐震リフォームを行っている業者を選ぶといいでしょう。ホームページで施工事例などを確認し、専門的な知識を持った業者かどうか見極めることをおすすめします。

 

4-2.複数の業者に診断を依頼しよう

訪問販売業者などに多いのが、施主の不安を煽り不必要な工事を高額で受注させるケースです。微細なヘアークラックなどに過剰ともいえる工事を提案したり、ひび割れ補修だけでなく本格的な補強工事を提案してくることで高額の支払いが発生してしまう可能性もあります。

悪徳業者に騙されずに質の高い工事を行なうために、業者と契約する前に、まずは複数のリフォーム業者に基礎を診断してもらうことをおすすめします。業者によって診断結果や提案する工事の内容が異なる場合がありますので、それぞれを比較して信頼できる業者を選定しましょう。

 

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まとめ

ここまで、基礎のひび割れが発生する原因からご自分でできる診断方法、ひび割れ補修の流れまでを詳しく説明してきました。

もしあなたのお家の基礎にひび割れを発見した場合も、まずは焦らず劣化症状を確認し、必要であれば業者に診断を依頼しましょう。この記事が、少しでもあなたのお役に立てるものであったらなば幸いです。

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