自宅のベランダにあるウッドデッキ、木製のテーブル、椅子などが傷んでいたり、見た目が悪くなっていたりして、塗装をしたいと思っている方、外壁や屋根であれば業者に頼むべきだろうけど、これくらいの大きさなら自分でどうにかしたい、と思っている方も多いのではないかと思います。
本記事では、そんな自宅の木材製品をご自身でメンテナンスするための塗料と、選定方法、その使用方法をご紹介いたします。
この記事を読んでぜひご自宅の木材製品を綺麗に生まれ変わらせてみましょう!
目次
1.木材用の塗料の2つの種類
実際に木材を木材用の塗料で塗装してみよう!と考えたときに、どのような種類の塗料があるのか気になりますよね。
木材用の塗料に大きく分けて2種類あります。それは木材の内部に有効成分が浸透して効果を内から発揮する「浸透タイプ」と、塗料の膜で表面を覆って木材を守る、いわゆる「ペンキ」として知られている「造膜タイプ」です。
本章ではその2種類に分けてご紹介します。
1-1.木目の残る浸透タイプ
ひとつめは「浸透タイプ」と呼ばれるものです。特徴とお勧めの対象をお伝えさせていただきます。
【メリット】
・塗装後も木目が見え、木の風合いを失わないので、木材本来の美しさや手触りをそのまま楽しむことができる
・保護成分が木材内部に浸透し、内から効果を発揮する形で表面に膜はできない塗装が剥がれたり割れたりすることはなく、再塗装時の下地処理の手間が発生せず手間がかからない
【デメリット】
・保護成分の効果を持続させるために定期的な塗替えが必要である
【お勧めの対象】
・テーブルや椅子、ウッドデッキのように木材のもつ風合いや天然の色味がインテリアの一部となっているような身近な製品
購入した当初は木目も綺麗に出ており、木の色もあったのに、月日が経つにつれなんか白ぼけてきたな、と思う方もいるでしょう。その木目、色合いを塗りつぶすことなく復活させることができます。
1-2.木目の残らない造膜タイプ
もうひとつは「造膜タイプ」と呼ばれるものです。こちらも特徴とお勧めの対象をお伝えいたします。
【メリット】
・表面に膜を作ることで紫外線や雨、菌や害虫などの外敵から木材を守ることができるため長期に渡り保護効果を発揮する
【デメリット】
・色のついたペンキで塗りつぶすようなイメージのため木目は見えなくなってしまう
【お勧めの対象】
・家のドア
・軒天:庇(ひさし)の真下部分にある面
造膜タイプは人が歩行したり摩擦が生じたりする面では塗膜が剥がれる可能性がある為、外部にさらされていて、且つ人の歩行がない箇所に使用されます。
先ほども申し上げましたが、造膜タイプの塗料を塗ることで、木目は塗りつぶされ、色も変わってきますので、ガラッと印象が変わります。
木材そのものの風合いをそのまま大事にしたい製品には不向きと言えるでしょう。
2.木材用塗料を選ぶポイント
1章でなんとなく自分がメンテナンスしたい木材のものに合っている塗料が、浸透タイプか造膜タイプなのかがお分かりいただけたかと思います。ここではもう一歩踏み込んで木材塗料を選ぶ上でのポイントをお伝えします。
2-1.室内で使用する木材用塗料を選ぶポイント
①健康面に配慮したものを選ぶ
椅子やテーブルなど、室内用に使用する木材のものに塗装するのであれば健康面に配慮したいところです。
塗料の特徴として、「水性タイプ」であり、「安全性の高い」塗料であることが明記されているものを選ぶことをおすすめします。
②臭いの少ないものを選ぶ
室内に置くものとして、臭いは重要でしょう。特に椅子やテーブルに使用するとしたら、食事を行う場でもあると思います。
臭いが少ないものは低刺激でもありますので、①に記述した安全性の高さにも配慮したものとなっています。
③乾燥性に優れたものを選ぶ
塗料は液体なので、塗装後いくらか乾燥時間がかかってきます。室内の椅子・テーブルは生活上使用頻度の高いものですので、塗装後短い時間で使用できるようになるためにも乾燥が早いものを選ぶことをおすすめします。
以下製品は上記3点の条件をクリアした塗料ですので、ご参考までに。
【キシラデコールインテリアファイン(大阪ガスケミカル)】
食品衛生法、学校環境衛生基準などに適合した安全性の高い塗料であり、また微臭のため室内塗装に最適。
屋外木部用キシラデコールと同系色のため合わせて使用するのもオススメ。
