和室で生活をしている方や家に和室がある方の中には、「和室で生活しているけど、ボロボロになってきているのでリフォームを考えている」、「和室があるけど使っていない」、「和室が物置になっている」という方もいらっしゃるかもしれません。
そんな和室をどうにかしたいという方に朗報です!
この記事では、より暮らしやすい和室やおしゃれな和室にする際に知っておきたい、費用や事例をご紹介いたします。
「和室をリフォームして、より楽しく過ごせるお部屋にしたい」という方はぜひご一読ください!
本記事でご紹介する和室の一部だけを洋室にリフォームすることや和室をよりおしゃれにリフォームすることで、もっと長く過ごしたいお部屋づくりをしてみませんか?
目次
1.生活空間を快適にする和室リフォーム3選!
和室は、日本ならではの木材を中心とした材料で部屋が作られているために「手入れが大変」、「劣化がひどい」という悩みをよく聞きます。
また、年齢とともに身体に合った生活スタイルが変わってきたために「座ることを中心としている和室の造りが生活に合っていない」といった悩みを耳にすることもあります。
そこでここでは、和室ならではの悩みを解決するために、一部だけ洋室にリフォームする3つの箇所別の例(費用・工事の期間)をご紹介いたします。
いますぐに解決したい和室の悩みがあるという方は、ご参考ください。
1-1.畳をフローリングにして、お手入れの簡単な部屋にする
和室のなかでも、お手入れが面倒と思われがちな畳。
畳のお手入れ自体はそんなに面倒ではないのですが、湿気や害虫などから守るためにも、半年に一度は日に干すことが望ましいです。
また、日常の生活の中でも、飲み物や食べ物をこぼした時の処理が大変といった手入れの難しい部分があります。
そこで、畳のメンテナンスや掃除を楽にしたいという方には、フローリングにリフォームすることがおすすめです。
畳をフローリングにリフォームするための費用平均は、20~30万円です。(部屋の広さや施工内容によって変わります)
工事にかかる期間は1~3日程度です。
20~30万円という費用に対して、驚いた方もいらっしゃったかもしれませんが、和室と洋室の構造は大きく異なり、畳の厚さとフローリングの厚さの差(約40mm)をなくしたり、補強をしたりするために下地の工事が必要になるので、このように費用がかかるのです。
ここでは、お手入れを中心に畳をフローリングに変えるメリットについて述べてきましたが、実はこのリフォームはお手入れが楽になるだけではないのです。それは、床の上に座る生活から、椅子などに座る生活へ、布団で寝る生活からベッドで寝る生活へ、と身体の負担を減らすことができるというメリットがあるのです。
「正座で座るのがきつい」、「布団で眠るのは腰に負担がかかる」という方も、リフォームをご検討されてみてはいかがでしょうか?
「畳をフローリングにしたい」、「もっと知りたい」という方は、「フローリングにリフォームする前に知っておきたいポイント」もご参考にしてください。
1-2.押入れをクローゼットにして、収納しやすい部屋にする
押入れは寝具の収納を目的として作られているために、衣類を収納しにくいことでお困りの方もいらっしゃるかもしれません。
そこで、押入れをクローゼットにすると、収納がしやすくなるのです。
押入れをクローゼットにリフォームする費用平均は、15~25万円です。
工事にかかる期間は、1~3日程度です。
クローゼットのドアには折れ戸タイプや開き戸タイプなどがあり、クローゼットの周囲の空間の余裕や好みに合わせて選ぶとよいでしょう。
また、押入れからクローゼットにかえる際の注意点ですが、クローゼットは非常に湿気のこもりやすく、衣類がカビの被害に遭わないようにするために、調室建材を設置してもらうようにすることをおすすめします。
押入れをクローゼットにリフォームするのなら、結局は床も壁もリフォームしないといけないのでは?と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、和室にクローゼットというのも意外と相性が良いのです。
押入れの部分をクローゼットにリフォームするだけで良いので、収納に困っているという方は、ぜひ検討してみてください。
クローゼットのリフォームについては、「[押入れをクローゼットに]リフォーム事例&費用をご紹介!」もご参考にしてください。
1‐3.和室の砂壁を張り替えて、汚れにくい部屋にする
■クロスの場合
砂壁をクロスに張り替える費用平均は、10万円前後です。
より機能性の高い、質の良いクロスを使用した場合はその分料金が上乗せになります。
工事にかかる期間は、1~2日程度です。
■珪藻土の場合
工事にかかる期間は、2~4日程度です。
■漆喰の場合
漆喰は、カビが生えにくく、珪藻土に比べると少し劣りますが、調湿機能や脱臭性能を持ち合わせているところが特徴です。
また、艶をもちつつも、さらっとしているので、高級感のある部屋にしたい方にはおすすめです。
砂壁を漆喰に塗り替える費用平均は、12~20万円です。
工事にかかる期間は、2~4日程度です。
砂壁を塗装するという方法もありますので、「砂壁を塗装する時に知っておきたい全知識」も参考にしてみてください。
快適な生活ができる空間にするために和室をリフォームする際には、お手入れのしやすさや、どんな部屋にしたいのかということを念頭に置いて、どんなリフォームをするのか決めると良いでしょう。
2.和テイストのおしゃれな部屋づくり、和室リフォーム3選!
