古くなった自宅のお風呂をリフォームしようと検討していると、「ユニットバス」という言葉を目にするのではないでしょうか。ワンルームマンションやビジネスホテルのお風呂というイメージがありますが、最近の自宅用お風呂のリフォームでは、このユニットバス工法が主流になっています。
この記事では、気になるユニットバスへのリフォーム費用の相場と把握しておきたいユニットバスの正しい選び方のポイントをご紹介します。ユニットバスへのリフォームをご検討の方は、ぜひご覧ください。
目次
1. ユニットバスへのリフォーム費用と相場
リフォーム費用の価格帯は、50万円~150万円が中心です。ユニットバスの交換(リフォーム前もユニットバスで、リフォーム後もユニットバスの場合)ですと、100万円以内に収まるケースが多いです。
※1616サイズの場合
※1616サイズとは、浴室の内寸サイズのことです。坪数で言い換えると「1坪(約3.3㎡、畳2枚分)」に該当し、もっとも一般的なサイズとされています。
1-1.戸建て住宅のユニットバスへのリフォーム費用と相場
お風呂の工法には2種類あります。「ユニットバス」と「在来工法」のお風呂です。「ユニットバス」は、別名「システムバス」とも呼ばれ、お風呂を構成する床・浴槽・壁・天井・ドアなどを事前に工場で製造し、現場で組み立てるお風呂のことです。
在来工法のお風呂を、ユニットバスにリフォームする場合は、浴室全体での工事が必要ですので、90万円~120万円が相場で、広さを広げる必要があったりする場合はさらに金額は高くなります。
出典 lixil.co.jp | 出典 takara-standard.co.jp | 出典 toto.co.jp |
出典 sumai.panasonic.jp | 出典 housetec.co.jp | 出典 cleanup.jp |
リフォーム前工法別の費用相場
リフォーム内容 | 費用相場(中心価格帯) |
---|---|
ユニットバス→ユニットバス | 80万円~100万円※1616サイズの場合 |
在来工法→ユニットバス | 90万円~120万円※1616サイズの場合 |
注意しておきたいのは、浴室サイズです。このサイズが大きくなれば、費用も膨らみます。
サイズに関しては、第3章で後述しますのでそちらをご参考になさってください。
ちなみに「在来工法」は、床や壁をタイルで貼ったもので、各家庭に併せてレイアウトを自由に決められます。昔からある戸建て住宅では、ほとんどがこの「在来工法」で、こだわりの好きなデザインにすることが可能で、世界に一つだけのお風呂を実現できます。
1-2.マンションのユニットバスへのリフォーム費用と相場
マンションのユニットバスへのリフォーム費用は、戸建てと同じくらいの相場と考えてよいでしょう。
注意したいことは、マンション規約に記載されている工事内容の可否、手続き方法などを事前にしっかりチェックすることです。
管理組合や大家さんなどに迷惑が掛からないようにしましょう。
2. ユニットバスにリフォームするメリットとデメリット
リフォーム費用の相場を押さえたところで、ユニットバスにリフォームするメリットと、デメリットを整理していきましょう。
2-1.防水性、工事期間の短さと掃除の楽さ
ユニットバスの最大のメリットは「防水性の高さ」にあります。床と壁のつなぎ目を一体化させて製造されますので、水漏れの心配が極めて低いです。階下への影響を考えて、マンションではほとんどがユニットバスであることも、そのメリットを裏付けていると言えるでしょう。
他にも大きなメリットが2つあります。それは「工期の短さ」と「掃除の楽さ」です。
工期は約3日程度あれば完了します。最短で1日で終わるケースもあり、これだけ短いと、日頃の暮らしへの影響を最小限に食い止められますね。そして、目地などがないので、在来工法のタイルに比べてカビが目立ちにくいです。毎日おこなうお風呂掃除ですので、さっと終わらせられればとても楽です。
2-2.豊富なデザイン
各メーカーが、「豊富にあらゆるデザインの商品」を用意しています。在来工法に引けをとらない、オシャレで都会的なデザインのものや、バリアフリーをコンセプトにおいた機能的なものなど、多種多様です。
選ぶ楽しさもあり、ライフスタイルに併せてじっくりと検討したいところです。
2-3.デメリットがなくなってきたユニットバス
「規定のサイズの商品しかない」こと、これがユニットバスを選ぶ際のデメリットです。いわゆる既製品なので、浴室の形状に合わないユニットバスがある場合も考えられます。つまり、デザインや形状に制約があるのです。