画像出典:https://www.xyladecor.jp/products/xyladecor_interiorfine_topcort.html
【水性木部防虫・防腐ステインEX(アサヒペン)】
低臭タイプで優れた防腐、防カビ、防虫効果をもつ。
画像出典:http://e-shop.asahipen.jp/shopdetail/001003000073/001/003/X/page1/order/
2-2.屋外で使用する木材用塗料を選ぶポイント
次に屋外で使用する木材塗料を選ぶポイントです。
①耐候性の高いものを選ぶ
屋外で太陽光や雨風にさらされるため、耐候性に優れた塗料を選ぶことでメンテナンスの周期を短くすることができます。
②防腐、防虫効果のあるものを選ぶ
木材は金属等と違って、生物繊維素材であるため、何の処理もほどこしていないと腐りやすかったり虫に食われやすかったりします。よって防腐、防虫効果のある塗料で保護してあげる必要があります。
下記、屋外で使用する塗料のお勧めです。
【キシラデコール(大阪ガスケミカル)】
日光や風雨に強い耐候性顔料の効果で鮮明な色が長持ち、長期間木材を保護する。
木材の内部に浸透し、内部から防腐・防カビ・防虫効果を発揮する。
画像出典:https://www.xyladecor.jp/products/xyladecor.html
キシラデコールの記事はこちら!
実績No.1の木材用塗料「キシラデコール」人気色ランキングベスト10【PR】
【キシラデコールゴンゾラン(大阪ガスケミカル)】
屋外専用の木材保護塗料で、優れた防腐、防カビ、防虫効果をもつ。
色つきが良く、古材でも明るく仕上げることができる。
画像出展:https://www.xyladecor.jp/products/xyladecor_consolan.html
【油性木部防虫・防腐ステインEX(アサヒペン)】
優れた防腐、防カビ、防虫効果をもつ。
木目を生かして美しく仕上げることができる。
画像出典:http://e-shop.asahipen.jp/shopdetail/001003000072/001/003/X/page1/order/
3.木材用塗料の金額
木材用塗料の金額は性能によってピンキリですが、平均的な金額としては3~4Lくらいで5,000円~1万円前後です(1Lで3~5㎡ほど塗装することができます)。
参考までに2章でご紹介したお勧めの木材用塗料の製品ごとの金額を載せておきます。
用途 | 名称・容量 | 参考価格※ |
---|---|---|
室内用 |
キシラデコールインテリアファイントップコート 4L |
9,900円 |
水性木部防虫・防腐ステインEX
3L |
4,300円 | |
屋外用 | キシラデコール
4L |
6,900円 |
キシラデコールゴンゾラン
3.5kg |
7,500円 | |
油性木部防虫・防腐ステインEX
3L |
4,800円 |
※記載の金額はあくまで参考価格であり、購入先によって前後する可能性があります。
4.木材用塗料の購入方法
希望の塗料、金額がわかった時点で、次はどこで購入すれば良いのかというところが気になるかと思います。
ここではおすすめ度の高い順に購入先をご紹介します。
①塗料販売店
初めて塗装する方は特に、プロの施工業者も利用している塗料販売店で塗料を購入するのがお勧めです。
塗料販売店のスタッフは皆塗料に詳しいので、用途によって使用する塗料をお勧めしてくれますし、塗り方も教えてくれるかと思います。
【塗料販売店例】
・イノウエ塗料産業(福岡県)
画像出典:http://www.inoue-toryo.co.jp/company/office
塗料や刷毛などがこのように並んでおり、購入できるようになっております。
各県に塗料販売店はございますので、一度お近くの塗料販売店をインターネット検索してみてはいかがでしょうか。
②ホームセンター
昨今のホームセンターは非常に製品ラインナップが充実しております。
塗料だけでなく付随する必要製品(塗料を塗るためのローラーや刷毛など)も同時に揃えることができます。
また、最近ではホームセンター内に、DIY用のスペースを設置し、指導してくれる専属スタッフがいる場合もありますので、塗料販売店と同じくそのスタッフに相談することでより希望に合った製品を手にすることができるでしょう。