せっかくリフォームをするなら、おしゃれな部屋にしたいという方もいらっしゃるでしょう。
ここでは、おしゃれにリフォームするためには知っておきたい、おしゃれな和室を部屋のテイストごとにご紹介いたします。
「洋室にリフォームしようと考えていたけど、住み慣れている和室の部屋のままでおしゃれにしたい!」という方におすすめです。
リフォームの程度によって費用は変動しますが、和室のリフォーム費用は平均25~50万円程度です。
部屋の造りを変える、高品質な素材を使用するといった大規模なリフォームを行なった場合の費用は、平均50~150万円程度かかることもあります。
2-1.素材を活かしたおしゃれ 和モダン
通常の畳の大きさの半分の2色の半帖畳を交互に敷き、畳の周りに床材を敷いたお部屋です。
畳や床材の素材を活かした、和テイストのモダンな造りとなっています。
障子の部分をプリーツスクリーンにすることによって、よりモダンさを醸し出すことができ、障子のように優しい日光の光を部屋に取り入れることができると同時に、全開にすることによって日光を多く取り入れることもできます。
プリーツスクリーンについては、和紙を使用した和室にぴったりな商品もありますので、部屋のテイストによってどのプリーツスクリーンを使用するかを決めると良いでしょう。
また、半帖畳については、通常の畳に対して縁がなく、半帖畳だけを敷いた場合は畳が大きく見えるため、部屋を広く見せることもできます。
和室に住みたいけど、インテリアにもこだわりたいという方におすすめの和室です。
2-2.ちょっぴり贅沢、ワンランク上の和室
ワンランク上の和室は、客間として利用したい方や、お部屋で過ごす贅沢なひとときを演出したい方におすすめの和室です。
縁のない半帖畳のみを使用したことによって、部屋全体を広く見せています。和室というと、こじんまりとした印象がありますが、部屋を広く見せつつ、外の光を取り入れることによって、開放的な高級旅館の客室に泊まったような気分を演出できます。
部屋を開放的に見せるためには、明るい色を基調とすることと、少し光沢感のある半帖畳を選ぶことがポイントです。
取り入れる日光を床から制限した範囲で取り入れることによって、昔ながらの茶室のような雰囲気を演出しています。
半帖畳の使用や外から光を取り入れるという同じことを行なっても、その方法によって、様々な演出ができるのがモダンな和室の遊び心をくすぐるポイントです。
和室の中の光源の位置や影のできる位置を工夫することで、雰囲気のあるお部屋を作ることもできますので、雰囲気も重視したいという方は、ぜひ様々な和室の写真を見て理想の影の位置なども考えてみてください。
2-3.落ち着きのあるシックな和室
和室の畳や壁などの一部に、黒などの暗めの色をワンポイント取り入れることで、落ち着きのあるシックな和室を演出することができます。
2-1の和モダンの和室や2-2のワンランク上の和室に落ち着いた暗めの色の机や座布団を取り入れることで、シックな和室にすることも可能です。
シックな和室にする際の注意点としては、部屋全体が暗くならないように、日光や落ち着いた光の間接照明を取り入れることもポイントのひとつです。
ここまで読んでいただいた方の中には、モダンな部屋の畳は半帖畳であることが多いことから、現在の和室の畳を半帖畳にリフォームしようかと検討されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
半帖畳には様々なグレードのものがあり、6畳の和室をリフォームした場合の相場は、10~30万円程度です。
このように費用の幅が大きいのは、紙・化学素材の半帖畳でリフォームする場合(平均12万円程度)と、い草を使用した本格的な半帖畳でリフォームした場合(平均30万円程度)で費用が異なるためです。
予算やどのような部屋にしたいのかということを考えながら、リフォーム業者や畳を選ぶと良いでしょう。
3.和室をリフォームする際に注意しておきたい3つのポイント
和室をリフォームする際には、部屋の構造や費用の面において、注意しておきたい3つのポイントがあります。
これらのポイントはリフォームの成功や満足度にも関わるので、「リフォームをする前に知っておいてよかった!」と思えるはずです。
3-1.開き戸を取り付ける際は、床の高さに注意をする
部屋を和室から洋室にリフォームする際に、襖だった部分に開き戸を取り付けようとされる方もいらっしゃるかもしれません。和室と洋室では床の構造が異なり、畳の厚さの分だけ床に段差が発生する場合もあります。