ですが、浴室の広さ自体を拡げる工事が可能であればこの制約もクリアになります。実際にそのように工事をしてユニットバスが入るスペースを確保する方が多くなっていますし、記述の通りユニットバスのデザインもかなり豊富になってきました。以前に比べればユニットバスのデメリットは、なくなってきたと言っても過言ではありません。
2-4.在来工法からユニットバスへのリフォームという考え方
在来工法のお風呂は、レイアウト・デザイン・床や壁、そして天井と窓なども自由に思いのままに決められ、自分だけのお風呂を造れます。ただしこだわればこだわるほど、材料費は増え、200万円前後になる場合もあります。また注意したいのは、ユニットバスと比較して劣るその防水性です。水漏れを防ぐためには工賃と期間がさらに増えることも認識しておきたいところです。
そこで登場するのが、現在のお風呂の主流であるユニットバスです。お伝えしてきたメリット・デメリットを踏まえ、慎重に検討しましょう。
3. ユニットバスを選ぶ3つのポイント
ユニットバス商品を選ぶ基準は大きく分かれて、3つあります。それぞれのポイントを解説しましょう。
3-1.サイズから選ぶ
カタログやショールームでは、「浴室内寸の短辺×長辺をmm単位」で表示されている場合がほとんどで、「1216サイズ」「1616サイズ」などと表記されています。これは浴室内寸を上二桁で表しており、それぞれ1200mm×1600mm、1600mm×1600mmとなります。また既述の通り、坪数で浴室床面積を表す場合もあります。
ユニットバスのサイズ一覧
サイズ名 | 浴室内寸(間口×奥行) |
---|---|
1216サイズ | 1200mm×1600mm |
1316サイズ | 1300mm×1600mm |
1217サイズ | 1200mm×1700mm |
1318サイズ | 1300mm×1800mm |
1416サイズ | 1400mm×1600mm |
1418サイズ | 1400mm×1800mm |
1616サイズ | 1600mm×1600mm |
1618サイズ | 1600mm×1800mm |
1620サイズ | 1600mm×2000mm |
1621サイズ | 1600mm×2100mm |
1623サイズ | 1600mm×2300mm |
1624サイズ | 1600mm×2400mm |
1717サイズ | 1700mm×1700mm |
1818サイズ | 1800mm×1800mm |
メーカーによって微妙に差がありますが、ほぼ上記に該当します。
ご自宅の浴室のサイズを実際に測っておくか、入居時に手に入れた取扱説明書などで確認し、商品を選ぶ際の第一の基準としましょう。僅かな誤差がある場合は、各メーカーの営業スタッフやショールームで、質問をするとよいでしょう。近いサイズの商品が使用できるか、また工事が別途必要かなど個別に相談にのってくれます。
サイズ別の価格相場の目安としては、1616サイズに比べて1818サイズは、約2~3割程度金額が高くなります。オプション機能の種類や数によって、もちろんこの相場の金額も前後しますのが、あくまでも目安として認識しておくとよいでしょう。
3-2.追加オプションの機能で選ぶ
お風呂というのは、使う人のこだわりが多種多様にあります。ですので各メーカーには、さまざまな追加オプションが用意されています。特に人気なのが、「浴室暖房乾燥機」。機種により電気工事が必要なケースも発生しうるので、忘れずに営業担当者に確認をしましょう。そして最近ではめっきりスタンダートとなりつつあるのは「浴室テレビ」です。飛躍的な防水技術の進化で、地上デジタルアンテナを接続したテレビも手軽に楽しめるようになりました。こちらも電気関連工事について注意しておきましょう。
その他としては、お風呂自体の機能として、「ジェット風呂」「泡風呂」などがあります。いずれの場合も費用としては、プラス10万円~20万円程度と認識しておきましょう。
3-3.各メーカー別の人気のタイプで選ぶ
各メーカーの人気タイプから選ぶ方法もあります。それぞれどのような特徴があるのか、標準価格、追加オプションまで確認し、比較して検討をしたいところです。
主なメーカーの人気商品をご紹介します
(※詳細は各メーカーもしくはお近くのリフォーム店にお問い合わせください)
まとめ
ユニットバスへのリフォームは、100万円近くなる商品です。さらに浴室サイズや追加オプションによっては、200万円以上かかるケースも出てきます。ショールームでの調査や見積もり依頼は必ずおこなって、地元のリフォーム店と話を詰めていくことをお勧めします。
また、ご家族ともしっかりと相談をして計画をしましょう。心地よい空間を皆さんで共有できる、そんな素敵なお風呂を実現すべく、慎重にかつ楽しんでリフォームをしてくださいね。