【DIYスペースの様子】
出展先:http://www.cainz.co.jp/diy_style/factory/
③インターネット
最近ではネット販売も主流になってきています。どの塗料を使うかが明確な方はネット購入が一番楽でしょう。
塗料販売店やホームセンターに行く前、または行った後にインターネットで調べて金額等をチェックし、安い方を買うというのも賢い手ですね。
楽天等の通販サイトでも購入できる塗料はありますし、塗料メーカーのサイト内で直接購入できるようにもなっております。
【塗料メーカー通販サイト例:アサヒペン】
出展先:http://e-shop.asahipen.jp/
5.木材用塗料の塗り方手順を解説
実際に塗料を手に入れたところで、早速塗装作業に入っていきます。ここでは例として、ウッドデッキを塗装する場合の準備物と手順をお伝えします。
【準備物】
ローラー
ローラーハンドル
刷毛
塗料(今回は屋外に置くウッドデッキに塗る塗料のため、木目の残る浸透タイプ且つ油性塗料を推奨)
トレイ
ブラシ
紙やすり
ブルーシート
軍手
汚れても良い服装
【必要であれば準備するもの】
マスキングテープ
①ウッドデッキはよく乾燥させておき、ブルーシートを引いた上に置く
周囲への汚れ防止のために、ブルーシートなどの養生をします。また全体を塗装するのではなく、塗装しない部分がある場合はマスキングテープで養生して塗料がつかないようにしておきます。また汚れても良い服装に着替えておくことも大切です。
②やすりをかける
ステンレスブラシ、紙やすり等でウッドデッキ表面について古い塗料や汚れを落とし、塗料を塗る前の下準備を行います。これをすることで塗料の密着、持ちもよくなりますので欠かせない工程です。
③塗料を準備する
缶に入った塗料をトレイに出します。缶のまま使用すると塗料がローラーに余分につきすぎてしまったり、塗料が揮発してしまったりするため、必要な分を少なめにトレイに出しましょう。
④塗料を塗る
ローラーによく塗料を染み込ませて塗ります。塗り漏れのないように、同じ方向に塗り進めていきます。ウッドデッキの足など塗りにくい部分は刷毛を使って塗っていきましょう。
⑤乾かして、二度目の塗装を行う
一度塗りだと色ムラがあったり色が薄かったりするので二度塗りが基本です。必要に応じて三度塗りを行う場合もあります。
⑥乾かして、完成!
塗り残しがないか確認し、規定時間乾かしたら(各塗料によって乾燥時間が変わってきますが、大体1日くらい)完成です。
⑦片付け
忘れてはならないのが塗料の片付けです。
注意すべき点として、今回のように塗装で使い終わったローラーや刷毛は、乾燥させて廃棄しましょう。
また残った塗料は保管する際にしっかりと蓋をし、直射日光を避けて保管してください。
いかがでしょうか?塗り方のコツがつかめるまで最初は慣れないかもしれませんが、意外と簡単そう、と思ったのではないでしょうか。
今回はウッドデッキの塗装方法を紹介しましたが、例えば椅子なども大まかなやり方は変わらないため、ぜひ身近なものを塗料でメンテナンスしてみてください。
ウッドデッキの塗装について詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。
6.次回のメンテナンス時期について
一度塗装でメンテナンスしたとして、次はいつすれば良いのだろう、と思われる方もいるかと思います。
木材に塗装した場合の次のメンテナンス(再塗装)の時期目安としては一般的に3~5年です。
またその他塗装のメンテナンス時期を見極める方法として、
・塗料が部分的に色落ちしてきた
・雨垢やしみなどで汚染が進んでいる
・カビが生えている
上記のような状態が見られた場合はメンテナンス時期だと判断していいでしょう。
まとめ
本記事では木材塗料について、塗料の選び方から購入先、塗り方手順、その後のメンテナンスについてお伝えしましたがいかがでしたでしょうか。
塗装する対象によって塗料を選び、しっかり準備をして実施することでご自身でも木材製品に塗装ができることがお分かりいただけたかと思います。
本記事が、木材製品を塗装でメンテナンスしたい読者の方々のお役に立てることを願ってまとめとさせていただきます。