もしも、床の高さを調整する工事を行なっていない場合は、特に要注意です。
このため、襖を開き戸に変更する際には、床に段差ができていないかといった部分にも気を付けてください。段差があった場合には、開き戸のドアを開くことができないこともあります。そこで、ふすまから開き戸への変更を検討している場合には、敷居を変えることで設置することができる引き戸にリフォームすることがおすすめです。
和室のドアのリフォーム費用の相場は8~15万円程度です。
3-2.他の部屋との調和を考える
和室の中の部屋の一室だけを洋室にリフォームし、その部屋が他の和室とつながっている場合、部屋の雰囲気によってはバランスを考えないと片方の部屋が浮いて見えるようになってしまうことも。
リフォームの際には、調和を考えながらリフォームしたり、ふすまや障子を洋室にも和室にも合う引き戸に変えることによって部屋を区切ったりするといいでしょう。和室と洋室のバランスが取れているお部屋や、2部屋の間に仕切りとして引き戸を設置しているお部屋を紹介しますので、ご参考にしてください。
和室と洋室のバランスが取れているお部屋
和室の中に、窓や収納などの洋室の要素を取り入れることによって、和室と洋室のギャップをなくし、調和を図っています。
2部屋の間に仕切りとして引き戸を設置しているお部屋
和室と洋室の間に引き戸を設置することによって、和室と洋室を区切ることができるようにしています。必要に応じて、和室と洋室を区切ることができるので、使い勝手も良くなるでしょう。
4.快適な空間はDIYでもつくれる!
和室から洋室にリフォームすると聞くと、素人では難しそうだけど・・・と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、和室の一部をDIYすることによって和室を快適にすることもできるのです。
ここでは、DIYによって和室を快適にする方法を3点お伝えいたします。
4-1.和室の木部の汚れを取って、美しい和室にする
和室で一番気になるのは「汚れ」ではないでしょうか?特に、和室の木部の色が黒ずんできた、汚れてきたというのは、どの家の和室でも起こりうる経年劣化の一つです。部屋の一部だけでも汚れていると、気分も少しだけどんよりしてしまいますよね。
実は、この汚れの正体は木部が紫外線を浴びることによって染み込んだものなのです。
そこでここでは、和室の木部の色を新築同然にする「あく洗い」についてお伝えします。
あく洗いとは、「あく洗い」「しみ抜き」「日焼け落とし」「かび落とし」などの汚れの種類に応じて汚れを取り除くことを指します。従来は、水酸化ナトリウムを使用してあく洗いを行なっていたため、手の荒れなどが原因で専門家以外には難しい作業でした。
しかし、現在は家庭用に白木用の漂白クリーナーが発売されており、このクリーナーを使ってキレイにすることが可能になりました。白木用の漂白クリーナーを使用した汚れの取り方は次のような手順で行ないます。
①雑巾をしぼって、柱表面の手垢やその他の汚れが取れるまで柱をよく拭き取る。
②漂白クリーナーを指示通り混合し、付属のハケで柱に塗り、付属のブラシでこする。 画像参照:http://www.diy.or.jp/wasitu01 ③しぼった雑巾で拭き取る。 ④混合液をもう一度塗りつけて10~15分程度おいて軽く拭き取る。 |
上記の工程を何度も繰り返すことによって、柱の汚れを取ることが出来るのです。柱の汚れは、作業の直後よりも、乾いた翌日のほうがきれいになるでしょう。白木がきれいになった後は、表面を汚れや日焼けから保護するために、白木専用の水性塗料を塗るといいでしょう。
代表的な白木漂白クリーナーとしては、アサヒペンの「白木漂白クリーナースーパー」が挙げられます。
1,000円前後で手軽に試してみることのできる価格になっているので、汚れが気になるという方は、ぜひお試しください。
他にも和室の一部をきれいにして快適にする方法については、下記の記事も参考にしてみてください。
4-2.壁紙をDIYでクロスに張り替えて、おしゃれな部屋にする
我が家の和室の壁には汚れが染み付いている、という方もいらっしゃるかもしれません。経年劣化での汚れはどうしても避けられないものですよね。
そこで、和室の壁紙をクロスに張り替えておしゃれな部屋にする、という方法もあります。
クロスに張り替えるのは難しそうに思えますが、手軽にクロスの張り替えを可能にした製品も続々と発売されているので、今となっては意外とお手軽にできるのです。
クロスの選び方や張り替え方については、「壁紙のリフォームを大解説!壁紙選びの3つのポイント解説」をご参照ください。
4-3.クッションフロアを敷いて、お手軽に洋室化
和室のリフォームとして、1-1で畳からフローリングへのリフォームについてご紹介しましたが、部屋の雰囲気を変えたいという場合には、20~30万円という金額は大きな金額ですよね。
そこで、クッションフロアを畳の上に敷くことで、お手軽に和室を洋室風に変えることができるのです。
クッションフロアを畳の上に敷く費用は、平均1万円~3万円程度で、畳をフローリングに替える場合よりもはるかに費用を抑えることができます。
クッションフロアを敷くメリットとしては、費用が抑えられるだけでなく、マンションやアパートなどの賃貸物件に住んでいる方も、クッションフロアを一度敷いても退去時に元通りに戻すことができることが挙げられます。
「クッションフロアの敷き方はどんな方法なの?」という方は、「古い家をオシャレな内装に!初心者向けDIYリフォーム全集」や「【保存版】北欧風内装の作り方!おしゃれな事例と簡単DIY解説」をご参考ください。
4-4.障子を取り払って、明るい和室にする
和室のリフォームの要望として、多いものの中に「薄暗い和室を明るくしたい」というものがあります。
和室が暗く感じられる理由としては、引違い障子で光が入りにくいことや、畳や壁材の色が反射率50%程度になっており部屋が明るくなりにくくなっていることが挙げられます。
そこでここでは、引違い障子を取り払うことによって部屋を明るくすることをおすすめします。
障子を取り払った後に、そとから部屋の中を見えないようにしたいときはどうしたらいいのかとお思いの方もいらっしゃるかもしれませんが、「2-1.素材を活かしたおしゃれ 和モダン」でご紹介いたしました、プリーツスクリーンやブラインドを取り付けるといいでしょう。
障子を取り払った場合、障子がもっていた窓まわりの断熱効果の機能が失われるため、夏や冬の温度調整が難しくなります。部屋に取り付けるプリーツスクリーンやブラインドを選ぶ際には、断熱性などの性能も確認しておくようにしましょう。
プリーツスクリーンの費用は、平均5,000円~3万円程度で、使用素材やデザイン性、機能性などによって価格が変動します。
5.リフォーム業者選びの際に気をつけておきたい3つのポイント
5-1.見積りは3社から取って、適正価格でリフォームをする
リフォームをする際には、適正価格でリフォームをするためにも見積りは3社以上から取るようにしましょう。複数社の見積りを比較することによって、和室のリフォームの相場を知ることができ、適正価格でリフォームを行なうことができます。和室の一部だけのリフォームは10~30万円程度が相場ですが、リフォームの内容によって変動します。
5-2.見積書の諸経費は工事費用の10~15%になっているか確認する
見積書の中には、業者の水道光熱費や通信費、交通費、車両費などを含んだ諸経費(管理費、その他の経費と記載されることもあります)というものがあります。
この諸経費は通常では、工事費用の10~15%といわれています。
諸経費は、会社によって内容が変わってくるため、見積りを複数社から取った場合に、高いと感じた際には高い理由や何が含まれているのかを聞いてみると良いでしょう。
諸経費については、高いからといって悪徳業者と判断できるものではありません。
工事費などを含めた全体のバランスで確認するようにしましょう。
5-3.「一式」ではなく、詳細が記載してある見積書の業者を選ぶ
見積書の中には、内容が不明瞭な見積書もあります。
特に、工事を行なう部屋の広さなどの単位(㎡など)もまとめて「一式」と記載してある、「材工」といった記載が頻繁に使用されている見積書は、詳細がはっきりと記載されていないので、見積額にかかわらず要注意です。
また使用する商品などについても、商品名や商品本体の価格が記載されていない場合には、必ず内容を聞いて明らかにするようにしましょう。
まとめ
いかがでしたか?
本記事では、生活に応じて和室の一部をリフォームすることについてご紹介してきました。
和室のリフォームにおいては、①部屋全体のリフォーム、②部屋の一部だけのリフォーム、③元々の部屋に何かを追加したり、減らしたりするリフォームがあり、どのような生活をその部屋でしたいのかということを考えながらリフォームを計画するといいでしょう。
和室はリフォームの方法次第では、様々な部屋に作り変えることができ、過ごしやすい空間にすることができるのです。
せっかく作ったのに物置にしているのはもったいないと思われる方は、本記事を参考にぜひリフォームしてみてください。